第343話何で人を殺したからといっておどおどしないとならない?

  義威瀬の横目で自分の顔を一瞥しに来る姿に、目を半開きさせて行きながら、自分から包丁を受け取ろうとしなでいる彼に、困らされているように感じては、娘をちゃんと傍に置いていかないとと内心で強く考えている美空は軽く鼻翼に力を込めては、強く歯を噛んで行きつつ、彼の右側を目掛けては、強く手にある包丁を投げていた、「はい!」”ヒュー”忽然、否応なしに自分の右耳の隣りを通って来ては、酷く鋭く伝わって来る空気を裂いて行くような音に、あんぐり口を開けられてしまいそうに感じつつ、唇が否応なしにこじ開けられているような気がしてならないでいる義威瀬は、急いでいるようにと、倒れ込んでは上手く体を動かすことが出来なくなっていたような謝阿狗の頭に向けて、突っ込んでしまいそうな包丁に眉毛を跳ねらされているように思えては、強く右手を伸ばしては、自分の愛おしい人に殺人犯に仕立て上げたくはないと、内心で強く考えていく彼、「おいおい…」


  殺意に満ちているようにと右手の中で一瞬暴れては、謝阿狗の顔を貫こうとしているような包丁を止めていた事に、安心感を覚えながらも、口角が斜め下の方向に向けられているような気分を味わっている義威瀬、「乱暴だな…」軽く鼻翼に力を入れては、眉間に皺寄せていく彼は横目で苦い笑みを自分に向けて来る美空の態度に、目を半開きさせて行きながら、ぽつりと声を上げていき、「旦那に包丁を投げる嫁って…」右手にある包丁を軽く上げては、まだ自分の顔を見たがっているような娘の小さな背中を、両手で部屋の奥に向かって押している美空の硬直している顔を見ながら、文句交じりの言葉を紡いでいく彼、「この世にお前しかいないと思うぞ…」


  自分が彼に投げていた包丁を快く思っていないような態度を向けに来た義威瀬に不満を覚えては、思わず唇を尖らせていく美空は不服そうに両手を腰に当てていき、「緊急時だから仕方ないでしょ!」自分に謝って来ているようにと軽く肩を縮めては、顎を引いていた義威瀬の態度を気にする事無く、苦しそうにと左手を地面に付けては、立ち上がろうとしているような謝阿狗に一瞥しては、大慌てで目線を苦しんでいるようにと眉毛を顰めていた娘に向けていく美空は言う、「ほら、あくはこっち!」


  「かっ…」強く地面に付けていた両手に力を込めては、否応なしに唇をこじ開けて来ては、上手く自分に体を動かせてくれないでいるような、重たく感じてしまう腹部の傷に、口角が斜め下の方向に向けられているように思えては、辛そうにと大きく唇を開けては、透明な唾液を垂らしていく謝阿狗、「は…は…」苦しそうにと左手を腹部に当てて行きながら、苦しみに赤く染め上げられていた額を上げて行きつつ、自分の顔を睨んで来る義威瀬のことを見つめていく謝阿狗は、苦しそうにと嗄れていたような声を、息に詰まっているような喉から絞り出していく、「やるじゃねぇか…てめぇ…」


  謝阿狗の本気で苦しんでいるような様を自分に見せてくる態度に、肩を上げられているように感じては、右手にある美空の手のひらの温度が帯びていた包丁の感覚を漠然と感じて行きながら、美空と娘の為には、目の前にいる相手を殺めた方が一番であろうと、心の中で思ってしまう義威瀬は青色の瞳で謝阿狗の戦慄している様を映し出していた、「お前が如何にも悪党って顔をしているからだよ。」


  「言うじゃねぇか…」義威瀬の酷く鋭く伝わって来る勘に、口角を上げられているように思いながら思わず自嘲気味に笑ってみたくなる謝阿狗は、左手で腹部の重たくなり、縮めていたような感覚を呆然と感じて行きながら、彼の命を狙っていた自分には、きっと自分よりずっと強く感じてしまう義威瀬に殺されてしまうのであろうなと、心の中で達観してしまいそうな気がしている彼は悔しそうにと歯を噛んでは、自分にはまだ親子丼を食べていないのにと、内心で思って行きつつ、何度も汗に濡らされていた鼻翼に力を入れては、まるで自分に包丁を差し込む事が出来ないと知らせに来るような、義威瀬の戦慄している右手に一瞥していく謝阿狗、「おいおい~」口角が義威瀬の人を殺める事を萎縮しているような態度に、限界なまでに上げられているように感じつつ、軽く顎を上げては、まったりと左手で彼の顔を指差していく謝阿狗は、急に起伏している声を発しては、彼のことを挑発し始めている自分の態度に戸惑っているような義威瀬の顔を睨んでいく謝阿狗は言う、「包丁を握ってるお手手が震えてるぜ?」


