9月27日(月)晴れ 明莉との日常その19 

 たまたま明莉と重なった体育祭振替休日。昨日は運動会の後に仲間うちの打ち上げをしていた明莉は午前10時までぐっすりと寝ていた。


「おはよー……りょうちゃん」


「おはよう。朝ご飯と昼ご飯分けて食べる?」


「とりあえずポタージュだけ飲む……」


 そう言われたので僕はインスタントのポタージュを用意する。普段は流石の明莉でもこれくらいは自分で作るけど、今日は疲れてるだろうし特別だ。


「ありがとー……あったまる」


「パン食べたかったら焼くよ?」


「おお。今日のりょうちゃんは福利厚生が充実してる」


「昨日がんばってたからね」


「それほどでもー あっ、活躍を称えて何かおごってくれてもいいよ?」


「そう言うと思って昨日の帰りにエクレア買っといた。コンビニのだけど」


「ええっ!? なんで早く言ってくれなかったの!? 冷蔵庫に入ってる!?」


 僕が頷くのを見る前に明莉は冷蔵庫へ向かって行った。朝ご飯は食べないのにそっちは食べるのかと思ったけど、やはりデザートは別腹なんだろう。


「ここのエクレア美味しいよねー それでりょうちゃんはあかりのどの辺りが活躍したと思ったの?」


「えっと……全体的に?」


「……りょうちゃん、まさか途中で寝てた?」


「そんなことはない。リレーとか大玉転がしとかでがんばってるは見たから。あと、原田さんも活躍してたね」


「まぁ、ちゆりんは爆走娘だからね」


「そんな風に呼ばれてるの?」


「ううん。今思い付いた。でも朝から見に来るとは思わなかったなー まっちゃんはとんだハリキリボーイだね」


 エクレアを頬張りながらそう言う明莉は頭のスイッチが入ってきたようだ。明莉に行くかもしれないと話していた後に松永から誘われたから明莉が僕が来ているのを把握したの家に帰って来た後だった。


「なんやかんやまっちゃんの彼女さんのことまだ見たことないんだよねー 伊月さん、だっけ?」


「うん。まぁ、3年生で部活も違えば知り合う機会なんてほとんどないだろうし」


「いやー 体育祭の練習中ならワンチャンあったから見とけば良かったなぁ。完全に忘れてた」


「そんなに気になるの?」


「そりゃあ、一応まっちゃんは昔馴染みの一人だし……もしかして伊月さんの写真とか持ってる?」


 いくら知り合いでも僕が持っていたら色々と問題だ。いや、何故か伊月さんの方は僕の写真を撮っていたけれど。


 そんな風に話していると、明莉はエクレアを完食していた。


「ご馳走様! りょうちゃん、お昼ご飯は何?」


「ばあさんや、今食べたばかりじゃよ」


「えー!? 今のは10時のおやつじゃないの!?」


「懐かしい響きだ。何作ろうかな……」


 祝日じゃない日の休みは何だか特別感があるけど、そんな日に限って案外普通の休みを過ごしたりする。そう感じた日だった。

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