第377話首に犬に噛まれた傷跡が残されているので、人に見られたくないから付けているの。

  美空のまだ悩んでいるような態度を自分に向けに来る姿勢に微笑んで行きつつ、ぼんやりと彼女の悔やんでいるような顔を見つめていく多々羅は、微かに彼女を催促して行くようにと尋ねていき、「どうだ、悪くない話なんだろう?」宛ら自分が紡いだ一言を認めてくれているように、軽く渇いていた唇を噤んではまったりと自分に顔を向けに来る美空の迷っている顔に、目を細めて行きながら淡い笑みを彼女に浮かべて見せる多々羅は声を発していた、「乗ってみる気になれてるのかな?美空さんよ。」


  多々羅の微かに自分に自分が小馬鹿にされているような気分を感じさせに来るような態度を、示しに来る余裕そうな淡い笑みに苛立を覚つつ、ごくりと固唾を飲み込んでは、自分が義威瀬に会ってからの悩みはその時の自分に任せては、取り敢えずこの腐った人間しか来そうにないでいる場所から離れていかないと自分は多分永久的に二度義威瀬に会えなくなる可能性が芽生えてしまうかもしれないことを思うと、悔やんでいるように鼻翼に力を込めていた彼女は、揺るぎない眼差しを多々羅に向けていく、「乗ろう…」


  酷く言いづらそうにとと自分の悔やんでいる思いと、緊張に渇かされていたような喉から絞り出していた声に、口角をくすぐられているようにと上げていく多々羅の顔を睨むようにと見つめて行きつつ、自分が捕虜にされているような気がしては、そもそもくそみたいに父親にこんないかがわしいを存在自体で、解釈しているような場所に売られていた瞬間から、自分はとっくに汚らしい雄どもの生贄にされては、捕虜になっていたんだと内心で思っていきつつ、またしても自分の運命を呪って見たくなっている美空は、何度も鼻翼に力を込めては、どうにか内心にある荒くなっているような心境を沈めさせに行こうと思って行きつつ、まったりと左手をポケットから抜け出して来る多々羅の、まるで自分に何かしらのプレゼントを贈りたがっているような態度を気にする事無く、まったりと長い間生活されて来たような感覚を与えに来る、酷く醜く思えるピンク色の光に照らされている腹部の奥を抉りに来るような部屋を見渡していきながら、軽く歯を噛んでは、弱っていた小さな両手を全力で握っていく彼女は言う、「ここで稼いでもいつになれば外に出られるのかも定かではないんだし…」


  「よろしい。」美空が自ら自分についていくと決めてくれている態度に、口角を軽く上げられているように感じつつ、まったりと左手の手のひらに刺して来るような少しばかり尖っているような感覚を取り出しては、彼女に向けて渡していく多々羅は、自分が発していた納得しているような声色に、顔を引かれているようにと自分に目を向けに来る彼女の潤んでは、自分の顔を映し出してくれていると同時に、赤い糸の群れで自分の顔をかざしに来るような眼に、少しばかりの愛着が湧いて仕舞いそうに感じつつ、嬉しそうに笑っていく彼は、自分の左手にある尖っていたものに興味を引かれているようにと、チラッと弱っていたような目線を自分の左腕に向けに来る彼女に向けて、手にある首輪を彼女に渡していく、「ペットになってくれる記念にプレゼントを贈ろう。」


  まるで自分に自ら屈辱としか思えないでいるような黒い首輪を付けて見ろと、語って来るようにと左手にある首輪を自分の顔に向けに来る多々羅の顔に見開かされては、渇いていた唇が否応なしにこじ開けられているような気がしてならないでいる美空は、思わず白皙の喉を軽く彼の顔に向けて伸ばしていき、「はい…?」「ほれ、」軽く左手にある首輪を彼女の空いていた右手に向けて行きつつ、自分が彼女に投げていた催促しているような声色に弱らされているようにと、繊細な肩を縮めていきつつ恐る恐ると自分の手から首輪を受け取りに来る美空の従順な態度に、手応えを感じながら、ニヤリと口角を上げていく多々羅は言う、「付けてもなよ。」


  「お前…」自分の悲憤と胸元の奥の方から込み上げに来ている屈辱を強いられているような思いに耐えて行きつつ、もう一度義威瀬に会えるのなら、多少の屈辱は甘んじて受け入れて行こうとする美空は、悔しそうにと歯を食いしばっては、鋭利な眼光を自分に笑ってくる多々羅に向けていき、「私が頷くを見抜いてたのかよ…」美空の侮辱されては少しばかり戦慄しているような態度を目にすろと、自分は暫く退屈な思いをしないで済みそうな予感をしている多々羅は、流し目で彼女の顔を見つめて行きながら、冗談交じりに自分が彼女に用意していた飾りを快く思わないでいる彼女に笑っていきつつ、言葉を紡いでいた、「洒落たアクセサリーだろう?」


  笑いながら自分に酷い行為を向けに来る多々羅に微かな苛立ちを感じつつ、ここに来る野郎は十中八九彼のような虫唾が走るような気持ち悪い変態なんだと、自分が父親にされていたことを思い返していくと、変態にどんなことをされようが、これと言って自分を見捨てていた母親と、自分を無理矢理抱えては、こんな場所に売り捌いていた父親程の悲憤と比べると、悲しみは微塵も感じないんだと、心の中で納得して行きつつ、自分が示している嫌悪を隠せないでいる態度を全くもって気にしないどころか、楽しんでいるような多々羅の存在を睨むようにと見つめていく美空は、ぽつりと声を発していき、「最悪だなお前…」


  中々彼女は実は自分に買われている事を受け入れないでいるような美空が自分に向けて来る歯向かうような態度も、彼女の顔を見てしまうとつい愛おしく感じては、思わず淡い笑みを浮かべて見たくなってしまう多々羅は、まったりと彼女の右手に握られていたような尖った首輪を受け取って行きながら、まるで自ら罰を受けようとしているように繊細な手のひらに食い込んでいく尖った首輪の角を気にしないでいる美空の、少しばかり狂気を感じさせに来る様に拗ねて見たくなりつつ、自分の大事なペットに傷をつけないで欲しいと彼女自身に文句をぶつけて見たくなっている彼は、軽く両手で首輪を彼女の繊細な喉元に向けに行く、「しょうがないな、私が直々に付けて上げるよ。」


  自分の顔を見たくはないと語っているように、自分から目を逸らしては床を見下ろしていく美空の横顔に、目を細められているように感じては、軽く両手にある首輪を左右に振らしていく多々羅は、彼女の存在をからかっていくようにと起伏しているような声色を彼女に向けていた、「ペット君。」「うっ…」当たり前のようにと人間である自分の存在をペットだと言い張っていた多々羅は、やはり碌な人間ではなかったんだと内心で強く感じて行きながらも、自分が受けて仕舞いそうな被害が最低限に控えて行ける事ができたら、自分は大人しく彼に従っていく他ないでいるような気がし始めていた美空は軽く歯を噛んでは、ごくりと固唾を飲み込んで行きつつ、自分に首を差し出して欲しがっているように、丁寧なまでに両手で首輪を握っては自分の瞳を見つめに来る多々羅に向けて、不満そうな顔を近づいていた。


  軽く自分の喉元に触れに来ている酷く冷たく感じては、自分は人間ではなくなっている事を強く強調しに来るような革の感覚に傷心を植え付けられているような気がしては、ぼんやりと目を細めて行きながら、視線を落としては、やはり見返りなしに自分に親切にしてくれていて、世話をしてくれる人間は、この世には義威瀬一人しかないんだと、強く実感している美空は悔しそうにと強く歯を噛んでいく。


  不服そうにと歯を食いしばっては、何度も鼻翼に力を込めていく美空は軽く顎を引いて、自分の喉元に触れて来ては、上手く自分にスムーズに呼吸させてくれないでいるように思える首輪の存在に苛立ちを覚えつつ、自分の目線を引いてくるようなスライドドアを睨むようにと見つめては、宛ら自分の心臓にダイレクトな打撃を加えに来ているようなドアの向こう側から伝わってくる、自分にはもう二度と聞くことがないと思ってしまうくらいの教師とクラスメイトの会話を漠然と耳にしては、ごくりと固唾を飲み込んでいく美空は自分の弱っている心を鼓舞して行くようにと、強く左手を握っては、ドアに向けて伸ばしていた。


