【書籍化】おっさんと超古代文明〜巻き込まれて召喚され、スキルが言語理解しかなくて追放されるも、超古代遺跡の暗号を解読して力を手にいれ、楽しく生きていく〜
EX.14 新しい日常(ユウキ・コウノSide)
EX.14 新しい日常(ユウキ・コウノSide)
おじさんに連れてこられた町はまさにファンタジーという言葉ふさわしいほどに様々な人種の溢れた場所だった。
召喚されたヒュマルス王国は殆どが人間だけで、数少ない人間以外の種族は奴隷やスラムの住人など、扱いが低い者しかいなかった。
しかし、ここはどうだろうか?
獣人も魔族も、エルフもドワーフもどの人種の人々も生き生きとして生活し、差別をしている様子を感じさせない。
とても自由な国であることが生活している人を見るだけで理解できた。
宿に連れてこられた俺たちは、そこでおじさんから三カ月という猶予を貰った。三カ月の間に自分の今後を決めるようにとホテルを三カ月間提供してくれたんだ。
今にしてみれば酷い言葉を投げかけたり、蔑むような眼で見た俺達に対してそんな風に優しくする義理なんてないはずなのに、俺達を地獄から助けてくれた上に、最高級のホテルで何不自由なく今後の生活を考えられるだけの時間をくれた。
感謝で言葉もないとはこのことだろう。幸い寝床と食事はホテルで出してくれる。
まずこれからこの街で生活していくうえで、この街がどういうところなのか知る必要がある。おじさんがホテルを通して手配してくれたので、この街で活動するために必要な物はすでにそろっている。
それに俺たちは仮にも召喚されてチートを与えられた人間だ。冒険者の街というくらいだから冒険者ギルドはあるんだろう。そこで依頼を受けながら情報を集めるのがよさそうだ。
冒険者が肌に合わない者達にはまた違った側面からこの街について調べてもらっておこう。
それから数日、俺達は冒険者として活動し、Aランクという高ランクゆえに元々この街で活動している冒険者達にも受け入れられ、おじさんの知り合いということで様々な人から声を掛けてもらえた。
そのおかげで冒険者以外の道もある程度他の皆に提示できるようになったと思う。商人や役所の事務員、宿屋の従業員、冒険者ギルドの職員等々、おじさんとリンネさん?というおじさんの彼女の知り合いならってことで困ったら連絡しろと言われている。
それに皆唯一の同郷の友人たちだ。出来るだけ意に添うような仕事につかせてあげたい。それまでは俺達が冒険者をやりながら支えていければと思う。
「光野君」
そんな風に状況が動いて一定の方針が決まった日に、今日の活動を終えて地元の冒険者パーティ達と打ち上げしている所におじさんが俺達の所にやってきた。
最初に会った時とはまるで違うその鍛え抜かれた体に、おじさんの苦労が目に見えるように浮かぶ。俺達とは比べ物にならない修行をしたに違いない。
そんなことよりおじさんの用件は、俺たちの様子見とヒュマルス王国の顛末を俺たちに教えることだった。
ホテルのバーを貸切って飲みながらヒュマルス王国でやってきたことを面白おかしく話してくれるおじさん。
俺達がおじさんがヒュマルス王国にやったことをされたらもう生きていける自信がないけど、あの憎い貴族や王族の連中がその仕打ちを受けたと思うと、胸がスッとした。
それから俺たちはおじさんがしてきた冒険の話を聞いた。近未来的な宇宙船。山のようにでかいマンモスのツヴァイトギガントホーンの討伐。山より大きな木である世界樹。秘密の場所にある無限のように本が収められた図書館。モフモフ溢れる獣人の国。山をそのまま城に変えてしまったドワーフの国。
そこにはまさに男のロマンが溢れていた。俺はそれが羨ましくなった。
クラスメイト達の進路がひと段落したら、仲間を誘って旅に出てみるのもいいかもしれない。できれば丸宮さんを誘って一緒行けたらと思うけど、どうだろうか。
まだまだこの世界は見たことがない場所だらけだ。今は王国のひも付きでもなくなったわけだし、俺達は自由だ。
どこにだって自由にいける。
その分、自分で責任をとる必要があるけど、それは仕方ない。
いや、やっぱりみんなが落ち着いたら旅に出よう。
このファンタジー溢れた世界を見に行くんだ!!
俺たちの冒険ファンタジーはこれからだ!!
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