第72話 勇者の力

明日はとうとうリノアとの対決なのだし早く寝ようと目を擦りながらベットに入る。その時俺はある事を思い出した


あ……そういえば勇者対策完全に分からなかった


眠気も襲ってきたせいかベットに寝転がると俺は一瞬で安眠をした



それから対決の日となり朝学園に着くとリノアから「屋上に来い」っと呼び出された。


「よく僕に恐怖心を抱かずにここまで気楽に来れたものだ!そこは褒め讃えようではないか」


「別に褒めてもらわれなくってもいいさ……お前に褒められると虫唾が走る」


「アッハッハ!謙遜をするな!」


別に謙遜なんかはしていない……ただこいつの発言と言いやはり原作とは違う雰囲気がある。言葉遣いや性格に……こいつは仲間思いってことも


しかしこの世界のリノアは何かが違う。性格や雰囲気は当たり前だがまるで知恵を知らない動物に教えてもらったかのような感じがした。


「それで俺に何か用か、、対決なら放課後だろう?」


あまり長いこと喋っているとその言葉遣いにキレると思い要件を済まそうと考えた


「用はない……しかしたった一つだけお前に宣伝してやろう!」


ピシ!っとかっこいいのか分からないポーズを決めると指先を俺の方向に向けてこちらを見る。


「君は今日で全てを失う!」


っとたった一言だけ言い残すとドヤ顔で教室に戻って行った。

その様子に呆れため息を付きながら屋上から見える景色を眺めた


「もしも……もし仮に俺がこの世界に来て本来の物語が変わったらどうすべき何だろうな……」


晴天の中に差し込む光を遮るように手のひらを翳す。


あいつは知っているはずだ……俺が第3王子だって事もだから敢えて喧嘩を吹っかけて来ている可能性はある


油断は……出来な……いな


それから授業のチャイムがなり俺は教室へと戻って行った



それから午前の授業が終わり俺は1人寂しく屋上で暇を潰していた


(あと数時間後にはここも多分荒地となるな、今のうちに障壁でも張っておくか)


〘絶対障壁〙


これでよし!っと思い再びそこで寝転ぶ


あいつはエミリア達に本当に惚れてあそこまで迫っているのかなっと頭に過ぎる。


もしリノアが原作通りの性格をしていたら全てが変わっていたはずだ。もしかするとエミリア達も原作の奴だったら惚れていただろう。


そう確信できるほどあいつは凄いやつだった

ーーそれから俺はそのまま眠ってしまい放課後になる


「はっ……!?」


目が覚め下を見ると段々と学園の生徒達が帰っていく様子が見受けられた。

その時、ドアノブがガチャリと開くと中から出てきたのはエミリア達だった


「あーー!オスト君見つけた〜!」


心配そうなのか心配じゃないのかよく分からなかったが少し寂しそうな感じを出しながらでかい声で叫ぶ


「ちょ!?エミリア!声でかいって!」


「あっ、、ごめん!」


むぐっと口を塞ぐとさらに奥からはブレア達が来た


「あんた授業サボったそうじゃない……」


「いやあればその。眠ってしまったって言うか」


ブレアはじ〜っと目を凝らせながらこちらを見てくる。


めっちゃ疑うじゃんこの子!


とはいえあとはリノアだけだなっと思った時、またドアノブが開く


「あ〜!ハニー達、僕の可憐な戦いに見に来てくれたのかい?」


「あのさ、、悪いけどそれ勘違いだから……エミリア達に絡まらないでくれ」


睨んだ目で言い返すと驚いた顔をする


「わーお!すまない訂正するよ、未来・・のハニー達だったね」


「なんでもいいからさ……始めようぜ、、リノア」


「おっけ〜!んじゃいくよ」


リノアは空中に大量の魔法陣を作り出すと俺たちを囲むように四角形の大きな空間が作り出された。

どうやらここは【絶対障壁】と似た物だと俺は感じた。ただひとつ違うのは


絶対障壁とは必ず技を防ぐ魔法であり唯一無二の守備系魔法なのだ。


しかしリノアが生み出したとされるこの魔法は外と中の時間さえも断ち切る。つまりこの障壁の中で何時間過ごしたとされても外では時間が経過しないのだ。


(なるほど……つまりここで戦えば永遠に過ごせるというわけか)


「これが僕の魔法〘絶障慈炳ぜっしょうしへい〙だよ」


「なるほど、、これがお前の力って訳か」


すると、リノアはニヤッと笑いながら両手を広げた


「そう!これが僕の力!でもこの力君には操作できないだろう?」


確かに……こいつは原作でも時を操る魔法は得意中の得意にも入っていたしそれとは真逆に俺は時系統の魔法はあまり好みではなかった。


でもなんでこいつが俺が操れないことを知っているんだっと思う。なにかしらの魔法によりそれが見透かされているのかもしくはリノアの裏にはこいつを操り悪用に使おうとしているだれかがいるかだ……


だがーーまだそれを知る導はない


「でも、時魔法を使えるだけで勝つことを確証するにはまだ早くないか?」


俺はゆっくりと1歩、2歩っと歩きリノアとの中間距離に近づくとその場で立ち止まり挑発をした。


「お前は俺が倒す!覚悟しろよ」


その一言にリノアはニヤッ微笑み戦闘態勢に入ったのだった

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