第69話 漂流者Ⅰ
マーズベル湖の畔を馬車でゆっくりと移動しながら皆で景色を眺めていたところだ。ノアの近くに小鳥がたかっていた。
「お前、えらい小鳥に懐かれているな」
「報せてくれているんだ。ボク、マーズベルに来てからナリユキに魔物の調教を任されたよね?」
「ああ」
「そうしているうちに生き物の声が聞こえるようになってきたんだ。で、今小鳥が報せてくれたのは、もう5km程進んだところに何やら人が水に浮かんでいたらしんだ。今はタツオが引き上げているそうだけど」
「そうか。でも、人が入ってきたら
「え? そうなの?」
「そうだ。とりあえずベリトに聞いてみるか」
《ベリト。確認したいことがある》
《ナリユキ様。どうかされましたか?》
《ノアがマーズベル湖に人が入って来たっていうんだ。あいつ、俺達のような言語を話せない生き物でも、言葉を理解できるから、小鳥からそう報せがきているって言っているだ》
《私のところにへ入ってきておりません。妙ですね。警戒が薄くて申し訳ございません》
《いや、いいんだよ。とりあえず様子を見てくる。別に責めている訳でもない。別にチームの皆に注意する必要も無いからな。引き続き警備頼む》
《かしこまりました》
「ナリユキさん。やっぱり変ですね」
「そうだな。カーネル王、少し立ち寄ってもいいですよね?」
「勿論さ」
「恩に切ります」
俺はそう言うと、ランベリオン、ベルゾーグ、アリスさん、クロノスさんの4人は何やら顔をしかめていた。
「どうした? 4人とも」
「変だと思いましてね」
クロノスさんがそう呟いた後、ベルゾーグが続けた。
「
「ベルゾーグよ。うぬが
ランベリオンがドヤ顔で言っているが、このときの顔はわざと言ってボケをかましているときだ。
「使っておらん!」
「いや、漫才はしなくていいから。まあお前たちが言うならそうだろうな」
「可能性があるとすれば、
アリスさんに発言にクロノスさんがそうですねと呟き続けた。
「
「何やら不穏な気配がするね~」
そう軽く言っているカーネル王に、ルイゼンバーンさんとクロノスさんの表情は真剣そのものだった。
現場に着くと、桟橋の上に横たわる女性がいた。その横にはタツオさんがいて、手招きしている。ノアを残して皆でタツオさんがいるところに向かった。
長い耳と、短い銀髪、褐色肌が特徴的な
タツオさんが大きな布で彼女にかけてくれているから、素肌は見えない。しかし、布からはみ出ているつま先から脚にかけて所々傷がある。彼女の身に一体何があったのだろうか。
■名前:フィオナ
■性別:♀
■種族:
■称号:魅惑の暗殺者
■勲章:なし
■MP:13,000,000
■強さ又は危険度:S
■パッシブスキル
闇耐性Ⅴ:闇属性の攻撃を95%カットする。
鑑定士Ⅴ:対象者のプロフィールやスキルを全て視ることができる。
念話Ⅴ:対象者を思い浮かべることで、思い浮かべた対象者と頭の中で話し合うことができる。
硬質化Ⅴ:自身の身体を硬質化させることができる。
結界無効Ⅴ:結界内に侵入しても感知されない。
生命の声:あらゆる動物の言語を理解することができる。
■アクティブスキル
。
■ユニークスキル:
■アルティメットスキル:
成程な。えっちで強くなれるってやつね。なかなかヤバいスキル保有しているな。
「ミクちゃんはこの子が何のスキル持っているか分かったよな」
「分かりました。スキルがスキルなので物凄く訳アリなんじゃ」
「だよな」
「ナリユキ様。僕の
「勿論です。宜しくお願いします」
俺がそう言うとクロノスさんはフィオナの頭に触れた。一分ほどするとクロノスさんは立ち上がるなり神妙な顔つきになっていた。
「彼女はアードルハイム帝国から逃げ出してきた
そう――。衝撃の言葉をクロノスから告げられた。
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