共に走ってきた二人の自転車乗り。彼らの魂はどこまでも高く、遠くへ――

唯と風斗。風斗が生まれた時から、二人はまるで運命に導かれるように魂が惹かれ合い、共に走る、かけがえのない仲間でした。

交通事故で致命的な傷を負い、一度は自転車を断念した唯は、憧れの選手であった史也の息子・風斗の誕生をきっかけに、再び自転車の道を志すようになります。
思うように動かない体を押して、苦難の道を進んでいく唯。でも、風斗がそばにいる。
風斗は生まれた時から、まるで野生動物からある種の力を与えられたような、不思議な少年。
また、風斗の母・凛は、唯が思いを寄せていた看護師。

「家族」であり、「自転車仲間」である四人のチームの繋がりは、何よりも強く、美しい。
彼らの思いは、魂は、どこまで走り、どこまで空を超えてゆくのか……。
気高い命の愛を、教えてくれるような物語です。
崇高さに、心が洗われていくのを感じます。

風と共に生きる魂の輝きを、ぜひ、この作品で体験してみてください。