劉裕（りゅうゆう）、姚泓（ようおう）を滅ぼす！

このニュースを聞き、沮渠蒙遜（そきょもうそん）は激怒。

配下の劉祥（りゅうしょう）という人が、

そこまで怒るほどのことでも……

と宥めにかかれば、今度は

「“劉裕”が来てんのに……

　ナニ“チョーシ”くれてんだよぅ……？」

と、“鏖（コロ）”してしまった。

！？

それから、あたりを見回して、言う。

「昔から“木星（ジュピター）”と“土星（サトゥルヌス）”が到達した場所（トコロ）は

　“不可侵領域（アンタッチャブル）”になんのが“運命（サダメ）”……

　姚（よう）氏は舜（しゅん）、つまり軒轅（けんえん）の子孫……

　“土星”が軒轅にかかってんナ……？

　“劉裕”の野郎（ヤロー）も、長くは関中に

　“留まり”切れねー、ってコトかよ……？」

“ビキィッ！”

！！？

沮渠蒙遜は 401 年に自立して後、

411 年に王を自称。

420 年の劉裕即位には遣使をなし、

その死亡は、433 年。66 歳だった。

在位期間、実に 33 年。

息子の沮渠茂虔（そきょもけん）が後継ぎとして立ったが、

６年後には北魏（ほくぎ）に捕らえられ、

合計 39 年で、滅ぶのだった。

蒙遜聞劉裕滅姚泓，怒甚。門下校郎劉祥言事于蒙遜，蒙遜曰：「汝聞劉裕入關，敢研研然也！」遂殺之。其峻暴如是。顧謂左右曰：「古之行師，不犯歲鎮所在。姚氏舜後，軒轅之苗裔也。今鎮星在軒轅，而裕滅之，亦不能久守關中。」蒙遜以安帝隆安五年自稱州牧，義熙八年僭立，後八年而宋氏受禪，以元嘉十年死，時年六十六，在偽位三十三年。子茂虔立，六年，為魏所擒，合三十九載而滅。

蒙遜は劉裕の姚泓を滅せるを聞き、怒り甚し。門下校郎の劉祥は事を蒙遜に言わば，蒙遜は曰く：「汝は劉裕の入關を聞き、敢えて研研然たるや！」と。遂に之を殺す。其の峻暴なるは是の如し。顧みて左右に謂いて曰く：「古の行師、歲鎮の在せる所を犯さず。姚氏は舜が後にして、軒轅が苗裔なり。今、鎮星は軒轅に在り、裕の之を滅せるも、亦た久しく關中を守る能わざらん」と。蒙遜は安帝の隆安五年を以て州牧を自稱し、義熙八年に僭立す。後八年にして宋氏は受禪す。元嘉十年を以て死す，時に年六十六、偽位に在ること三十三年。子の茂虔が立つるも、六年に魏に擒わる所と為り、合せて三十九載にして滅ぶ。

（晋書129-2_衰亡）

俺の中の“武丸”クンが“疼い”てナ……？

何なんスカねぇ、この時代“武丸”クン多すぎじゃね？　まぁそれだけ強引に集団引っ張れるくらいの人間でなきゃ勝ち残れなかったって側面は絶対にあると思うんですけど。いわゆる「暴君」（ただしクッソ有能）のみが生き残れる世界。……やっぱ修羅の国だな五胡十六国……。

ともあれ、これで宋書列伝は終了です。ほんとはこっから晋書に行こうと思ったんですが、一周目で盛大に逃げた武帝紀に載る詔勅上表類に、こっから泣きながら挑戦してこうと思います。正直すでに逃げたい気満々なんですが、まぁ、やらないことにはどうしようもないので。

ではね！