  自分が彼に投げていた言葉に、左側の眉毛がビクッと跳ねらされていたような義威瀬の姿に興奮気味になれては、人をその手にかけた事のない奴は、きっと自分を殺せないんだと、内心で萎縮しているような義威瀬の様を見つめて行きつつ、首を彼に向けて伸ばしていく謝阿狗、「お前、人を殺したことがあるのか?」地面にある草と土に汚されていた左手の人差し指を立てて来ては、自分の存在を舐って来るようにと舌を舐めていく謝阿狗の態度に苛立ちを覚えながら、不満そうにと鼻翼に力を込めていく義威瀬は、ぽつりと声を発していた、「ねぇよ…」


  案の定の返答をしてくれている義威瀬の怯んではならないと自己催眠しているように、自分に右足を向けて微かにずらしていたままで、体勢を低めにしようとしている態度に鼻腔の奥をくすぐられているように感じては、可笑しそうにと右側の口角を上げてしまう謝阿狗は言う、「俺はいっぱいやって来たぜ?」右手で軽く腹部を擦って行きながら、ごくりと固唾を飲み込んでは、彼の酷く強く思える蹴りが残して来た打撃を耐えていくには、もう少し時間稼ぎをしないといけないと、内心でぼんやりと考えて行きながら、彼の顔を睨んでいく謝阿狗、「村何個分な?」


  ”ドクンー”忽然、自分に自慢しているようにと顎を上げては、口角に唾液を垂らして行きつつ、左手の親指で彼の汗ばんでいるような顎を指しているような謝阿狗の存在に、胸元の奥を嬲られているような気がしてならないでいる義威瀬、「お…おまえ…!」自分がやっていた事に驚かされては、上手く言葉も紡げなくなっているような義威瀬の萎縮している態度に、心臓をくすぐられているように感じつつ、まったりと左足を引いては、自分の体重に押しつぶされてしまいそうなくらいに重たく伝わって来る腹部の内蔵を、抉っているような感覚を耐えて行こうとする謝阿狗は、深い緑色の瞳で彼の顔を映し出していた、「あと都会に行って弱った奴を村にある食料で釣ったりとかもしてたな。」


  自分に経験を教示しに来ているような謝阿狗の淡々と自慢話をしているようにと、人命を奪っていた話を自分に投げて来ていた事に歯ぎしりして見たくなりつつ、強く左手を握っては、自分が彼の事を如何にも悪い奴と感じていたのは、外見ではなく、彼の腐っていたようにも思える中身なんだと、謝阿狗の彼が語りに来る話にこれっぽちの懺悔もしていない様に、悲憤を覚えている義威瀬はぽつりと吐き捨てて行くようにと声を発していき、「下種が…」


  「はっ、」宛ら自分を笑わせに来るような話を紡いだような義威瀬の、狂気の世界に真面な人間をぶっている様が実に滑稽のように感じては、思わず強く喉から息を吐き出していた謝阿狗は、左手の人差し指でまったりと宙で円を描いて行きながら、言葉を紡いでいく、「アニメなんざもんを見る人は少数派だかんな?」歯ぎしりしながら自分の話に魅了されているようにと、自分の顔を睨んで来る義威瀬の青色の瞳を見つめていく謝阿狗は、嗜虐的なまでに右側の口角を上げていた、「柱さまのお陰で、逃げたくても直ぐにとっ捕まえたりするんだぜ~?」腹部にある違和感に左目の瞼が下に向けて引かれているように感じつつ、苦しそうにと何度も鼻翼に力を入れて行きながら、例え今日で死ぬとしても、世に自分がしていた事を一人でも多く知らせにいきたいと強く思っている謝阿狗は、漠然と霞んでは沈んでいるようにも見てしまう視野の中で澄み渡る空に飾られていたような、微かに赤いオブラートに包まられていたような雲を見上げていき、「ゆっくりと舐って殺してやったんだぜ~?」


