第93話 ーー決着の時ーー

相手より先に攻撃を仕掛けるべくアレレスタスの後ろに回り込むが胸ぐらを足で掴まれる


「………っ!?」


「まだまだだね」


そう言ってアレレスタスは俺を直で地面に投げる

それを食らった俺は下にあった岩に直撃した


(くそ……マジで強い)


するとそのままアレレスタスはこちらに向かって飛んでくる


あれが通用するか分からないがやってみるしかこれを躱すことなど出来ない


(まだだ……もう少し近づいてやるんだ)


あと数センチの距離で俺は武術を使う事にした


〖可憐に落とし全てを回転せしーー守式 落天〗


「う、嘘!?」


少し宙で回転するアレレスタス


(やっぱり大きく回転はしないか……でもそれでも効果ありだ!)


そしてここで狙う………この瞬間しかない!


大きく息を吸い込み深呼吸をすると同時に狙いを定める


〘第3式 雷翔星〙


直撃したと思った……けど俺は見逃さなかった彼女がその瞬間少しの微笑みを見せたことを


〘紅麗〙


第3式は咄嗟に出された【紅麗】によって吸収されてしまった


仕方ないが……近づくしかない。


「わざわざ自らこっちに来るか……本当簡単だね」


〘第3界 絶封死ノットアウト・ロック


アレレスタスの技によって俺は閉じ込められてしまった


しかも……ここでは魔法が使えないのだ


(しまった……完全に忘れてた技だ)


「それじゃ……次はこれね」


〘第1界 盟爆めいばく


すると閉じ込められてしまった空間には多くの赤い光が現れた


「くっ………!?」


【絶封死】の中は煙だらけになり直で俺はその爆発を食らってしまい第3界が解除されると同時に後ろに吹っ飛んでしまった


(どうすれば勝てるんだよ……こんなの無理ゲーだろ)


本当のことを言えば……怖いのだ


守護神から貰える加護は他の加護よりも強いしアレレスタスの様に上手く使えば攻撃にも変えられるのだ


(ほんっと……神って残酷だよな)


人を助けたら神が見てくれてるとか神を信じるとか前世では信じきれなかった……勿論人助けをしたりするといい事は自身に帰ってくることだってある


前世の頃は道を譲ったり席を譲ったりしても俺にはその良い事ですら帰っては来なかった


最初は偶然と思い諦めずに出来る事をしたりした……しかし何故か俺に帰ってくるのは悪いことばっかだった


それがあの結果だーー両親から憎まれそして殺された


本当に久野修二おまえはどこに行っても不幸だな………


でも………


勝てなきゃ行けない


「ほう?この技を食らっても尚立ち上がるか」


「あぁ……生憎俺は諦めが悪いんだ」


それにしても奴に勝つには……たった一つだけ戦法がある


大前提として絶対に固有魔法の【千里予知】は先に使わせないと行けない。


(不意打ちを付けなくなってしまうしな……)


まずは奴の警戒心を解かなければならない


再び【浮遊】を使い回り込むように素早くアレレスタスの後ろに回り拳で殴る


しかしそれは容易く抑えられてしまったが次は右足で攻撃をする


それも大きく上に大回転をし逆に後ろを取られてしまった


「あんたの力はこれぐらいなのかい?」


耳元でそう囁かれる……そして今の状況は両手を後ろで抑えられ動けないのだ


(くっ………こいつ)


ならあれを使うしかないか


「なんだ?いきなりおとなしくなっーーーえ?」


〘第1式 炎灯華〙


驚いたアレレスタスは両手を離し更に上に飛んだ


「降りてこいよ……怖いのか?」


「そんなわけないでしょ、、びっくりしただけ」


こんなんじゃあいつは固有魔法を使わないはず……もっと隙を作らないと


(しかしどうする……単純な魔法攻撃じゃ駄目だ接近戦に持ち込まないと)


その時、頭にある事が過ぎった


(そうだ……いい物がこの中に)


【異空間収納】から剣を取り出し用意する


これは自作とはいえまだまだ改良が必要でありすぐに壊れてしまいそうな物だ


「剣?そんなものあたしには効かないよ」


知っているさ……お前は物理技はほぼ攻撃不可だ……でもそれで十分


(すまん……壊すかもしれないけど耐えてくれよ)


想いを剣に込め【浮遊】でアレレスタスの元まで向かう


《俊敏なれ切られ響く今宵は揺るぎない剣ーー剣式 俊斬》


最初は警戒心を解くために軽く剣技を繰り出す

次に……アレレスタスの真上に数箇所の魔法陣を作り出し攻撃する


〘雷撃〙


イナズマがアレレスタスに襲うがそれも容易く見透かされ避けられる


〘縮地〙


そして……気が魔法陣に向いている今がチャンスだ……ここに撃ち込む


《敵を滅ぼし 瞬なる剣ーー剣式 神滅》


「とりゃゃゃゃ!!」


その瞬間、アレレスタスの目は少し青くなるそしてそれこそが固有魔法を使ったという証拠なのだ


(よし!……残り30秒)


制限時間はたった30秒……でもいける!


「っ……!?」


風属性魔法を俺とアレレスタスの中心に放つ


〘竜巻〙


これで分からないはず……そして


〘魔法分身〙


「な、、う、嘘このあたしが」


「これで俺の勝ちだー!」


《絶よ全ての元技となれ荒れ狂う剣ーー剣式 空》


俺の剣はアレレスタスの腹部を確実に切り裂いたと同時に剣は折れた


でも……彼女から出る血は本物だ……匂いで分かる


(や、やった……こ、、れで俺の勝ちだ)


もう体力的には限界だ……もう休みたい寮や実家でゆっくりと寝たい


(意識が遠くなってきた……あぁ、、気絶するんだな)


しかしーー薄れていく意識の中、、俺はあるものを目にした


「ふぅ……危ない危ない」


「……っ!?う、嘘だろ」


アレレスタスはギリギリで【紅麗】を展開し致命傷を逃れていたのだった


「あ、、あっ………」


俺は絶句し何も出来ない


絶望しか無かった……もうどうしようも


「先に謝るけどもうあたし疲れたし寝たいから終わりにするね」


〘第3界 絶封死〙


(う、、そだろ)


「それじゃ……楽しかったよ」


〘第1界 盟爆〙


閉じ込められ俺はその中で大爆発を起こし直で食らってしまい勢いよく下にあった大きな岩にぶつかった

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