第8話 琵琶湖大戦争勃発!? 壬申の乱

 前回、中大兄皇子が百済を救うために出陣したのですが、白村江の戦いにて惨敗! しかも、唐の怒りを買うことになってしまいました。


 国家存亡の危機にたたされた中大兄皇子は、国防に翻弄されながらも、唐と戦うために中央集権体制の成立を進めました。


『日本VS唐』の戦いはどうなのでしょうか!?


 あれ? なかなか唐が攻めてきません。


 実は白村江の戦い以降、海の向こうの大陸では、情勢が少し変わってきたのです。 

 百済を滅ぼした唐と新羅ですが、その関係は対等なものじゃありませんでした。


唐「日本の奴。律令制度を教えてやったのにさ、攻めてきてムカつくよな!」


新羅「唐さんの言う通りっすよ! 今度、とっちめてやりましょう!」


唐「それよりも腹減ったな。おい、新羅! ちょっとメロンパン買ってこいよ!」


新羅「はい! 唐さん! すぐに買ってきます!」


 このように、力関係は唐の方が上だったのですね。


 しかし、戦争が進み唐&新羅がどんどん侵略していくと、新羅の朝鮮半島統一が現実的になってきて、更に新羅自身も力をつけていきます。

 

 そして……


唐「なんか腹へったな! おい、新羅! ちょっと肉まん買ってこいよ!」


新羅「肉まんくらい、自分で買ってこいよ!」


唐「えー(;゚д゚)」


 このように力をつけた新羅は唐に歯向かうようになったのです。


 やがて唐と新羅は対立するようになり、唐VS新羅の戦争へと発展しました。


唐「新羅と争ってる時に日本を攻めるべきじゃない! ていうか、逆に日本が攻めてきたらやばくないか? ここは日本と仲直りしよう」


 日本と和睦する事にした唐は、使者を送りました。


唐「日本のひとー、いやーごめんねー。捕虜も返すからさ。また、前みたいに仲良くしようよー」


 日本と唐は仲直りして、中断していた遣唐使も再開する事になりました。


 こうして何もしなくても国家存亡の危機は去りました。


 中大兄皇子もとい天智天皇が焦って都を移したり、戸籍制度を作ったりしましたが、一体なんだったのでしょうか?



【琵琶湖大戦争勃発!?】

 国防の為に九州のガードを固めたり、滋賀県に都を移したり、戸籍制度を作ったりして、天皇を中心とする中央集権化を押し進めた、中大兄皇子もとい天智天皇。


 その評判はかなーり悪化していました。というのも……


豪族A「天智天皇って色々やったけどさ、白村江の戦いで負けたからだよね」


豪族B「国防の為とか言って、急に宮殿移してさ。引っ越し大変だったらんだから! 最初から出兵なんてしなければよかったんだよ!」


豪族C「色んなもの変えすぎて、俺達振り回されてるよね。天智天皇、ムカつくー」


 こんな感じで、周囲の人々は不満がつのるのも、当然といえます。 

 

 百済を救うという大義名分があったとはいえ、白村江で惨敗したうえ、唐から侵略されるかもしれリスクを負ってしまいました。

 

 水城と大野城の建築、都の移転、急激な改革は、人民と豪族を疲れさせてしまいました。

 そもそも出兵しなければなかった事なのです。


 天智天皇の支持率が下がるのも、仕方がない事なのです。しかし……


天智天皇「お前たち? 何か言ったか?」


豪族A「いえいえ、なにも」


豪族B「天智天皇、今日もカッコいいですねー」


豪族C「さあて、今日も仕事を頑張るかなー」


 天智天皇に逆らえるものはいませんでした。

 

 さて天智天皇もそろそろいい歳になってきました。

 そろそろ跡継ぎを考えなければいけませんが、既に皇太子は腹違いの弟の『大海皇子おおあまおうじ』に決まっていました。しかし……


天智天皇「うーん、跡継ぎが弟ってのもなんか嫌だなぁ。あいつ、母ちゃんが違うし。この国を変えたのは俺だから、天皇は俺の血族にやらせたいなあ」


 このように考えるようになってきたのです。


大海皇子「ねえねえ、お兄ちゃん。来年の予算の件だけど……」


天智天皇「あー、それね。俺の息子の大友皇子おおともおうじにやらせるから。なにもしなくてもいいよ」


大海皇子「え……、ああ、そ、そうなのね。あと、外交の件なんだけど……」


天智天皇「それも、大友皇子にやらせるから」


大海皇子「ああ、そう……(あれー、お兄ちゃん、なんかおかしいな?)」


 このように政務を息子の大友皇子に任せるようになり、大海皇子も天智天皇の変化を感じ取っていました。

 

