第59話 インプ

モンスターのいる場所に近づいて来たので慎重に進んで行くとモンスターの姿が小さく確認できる所まで到達した。


「凛くん、ちょっとまずいかもしれません。モンスターの数がかなり多そうです。Eランクは二体の様ですがFランクとGランクが結構います」

「それじゃあEランクは、俺がやるから倒すまでの間、他のモンスターを頼むよ」


俺達は依頼数を稼ぐ為にEランクのモンスターは二体までの制限をかけていたが、それ以外のモンスターの数には、あえて制限をかけていなかった。

その為に今回、思った以上にモンスターの数が多くなってしまっていた。

ただ以前と違い、レベルも上がり葵との連携も深まって来たのでこの数のモンスターを相手でも十分に戦える。

Eランクのモンスターはオーガが一体ともう一体はインプか?

現物を見たのは初めてだが、あの奇妙な姿は話に聞くインプそのものだ。


「凛くん、あれはインプです。小型とはいえ悪魔の仲間です。Eランクの中でも最上位の敵です。注意してください」


やはりインプで間違いない様だがあれがEランク最上位なのか。見た目からは分からないが間違いなく強敵だ。

俺は気合いを入れ直して敵に向かう。

露払いに俺が『エクスプロージョン』を放ち開戦する。

敵も都合よく散開してくれる訳ではないので、目の前のゴブリンを『エクスプロージョン』を再び放ち倒す。

それに呼応して葵も『エクスプロージョン』を放ち目の前が開ける。

俺は勝手の分からないインプは後に回して、オーガを目指し走る。

オーガは前回戦ったのである程度パターンは掴めている。


「いくぞ!『ウインドカッター』」


オーガの足に向かって風の刃を放つが、前回はジャンプして避けたオーガが今回は横に走って避けた。

予想とは違ったが、知能のあるオーガが画一的な動きしか取らないはずもないので焦らず再度攻撃をかける。


「逃がすか! 『エクスプロージョン』」


今度は足下に向けて爆破の炎を放つが、今度は俺の意図通りにジャンプして避けてくれた。

俺の攻撃を避けた空中のオーガに向けて『ボルテックファイア』を放ち消滅させた。

次だ。

周りに寄ってくるモンスターに向け再度『エクスプロージョン』を放ち、インプに狙いを定める。


「これでどうだ!『ライトニング』」


閃光の雷を発動してインプを仕留めにかかるが、その時信じられない事が起こった。

何やらインプが言葉を発したと思ったら、緑色の光がインプの周りを包み込んだ。その直後に雷がインプを襲ったが、インプは倒れる事なくその場に立っていた。

よく見ると無傷では無さそうだが、致命傷は与えることが出来なかった様だ。

あの緑色の光が防いだのか?

あれはもしかしてスキルか?

ランクの高いモンスターでスキルの様なものを使うやつがいるとは聞いたことがあるがこいつがそうか。

単純に考えると防御系スキル。それもスキルレジストか?


「それならこれはどうだ。『エクスプロージョン』」


今日三発目の『エクスプロージョン』を放つ。

これで使えるのは後一回。

残りのモンスターの事を考えると極力スキルは温存しておきたい。

爆炎がインプを包み込み、敵モンスターが苦痛の表情を浮かべる。

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