約束の指切り
勝利だギューちゃん
第1話
僕の名前は、大村直哉
僕には、竹馬の友がいる。
いわゆる幼馴染。
彼の名は、小野忠義
家が近所ということもあり、本当の兄弟のように育ってきた。
彼には姉がいる。
名前は、真知子。
僕たちよりも、4歳年上。
小さい子にとって、その差は大きい。
真知子お姉ちゃんは、僕の事も実の弟のように、可愛がってくれた。
一人っ子の僕にとっても、本当にお姉ちゃんのようだ。
そう、お姉ちゃん。
お姉ちゃんが中学生くらいの頃も、よく遊んでくれた。
僕らはそんな歳ではないのだが、嬉しかった。
「真知子お姉ちゃんには、彼氏はいるの?」
僕は興味全部で訊いてみた。
「いると思う?直哉くん」
「うん。お姉ちゃんは、魅力的だもん」
「ありがとう。でもまだ、いないんだ」
意外だった。
「直哉くん、もし私がお嫁に行けなくなったら、もらってくれる?」
「うん。いいよ」
「じゃあ、指切り」
指切りを交わした。
「忠義、本当に真知子お姉ちゃんには、彼氏がいないの?」
「だと思うよ。ほしいのか?直哉」
「欲しいと言ったらくれるのか?」
「ああ。持って行ってくれ」
その時は冗談だと思っていた。
真知子お姉ちゃんは、とても魅力的。
誰もほっておかない。
もう、数年もしたら素敵な彼氏が出来て、僕らの事は相手にしなくなる。
寂しくもあり、嬉しくもあった。
そして、月日が流れ、僕と忠義は社会人となる。
「不思議だな、直哉」
「何が?」
「俺とお前、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、会社と。ずっと一緒だ」
ちなみに、真知子お姉ちゃんは、保育士になっている。
そして、就職祝いという事で、忠義の両親にごちそうになる事になった。
「忠義、直哉くん。就職おめでとう」
「本当に、大きくなったわね」
もう、見知った仲なので、この年になっても、ため口で会話をしている。
敬語を使うと、逆に「他人行儀」と叱られる。
「ところで、直哉君。君にプレゼントなんだが・・・」
「何?おじさん、おばさん」
おじさんと、おばさんが、手招きをすると、真知子お姉ちゃんが来た。
今でも、頻繁に会っているが、とてもきれいに感じた。
「直哉くん、この行き遅れの娘を、嫁にもらってくれ」
吹いた。
普通、嫌がると思うが・・・
「直哉くん、私、小さいころから、君の事を、男性として好きだったんだ」
「なぜ?」
笑うだけだった。
「忘れてないよね?あの時の指切り」
「あれは、冗談じゃ・・・」
「私は、本気よ。男だったら、責任取ってよね」
簡単に決めていいのか?
しかし、僕は初めて、女性として真知子さんを意識することになる。
返事は伸ばしてもらったが、こちらから伺おう。
約束の指切り 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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