1年生3学期
1月6日(木)曇り時々雪 残り3ヶ月のいつも通り
1年生3学期の始まり。夏休みと違って冬休み中に学校へ行くことはなかったけど、約2週間の休みだったおかげか、始業式の体育館もクラスの教室もそれほど久しぶりな感じはしなかった。
今週の2日間はそのまま授業が再開され、三連休を挟んだ後の来週の月曜日には実力テストが行われる。残るテストはそれと3月頭のテストだけになるけど、この3ヶ月は日数が少ないから他の学期よりも更に早く過ぎていくはずだ。
「ねむ……」
そんな中でも松永は相変わらずのようだった。年末に会って以降もちょくちょく連絡は貰っていたけど、部活の集まりやら里帰りやらでアクティブに動いていたらしい。今日はその反動が出たのだろう。すっかりだらけ切っていた。
「ぼ、ボクも。や、休み明けるんだからもう少し早く寝ておけば良かった……」
それに続く大倉くんは年明けた後も何回かゲーム内でやり取りしているのでやっぱり久しぶり感はない。ただ、そこから個人で夜中まで楽しんでしていたようだ。
「二人ともそんな調子で大丈夫か? 来週には実力テストだぞ」
そして、終業式以来の再開となる本田くんは言い方は良くないかもしれないけど、いつもの調子を取り戻していた。それは冬休み中のメッセージのやり取りでも見て取れるものだったので、今日会う時は何も心配していなかったけど、実際になるとよりホッとできるものだった。
「この土日で何とかするからだいじょーぶ。それより冬休み中はなんやかんや予定合わなくて4人では集まれなかったから今月中にまたどこか行かない? 久しくカラオケもしてない気がするし」
「それは別にいいが……良ちゃん、何とか言ってやれ」
「松永、あんまりだらけてると伊月さんに言いつけるぞー」
「だから、その札を使うのは反則でしょ!?」
「じゃあ、シャキッとしなかったから今からあげるお土産はなしということで」
僕はそう言いながら京都で買ったお菓子を取り出す。教室で会いそうな人には配りやすい宇治抹茶味のキットカットを購入しておいた。
「おー! りょーちゃん、お土産なんて気が利くね! ありがたく頂戴します」
「あ、ありがとう。こういう限定のお菓子あるんだ……」
「良ちゃん、オレがおごる約束はまだ有効だから今度こそ遊びに行った時は何か言ってくれ」
三者三葉の感謝をされた後、僕らは暫くお土産トークで盛り上がった。新年新学期になってもいつもの面々は変わらない……と言いたいところだけど、2年生になってこの4人全員が同じクラスになるとは限らない。そういう意味ですぐに過ぎていく1年生の3学期は貴重な時間なのかもしれない。
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