 実は天智天皇は『跡を継ぐのは、俺の息子ですけど何か?』という雰囲気を漂わせ、大海皇子に圧力をかけていたのです。


 そんな無言圧力を感じた大海皇子は……


大海皇子「俺、お兄ちゃんに殺されるかもしれへん! ((((;゜Д゜))) 」


 という身の危険を感じました。そして……


大海皇子「俺、出家する事にしたよ。天皇になるつもりはないからね。バイバーイ」


 と言って丸坊主になり、皇太子の位を返上して、スタコラサッサと奈良県の方に逃げました。


 この後、天智天皇が亡くなりました。このまま皇位は大友皇子に移るのでしょうか?


豪族A「天智天皇の奴、死んだな!」


豪族B「てかさ、皇位つぐの息子の大友皇子っぽいけど、いいの?」


豪族C「いやいや、元々皇太子は弟に大海皇子に決まってたんだよ。大友皇子じゃダメでしょ」

 

 大友皇子への皇位継承に不満が高まってきました。一方、天智天皇の訃報ふほうを聞いた大海皇子は……


大海皇子「よっしゃ! 兄貴め、ついに死んだな! 政権が弱っているに違いない! 皇位を取り返すなら今だ!」


 こうして、大友皇子のいる大津宮へ挙兵する事を決めました。すると……


豪族A「俺、大海皇子についていきますよ!」


豪族B「一緒に戦いましょう!」


豪族C「打倒! 天智政権!」


大海皇子「お、お前たちー (´;ω;`)ブワッ」


 このように天智政権に不満も持っていた豪族が、大海皇子のところにぞくぞくと集まってきて、巨大な軍隊となりました。そして、大津宮へ向けて進んでいきます。


 一方、大津宮では……


家臣「大海皇子が兵を集めているっぽいですよ」


大友皇子「ふーん、そうなの」


家臣「攻撃したほうがいいのでは?」


大友皇子「大丈夫だよー。平気、平気!」


 大友皇子の耳にも大海皇子の動きは届いていたのですが、甘く見ていたのです。


大友皇子「いやー、親父のお陰で天皇に即位できるし、親の七光りって最高ー! さーて、琵琶湖でも眺めてみようかな♪ 今日も湖は綺麗だな……あれ?」


大海皇子「大友皇子ー! 覚悟しろー!」


 なんと、琵琶湖の方向から大海皇子の軍隊が攻めてきたのです。


大友皇子「ええ! お、おじさん! Σ(O_O;) なに大軍引き連れてるの!」


大海皇子「お前を倒して、皇位を取り戻す!」


大友皇子「た、大変な事になった! マズイ、マズイ! 兵隊さーん、集まってきてー!」


 大友皇子はパニックになりながらも、兵をかき集めて迎え撃ちます。


 こうして勃発した、大海皇子VS大友皇子の戦いが『壬申じんしんの乱』です。

 言い換えると『琵琶湖大戦争』ですね。

 

 壬申の乱=琵琶湖大戦争と覚えると、頭に入りやすいのではないのでしょうか? 琵琶湖大戦争の方が言いやすいし(笑)

 でもテストの回答に『琵琶湖大戦争』と書いても、○はもらえないので、注意してくださいw


 この琵琶湖大戦争もとい壬申の乱は、古代日本最大の戦いと言われています。


大友皇子「皇位はおじさんなんかに渡さない! 親の七光りパンチ!」


大海皇子「ふふふ! そんな攻撃、俺には効かん!」


大友皇子「な、なにー!?」


大海皇子「時代の流れは俺に来ている! くらえ! 大海ビックウェーブアタック!」


大友皇子「うわー! やられたー!」


 戦いに勝利したのは大海皇子でした。


 こうして大海皇子は皇位を取り戻し、『天武天皇』として即位したのです。


 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る