第18話 最強と謳われしドラゴンの過去

我は最強と謳われしドラゴンだった。

しかし大魔境に入ってくる冒険者たちは我を見るなり逃げ出し次に人間が来れば我を殺そうと武装までしてやってくる。


そんな人間どもを我はあまり好かなかった。


しかしある日、我の前に現れたのはその辺に捨てておけばすぐに死にそうな男がよれよれになりながらも我の所に辿り着いた。


今思えばそれさえ運命だったのかもしれない……それからと言うもののその男はミエルと名乗った。


最初は警戒していたミエルだったが次第に心は打ち解けていきいつしか冗談を言える仲まで発展していた。


我にとってそれは十分すぎる満足でもあった。


ミエルが我と出会い約5年という歳月が経った頃……ミエルは久しぶりにグランティ国に買い物をしに行きたいと言い出した。


何故買い物をしたがるのかも我は分からない……食料なら大魔境で我が狩っていた魔物の肉を焼けば事足りたはずだった。


だが我は反対をしなかった何故ならミエルには幸せになって欲しかったのだ。

この国では悪党貴族しかいないらしいのだからせめてミエルだけでも正しい道を歩んで欲しかった………ただそれだけだったのに…………。


その日………ミエルは我の元を去った……いや正確には死んだと言った方が正しい。


我は分からなかった………ミエルはなぜ死ぬのか……過去にミエルは自分の犯した罪

とやらを話してくれたがそれは理不尽極まりない事ばかりだった。


だから我は理解することが出来なかったのかもしれん……。


死ぬっと最後に話した…ただその言葉に反応した我は空を飛び王城まで飛んで行った。


我が着く頃にはミエルは首を斬首されており我は怒りに狂った。


何故ミエルが死ぬのか


何故我の親友を殺したのか


何故こいつらを神は生かしておくのか


その感情にただただ飲まれていき我はその国を葬り去った。

しかしその場に生き残った王だけは我は生かした。


その男にはミエルに与えた苦痛を全て受けてもらわなければならない。


だから我はそやつに質問をした。


「お前が………ミエルを殺したのか」


そう質問すると王は苦笑いをし笑った。


「あははは!あーそうだよ!あの屑は我等にとって邪魔な存在だからな!」


などとまるでミエルが悪かった俺は悪くないっと話す感じで怯え笑い色んな感情が混じり合いこやつはもやは人間とは思えぬ生き物だった。


それを聞いた我は改めてこやつに怒りを感じた………。


「お前は我に触れてはいけない逆鱗に触れた」


「だからなんだよ!あいつは死んだ!もうお前の親友なんて居ないんだよ!」


そうだ………あやつは死んだ、もうこの世にはいないだからこの王は必要ない。


だから我は王を殺した。


ほんの数十秒で焼き殺したのだった。


それからと言うものの我はグランティ国をたった1匹で壊滅させたドラゴンとしてはるか昔の伝説はいまでも最強のドラゴンベクトロンとして名を残した。



しかしミエルを失った我にとってその後の数百年後は暇であった。

するといつからだろう我は冬眠に入りしばらく眠ったままだったのだ。


だがある日、とてつもない魔力がこちらに向かってき我にその魔力を浴びせた。


すると長年の眠りから解放された。


すると我はその久しぶりの魔力に期待感を抱きその放った張本人の所に飛んで向かった…………。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る