第339話本当、残念だな~

  威張っているようにと左手を腰に付けて行きつつ、軽く握っていた右手を控え目の胸元に当てていく義亜孔は、顎を上げては言い放った、「パパを守る!」まったくもって何も知らないでいる義亜孔が投げて来ていた、ただ迷惑でしかないでいる一言に目を半開きさせて行きつつ、チラッと自分と同じように少しばかり困っているようにと、苦い笑みを浮かべては、軽く右手の人差し指でこめかみを掻いてしまう義威瀬に一瞥していた美空、「あんたは大人しくしてなさい…」


  思わずため息を吐いてみたくなっている彼女は悲しそうにと、自分に手を放して欲しいと思っているのに、自分の手を握っていた右手に力を込めていくのを控えている義威瀬の、自分を痛くしたくないでいる思いに、胸元の奥に感動を強いられているように思いつつ、自分に潤んでいる青色の眼を向けに来る彼に飽きれては、二人に負けて仕舞ったような気がしてしまう彼女は軽く左手を放しては、まったりと義亜孔に向けて歩いていき、「もうこれ以上迷惑になったら威瀬が困る時どうしようもなくなるのでしょ。」


  「むぅ…!」軽く大きな両手を自分の肩に置いて来ては、自分の事を危険の前では何も出来ないと思っているような母親の態度に苛立ちを覚えては、不服そうにと白皙の頬を膨らませていた義亜孔、「あくもいくの!」強く両足を上げては自分を守っているような絨毯を踏んでしまう義亜孔は、両親に困らせていた自分はちゃんと責任を取っては、父親と共に危険に立ち向かっていくべきなんだと強く思っては、不機嫌そうにと眉間に皺寄せていき、「行きたいの!」


  強く汗ばんでいる両手を握って行きつつ、振り返っては、自分の行動に顰蹙を買われていた母親の顔を見上げて行きながら、悔しそうにと歯を食いしばっては、伸び上げていく義亜孔は言う、「パパと一緒に出掛けたいの!」唇を尖らせては、自分の本当の思いを知れると、両親はきっとそんな事をしなくてもいいんだよと、自分に言いに来るのに違いないんだと強く考えては、一瞬自分の眼の複製品のようにも思えた母親の厳しく感じてしまう眼から目線を逸らしては、自分を元気づけてくれているような絨毯の柔らかさと、自分たちを窓越しで見下ろしてくれていた、澄み渡る青空に勇気を貰えたような気がしている義亜孔は、猛然と顔を母親に向けていた、「ずっとお家の中だとつまらないの!」


  ただでさえ大変な思いをしているのに、またしてもとんでもないくらいの我が儘を、自分たちにぶつけに来ては、義威瀬に守られつつ、まだ残されているのかどうかでさえ疑ってしまうような買い物を、させていくのは万が一危険になってしまう時には、彼は逃げたくても義亜孔に足を引っ張られては、結局は二人が共に悪い奴らの餌食になってしまうかもしれないと考えては、酷く潤んでは、少しばかり充血している眼を自分に向けて来る義亜孔に対する苛立ちが、脳内を充填しに来ているように感じつつ、まったりと屈んでは、向きになっているようにと両手を握り締めながら、自分の見上げて来ている娘の瞳に目を半開きさせていく美空は、沈んでいるような声を上げていき、「また痒くなったみたいだね…」刹那、ぽつりと自分の唇から飛び出ていた怒気に満ちているような声色に、眉毛を跳ねらせては、華奢な体がビクッと跳ねていた娘の紅潮していく頬に向けて、両手を伸ばしていく美空は何度も鼻翼に力を込めていき、「今度は頬っぺなのかしらね…?」


  「うぐっ?!」忽然、母親のまるで自分の頬を両手でこっぴどく握ろうとしているような態度に、眉毛が否応なしに跳ねらされているような気がしてならないでいる義亜孔、もし母親のもとから逃げてしまったら、きっともっと彼女に怒れてしまうんだと強く考えては、萎縮しているようにと脇を締めて行きつつ、まったりと自分のもとまで歩いてくる父親の顔を見上げていく義亜孔、「ぱ、パパ…」


  軽く弱っては震えている左手で、自分のズボンを握ってくる娘の泣き出してしまいそうなくらいに、弱っている態度に苦笑いしてみたくなりつつ、外ではしゃいでみたいと思っている娘の思いをぼんやりと考えてしまうと、つい彼女の潤んでいる瞳に心を負かされているように感じては、まったりと両手を太股に当てては、自分のことを見上げて来る美空の不安に満たされているような表情に微笑んでいく義威瀬、「まぁ…」


  強く両手を握っては、眉間に皺寄せて行きながら、自分に彼女の力量を信じて欲しがっているようにと、潤んでいる瞳で自分の顔を見つめて来る義亜孔の態度に口角を軽く上げられているようにと思えている義威瀬は微笑んだ、「一緒に行くかな?」自分に彼についていては、外で共に遊んでいけるような話を投げて来ていた父親の寛大にも思える態度に、口角を上げられているような気がしては、嬉しそうにと両手をかざしていく義亜孔は言う、「やった~」

  

  ”ドクンー”「え?!」突然、否応なしに自分の臀部を脛から跳ねらせに来ていたような義威瀬が紡いだ、娘に向ける言葉に眉毛を跳ねらせているように感じては、猛然と立ち上がっていく美空は強く左手を胸元に当てては、彼の顔を睨むようにと見つめていた、「あんた正気かよ?!」酷く向きになっている美空の存在を、恐れているようにと急いで彼女のもとから離れては、自分の左側まで歩いて来る義亜孔の態度に、心をからかわれているように感じつつ、酷く悔やんでは、眉毛を顰めている美空の自分の顔を睨むようにと見ながら、泣き出してしまいそうな態度に、目を細められているように思えては、彼女に心配と不安を強いていた決断を下していた事に不安を覚えつつ、呆然と弱っている眼を床に向けてしまう義威瀬はぽつりと渇いた唇を開けていき、「だってさ…」


  自分の言い分なんて耳にしたくはないと知らせに来ているように、歯ぎしりして来る美空の態度に困らせては、握り締めているせいで少しばかり戦慄しているようにも見えて来る、彼女の小さな右手に苦笑いしてみたくなっている彼は、軽く左手で後頭部を擦っていく、「別に家にいるからと言って百パーセント安全って訳じゃないんだしさ…?」自分の唇から零れていた弱っているような声に、つられているようにと眉毛を顰めては、腕を組んでしまう彼女の衰弱しているようにと、目線を義亜孔の天真爛漫な表情に向けては、悔やんでいるようにと軽く歯を噛んでは、ゆっくりと握り締めていた右手を解していく様に、微笑んでいく義威瀬、「そもそも森を越えたら直ぐ柱がる海なんだぞ?」まったりと左手を胸元に当てては、軽く右手の人差し指を立ててしまう彼は、人間の命を玩具同然のように扱って来ていた神様だと、名乗っていたシルエットの存在がある限り、何もかも保証されないんだと漠然と考えている彼は、自分に目線を向けに来る美空の顔を見つめては、ぽつりと声を発していた、「一緒に外に行った方が安全かも?」


  義威瀬が自分に投げて来ている飄々としたニュアンスが込められている口調に、目を半開きさせて行きつつ、どうしても娘を甘やかしたがる彼に飽きれては、つい泣き出してしまいそうなくらいに彼に弱らされては、何度も首を横に振ってしまう美空は、軽く渇いたピンク色の唇を噤んでは、彼の事を見つめて言う、「自分でもその話を疑っているのでしょ…」美空のまるで自分の不安で出来上がっている思いを、読み上げてくれているような一言に、口角をいとも簡単に上げられているように感じては、可笑しそうに笑ってしまう義威瀬、「うん。」


  「はぁ…」父親の態度に酷く悩まされては、軽く繊細な眉毛を顰めたままで疲れているようにと、軽く右手で白皙の額を擦っていく母親がぽつりと漏らしていたようなため息に心をつられては、困らされているようにと感じてしまう義亜孔、「あく…」軽く小さな両手を握っては、自分に顔を向けて来る二人の顔を交互に見ていく義亜孔は、不安そうに小さな声を漏らしていた、「一緒に行くのはだめ…?」


  自分の唇から漏れていたため息に、負い目を強いられているような娘の弱っている様に苦笑いしてみたくなりつつ、無邪気な彼女には何も悪いことをしていないんだと、子供が少しくらい我が儘な方が子供なんだと、内心で自分に言い聞かせていく美空、宛ら義亜孔の真似をしているようにと、叱られていた子供のように肩を縮めては、自分の態度を伺いに来る、自分の許可なしだと、危険を冒さないと語りに来る義威瀬の姿勢に飽きれては、負けたような気分になれている美空は軽く肩をすくめていき、「もういいわ、親バカに敵わないや。」自分がぽつりと上げていた声に、眉毛を跳ねらされている二人の同調していたような態度が、頗る面白く感じている美空は軽く右手の人差し指を立てて行きながら、左手を腰に当てては、青色の瞳の中にある自分の事を丁寧に見つめていた、「早く行ってさっさと帰って頂戴ね?」


  母親がようやくちゃんと自分に父親についていくことを許してくれた一言に、興奮気味になれては、思わず飛び跳ねて見たい気分になれている義亜孔、「イエーイ!」義亜孔の嬉しさのあまり両手をかざしては、美空に燦爛な笑みを向けていた姿に沿っては、彼女が浮かべている笑みにつられているようにと硬直しては、俯いていた口角を軽く上げていた美空の様に、苦笑いしてみたくなっている義威瀬は、軽く右手の人差し指でこめかみを掻いていく、「お前も大分親バカじゃないか…?」


  そもそも義亜孔の我が儘を聞かなかった事にすれば、比較的一番安全のような未来に歩んでいけるのにと、自分に飽きれているような眼差しを送って来ていると同時に、笑ってくる義威瀬の自分に怒らせないで魔力を、かけに来るような笑顔に不満を覚えつつ、腕を組んではぷいと首を横に向けていく美空、「ふん!」拗ねているような態度を自分にぶつけては、何だかんだ自分のやることを応援して来ていた彼女に、心を弾まされているように感じては、彼女が娘に語っていたいい子にしていたから、自分と出会えていた言葉を思い返していくと、自分の方こそ大した事をしてやれなかったけれど、彼女と共に暮らしていけるのは、酷く僥倖に感じては、幸せに浸っているような気分になれている義威瀬、「それじゃ、行ってきます。」


  自分のもとから離れようとしている義威瀬の一言に、内心にある将来に向ける不安が一気に爆発されているように思えては、胸元の奥から鼻腔までこみ上げて来る寂しい思いと恐怖に、左手を上げられているように感じつつ、思わず自分の右側から通っていこうとする彼の右手を軽く握ってしまう美空、「待って。」「え?」忽然、娘を連れては、一刻も早く食料を調達しては、危険な外から家に戻っていこうと考えていた彼は、つい否応なしに自分の胸元に左手を当てに来ては、軽く胸元を押して来るような美空の態度に見開かされてしまい、「うっ?!」


  刹那、有無を言わさずに自分の唇に当てて来る、甘い香りを放っているような柔らかい感覚に、眉毛を跳ねらせているように思えては、思わず義亜孔の小さな手を握っていた左手を放してしまう義威瀬。”ちゅっ。”父親の唇に可愛く聞こえて来る音を残しては、宛ら彼の目線を引いては、自分の赤くなって行く顔に固定しているような母親のハニカムようにと俯いては、チラッとぼんやりと彼女の顔を見つめている父親に目線を向けていく様に、口角をくすぐられているような気がしてならないでいる義亜孔、「おおお…」


  まるで自分たちの存在をからかって来るようにと小さな両手を上げては、唇を隠していく義亜孔の楽しそうにと笑いつつ、もう一回しないのかと自分たちに期待しているようにと、自分らの顔を交互に見てくる様に心の奥でまったりと体中に広がっては、自分の身体を焼いてくるような恥ずかしい思いを、刺激されているような気がしてならないでいる美空、口角は斜め下の方向に固定されているように感じつつ、ぼんやりと自分の顔を見てくれては、ゆっくりとピンク色の口角を上げて行きながら、淡い笑みを浮かべてくれている彼の眼に、映し出している自分の顔を睨むようにと見つめて行きながら、軽く左手を腰に当てては、右手の人差し指を立てていく彼女は言う、「生きて帰ってこないと、許せないんだからね?」


  忽然、娘の目の前で自分と口付けするぐらいに、娘の前だと非常にシャイな美空がしてくれていた行動の中に、秘められている彼女の不安を垣間見えているように感じつつ、可笑しそうに右手を上げては、軽く親指と人差し指で自分のどうしても勝手に上げてしまいそうにと思える口角を押さえていく義威瀬、「フラグを立たせようとしてない?」軽く小さな両手を握っては、潤んでいる琥珀色の瞳で自分たちの顔を映し出して来る娘の、無言で自分たちの話の流れを期待しつつ、もう一回キスする場面を待っているような様に、心を軽く殴られているように感じつつ、ちゃんと自分と叶えるかどうかも定かではない約束をしてくれないでいる義威瀬に、不安をかけられているように思いつつ、軽く唇を噤んでは、不満そうにと何度も鼻翼に力を込めていく美空は思わず強く眉毛を顰めていき、「何を言っているのよ、」まったりと戦慄している両腕を組んでは、やや怒っているようにと彼の顔に潤んでいる瞳を向けていく彼女は言う、「ちゃんとしろよ?」


  娘の前にいるのに、口調が酷く雑になっている美空の完全に余裕を失っている姿勢に、心を軽く殴られているように思えては、目を半開きさせて行きつつ、軽く口角を上げては、彼女が感じている不安を自分がどうにか掻き消してやりたいと、切に思いながらまったりとすらりとした右足を彼女のもとへ向けて踏み出して行きながら、自分がどれだけ強くなろうとも、自分らが感じている未知に対する不安は、決して掻き消していけるような簡単な物ではないんだと、心の中で漠然とした畏怖の正体を思って行きつつ、宛ら自分の行動に目線を固定されているようにと、自分の顔を見つめて来る彼女の瞳を見ていく彼は、面白がっているようにと口角を上げては、せめて自分だけでも余裕そうな態度を彼女に見せては、彼女の中にある不安を少し削っていこうと考えていく彼、「どうしちゃおうか?」


  もったいぶっているような自分の唇から飛び出ていく起伏していた声に、困らせているようにとぱちくりながら、自分の事を見ながら不安そうにと眉間に皺寄せていく彼女に、淡い笑みを浮かべては、まったりと左手で彼女の頭を撫でて行きつつ、右手の人差し指を立てていく彼は言う、「帰ったら美空ちゃんにもう一回してくれるのなら、」自分が彼女に向けているあからさまなまでに、子ども扱いしている態度に文句を言いたがっているようにと歯ぎしりしながら、目を半開きさせていた彼女の自分の紡ごうとする言葉を理解してくれているように、恥ずかしそうにと目を自分の顔から逸らしていく赤くなっていた横顔を見てしまう彼、「死に物狂いで帰って来る気になれるかも?」


  とっくに夫になっていたはずなのに、彼が自分に向けて来るドキドキさせるのが目当てであろう話を聞く度に、狂っているようなくらいに鼓動を刻んでは、喉元を嬲りに来る心臓の動きに、口角が斜め下の方向に固定されているように感じながら、まったりと右手を上げては、自分の頭に置いて来た彼の左腕を退かしていく美空、「いっぱいするわよ、」軽く赤くなっていた鼻翼に力を入れては、まるで自分たちのやり取りを楽しんでいるように、小さな両手で大きく開けていた唇を隠していた義亜孔の姿に顔を更に焼かれているような実感を得ながら、不貞腐れるようにと唇を尖らせていく美空、「そんなことくらい。」


  美空の不満そうにと自分に言葉を投げて来た割には、結局自分のことを酷く心配してくれているように、潤んでいる琥珀色の瞳を向けに来る姿勢に、目を細められているように思いつつ、まったりと左手を彼女の軽く握っていた華奢な左腕に向けて伸ばしていく彼、「拗ねるなよ、」自分に軽く左手を引かれている事で、顔をつられているようにと自分に目を向けに来る彼女の瞳に微笑んでは、大事そうにと両手で彼女の白皙の左手を抱えて行きながら、胸元に当てていく義威瀬、「ちゃんと頑張るって。」


  揺るぎない眼差しを自分に向けて来ては、別に頑張れば如何にかなるような問題でもないのにと、彼に文句をぶつけて見たくなりつつ、不機嫌そうにと唇を尖らせていた美空は、自分に燦爛な笑みを見せて来る彼の存在に弱らされては、つい彼に文句の一言も向けれなくなっている自分に困らされては、彼から顔を逸らしていく彼女は、ぽつりと艶やかな唇を開けていた、「ふん…別に…」

 

  「あくもあくも!」自分の存在を忘れていたような両親の、自分をドキドキするような遊戯の中に混ざってくれないでいる姿勢に不満を覚えつつ、両手をかざしては、軽く飛び跳ねていく義亜孔は、自分が上げている声に顔を引かれているようにと、赤くなっていた皮膚を自分に向けに来る二人に言う、「キスしたい!」自分の飛び上がっていた体につられては、跳ねていたフリルのスカートが軽く自分の膝にぶつけていた柔らかい感覚を気にする事無く、強く踏ん張っては、脇を締めて行きつつ、両手を握ってしまう義亜孔は二人に向けては、言い放った、「されてみたい!」


  チラッと娘から自分に青色のレンズを向けに来ては、可笑しそうにと軽く口角を上げに来る義威瀬に向けて軽く頷いていく美空、「しょうがない子ね…」自分の考えを汲み取ってくれているようにと屈んでは、丁寧なまでに左腕を椅子と化していくようんと娘の臀部に当てては、右手で彼女の繊細な体を守っていくようにと抱えながら、自分に胸元を向けて来る義威瀬に抱えられている義亜孔の小首を傾げている様に、苦い笑みを見せて行きつつ、まったく自分がどれだけ危険な事をしていこうとするのかを理解していない無邪気な彼女の顔を目にすると、つい涙を零してしまいそうなくらいに不安になってしまう美空は軽く左手を上げては、彼女の黒い髪の毛を擦って行きつつ、声を発していく、「あんたって。」


  「うん?」母親に頭を撫でられつつ、軽く小さな右手で自分が着こなしていた淡い青色のシャツを握っては、小首を傾げて来る義亜孔のどうして急に自分を抱えるのかと聞きに来ているような表情に微笑んでは、チラッと目線を美空に向けては、少しばかり傷心に耽っているような表情を浮かべて来る彼女の悲しみを我慢しながら、頷いてくれている様に目を細められては、軽く唾液を飲み込んでは、辛気臭い雰囲気を破いて行くようにと軽く顎を上げては、出来る限り元気な声を上げて行こうとする彼、「ほら、いくよ?」


  ”ちゅっ。”軽くしゃいでいたせいで紅潮した頬に、くっついていた両親の唇に繊細な眉毛を跳ねらされては、嬉しそうにと父親のシャツを掴んでいた小さな手を放していく義亜孔の様を、深紅の瞳で映し出していた男の子、「うふ~」額が微かに汗ばんでは、息遣いが酷く荒くなっていた男の子は、苦しそうにと白皙の左目を瞑っては、自分に見せつけに気ているようにと、仲良く義亜孔の柔らかい頬にキスしていた二人の止まっているような顔を見つめながら、右手を強く空気を囲んでいたパイプを握りつつ、左手で胸元を鷲掴みにしていた彼は、悔しそうにと歯ぎしりしながら、喉から声を絞り出していき、「幸せそうじゃないか~」


  胸元の奥が割れては、宛ら蟻の巣と化していたようにとむずがゆい思いが、全身に渡って広がっているような気がしていた彼は、何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでは、ゆっくりと右手を自分に見せつけに来ているような家族の画像に触れて行こうと考えてしまう彼は、ぽつりとオブラートに包まられていたようなくらいに渇いた唇を開けていた、「ぼくも嬉しいよ~でも…」


  まったりと胸元の奥を通ってしまう苦しい思いに、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしては、思わず苦しそうにと軽く歯を噛んでしまう彼は、チラッと目線を自分に義亜孔と両親を見せてくれていた大きな泡から左側に向けていき、「残念だね…」大きな泡の隣りに止まっていた小さな欠片は、まるで自分の眼に反応してくれているようにと、徐々に大きくなっていくにつれ、自分に酷く苦しんでいるようにと唇をこじ開けられていた男性の様を見させて来る姿勢に、悲しみを植え付けられているように感じつつ、可笑しそうに口角を上げてしまう男の子。


  血塗れになっていたまな板を右手にある包丁で叩こうとしている様に姿を固定していたような、ステッキを握るピンク色のキャラクターがプリントされていた、生き血に少しばかり汚されていたエプロンを肌に付けていた小太りの男性の顔を見つめては、まるで肌で調理場の空気を感じているようにと、太い臀部を左右に揺らして行こうとしているような小太りの男性の油っこく思える背に、口角が耳朶まで裂いていく男の子は可哀想にとため息交じりに声を上げていく、「きみたちは非常に残念な事になっちゃうんだ…」


  まったりと左手を胸元から離れて行きつつ、ゆっくりと徐々に大きくなっていく泡の中に表示されていた男性の酷く苦しんでいる表情を支えていたような、彼の少しばかり腐っていたような黒くなっていた喉元にある、虎の顔面に入れ墨を見て行きつつ、軽く口角を上げては、チラッと目線を自分の意向を汲み取ってくれているようにと、画面の奥に向けて移動していたような泡に表示されていた、生き血に飾られていたような無骨な地面と、キッチンのように見えてしまう場所の奥にある少しばかり曲がっていた、血痕に汚されていたバットの群れと、骨で出来上がっていた小さな山に胸元をくすぐられているように感じつつ、白骨に付いていた小さな肉の欠片と、少しばかり黄ばんでいた体を洗い流すような生き血に、顔を泡から退かされているような気がしてならないでいる彼は、猛然と両腕で自分の小さな体を抱えては、体の芯からこみ上げて来る興奮に痙攣してしまいそうな彼は猛然と額を上げては、自分の存在を見下ろして来ているような暗闇のような天井に映し出されている自分の口角を上げては、悲しんでいるような表情を睨んむようにと見つめながら、小さな汗の粒に飾られていた喉元から声を絞り出していた、「本当、残念だな~」


  「可愛い子ちゃんを食べちゃったりやっつけたり~」酷く歪のようにも思えるような歌声で、自分の耳の奥を侵食しようとするようにも思える小太りの男性の声を、漠然と耳にして行きつつ、ゆっくりと白皙の顎を引いて行きつつ、まるで自分を無数の蟻に噛まれているようなむずがゆい気分と、脳内を焼き千切ろうとしているような気持ちから助けてくれていたような白い骨の群れに、口角が硬直されているように思えては、まったりと流し目で仲良くしているようにと、大きな右手で義亜孔の小さな左手を握っていた義威瀬の様を映し出して来ているような泡を見ていく彼、「極端になると、」軽く鼻翼に力を込めては、まったりと立てていた右手の人差し指を、汗に濡らされていた鼻翼に添えて行きつつ、強く鼻先を通っていく彼。


  ”フー”宛ら自分の猛然と動いては、爆風を起こしていたような右手の人差し指に、耐えられなくなっているようにと自分の鼻先から消え去っては、暗闇で出来上がっていた壁に、飲み込まれていたような汗の粒の存在を気にする事無く、軽く右足を引いては、左足にかけていく彼は、自分の許しを得ないと動かなくなっているような義亜孔と、耳を澄ましては、周りを警戒しているような義威瀬を浮かべていた泡を睨みながら、まったりと首を横に振っては、ぽつりと声を発していた、「人間は共食いする生き物だったりするんだよ~?」


  まったりと頷いていく自分に、応えてくれているようにと義亜孔の小さな左手を汗ばんでいるような右手で握りつつ、息を飲み込んでいくようにと手のひらと同じように、汗ばんでいるいた喉仏を起伏させては、大きな赤いハートを付けていたような屋敷に向かって、ゆっくりと左手で使い古された板で出来上がった門を押していく義威瀬。”ギィー”「うう…!?」刹那、まったりと自分の耳に刺し込んで来ているような、蝶番の悲鳴に刺激されていたようにとビクッと体を跳ねらせては、椅子から飛び上がっていたような相手に、眉間を刺さられていたように感じては、猛然と声を上げていた方向に目線を向けていた義威瀬、「うっ…!」


  宛ら自分の身体を貫こうとしているような青色の瞳に見開かされては、大慌てで両手を上げては、手に掴んでいたティッシュに包まられていたハンバーガーを体の前にある机に置いてしまう、鼻先が黒い黒子が生えていた小太りの男性は大慌てで両手を上げていた、「わ、悪いことはしてません!」忽然、自分が相手に質問を投げにいく前に、声を上げに来ていた小太りの男性の、娘を連れている自分よりずっと緊張している態度に戸惑いつつ、漠然と眉間に皺寄せては、自分の右手に強く握られては、自分が酷く緊張しているのを知れては、自分に合わせてくれているように下手に声を上げようとしないでいる義亜孔に、心の中で感謝しつつ、軽く鼻翼に力を込めては、少しばかり鉄さびの臭いと重油の臭いに違和感を覚えつつ、木で出来上がっていた小さな丸い椅子に腰を下ろしていた小太りの男性と、彼の前にある彼の太い両足を受け入れないでいるような机に戸惑いつつ、まるで店のようにも見えて来る手で書いていた看板にあるメニューに一瞥してしまう義威瀬。

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