  謝阿狗が自分に向けていた何もかも偽りのような態度に悲憤を覚えては、もし自分が初っ端から彼のことを強く信じてたら、自分と大事な義亜孔はもう家に戻れなくなっていたなのかもしれないと心の中で思っては、猛然と右手にある包丁の先端を彼に向けていく義威瀬は、彼の存在を威嚇しているように沈んでいるような声を発していた、「店員なんかじゃなかったんだな…お前は。」


  義威瀬のすっかりと自分が適当に思っていた設定を信じ込んで来る姿勢に、口角が限界なまでに上げられているように感じては、軽く肩をすくめてしまう謝阿狗、「まぁな?」流し目で自分が彼に返していた当たり前のような態度に見開かされては、あんぐり口を開けに来る彼の顔を見つめて行きつつ、可笑しそうにと鼻で笑っていく謝阿狗は言う、「村にファーストフードの店はねぇだろうよ、普通。」


  謝阿狗の自分が思い付いていた事を淡々と知らせに来る姿勢に苛立ちを覚えながら、彼に殺されていた人々の代わりに、自分が復讐していくべきであり、何よりのは、自分と家族の安全の為に、自分たちの住所を知れていた彼のような危険な奴を活かしてはならないと、内心で強く自分に言い聞かせているのに、右手にある先端が尖っていた包丁の存在を感じていくと、つい自分には果たして人の命を奪う勇気があるのだろうか漠然と考えてしまう義威瀬。


  「常套手段ってわけじゃないけどね、」ニヤリと右側の口角を上げたままで、左手を軽く包丁で自分のことを突き刺そうとしているのに、自分に触れて来るのを恐れているように佇んでは、戦慄している義威瀬の顔を睨んでいく謝阿狗は、可笑しそうにと笑っていき、「まだ試行錯誤してるんだ、」自分が彼に向けていた話に怒らされているんだと、自分に知らせに来るようにと歯を食いしばっては、頬に小さな角を浮かばせていく義威瀬の姿勢に興奮気味になれている謝阿狗、「どうやって馬鹿どもを騙して殺していくのかをね?」


  わざと自分を挑発しに来ては、彼のもとに駆けつけて欲しがっているような謝阿狗の様に、目を細められているように感じつつ、自分の渾身の一撃を食らっていたはずの彼はどうしてわざわざ自分を刺激しに来るのかと、漠然と思っては、もしかしたら相手には力にかなりの差があると見えている自分に、勝てる術でも持っているんじゃないかと不安になりつつ、何度も鼻翼に力を入れては、汗ばんでいる額を擦っていく寒風の温度をぼんやりと感じて行きながら、ごくりと固唾を飲み込んでは、ゴミとしか思えないでいる謝阿狗のような、人の命を何とも思わないでいる奴になりたくはないと、内心で叫んでいる義威瀬、「しくじったなお前…」


  宛ら自分の自信に満ちている一言に、驚かされているようにビクッと眉毛を跳ねらせては、深い緑色の瞳で自分の顔を映し出して来る謝阿狗の様を睨んでいく彼は、軽く右手にある包丁を握っては、切り傷が出来てしまうと、治療を上手く施される事が出来ずにいる今になると、感染しては、死ぬ可能性は出て来るんだと、ぼんやりと酷く蔑んでいる相手の命の危機を考えている自分は可笑しいのだろうかと、脳内で漠然と思ってしまう義威瀬は、自分がぽつりと上げていた声に見開かされては、不満を語って来ているようにと自分の体を八つ裂きにしようと、考えているような眼光を向けに来ている謝阿狗の存在を睨んで行きながら、左手の親指を胸元に当てていく義威瀬は言い放った、「何せ俺とバッタリ遭遇しちまったから。」


  忽然、義威瀬のどう見ても自分の存在を殺すのを恐れているのに、なのにどうして自分にまだ余裕そうな態度を向けてこれるのかが、分からなくなっている謝阿狗は軽く鼻翼に力を入れては、面白そうにと口角を上げていた、「ふん~どうだろうな?」相手は確実に自分の事を恐れては、自分には勝てないことを知れているはずなんだと、謝阿狗の汗に濡らされていた緑色の髪の毛に一瞥してしまう義威瀬は軽く歯を噛んでは、右目を細めて行きつつ、相手の顔を睨んでいく、「一つ聞かせてくれよ。」


