鶴を折る

作者 不破有紀

すてきなコンビによる三人での旅

  • ★★★ Excellent!!!

人間とアンドロイドの再会を描いた近未来SF。
アンドロイドであるがゆえにかえって折り鶴を折ることができない不器用さや、融通のきかなさがある。子どもの頃の主人公にとってはそんなアンドロイドは受け容れられなかったかもしれないけど、時を経て人生の中で諸々の経験を踏んだ主人公がアンドロイドと再会し、という内容。
主人公は大人になった。アンドロイドは昔と変わらず、主人公を優しく見守ってくれる。
近未来SFの中で描かれる、一昔前に言われていたような(それでいて今後も無くなりはしないであろう)家族愛。この一見ミスマッチっぽい組み合わせで、かようにも美しい小説世界を築き上げることができるのか。
近年は災害のたびに、被災地に千羽鶴を送るな、と言われていて、折り鶴がすっかり悪者っぽくなってしまった観もあるのだけど、本作品の中では純粋な思いの象徴として描かれていたのも印象的だった。
何もかもをそっと包み込んでくれるような優しさのある作品だったと感じた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

kanegonさんの他のおすすめレビュー 471