4月30日(日)曇り 岸本路子と産賀良助その2

 GW2日目の図書館記念日。

 ただ、GW中は祝日が多いので、実際の図書館は休館日が多くなっている。


 そんな今日は天気が回復したので、午後から路ちゃんと出かける。


「GWだからかはわからないけれど、いつもより人が多い気がするね」


 しかし、今日もいつも通りウインドウショッピングになってしまったのは少し申し訳ない。

 昨日、明莉も言っていたけど、地元周辺で出かけるとなると選択肢が限られるので、同じような内容になってしまうのは少し申し訳ない。


「ううん。わたしはちょっと出かけるだけでも十分だから」


「そう言ってくれるのはありがたいけど、たまにはちょっと遠出してもいいんだよ? いや、僕が計画しろって話なんだろうけど……」


「全然そんなこと思ってないよ。それに今は勉強する方が大事だし」


「それでもこれからの休みでずっと勉強するわけでもないから……」


「そう言う良助くんはどこか行ってみたいところはないの?」


 そう聞き返されてしまうと……僕は困ってしまった。

 僕がデートプランをあまり立てられないのは、僕が元々外出しない人間だからだ。

 男女限らずどこかへ遊びに行く際は、他の人に誘われるばかりだから、自分で行く場所を考えるのが苦手なのである。

 付き合い始めた時点ではそこそこ頑張っていたつもりだけど、最近は路ちゃんに甘えてしまっていたようだ。


「……ごめん。僕が思い付いてから言うべきだよね」


「それを指摘したかったわけじゃないのだけれど……本当に行きたいところはないの? この近くで行ける範囲で」


「う、うん?」


「わたし、良助くんが言ってくれるならどこでも付いて行けるから」


 そう言った路ちゃんはなぜだか少し恥ずかしそうな表情をしていた。

 そんな言い方をするからには、路ちゃんは何かを想定しているのかもしれないけど……全く見当がつかない。

 それともこれは暗に行く場所を決めて欲しいというアピールなのだろうか。

 付き合い始めてから約4ヶ月で行くようなこの地域でも行けるような場所といえば……


「道の駅……とか? あのソフトクリームの種類がいっぱいあるっていう」


「…………」


「あっ、いや、別に路ちゃんとかけてみたとかそういうわけじゃなく……」


「わかってる……じゃあ、今度行ってみましょう」


 路ちゃんはそう言ってくれたけど、どこか肩透かしを食らったような感じだった。


 その後も頭の片隅で路ちゃんの意図を読み取ろうとしてみたけど……やっぱり思い付かなかった。

 何かあるなら言ってくれたらいいのにと思う自分がいるのと同時に、4ヶ月も続いたのだからそれくらい察した方が良いと思う自分がいるので、もっと精進しようと思う。

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