第11話琴葉の疑問

 その後俺たちは買った服を片手に家に帰ることにした。そしてその帰り道で琴葉に話しかけられる。


「ねえ、その相手の人って言うのは本当に良い人なの?」


「も、もちろん!」


「でも前もそう言って連れてきたのはだいぶ危ない人だったじゃん」


「いや、俺は同じ失敗は繰り返さない!そのためにも出会い方を変えたんだ」


 そう、そのために俺はリアルで恋愛することをやめVRMMOの方に移ったんだ。まあ別に出会い目的で買ったんじゃないけど俺がH・J・Oを始めてから約1週間の時にマユと出会っていつの間にか付き合うことになっていたんだ。


「へえ、それって最近お兄ちゃんがハマってるっていうVRゲーム?」


「ん?ああ、そうなんだ」


「つまりネットの人ってことでしょ?信用できるの?騙されてたりしない?」


「おいおい、俺だってもう子供じゃないんだから大丈夫だって」


「お兄ちゃんはいつまでたっても子供だよー」


 なんで俺は妹に子供なんて言われてるんだよ…俺は仮にも琴葉の兄なのに…なんていう会話を交わしながら俺たちはちょっと買い物をしてから家に帰った。

 家に着いたらいつの間にか時刻はもう夜の7時になっていた。


「もう7時か…」


「今日は楽しかったね!」


「うん」


 そして俺たちは買った服や食べ物などを整理してそれぞれの部屋に戻ることにした。と言っても琴葉は自分の部屋があるにもかかわらずなぜかいつもリビングにいる。せっかくの自分の部屋を使わないなんて俺からしたら謎すぎる。

 まあ、そんなことよりH・O・Jにログインしなければ…そう思い至った俺は今すぐVR機器を頭に装着しログインすることにした。


 ログインすると同時に俺はフレンド欄を見た。すると、マユはオンラインになっていた。


「流石だな…」


 マユはいつも俺よりも絶対に早くログインしている。前に理由を聞いた時は「おかえりなさいっていうのがお嫁さんの役目でしょ?」なんてふざけていたけど本当に大したものだと思う。

 俺はマップを見ながらマユの所に向かった。マユは大概服屋さんにいる。どうやら服が好きらしい。年齢は俺と同じらしいから流石は華のJKっていうやつだな。

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