第183話 カルベリアツリーのダンジョン再攻略Ⅴ

「何かこうするの久しぶりだな」


「だね~」


 浴槽に響き渡る俺達の声。髪を結っているミクちゃんが俺に背を向けて座っている。


「ランベリオンさんもアリシアさんも疲れて寝ちゃったね」


「実際にめちゃくちゃ疲れるよ。ニーズヘッグめちゃくちゃ強かったし、その後に出て来た雑魚敵ももはや雑魚じゃなかった。本当にしんどい」


 俺がそう言いながらどさくさに紛れてミクちゃんの腰に手を回して、首辺りにもたれかかった。


「なりゆき君どうしたの? 今日いつに無く甘えん坊だね」


 と、嬉しい半分、恥ずかしい半分のような感情っぽい。


「ミクちゃんは俺の癒しだからな。たまには甘えさせてくれ」


 俺がそう言うと、耳の近くで力無く呟いたせいか耳の先が紅潮しているように思えた。いや――。もしかしたらのぼせているだけかもしれない。


「ん……」


 俺が首元を舐めるとミクちゃんは身体をびくっと動かした。もはや、今の声だけで普段食べないお米を食べてもいいとすら思う。いけるぞ、今なら二合くらいなら容易い。


「ここでするの……?」


 ミクちゃんはそう言って、俺の方に振り向きながら問いかけてきた。妙に色っぽい表情をしているので、案の定スイッチは入ってしまったらしい。まあ俺が入れたらからそうなるのは当たり前なんだけどね。


「どうしたい?」


「意地悪」


 ミクちゃんがそっぽ向こうとしたので、俺はミクちゃんの唇に俺の唇を重ねた。何度もやってもこの感覚は飽きない。細胞がまるで脳内で踊っているかのような高揚感。


 何度も軽いキスをすると、ミクちゃんは笑みを零していた。


「身体そっち向けるね」


「おう」


 ミクちゃんは身体を俺の方に向けるなり、俺の胸に飛び込んできた。背中に手を回してぎゅっとくっついてくれる。そして、当然だが頭を撫でる。いつもやっていることだが、俺は毎回頭を撫でたくなるし、ミクちゃんは笑みを零しているので嬉しいのだろう。毎回されてもミクちゃんに至っては、全力で喜んでくれているので、本当に飽きないだなと思う。まあ俺がキスをしたがるのと同じか。


「こうしていると一気に疲れ飛ぶからなりゆき君の存在大きいな」


「そう言ってくれると嬉しいよ」


 俺が顔を近づけると、ミクちゃんも顔近づけてくれる。が――。


「う――。しないの?」


 俺が寸止めしたもんだからミクちゃんはそう問いかけて来た。


 俺はミクちゃんの目をじっと見た後に再度キスをして舌を入れる。何度もしているせいだろうか。キスは特に意識をしなくても自然と舌の動きが絡み合うので、気持ちいいのは当たり前だ。


 一旦、ゆっくり離すと糸が引いていた。エッロ! と思ったのは内緒だ。


「一生離れたくない」


「俺もだよ」


 ヤバい。つい本心が漏れてしまった。内心恥ずかしすぎて穴があったら入りたい状態だ。何を言っているんだろう。案の定ミクちゃんはデレデレしてくれているからいいけど。


「不思議なんだよね。こうしているとどんなに強い敵が待ち受けていても立ち向かえるような気がするんだ」


「それは一緒だな。もはや運命共同的なところはあるって俺は勝手に思っているけど」


「私も一緒の事を考えていた」


「さあそろそろ上がるか」


「そうだね」


 俺がそう言うとミクちゃんも同時に上がった。お互いに身体を拭き合うという、幼少時の兄妹みたいなこともしている。


「ミクちゃん、前も細かったけどさらに細くなった?」


 Fカップの胸にきゅっとした腰。前も十分に細かったが、今はグラビアアイドルっていう表現は生温いくらいの腰をしている。


「気付いてくれた? これも筋トレしているお陰だね! 身長158cmで体重は44kgでウエスト53cmだったかな?」


「もはやプロじゃん――」


「なりゆき君が筋トレしているから、このままじゃなりゆき君と釣り合わない気がして――」


 と、不安気だが別に見捨てる気なんかサラサラ無いのにな。


「別にそんなに不安になることもないのに。ほら、髪乾かすぞ」


「うん。いつもありがとう」


 互いにバスローブに着替えたので、次はミクちゃんの髪を乾かすことに。変な話、ミクちゃんのサラサラの髪を触るのがものすごく好きという事もあるので、ドライヤーを乾かす時間がめちゃくちゃ好きだ。


「ほい」


「てんきゅ!」


 と、ミクちゃんは元気よく言った後、次はミクちゃんが俺の髪を乾かしてくれるそうだ。って言っても俺の髪なんか一分もありゃ乾くからな。


「ありがとう」


 俺がそう言いながらキスをするとミクちゃんは喜んでくれるのでwinwinな関係だ。まあ、嬉しいから最上級の俺の感謝なんだけどね。あと、ただキスしたいだけ。


 歯を磨き、そのまま2人でベッドイン。電気を消して、バスローブの中に手を這わせながらミクちゃんの胸を存分に楽しむ。


 胸で感じている事もあり、声を出したいけど出せないみたいなシチュエーションはミクちゃんの大好物。息もどんどん荒くなる。


「好き……」


 そう不意にミクちゃんの甘々声が炸裂した。俺の頭の中で超新星爆発ビッグバンを起こしたのは言うまでもない。


「俺も」


 俺はミクちゃんをぎゅっと抱きしめながら耳元で囁くと「あう……」と糞可愛い声を出すのはもはやお決まりである。いつまで経っても照れくれるので何て可愛い子なのでしょうか。


 その声で俺は野獣になってしまう。とりあえず好き放題に悪戯をするのは言うまでもない。首、耳元、脇、胸、足、最後はミクちゃんの局部を舐める。


 悪戯を続けていると、感じやすいミクちゃんは当然一度果ててしまう。どんどん力が抜けていく様が俺にとったら最大のご褒美であり、息を切らして余裕が無いミクちゃんがまた可愛い。


「大分疲れてるね」


「だって――」


 そう力無く呟くミクちゃん。もう何かもしているはずなのに、未だに顔を紅潮させているから、世の男性は嫌いになる訳無い魅力的な女性だ。若くて肌がきめ細かいってのもあるだろうけど。


「生がいい……」


 うわあ。それは反則級――。確かに最近ピルと同様の効果を持つ薬開発したけど。それをミクちゃんは服用しているけど! ヤバい心がザワザワしている。


「本当にいいの?」


「うん。生じゃなきゃ嫌だ……」


 そういや、生が良いっていう女性は、より彼氏からの愛されているという実感を味わいたい為って何かあったな。


「じゃあ遠慮なく」


「うん……」


 そう言って何気に初めて行う生。あまりにも気持ちよかった為、体位を色々変えて4回戦行った。もはや俺は猿かもしれない。そう思えるほど自分のありのままをミクちゃんにぶつけた。


 流石にお互いに疲れて、キスをした後抱き合ったまま直ぐに眠りについた。

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