第9話
ナレーションが終わりと何もなかったように本が床に落ちる。
「ん?なんだぁぁ!??」
テレビで仕掛けられたドッキリみたいなリアクションをするが誰も入ってこなかった。
「ちょなにごとだよぉ」
脳内に言葉が聞こえてきたことに疑問をもってしまう。
本が床に落ちることよりも聞こえたナレーションの方がインパクトが強いためか、そっちの方が気になるようだ。
それゃそう考える人の方が多いだろう。
今見えることより自分におきたことの方が怖いに決まってる。
それも意味がわからない言葉でもある。
まぁ普通の人間はそんな言葉聞こえるはずなどないだろうし、それも想像すら出来ない。
「誰なんだ? それに異世界に行ける権限だって? 意味がわからねぇよ」
目を細めながら言う。
冷静になって考えてもやはりおかしい。
まず異世界にいけるってどうようことなんだ?
誰かアニメでも近くで見ているのか?それとも疲れすぎて幻聴でも聞こえたんだろうか?
まぁ近くでアニメを見ていることはほぼ無いに等しいだろう。ピンポイントでその言葉だけ聞こえるなんてことはないからな。
そう思うと頭を悩ませる。
「はぁ俺も疲れすぎているんだろうか?ちょっと休んだ方がいいかもな」
そう思い、寝室に向かうため階段を下ろうとする。
すると再度、頭にナレーションが聞こえてきた。
(異世界に行かなくても大丈夫ですか?)
そうナレーションが聞こえてくる。
「うわぁあ」
と尻もちをついてしまう。
何度やられてもビビるもんはビビってしまうようだ。
普段はここまでビビらないのにどうしてだろうか…
「おいおいこれも幻聴なのか??」
そう言うが返事が返ってくるはずもない。まぁそんなことはわかっているが。
そう思うと一つの疑問が浮かんでくる。
幻聴にしてはタイミングもピッタリなのはどうしてなんだろう?
普通は本が浮かんだで落ちた瞬間にナレーションがなるもんではないよな…
さらにここにはそれと同等ぐらいの物が置いているし…
「まさか本当に異世界があるのか??」
本当に異世界があるのだとすると全て疑問が解決する。
「まぁ何もなかったら何もないでいいし、一回答えてみようかな…でもどうやって答えるんだ?」
そう思うとナレーションが聞こえてくる。
(異世界へ行きますか?)
今さら思うが現実離れしてるな…そう思うが行けたらなという興味から言葉を放つ。
「行きます!」
その瞬間、目の前がどんどん明るくなっていく。
「眩しすぎるだろ」
そう目を瞑りながら言う。
そして全体が眩しくなる。体も無重力の中にいるようだ。
そして眩しさがなくなると思うと目を開ける。
目を開けた先には草原が広がっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます