第60話クエストボード
お風呂から上がり、俺は今H・J・Oにログインしていた。
今の時間は夜の11時半、深夜1時には寝るように言われてるから1時間半ぐらいしか遊べない。…まぁ、さっきも遊んだしそれだけ遊べれば十分か。
「お待た、せ…」
「大丈夫だ」
ルナと合流した俺は、ルナが俺としたいことがあるというのでルナについて行くことにした。…そういえば今はマユに送り付けられたNPCみたいなやつはいないのか、確かユマとか言ってたけど…いないならいないでいいか。
ルナについて行くと、ルナは止まった。
「…これは?」
「クエスト、ボード…」
クエストボードはこのゲームのクエストを貼っている掲示板のようなものだ。紙を持ってその紙に書いてある『クエスト開始』という文字を押せばその選んだ紙のクエストを開始することができる。
「クエストに行きたいのか?」
俺がそう聞くとルナはこくりと頷いた。…今はマユがいないからクエストに行かないでと止められることはない。
それに俺もクエストにはできるだけいっぱい行きたいし…でもこれ以上マユを不安にさせるのも気が引ける…どうするか。
友達とゲームしてただけと言ってもそれが女子だとバレればマユはまた不安がる。そうなると俺にも罪悪感が生まれるという最悪のループが誕生してしまう。本当に難しいところだ…
「マトは行きたく、ない…?」
「……」
本当にどうしたものか…マユにバレなければ良い、なんていう考えで今からルナとクエストに行ってもそれは本当に浮気をしている人の考え方だ、それだけは避けたい。
マユにメールを送ってからクエストをするか…?でもなんて送る?
「…マト?」
いやいや!俺は考えすぎだ。さっきまゆとも話した通り、遊ぶときに報告さえすればマユだって不安がることはない。
俺はマユに『友達と遊びます』とゲームの中からメールを送った。
ゲームとメッセージアプリが連動しているのは本当にありがたいことだ。
「よしっ、クエストに行こう」
「うん…!」
俺は改めてクエストボードと向き合う。
「…マト、このクエスト、行こ…?」
ルナがそう言って見せてきたのはドラゴン討伐というものだった。
「おお…!なんかそれっぽい────って!レベル70のドラゴンになんて勝てるか!」
今現在俺のレベルは4、そんなプレイヤーがレベル70のドラゴンに挑んで倒すなんてまず不可能だろう。
サブアカウントとかでレベル1縛りとかでやってる本当にガチ勢の人なら可能かもだが、俺はこれがメインアカウントでレベル4だ。勝てるわけがない。
「私いれば、勝てる…」
「…え?ルナはレベルどのくらいなんだ?」
「…じゅう、なな…」
「17じゃ全然足りないだろっ!」
「17じゃ、ない…87」
「…87!?」
た、高すぎる…なんだそのレベルは。どうりであんなに強いわけだ…
「で、でもな…ルナ1人に負担を掛けるのも嫌だし、レベルが関係ないクエストがいいな…」
「…なら、あれ…」
そう言ってルナが指さしたクエストに貼られているイメージ画像は和式な館でクエスト内容は館内のどこかにあるぬいぐるみを見つけ出せというものらしい。
おまけに経験値も俺的にはかなり入る。
「よ、よし…!これにしよう!」
「…うん」
俺とルナは同時に『クエスト開始』をタップし、クエスト場所に転送された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます