第132話 ゴブリンの群れ
ゴブリンの群れの中心に向かってスキルを放つ。
放たれた『ウインドブレイク』が効果を発揮してゴブリン五体がその場へとバタッと倒れ込んだ。
倒れたゴブリンの範囲を見ると俺の『ウィンドブレイク』有効範囲は五〜六メートルといったところだろうか。
想像していた以上に広範囲に影響を及ぼしたが、遠薙さんが飛んでいるハーピー二体を落とした事を考えると、これでもかなり劣化しているのかもしれない。
威力は最下位のゴブリンが相手なのでよくわからない。
「ギャッ、ギャツ、ギャッ」
突然半数に近い数のゴブリンが倒れた事で、残りのゴブリンが声を上げながら、警戒感を強めて散開していく。
「凛くん、今のはもしかして……」
「ああ、この前見た遠薙さんの『ウィンドブレイク』だよ」
「凛くんすごいです。ゴブリンとはいえ一瞬で五体を倒すなんて。どんどん強くなっていきますね。わたしも置いていかれないようにしないと」
いや、それはこっちのセリフだとは言えなかったが、やはり葵の俺への評価が高すぎる気がする。
ただ『ウィンドブレイク』により確実に俺のスキルの威力は増している。
少しでもステータスを補いたいと思っていたので、遠薙さんにも感謝だ。
「でも使えるのはたったの二回だけなんだけどね」
「それではあと一回使えるんですね。使えるだけでもすごいです。本来Bランカーの使用しているスキルなんですから」
「ギャギャヒャギャ〜!」
話していると、ゴブリンが威嚇の声をあげてくる。
「葵、話は後にして先にゴブリンを片付けてしまおう。
「はい」
ゴブリンは散らばりながらもこちらに向かって襲いかかってくる。
『ライトニング』
『エクスプロージョン』
葵との連携でゴブリンを倒していく。
数は多かったが、所詮は最低ランクのゴブリンなので、今の俺と葵の敵ではない。
「これで最後だな」
「はい、ゴブリンとはいえ数が多かったので、少し不安がありましたが心配はなかったようですね」
「それじゃあ魔核を回収して帰ろうか」
「はい」
地面に散らばった魔核を回収して帰ろうとしたその時遠くから声が聞こえてきた。
「ギャギャヒャギャ」
この声はゴブリン?
だけど、さっきまでいたゴブリンは一体残らず倒した。
「凛くん、山の中から聞こえてきます」
「もしかして山の中にまだいたのか?」
すぐ横が山の斜面となっているので山の中に潜んでいたとすれば、あり得ない話ではないが、既に十体を超える数を倒したというのに一体何体いるんだ?
徐々にゴブリンの声が大きくなり、その姿を現し始めた。
「多すぎるだろ。なんでこんなに……」
「この数は完全に群れです。ゴブリンの群体としか思えません」
「とにかく倒すしかない」
今、確認できているだけでも、さっき倒したのと同数程度はいる。
いくらゴブリンとはいえ、一度に二十体以上現れるのは異常だ。
あとがき
読者の方の応援と★がモチベーションにつながります。応援よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます