第54話ログインの駆け引き
「…どうしたものか」
昨日ログインできなかったため、今日は絶対にマユと遊ばないとそろそろマユも怒るかもしれない。毎日ログインして欲しいと言っていたからだ。
が、今日はるなともH・J・Oで落ち合う約束をしている。
るなとこっそり会ってからマユのところに行くのが良いかとも考えたが、ログインするとマユにも俺がログインしたことがわかるし、個別ルームとか特定の施設じゃなければフレンドのところにテレポートすることもできる。
そもそもログインしてるのにマユのところに行かないのがマユにとってはおかしな話だし、テレポートできないところにるなと行くのも結局なんでテレポートできない所にいたのかという話になってしまう。
「…本当にどうしたものか」
るなは帰ったらすぐにログインして待ってるって言ってたな…それに引き換え、大概マユと俺が遊ぶのは午後6時〜午後8時の間。今現在時刻は5時半。
「マユがログインしてない可能性がある短い時間だ…」
こうしてる間にも時間は過ぎていく。もしかしたら今マユはログインしてないかもしれない、たまに俺の方が早くログインしてることもあるけどいつも基本的にはマユの方が先に待っててくれてるからマユが何時ぐらいからログインしてるのかわからないけど30分も前からログインして待ってるなんてことはないだろう。いつもマユはお決まりのように「待ってないよ」って言ってるしな。
「…それは社交辞令か」
…ログインしてたらしてたでその時だ!とにかく俺はログインしよう!
そして俺は、ログインすることを決めてVRを起動、すぐにゲーム世界にログインする。
ログインしたらやることがある。
「…ま、まずはフレンド欄だな…」
フレンド欄を見ると、そのフレンドがオンラインかどうかが分かる。こ、これに全てがかかってる…!頼む…!
「や、やった…!マユはオフラインだ…!…ん?」
でも変だな、最終ログインが10分前になってる。…なんでだ?
一回ログインしてログアウト…?急遽用事ができたとか体調が悪くなったから今日はやめておこう、みたいな感じだろうか。
体調不良なら早く治って欲しいけど、用事ができたとかならありがたい。これで俺はるなと気兼ねなく会える。
「…あ、るなとはフレンドにまだなってないんだった…」
確かIDを渡されて…あった!
このゲームはスマホとリンクすることもでき、簡単なスマホの操作ならVR中にも行うことができる。
俺はスマホでメモ帳を開き、そこに書かれている11桁の数字を打ち込む。
「…出てきた!」
俺は『ルナ』の名前が出てきたので、それをタップしてフレンド申請をした。
─────すると、申請をした瞬間にバグ表記ではないかと思うほど早く承諾された。
「よし…あとはルナがテレポートしてくれるって言ってたから俺は待つだけだな…ん?なんだ?」
女の子が1人近寄ってくる。
「マト様 NPCのユマと言います」
「え?は、はぁ…」
な、なんだ?NPC?…なんでいきなり話しかけられたんだ…?
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