  ”カター”スライドドアがレール軋んでは、強くドアフレームに当たっていたような音を気にすることなく、丁寧なまでに右手にある先端が少しばかり尖っていたような筆を握って行きつつ、何度も鼻翼に力を込めては、自分の視野を飾り付けに来るような鼻梁にかけていた眼鏡の存在を感じて行きながら、自分の期待が宿っているような紙の上に、自分がずっと待ち続けて来た少女の顔のラインに右手にある筆を滑らせていく義威瀬。


  ぼんやりと微かに血走っていた琥珀色の瞳で左手で強くスライドドアを開けていた自分に注目しに来ては、一瞬にして授業を無理矢理止めていた自分を見つめてくる学生たちの事を横目で見ていきつつ、漠然と目を細めては、宛ら自分に彼の存在を教えに来ているように俯いては、一心不乱なまでに机の上で何かしらの物を描いている義威瀬の姿勢を自分の眼で、確認できるとつい笑ってしまいそうな自分に飽きれては、ゆっくりと目線を授業に乱入しに来ていた自分にあんぐり口を開けられている教師の顔を見つめて行きつつ、軽く目線を黒板に向けにいく美空は声を発していた、「遅れてすみませんした。」


  刹那、まったりと自分の耳に入り込んでは、自分が全身全霊をかけて描いていく少女を連想させに来ているような、少しばかり沈んでいるようにも伝わって来る声に視野を一瞬狭まられているように感じては、ぼんやりと傷心に耽っているような青色の瞳を自分が描いていた白いワンピースを着こなしては、無垢なまでに自分に笑って来る美空の顔を見下ろして、きっと自分が彼女の事を思い過ぎて来たせいで、聞き覚えのある、微かに彼女の声色と似ている女の子の声を彼女のだと勘違いしていたのであろうと、どう考えても真面目な美空が教師に悪びれないでいる口調を向けることはないのにと、美空に会いたい思いに頭を翻弄されているのではないかと自嘲気味に笑って見たくなっている義威瀬は、軽く渇いていた唇を噤んでは、ゆっくりと彼女の絵を描き続けていく。


  「あ、いえ。」自分に謝って来ているはずなのに、全くもって詫びていないようにも思える美空が自分に向けに来る態度にぱちくりして見たくなりつつ、チラッと潤んでいる瞳を彼女の喉元にある首輪に向けていく教師は、引き攣っているような口角を上げて行きつつ、どうして首輪をつけるのかと、眼光がやけに鋭利に思える彼女に尋ねるのは、非常に怖く感じている教師は、少しばかり困っているようにと戦慄しているような右手の人差し指でクラスの向こう側を指差していき、「ほら、教室の最後の列はあなたの席なんですよ?」宛ら自分の目線を固定しに来るような教師が指差していた方向に目線を向けて行きつつ、真面目そうにと絵を描いていく義威瀬の様に苦笑いして見たくなりながら、まったりと彼の方向に向けてすらりとした黒いジーンズに包まられていた右足を、自分の椅子の方向に向けて踏み出していく美空。


  「夏日さん。」”ドクンー”忽然、宛ら自分の胸元の奥を殴り込り込んでくるような銀色の髪の毛をしていた女教師が紡いだ一言に見開かされては、唇が否応なしにこじ開けられているよう思えては、教師が語っていた人名に縋っていくようにと額を上げ、自分の顔を奪おうとしているような琥珀色の瞳を見つめていく義威瀬、「えっ?」急に間の抜けた声を発してくる義威瀬の態度を気にして行く余裕を無くされているように感じては、漠然と美空の酷く癖のあるようにと感じている格好に心を悩まされているような気がしつつ、ゆっくりと繊細な肩を揺らして行きつつ、義威瀬のもとに向けて歩いて行こうとする美空に心臓を殴られているようにと、彼女の顔を見つめている義威瀬の様に苦笑いして見たくりつつ、彼が自分にかなり厄介にも思えるような存在を押しつけられていることに、申し訳なく感じている教師は軽く右手の人差し指を自分の痒くなっているようなこめかみに近づかせて行きつつ、美空の気怠そうに歩いているはずなのに、少しばかり緊張しているような不思議にも思える背中姿に、目を向けていく教師は声を発していた、「ええっとね、」