  義威瀬の自分に回復する余裕を与えて来ているような話を向けに来た事に、口角が最大限なまでに上げられてしまいそうな気がしてならないでいる謝阿狗は軽く肩を竦めて行きながら、彼に挑発しているような眼差しを向けていた、「どうぞどうぞ?」「お前は…」まったりと右手にある包丁を下ろして行きつつ、遠くにある柱のもとで佇んでいるようにも感じて来る、謝阿狗の存在に苛立ちを覚えては、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしている義威瀬は、凛とした青色の瞳で彼の存在を映し出していく、「どうして無関係の人間を殺していける?」自分が彼に投げていく質問に左側の眉毛をビクッと跳ねらされているような謝阿狗が、浮かべて来る間の抜けた顔を睨み付けていく義威瀬は軽く汗ばんでいる喉を伸ばしていき、「どうして平気でいられるんだ…!」

  

  酷く知らない人の為に怒りに来るような義威瀬の姿勢に、鼻腔の奥をくすぐられているように感じつつ、彼と会話を広げると、口角を下がることが出来なくなっているような気分になれている謝阿狗は、流し目で彼の顔を睨んでいきつつ、軽く左手の人差し指で相手の顔を指差していく、「おいおい、ちゃんと数学の授業を聞いてたのかな?」やけに自分を馬鹿にしているような話を投げて来る謝阿狗の存在に違和感を覚えては、ぼんやりと眉間に皺寄せていく義威瀬。


  「それ、」まったりと彼の顔を指差していた左腕を引いては、ゆっくりと親指を立てていく謝阿狗は呑気に指を立てていた左手を左右に振らしていた、「ふ~た~つ。」「答えろ…!」根本に自分が彼に向けていた人命と関わっている質問を小馬鹿にしているような態度を、自分に見せつけに来ているような謝阿狗のとことん腐っているように思わに来る姿勢に、歯ぎしりして見たくなっている義威瀬は顎を引いては、喉から怒気に満ちているような声を絞り出していく、「殺人鬼め…」


  酷く自分がしていた事を差別しに来ているような話を自分に向ければ向けるほどに、義威瀬は自分と同じ存在にはなりたくはないのであろうと思いつつ、軽く鼻翼に力を入れては、もし彼は自分を殺してしまったら、彼も殺人犯になるんだと、彼の狂っていた世界の中にある馬鹿な価値観に、救われているような気分になれている謝阿狗、「どうして無関係の人を殺してはいけない?」刹那、自分が当たり前のようにと彼に投げていた言葉にあんぐり口を開けに来ては、眉毛を跳ねらせていた義威瀬の滑稽にも思える様に、左側の口角を上げられているように感じつつ、強く鼻で息を吐き出していく謝阿狗は言う、「何で人を殺したからといっておどおどしないとならない?」


  謝阿狗が自分に投げて来る自分の価値観を木端微塵にして来るような一言に、喉を鷲掴みにされているように思えては、彼が紡いだ話は全くもって間違ってはいないと自分に知らせにているような、平然と汗を流していく彼の顔にこめかみを嬲られているような気がしている義威瀬、「は?」漠然と微かに首を傾げていきつつ、間の抜けた声を上げに来る義威瀬のきょとんとしている態度に、顎を上げられているように感じては、確かに戦いに置いては、瞬時で自分に上手く怪我を最低限にする防ぐ動作をさせないでいるくらいに、強く思える彼だが、人を殺す事に関しては、自分が遥かに彼の存在を凌駕しているような気がしてならないでいる謝阿狗は、無理矢理口角を最大限なまでに上げては、猛然と汗ばんでいる喉を伸ばしていた、「これだから殺人童貞はダメだな~」


  呆然と佇んでは、自分が彼に投げていく馬鹿にしている話を、大人しく聞いていることしか出来なくなっているような義威瀬の姿を鼻で笑っていく謝阿狗は言う、「人を最初に殺していくに連れて来る快感は、」まったりと左手を激しく鼓動を刻んでは、自分が上手く彼のことを倒しては、彼の娘と嫁と楽しく遊んでいけるような想像を、脳内で膨らませていく謝阿狗は目を細めて行きつつ、彼が自分を殺さない限りは、多少彼に殴られたところで、自分はいくらでも傷を癒していける程の時間が柱に与えられているんだと、脳内で考えていく彼、「次の時もまた同じようにやって来るのを思うと、」柱に適しては、移り変わっていく世界のもとで上手くやっていくには、自分のような人間になっている方が普通であり、義威瀬は今の世界から見ると、狂っているんだと内心で強く考えている謝阿狗は目を細めて行きつつ、ぼんやりとしている彼の顔を見つめて言う、「こいつはたまらないぜ~」


