第107話 前世と今世
「オー君……どういう事?」
「オスト」
「オベスト……どうしちゃったの?」
皆驚いた顔をしている
そりゃ〜信じられないよな、転生者・・・なんて仮に俺がそっち側だったらぜって〜信じられないしな!
とはいえ……これまで考えてきたんだ。
今までは俺一人でも何とかなった。しかし今回はそうとは行かない……何故なら相手があの勇者なのだ。
1vs1なら覚醒前の勇者とならいい戦いはするかもしれないがリノアは必ずエミリア達を最優先で狙ってくる
だとしたら、エミリア達には1人で少しでも時間を稼いでもらえるぐらいの力を付けてもらわなくては困る。
だからこそ……ずっと訓練をし力を付けてもらった。
「悪いな……まぁ〜さっきに戻るけど俺は転生者なんだ」
ーー俺はこれまでの事を全て話す。
元々俺はこの世界とは違うお前達で言う所の異世界の国『日本』という場所で17年間過ごしてきた。
ーーしかし俺は、「無能なガキ」と呼ばれ当時の俺は今のような力は全く無く…実の両親に足を切断され殺された。
だけど、俺はこの世界の人間……オスト・ベンフォントとして生まれ変わったんだ。
この世界は
そこからはお前達と出会い学園に入学し再会して親友も出来たんだ。
そしてあの閻炎魔は知ってると思うけど俺の妹だった…正確に言えば(元)妹だけどね………
前世の妹だと知った時は嬉しかった…伝えたい事もあった。守れなかった事に親父・母さんのこと…俺は全てを謝りたかった。
でも……その必要は無かった。俺達はもう分かっていたんだ、互いの感情の事に……
『ごめんなさい』
このたった一言を分かっていた
だからあえて何も言わない。
俺と歩美は和解をして丸く納まったんだ。
ーーこれが俺の前世と今世であった。
「皆……ガッカリしたか?俺は昔は今よりも弱かった……からさ」
そう言うと全員、口を開いて少し笑顔になる。
それは嘲笑うなどではなく、少しの不快感を抱く事もない笑みだった。
「何言ってるんですか!オスト君はオスト君ですよ!」
「そうですわよ!オストはわたくしたちにとって大切な人」
「そうだね、やっぱりオー君はすごい人だよ。」
「うん。そうだと思う……オベストは立派だよ?」
「なぁ?親友よ!俺達はお前を見捨てたりなんてしないさ!だってかけがえのない友人であり親友でありこいつらにとって恋人でもあるからな」
みんな…………
やっぱり恵まれている……この話をしてよかった
ーーそう俺は心の底から思っていたのだった。
「それじゃあとりあえずもう朝食を食べるか!他の連中らも起きてくるだろうし!さっさと食べて訓練するぞ!!」
両手を叩き、朝食を食べようとしようとしたその時だった
ありえない光景が俺達を襲う。
「おっと?それは少し待って貰えないかな?僕のハニー達?」
「お前は………」
そう……俺でも気づかないほどの魔力で構成された『転移』を使い来たのは勇者であるリノアだった。
「な、んでお前がここにいるんだ!?……」
俺はリノアを睨めつけるとリノアは少し笑みを浮かべる
「まぁまぁ!まずは落ち着いてくれないかな?」
「落ち着いていられるか!何の用だ!」
「そうだね……君には関係ない事だが僕は、再びハニー達を迎えに来たんだ」
「なんだと……」
「まぁ僕は諦められなくてね?ちょっと師匠の力を借りてまで僕は遂に力を手に入れたんだ!!だから、、僕と最後の決着を付けないかない?オスト・ベンフォント!」
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