第94話 この一瞬に力を出し切れ!
俺は……夢を見ていたーー遥昔の夢を・・・
ーー前世の頃……両親とは別に俺は学園でも友人から虐められていた
しかしそれが始まったのはまだ中学生の頃だった
小学校を卒業し中学校に入学し少しの歳月が経った頃ーー学校から帰る際数人の女子達に呼び止められ校庭裏に行くといきなり数人の女子に告白された
「俺になんの用?」
「修二君!私あなたが好きです!」
「あたしも好きだよ!」
「私も君が……」
「「付き合ってください!」」
当然最初は困惑する……
でも俺はすぐに断った……理由は簡単だ
彼女達は好きではなかったし悪い噂しか聞かなかったのだ
だから断ったーーでもその次の日から俺は虐められるようになった
それも男子達から集中砲火を喰らいまくったのだ
その頃の俺はメンタルが高かったのかして周りにいる女子達に理由を聞いたするとあの日……俺が告白を断ったことにより女子達はそれに精神を削られ泣きながら教室に帰ってきてそれを伝えたとか
「おい!聞いたかよ?あいつさあの3人組に告られたらしいんだけど罵倒されて断ったらしいぜ?」
1人は罵倒をし断ったという噂……
「私知り合いから聞いたんだけど久野さ殴ったらしいよ?それも見えないお腹とかを思いっきり」
また1人は暴力を振るった噂……
そして……また1人は……
「あいつ、相手を入院するレベルまで殴ったり足や手を折ったらしいよ?」
そんな日々に俺はこう思っていた
(なんで……こんな辛い思いをするんだろう……別に何もしてないのに)
それから3年が経ち中学を卒業するまで俺の虐めは絶えなかった
事あることに男子達は俺にイタズラをし女子は相変わらず悪口を言っているのだった
正直分からない……何故ブサイクな俺がそこまでして好かれるのかが…
(だからもう……高校では誰からも相手にされないようにしよう)
そう誓って………高校では陰キャな男子として過ごした
しかしそれでもまた虐められたが耐えて高校を過ごしていた
そんな生活の夢を見ていた
ーーそこで夢は途切れ現実世界に戻ってきたのだった
(あ、、れ?確か昔の記憶を……そか俺はあいつに負けて)
身体がもう動かない……魔法も出せない、何もかも全てが終わりなのか?父さんとはもう二度と喋れないのか?そうなったらどうなる?
この国はいやベノア姉やノスト兄達が可哀想だ
でも……もう身体が動かないや……息も荒いし俺も父さんと死ぬのかな?
その時だった……俺の脳内にこの世界に来てから父さんとの繋がりの記憶が蘇ってきた
それは……俺が生まれた時……その横にあるのが10年前に俺の婚約が決まった時に泣いた父さんの姿……
こんなにも父さんは頑張ってくれてるんだった……
(それなら……俺も頑張らないと……例え俺が死んでも!)
◆
「ん〜流石にあれだけじゃ死なないよね……なら仕方ないもう1発っと」
アレレスタスは自身の周りに火の玉の輪っかを作り出すと1発ずつ火球を俺に撃ち込む
〘第4界
そのまま俺は為す術なく第4界と直撃する
「さてと……これで死んだでしょ、、ん〜帰って寝よっと」
再び翼を広げ飛んでいくその時……アレレスタスに1発の火球が撃ち込まれる
「……っ!?」
「千里予知を使ってなくてもその身体能力か……羨ましいな」
「はっ!?嘘でしょ……第4界をもろに食らっていながら」
アレレスタスは驚く……でもそれもそのはずだあの時俺は直撃した
ーーしかし何故かその攻撃を俺は防いでいた
動かないはずの身体が勝手に動いていたのだ
「それに……なにその周りから出てる赤い雷に赤い目は!?」
そう言われゆっくりと自身の手を見るとあいつの言う通り身体には赤い雷を纏っていた
(いつの間にか身体能力(極)を発動している…通りで身体が軽い訳だ)
赤い雷は分かるが赤い目と言うのは分からないし見れない
俺に何が起こっているのか分からないのだ
(でも……これなら最後の力が出せる!)