  宛ら自分の目線を黒い髪の毛の燃え盛っているような毛先から奪おうとしているような、教師の声色を気にする事無く、自分の目線を固定にし来るような白皙の喉元に付けていた尖っては、まるで自分の存在を拒んで来るような首輪に目を細められているような気がしてならないでいる義威瀬。軽く右手にある黒い鞄を握って、左手をポケットに突っ込んでは、右手にある鞄を右肩に当てて行きながら、まったりと教室の最後列にある空席に向けて歩いていく美空は、まるで自分の両足の動きに目線を固定されているように自分の顔を見つめて来ては、微かに唇を開けている義威瀬のまるで自分のことを知れないでいるような驚愕の表情に傷心を覚えては、軽く歯を噛んでしまう彼女は何度も鼻翼に力を込めて行きながら、軽く左手をポケットから抜け出しては、椅子を引いて行こうとする。


  美空のまったりと椅子に座って行こうとする姿に目を細められているように思いつつ、あからさまなまでに柄の悪そうな彼女の存在を恐れては、眉毛を顰めていく学生たちの急にも思えるくらいに、教室に侵入しに来る彼女の事が気になりつつ、彼女の事を見つめて行くと彼女の顰蹙を買っては、彼女にやられるのではないかと不安になっているような学生たちの顔に、苦笑いして見たくなっている教師は軽く手にある鞄を机の上に置いては、不服そうにと腕を組んでいきつつ、目線を彼女の左側にある窓に向けている美空に尋ねていく、「夏日さんはどうした髪の毛を染まっちゃうのかな?」


  軽く口内にある自分の心を労わってくれるような酷く甘く感じてしまうキャンディーを舐めて行きつつ、チラッと目線を自分の顔を照らそうとしているような太陽から教師に向けにいく美空は、軽く左手で黒い髪の毛の毛先にある燃え盛っている炎の如く髪を人差し指で弄って行きつつ、自分の行動に驚かされているようにと、あんぐり口を開けている義威瀬のまるで知らない人を見つめているように、自分のことを見てくる様に少しばかり心が折らされているように思いつつ、せめて外見と口調に周りの人に向けていく態度でどうにか彼に、彼と会えないでいる間では、自分はもうかなり変えられていて、もうとっくに彼が知っていた夏日美空ではなくなっている事を伝えてから、彼に自分から遠ざけるようにしては、自分がこっそりと彼の事を見守って行きつつ、彼が弱ってしまう時にどうにか影で支えては、守っていきたいと願っている彼女。


  軽く鼻翼に力を込めては、義威瀬と急に教室の中に入って来ていた自分に注目しに来ては、義威瀬とは違っていて、自分を少しばかり恐れているようなクラスメートたちの態度はどうでも良く考えている美空は、チラッと目線を教師に向けては、気怠そうにと声を発していた、「これ地毛なんで。」忽然、宛ら自分にギャグを言いに来るような美空のやる気なさそうにと髪の毛を弄っているような横顔に、目を半開きさせて行きつつ、口角が斜め下の方向に向けて引かれているような気がしてならないでいる義威瀬は、ぽつりと飽きれているような声を発していき、「ちげーだろう…」


  まったりと背中を椅子の背に付けていきつつ、自分の後ろに座っていた義威瀬が美空に向ける文句交じりの一言を気にする事無く、美空の酷く剛直にも感じてしまう態度に弱らされているような教師が浮かべに来ている、彼女の事をどうしたらいいのかがわからないでいるような顔に苦笑いして見たくなりながら、顎を引いては横目で美空の髪の毛にくすぐられているような尖っていた首輪に一瞥していく黒い髪の毛をしていた男子生徒は、ぽつりと弱っているような声で、見るからにしてただ者ではないようなオーラを醸し出している美空の横顔から、灰色の瞳を逸らしては美空より派手な髪の毛しかないようにも思えるくらいのクラスメートたちの頭を見ては、教師の酷く悩んでは、わざとらしく彼女に当たり障りのない話題を振っていたことに飽きれては呟いていた、「その前に首輪の事を聞いて行こうぜ…?」


  まったりと顔を自分の後ろに向けて行きつつ、自分が発していた一言に賛同してくれているようにと、自分に苦い笑みを見せて来ては、困っているようにと右手にある筆を握ったままで、痒くなっているようなこめかみを掻いて行く義威瀬のやや困っているような表情に苦笑いして見たくなっている黒い髪の毛をしていた男子生徒は、軽く右手で自分の口元を隠して行きながら、美空に自分たちの会話を聞かせたくないと思っている彼は、義威瀬に話しかけていた、「なんのプレイだよ…?」


  忽然、まるで黒い髪の毛をしていた男子生徒が紡いだ一言に、体を刺さられていたようにビクッと跳ねら背にいた美空の反応と、悔やんでいるように歯ぎしりしながらゆっくりと鋭利な針を連想させに来る眼光を、男子生徒に向けている美空の事を横目で見ていきつつ、あからさまなまでに彼女に弱らされているようにと大人しくなれているように、肩を縮めて行きつつ、振り返っていく黒い髪の毛をしていた男子生徒に目を細めていく義威瀬、「あはは…」


  突然、自分の事を義威瀬の目の前で悪く語って来ていたような黒い髪の毛をしていた男子に苛立ちを覚えては、思わず歯ぎしりして見たくなっている美空は不満そうにと何度も鼻翼に力を込めて行きつつ、極力自分と顔を合わせないでいるようにと、目線を床に向けている黒い髪の毛をしてた男子生徒の横顔を睨んで行きつつ、義威瀬に自分にいい子で暮らしてきたような幻想を破壊しようとしているけれどもも、他人に彼の前で悪く言われるのを耳にするとつい内心にある悲憤を隠しきれなきでいるような気がしている美空は、猛然と左手を机の上に置いては、顔を黒い髪の毛をしていた男子生徒に近づかせていく、「ああ?てめぇさっきなんつった?」


  「い、いえ…!」こっそりと義威瀬に話しかけていた自分に突っかかりに来る美空の怒っている様に見開かされては、唇が否応なしにこじ開けられているような気がしてならないでいる黒い髪の毛をしていた男子生徒は、大慌てで肩を跳ねらせては、急いでいるようにと彼女に両手を向けて行きつつ、両手を左右に振らして言う、「な、なんでもございません…」忽然、まるで自分が黒い髪の毛をしていた彼に突っかかっていたことで、自分の事を酷く恐れ始めているようなクラスメートのこっそりと内緒話を始めている態度に苛立ちを覚えつつ、歯ぎしりして見たくなっている美空は悔やんでいるように何度も鼻翼に力を込めて行きながら、恐る恐ると肩を縮めている黒い髪の毛をしていた男子生徒の後頭部に向けて目を半開きさせていく義威瀬の、飽きれているようにと首を横に振っていく様に、心を軽く弾まされているように感じている彼女。


  自分の味方になってくれるのは彼一人だけで良いように思って行きつつ、彼に悪態を誰かに示していたことで怒らせてはいないことに、内心で微かな安心感を覚えていくと同時に彼に怒らせていかないと自分はいつ彼に気を奪われては、もう既に彼と共に人生を歩んでいけそうな体ではなくなっているような自分には、自ら彼を遠ざけていくべきなんだと内心で強く思っていく美空、ごくりと固唾を飲み込んでは歯ぎしりして行きつつ自分の悔やんでいるような顔を見つめに来る義威瀬と、緊張しては、顔が少しばかり戦慄しているような黒い髪の毛をしていた男子生徒の事を睨んでいく美空は、軽くひんやりとした空気を吸い込んでは、黒い髪の毛をしていた男子生徒の顔を睨んでいく、「何て名前だ、お前は。」


  宛ら自分のことを覚えては、自分が油断してしまう時に首を切断しようと語ってくるような美空の、自分たちとは大して年が変わっていないはずなのにやけに鋭く思えては、数多の戦場をくぐり抜けて来ていたような眼に、不安と畏怖を強いられているような気がしてならないでいる黒い髪の毛をしていた彼は、恐る恐ると喉に引っ掛かって来ていたような唾液を飲み込んで行きながら、喉から少しばかり戦慄しているような声を絞り出していた、「う、梅川内酷です…」「へっ、」梅川内酷が自分に知らせに来る彼のどうでも良く思える名前を、自分たちの会話を黙々と聞いては自分に注目している義威瀬の前で、自分は酷く悪くなっていて、最早彼が知っていたあの無垢な女の子ではなくなっている事を知らせてやりたいと願っていく美空は、詰まらなさそうにと強く鼻で息を吐き出しては、まったりと腕を組んでいきつつ顔を自分の左側にある壁に向けていく、「そ。」


