第66話 初レイド依頼
雪が降ってしまうとスリップして間違っても今の速度で走る事は出来なくなるので雪が降らない方が有り難い。
「そろそろだな」
「はい」
自転車を置いてモンスターを探すが、相手はすぐに見つかった。
「まあこういう時もあるよ」
「そうですね。街の役には、たってますし」
俺達の視線の先にいるのはゴブリン二体だった。
『ライトニング』
『エクスプロージョン』
当然ながら俺と葵のスキル一発でゴブリンは消滅する事となった。
普段はランクが下のモンスター討伐の依頼が来る事はそう多くは無いが、やはり正月は稼働しているサバイバーが少ないせいで俺達にもゴブリン討伐が回ってきたのだろう。
「まだ今日はいけるな」
「そうですね。スキルを一回使用しただけですから」
「それじゃあ、依頼があったらもう一度出ようか」
「そうしましょう」
この日は、この後依頼が入る事を期待して、ずっと家で過ごしたが残念ながら俺達の端末が鳴る事は無かった。
当然だが、そうそう自分達の考え通りにはならないらしい。
そして翌日の一月三日にそれは突然起こった。
『『ピコ〜ン、ピコ〜ン、ピコ〜ン、ピコ〜ン』』
「葵、この音って……………何?」
「私も聞いたことが無い音です」
端末から今までに聞いた事のない音がしたので、慌てて画面を確認してみると画面には
『該当ランクのサバイバー不在 格上ランクモンスターへのレイドバトル依頼』
と表示されていた。
「葵、これって……」
「Dランク以上のモンスターへの討伐依頼ですね。今までこんな事は無かったのですが、お正月で上位ランクの方が不在なのと、凛くんと組んでから実績を重ねているので評価されての依頼かもしれませんね」
「う〜ん、単純に他にいなかっただけかもしれないけどね」
「それについては、分かりかねますね」
「それで、どうしよう。Dランク以上って大丈夫かな?」
「レイドとありますから他のパーティも参加していると思います。せっかくですから参加してみてはいかがでしょうか?」
「そうだな。葵が賛成なら俺もいいと思う。だけど俺のランクはFだから格上と言うか雲の上な気がするけど」
「いえ、凛くんの力はランクでは計れません。もしかしたらDランクであれば単独で倒せるかもしれませんよ」
「葵、評価してくれるのは嬉しいんだけど、いくらなんでも高評価過ぎる。完全に過剰評価だからね」
「適正だと思いますが、とりあえず向かって見ましょうか。位置を確認する限り、結構距離が離れています」
「それじゃあ急いで準備しよう」
この瞬間にサバイバーになって初の三日連続のモンスター討伐が決定した。
早速ロードサイクルで現場に向かうが、なかなか到着しない。
恐らく対象者がいないせいで広範囲に依頼が及んでいる為だと思うが、もしかすると現場は設定ギリギリの距離の所にあるのかもしれない。
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