  謝阿狗が自分に向けて来る根本的に分かり合える事のない話に、歯ぎしりして見たくなりつつ、右手にある包丁を強く握っては、目から飛び出そうな眼で彼のことを睨んでいく義威瀬は、ぽつりと汗に濡らされていた唇を開けていき、「狂ってんな…」まったりと額から滴り落ちては、自分の微かに開けては、白い息を吐き出している唇をかざしに来てくれているような汗の寒風に、温度を奪われているような感覚を呆然と感じて行きつつ、何度も鼻翼に力を入れては、謝阿狗をどうにかしないと、自分はともかく、娘と嫁は上手く眠りにつくことも出来ないんだと、心の中で考えては、チラッと目線を右手にある包丁に向けていく義威瀬。


  ゆっくりと自分の微かに起伏させては、呼吸と同調させにいく体の存在を漠然と感じて行きつつ、謝阿狗の自分に腹部を蹴られていたせいで、少しばかり白くなっているようにも見えてしまう顔色に目を細められているように思えては、彼は確実に自分より弱い存在であり、いっぱい人を殺したと言っても、柱に無力化されていた一般人であり、強化者ではないんだと、心の中で考えては、軽く唇を噛んでしまう彼は、猛然と右足の靴先を前に向けて踏み出していく。


  「ううっ?!」忽然、自分が軽く前に踏み出していた右足に、体中を刺激されているようにビクッと肩を跳ねらせては、急いでいるようにと左腕を自分の方向に向けて来ては、右手を引いていた謝阿狗の、真剣で彼を倒そうとしている自分の視野の中で微かに緩慢に見えて来る行動に、心を宥められているように思いつつ、自分は確実に相手を倒していけるんだと、胸元の奥から徐々にこみ上げて来ている熱気に焼かれているような頭で考えてしまう義威瀬、「すぅー…」


  微かに唇を開けては、ゆっくりと自分の熱くなっている体を、冷やしていくようにと空気を吸い込んでしまう義威瀬は、揺るぎない眼差しをあからさまなまでに自分の本気になってくる態度に萎縮しては、逃げ出そうと考えているように、自分と目線を合わせることが出来なくなっているように、一瞬逃げていたように目を逸らしていた謝阿狗の深い緑色の眼に、映し出されている自分の眉毛を抑えられているような瞼と、鋭利な光を放っている眼を睨んでいく義威瀬。


  「フンっ!」刹那、右足に強く力を込めては、右手にある包丁を迷わずに謝阿狗の左耳に向けて投げて行こうと考えている義威瀬は、自分を拒んでいるようにと小刻みに首を横振っていく謝阿狗の態度を睨み付けては、否応なしに包丁を放していた。”シュー”宛ら自分の存在を鋭い刃物で貫こうとしているような相手がしていた行動に、眉毛を軽く跳ねされているように感じつつ、裂帛の音を立てて来ると同時に、あからさまなまでに自分の眉間から逸らしていたような、刃物の先に鼻腔をくすぐられているように感じては、ゆっくりと人をじっくりと苦しんでから、殺す事も出来ないどころか、酷く短絡的に一瞬で自分を殺めようとしているのに、包丁の先が向けていた方向が完全に外れている相手を馬鹿にしないではいられなくなっている謝阿狗は、迷わずに左手を伸ばしては、強く包丁を握っては、彼を殺していくんだと、自分を誘ってくるような部屋から漂って来る母娘が自分に恐れているような感覚を嗅ぎ取っていく謝阿狗、「へっ!」


  目線が自分の武器を送ろうと勘違いさせていた包丁に固定されては、強く左手を伸ばしては包丁を握っていた謝阿狗の完全に体勢を落としては、彼の足元にある芝生を強く踏んでいた自分に気が付いていない態度に、鼻腔の奥をくすぐられているように思えては、軽く口角を上げていた義威瀬。”フー”突然、まるで自分には重要なものを見落としているんだと、自分に知らせに来るような顔面を覆う程の陰と、顔を殴りに来ているような冷淡にも感じてしまう風に絶句されては、眉毛を軽く跳ねらされている気がしてならないでいる謝阿狗は、否応なしに右腕を上げて来ては自分の左腕を挟もうとしているような義威瀬の、どっしりと構えているようにと自分の足元で重心を落として来る姿勢に、唇をこじ開けられているような気がしてならないでいる彼。