以前とは違い今回は押し潰されそうな感覚は感じないけれど重たさは感じるがまだいける
「くっ……貴方一体何者なのよ!?」
(何者か……俺にも分からない異世界転生者も名乗るべきなのかそうでは無いのか)
それでもたった一つだけ分かることはある
「俺が……第3王子だって事だ!!」
「なら王子らしく死ね!!」
〘第3界 絶封死〙
魔法が使えない空間に閉じ込められてしまった
またあれが食らってしまうのだ
〘第1界 明爆〙
空間が煙で包まれたが第3界は解除され煙が飛び出すと同時に俺も飛び出すが俺は一切傷を負っていないのだった
「な、、う、嘘でしょ?」
(驚いた……まさか自分でもあれを避けれるなんてな)
あの時、俺は魔法を使わずただ身体能力だけで躱していたのだった
しかしおかしい……あの中に入ったら魔法はシャットダウンされるはずだ。それなのに身体能力(極)だけは解除されなかった
「さてと……アレレスタスお前は疲れたと言ってたな、ならその要望に答えてやるよ」
睨めつける様にアレレスタスを見ると俺の身体に異常が起きた
(なんだ?あいつを見てると身体が熱くなるいや戦いたくてうずうずしてるのか?)
ーーもういいんだよ感情を捨てろ……父さんを守る事だけに集中するんだ俺
俺はチラッと辺りを見渡すと日が落ちているのが見えた
日が暮れてきた……夜になると更に父さんが苦しくなるし戦いずらくなるし早く終わらせないと
俺は〘縮地〙と〘神速〙を使いアレレスタスの背後に回る
「分かってるんだよ!あんたが後ろにいるって事ぐら………い」
言葉が途切れ始める……そうだ、もっと焦ろ!!もっとだ!
背後に回った瞬間に〘魔法分身〙を使った俺は上手いことアレレスタスを困惑させた
「それがどうしたって言うのよ!」
アレレスタスは守護の加護魔法〘第5界
(アレレスタスを中心とした竜巻を作り出しその外部からは攻撃できないようにする守護魔法か………)
しかし第5界には弱点が存在する……外部から攻撃できないなら内部から攻撃すればいい事なのだった
そして俺は安心する、だって俺も巻き込まれアレレスタストト同じく内部にいてるのだから……
「チッ……紛れ込んでたのか」
「………」
俺は無言になりアレレスタスを睨めつけた
しかし彼女は少しの微笑みを見せる
「あんた……無言になるとクールになるのね……その顔でクールってモテそうね」
何言ってるんだ?……彼女は……まぁでもそんな事も関係ないか
そう思ったまま一瞬でアレレスタスに近づくが案の定避けられてしまう。でもそれも予測しているのだ、だから回し蹴りを繰り出すと彼女も回し蹴りを繰り出し同じ技が衝突しあった
そして……この隙を付く!!
〘魔法分身〙
「……っ!?」
ーー第1式 炎灯華
ーー第3式 雷翔星
口に出さずに2つの魔法を放ち不意打ちにアレレスタスを襲う
すると青い目になり2つの技を避け〘第4界 輪炎灯〙を放ち消し飛ばす
「これで……お前は30秒間固有魔法を使えないな」
「それでもあたしの勝ちだ!!」
その瞬間、俺は〘縮地〙を10連続で移動する
流石に10連続となるとクールタイム中の固有魔法じゃ無ければ無理だ
下に回り込みそして………アレレスタスを倒す!でも倒すには1発の技では無理だ。ーーだから全ての攻撃魔法を合わせ繰り出す!
ーー第1式 炎灯華
ーー第3式 雷翔星
ーー第4式 風操雷駆・神
この3つの第式魔法であれば例の物を撃ち込める!
「いっけー!!!」
3つの大きな魔法がアレレスタスを勢いよく飲み込んだ
〘第2界 紅麗〙
しかしまた彼女は第2界によって致命傷を逃れたがそれも予想していた
(やっぱりか……でもそれは囮みたいなものこの技で終わりだ!)
ずっと考えていた……あの日にレベルアップし楼から燐に進化した際に追加された3つ目の『権限』は何に使うのかを……
そしてそれが戦っていく最中分かった
スキルーー〖
あいつの固有魔法発動可能まで残り数秒だ……だからその間に一気に近づく!
「チッ……あたしが負ける訳には行かない!」
「でももう勝負は確定した、、」
「なっ!?………」
俺はアレレスタスに顔を近づけた
それに驚き少し体制を崩す
(さぁ……持っていけ!俺の魔力全てを!!)
スキルーー〖倍魔法10倍〗
ーー第3式 雷翔星
「いっけ!!10倍の魔法を喰らいやがれ!」
「………っ!!」
アレレスタスは俺のスキルによって強化された第3式によって飲み込まれてしまった
「ぎゃあああああ!!」
(もう………魔力がもたな、、、い)
俺は魔力切れにより【浮遊】で浮く魔力の無く落下した。
アレレスタスも同じく俺の魔法によって力を使い果たし地面に直撃した
薄れていく中……俺はアレレスタスを見ると彼女も落下していたことを確認する
(やっと………終わったのか)
いつの間にか身体能力強化(極)も消えていた
ーー緊張が解けた俺はその場で気絶をしてしまったのだった
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