  美空のあからさまなまでに自分の名前を小馬鹿にしていた態度を自分に示しに来る姿に、目を目を半開きさせて行きながら思わず苦笑いして見たくなっている梅川内酷は、チラッとまるで彼女に瞳を奪われていたような義威瀬の青色の瞳で彼女の不機嫌そうな横顔を映し出している様に、一瞥していく梅川内酷はぽつりと弱っているような声を発していた、「柄悪すぎるだろう…」


  弱り切っているようにと逞しくにも思える肩を縮めていく梅川内酷が、美空に言葉と態度で嬲られては何も反撃することが出来ずにいる顔に、口角が斜め下の方向に固定されているように思いつつ、危険な存在に話しかける前に、自分の生徒である梅川内酷に先に美空は一体どんな子供なのかを試させて貰っていたことに、梅川内酷に負い目を感じつつも、ごくりと固唾を飲み込んでいく教師は、彼女と梅川内酷の会話を黙々と聞いていたクラスメートが芽生えている、美空は酷く悪い感じな子であるのを上手く知れては彼女と多く関わらないで行こうと決めては、彼女から目を逸らしては俯いていく殆どの学生と違っていて、やけに彼女に興味を湧いているようにと彼女の横顔を見つめている義威瀬に軽く違和感を感じつつも、成績もよく優しい彼が美空に気をかけてくれるのなら、自分の仕事も大分減っていけるように思えている教師は軽く鼻を啜っては、賢い義威瀬が見るからにして碌でもないような美空に影響されては、成績が落ちたりしない事を心の中で祈って行きつつ、恐る恐ると内心にある困っているような思いに震わされているような左手の人差し指で、美空の存在に弱い心臓を脅かされているせいで、酷く緊張しては、汗ばんでいるこめかみを掻いていく教師は、ぽつりと戦慄しているような声を上げて行き、「話が終わったみたいだね…?」


  まるで自分に返事を紡ぐのもめんどくさいと言わんばかりに、横目で自分に見くびっているような眼差しを投げに来る美空の態度に、心臓が不安に起爆されて仕舞いそうな気がしてならないでいる教師は、ごくりと固唾を飲み込んでは、恐る恐ると震えている右手の人差し指で彼女が付けていた、自分は常人ではないことを宣言しに来ているような彼女の白皙の喉元を守っては、自分に彼女の長く感じてしまう繊細な喉を見せようとしないでいる首輪を指差していく教師は、ぽつりと声を発していた、「じゃ、その首輪は…」


  まるで自分に彼女の首輪について触れて欲しくはないと語っているような眉間に皺寄せている美空の歯ぎしりしながら、あからさまなまでに遠くで舌打ちしたと自分に知らせにい来るような彼女の、微かに開けていたピンク色の唇に苦笑いして見たくなりつつ、あからさまなまでに普通の学生とは違っていて、今にも自分が彼女の不満を買っていくと、教卓まで上げに来ては自分をぶん殴ろうとしているような雰囲気を、肌で感じさせに来る美空の存在が酷く怖く感じては、弱り切っているような心に不満を思えている教師は、軽く人差し指を突いていきつつ彼女に尋ねていく、「何なのでしょうか…?」


  教師が自分に向けに来る義威瀬の前だと酷く答え辛く感じてしまう質問に、目を細められているように思いつつ、チラッと横目で教師と同じように自分が付けられていた首輪に、興味を示しに来ているような義威瀬の潤んでいた青色の眼に一瞥していく美空は酷く白い歯を噛んでは、猛然と目線を本人に気付かされる前に逸らしては自分の顔を見つめに来る教師を潤んでは少しばかり血走っていた琥珀色の瞳で、映し出していく美空は言う、「首に犬に噛まれた傷跡が残されているので、」


  刹那、自分が紡いだ自分にとっては決して嘘って訳ではないでいる言葉を、上手く信じいてくれないでいるようにと繊細な左側の眉毛を跳ねらせに行く教師のことを睨んでいく美空は、まったりと背中を椅子にくっつかせて行きながら、軽く黒いブーツを履いていた両足で机の下にあるパイプを踏んで行きつつ、気怠そうにと両手を太股に置いて行く彼女はぽつりと声を発していた、「人に見られたくないから付けているの。」

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