  自分の右腕の上腕に手首を固定されては、強く握っていた包丁で自分に傷をつけないでいる現実に気が付いているような謝阿狗の急いで体勢を整えては、自分の横腹を包丁で切り刻もうとしているように、歯ぎしりしながら眉毛を歪ませているような顔を睨んでは、迷わずに彼の上腕に当てていた手首に力を込めては、上腕を外側に向けて強く力量を込めていた義威瀬、「ふん。」


  ”がバー”自分がしていた行動に応えて来るような小気味いいと共に、自分の上腕に当てては、上手く右腕を外側に向けてずらすことをさせてくれなかった謝阿狗の左腕が、割れていた卵の如く、容易く自分の右腕の自由を許しては、自分に受けていた打撃の辛さを語って来ているようにと大きく唇を開けに来ては、眉毛を跳ねらせていく彼の痛みに歪まされているような表情を睨んで行きつつ、軽く鼻翼に力を入れては、まだ休む時ではないと、自分に知らせに来るようにと立ち直っては、自分に握りしめていた右手を殴りに来させようとしているような謝阿狗の姿勢に、歯がゆい思いを強いられている感じつつ、迷わずに彼の両足の間に踏み入った足首を彼の左足の踵に向かわせていく義威瀬。


  ”ドー”強く体を地面に当てらせては、小さな音を立たせていた包丁の真似をしているようにと背中を強く地面に当てては、苦渋な表情を浮かべ、白目を向いてしまいそうな謝阿狗の必死に唇を開けては、痛みと衝撃のせいで上手く唸り声を零す事も出来なくなっている様を睨み付けていく義威瀬は、軽く握りしめていた右手の力を抜けては、必死に顎を上げては息を吸い込もうとしている謝阿狗の態度に、目を細めて行きながら、自分は彼を殺すべきなんだと、内心で何度も自分に言い聞かせていく。


  ”フー”忽然、まるで自分の存在を呼んでくるようなひんやりとした風に、前髪を攫われているように感じつつ、困惑気味になれては、思わず眉毛を顰めていく義威瀬はチラッと横目で冷たい風に攫われては、自分を誘って来るようなベージュ色のカーテンに隠されていたような小さなポニーテールを引いていた、娘の起伏している波のようなシルエットに熱くなり、熱気を放っているような心臓が微かに冷静を取り戻せていたような気がしている義威瀬は強く歯を噛んでは、苦しそうにと右手を上げて頭を抱えて行きつつ、悶絶してしまいそうなくらいに苦しんでいる唸り声を零して行きながら、体を左右に揺らそうとしている謝阿狗の自分の右足に両足の動きを固定されては、上手く体を翻させることすら出来なくなっている様を見下ろしては、軽く鼻翼に力を入れてしまう義威瀬は強く左手を握っては、可愛い娘の為にも、自分は確実に目の前にいる奴の息の根を止めなければならないのだと、心の中で自分に言い聞かせていく彼。


  「こ、殺さないでくれぇ…」まるで弱っている自分に嗜虐な思いをくすぐられているような義威瀬が、自分に投げて来ている本気で自分のことを殺そうとしているような態度に、眉毛を限界なまでに上げられているように思えては、小刻みに首を横に振ってしまう謝阿狗は痛みに霞まされていく視野の中で彼の顔を見上げて言う、「お願いですぅ…」左腕から伝わって来るひんやりと沈んでいる炎の如く、訳の分からないくらいの激痛に、自分は死にたくはないんだと叫んで見たくなっている彼は、必死に自分を冷酷な氷を連想させに来る義威瀬のことを見つめていき、「自分はただの豚野郎で…何もできないのでぅ…!」涙が恐怖と激痛に目から絞り出されているような気分になりつつ、何度も鼻翼に力を入れては、上手く自分に空気を吸わせてくれないでいる汗を退かしてたいと、強く思ってしまう彼は何度も首を横に振っていく、「汗だく豚野郎ですぅ…!」


  自分に抵抗することを完全に諦めては、己の存在を蔑むことで、許しを得ようとする謝阿狗の酷く醜く感じて来る様を青色のレンズで映し出していく義威瀬。「見逃してくだされぇ…!」謝阿狗が自分に投げつけて来る命乞いの言葉はどうでもよく思いながら、もし自分が彼を殺してしまったら、自分には果たしてまだちゃんと美空と大切な娘に顔を合わせる勇気を持てるのだろうかと、内心で思ってしまう義威瀬。

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