第268話 来襲Ⅲ
「残念だったな」
「どこに行った!?」
俺は
「
俺がそう言ったと同時にマカロフ卿の体は大爆発を起こした。まるで地雷を踏んだの如く爆炎に巻き込まれるマカロフ卿。
しかし、体を硬化させていたのか、煙の中から出て来たマカロフ卿は、俺をギロリと睨むだけで特にダメージは受けていないようだった。
「鋼の体Ⅴがあるんじゃ話にならんな」
俺はマカロフ卿の頭上に30m級の岩山を落とした。
「どうだ?」
俺はその間にAA-12フルオートショットガンを繰り出して、次の攻撃を伺っていた。
すると何が起きたのか。岩山は真っ二つに割れるなりマカロフ卿はただならぬ殺気で俺を睨みつけていた。まあ奴の戦闘値なら岩山を真っ二つに破壊するくらい容易いか――。
やはり俺が奴にダメージを当てるのは銃撃しかない。圧倒的な手数で奴を蹂躙する――。
「ナリユキ・タテワキー!」
そう怒号を散らしながら俺に向かって突っ込んできたマカロフ卿。スペツナズナイフはホルスターにしまって代わりに持っているのはマカロフ卿の愛銃の――。
銃の形状が全然違った。マカロフ卿が持っているのは
「確かに俺にダメージを与えるにはちょうどいい武器だな」
そう思っているとマカロフ卿がコルト・パイソンを放ってきた。龍騎士との戦闘をしているから、弾道を見切ることくらいは容易い。
俺がそう思って避け切ったときにはすでにマカロフ卿の姿を無かった。そう意識が銃弾にほんの僅か0コンマ何秒という時間の間に――。
そう思っていると、
差し伸べられた魔の手――俺はマカロフ卿に向かってAA-12をぶっ放した。
重厚な銃撃音と共に繰り出される圧倒的火力の散弾銃。鋼の体Ⅴを持っているマカロフ卿の体でも流石に耐え切れず血まみれになっていた。
俺が距離を取ろうとしたその時だった。
ニッと不気味な笑みを浮かべる体中血まみれのマカロフ卿は手を伸ばしていた。
「そうはさせん」
怒り――。
憎しみ――。
嫉妬――。
様々な感情が入り混じったマカロフ卿の手――。直感的ではあったが、この尋常ではない感情の込められ方は、俺の唯一無二の弱点である脳を吹き飛ばすには十分だった。
さっきのように
そう思って咄嗟に出した
「何も起きない――」
一瞬光ったように見えたのは幻か? 俺がそう啞然としているとき、マカロフ卿が放ったデザートイーグルが俺の頭にクリーンヒットした。
いってえ――。
俺が不思議そうな表情を浮かべながらマカロフ卿を見ていると――。
「いつ死ぬか分からない恐怖をとくと味わうがいい」
その意味が分かった。マカロフ卿の
ヤバい――。
俺が焦っている表情を浮かべているのを見て、マカロフ卿は高笑いを始めた。
「フハハハハハ! とうとう貴様を殺すことができる! あとは、貴様が再生できないような威力にするだけだ。貴様の命はこの私が預かっているとでも言えよう。メリーザの恨み晴らさせてくれる」
「だから違うって!」
「ほざけ。しらじらしい」
参ったな。そもそも俺がメリーザにヴェドラウイルスをかけて何のメリットがある――まああるか。敵の回復要員を削ることができるもんな。にしてもメリーザは協力者だ。俺がそんな意味の分からん命令をする訳がない。
では、一体誰がマカロフ卿達に嘘の情報を流したんだ? まさかコードか? それとも
「今度は何の悪だくみを企んでいる?」
マカロフ卿はそうやって俺を睨みつけて来た。
マカロフ卿の
そして、マカロフ卿の足を止めるだけなら、
では、
くそ――分からないことだらけだ。
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