1年生2学期
9月1日(水)曇り 懐かしさといつも通り
9月が始まり、学校生活が再開する日。校舎自体は部活で訪れていたから懐かしいとは思わなかったけど、教室について自分の席に座ると、ああこんな感じだったなぁと思ってしまった。
それから始業式が終わると、そのまま授業が始まる。明日は実力テストで、それ以降も体育祭、文化祭と続いていくから少しでも授業を進めておく必要があるのだろう。夏休み中は自分で勉強するばかりだったから先生に教えられる感覚もまた久しぶりだ。
「ねむ……」
休み時間に入ると、松永はぐったりしながらそう呟く。新学期早々これでは先が思いやられるけど、体育祭では色々張り切りそうだからそういう意味では一番元気な学期になるかもしれない。
「ま、松永くんも……?」
それに続いた大倉くんは対面するのは久しぶりだけど、ゲームや通話でやり取りしていたからそれほど久しぶりな感じがしない。昨日、僕は早めに寝ておいたけど、大倉くんはいつも通り夜更かししてしまったんだろうか。
「そんな調子だと明日のテストに足をすくわれるぞ」
二人にそう言った本田くんはなんやかんや夏休み中に連絡や会う機会が多かった。でも、遊びの時はそれなりにラフな感じだったから、制服を着ていると最初の印象である真面目な本田くんが帰ってきた気がする。
「りょーちゃんもボーっとしてるし、眠いんじゃないの?」
「眠くないよ。それより本当に明日のテスト大丈夫か?」
「明日は明日の風が吹くって言うじゃん?」
そんな風に相変わらずな話をしていると、感覚を忘れたとか懐かしいとかはすぐに思わなくなるのだろう。新学期らしい空気を感じながらまた学生生活が始まった。
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