十一月三十日 絵本の日

 昭和六十一年(一九八六年)十一月三十日、瀬田貞二の著書「絵本論」が前年に出版されたことに因み、「絵本と図鑑の親子ライブラリー ビブリオ」(三つの小児歯科が運営する「医療法人元気が湧く」が母体)が「絵本の日」として提唱し、一般社団法人 日本記念日協会の認定を受けた記念日。


 医療事業と文化事業がタッグを組んで「こどものココロとカラダの健康を創造すること」が目的であるらしい。

 絵本を通じて想像力、感性、言語力を育み、更には社会的、文化的、教育的観点から絵本の重要性を広く認知、普及させるという活動に勤しんでいるそうだ。


 同団体の公式サイトでは、毎年「絵本アワード」なるコンテストを開催しているようだ。

 今年で第六回となる「絵本アワード in FUKUOKA 2022」応募期間が明日十二月一日から来年の六月三十日まで設けられている。


 カクヨム児童文学派としては放っておけない企画だが、オリジナル作を発表するというよりは、既存の絵本で「思い出深い作品を原稿用紙二枚分程度で紹介する」といった趣旨のようだ。

 なんだあ〜、オリジナル作品を募集するわけじゃないのかあ〜と少し残念な気になったが、紹介文が選ばれると寸志が用意されているもようだ。主催者の取り組みに対する本気度が窺える、ある種嬉しい企画である。


 余談だが、瀬田貞二といえば児童文学作家であり、海外児童書の翻訳家としても名が知られている御仁で、有名どころで言うと「ナルニア国物語」や「指輪物語」「ホビットの冒険」、「三びきのやぎのがらがらどん」「おおかみと七ひきのこやぎ」等々数多くの翻訳を手がけていたりする。

 また、「かさじぞう」「三びきのこぶた」「わらしべ長者」といった昔ながらの民話の再編なんかも残している。

 私の幼少期の愛読書は、この人(と主に岩波書店)が居なければ成立し得ない大変お世話になっている御仁である。

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