第332話俺が外人だって言いてぇのかよ、この野郎、張り倒すぞおらぁ!

  「うう…!」無理矢理自分の体を自分たちしかいない廊下の向こう側まで連れていこうとする兄の態度に不満を覚えては、内心からこみ上げて来ている悔しい思いに、苛立ちを強いられているように思い、思わず強く両足で地団駄を踏んでいく弟は言う、「お酒飲みたいもん!」駄々を捏ねに来ているような弟の酷く大きく見えてしまう体付きと、彼の真っ赤になり、子供のような無邪気な表情とは酷くアンバランスだと感じつつ、急いでいるようにとヤケ酒でも飲んでいたのではないかと、思わせに来る酔っぱらっていた彼をゴミ箱のもとに連れていこうと考えている兄、「ダメ、」軽く眉毛を顰めては弟の酔っぱらっている状態に、他の人を巻き込んで欲しくないと強く思っては、揺るぎない眼差しを彼に向けていく兄は言い放った、「体が壊れてしまうんだぞ?」


  自分を叱りに来ているような兄の態度に、口角が斜め下の方向に向けられているように思えては、つい悔しそうにと歯ぎしりして見たくなってしまう弟、「ううう!」ゆっくりと自分の左手の温もりを帯びていたはずのビールの瓶をゴミ箱の上に置いては、軽く自分の右腕を放して来る兄のまったりと腕を組んで来る仕草に、眉毛を顰めてしまう彼は強く両手を握っては、何度も胸元を前後に向けて振らして行きながら、文句交じりの話を兄にぶつけていく、「正論なんて聞きたくはありません!」


  まるで自分にダンスを披露しに来ているようにと、上手く立つ事すらままならないでいる弟の高く両足を上げて来る姿勢に、目を半開きさせて行きながら、彼は転んでしまわないかと酷く不安になり、思わず組んでいた両腕を解してしまう兄は右手の人差し指を立てて行きつつ、ぽつりと声を上げていき、「もう一人の子供の父になったんだから、」忽然、まるで自分が彼に投げていた一言を上手く理解してくれていたのにと、素直に微かに揺れているようにも見えて来る両足を大人しく床に付けていく弟の姿勢に、心をくすぐられているように感じては、酔っぱらってもちゃんと彼の子供の事を覚えているんだと思うと、つい彼もようやく大人になれたんだと感じている兄は言う、「体を大事にして行こう?」


  兄が自分を喜ばせると同時に、酷く自分の無力さを知らせに来る自分の子供が生まれていたことに、心を苛まれているような気がしてならないでいる弟は、思わず強く歯を食いしばっては、何度も真っ赤になっていた鼻翼に力を込めていく彼、「ううう!」またしても自分にダンスを踊って見せようとするようにと逞しい肩を縮めては、河豚のようにと頬を膨らませに来る弟の子供のように見えて来る姿勢に飽きれては、口角が斜め下の方向に向けられているような気がしてならないでいる兄、「ってかここは病院なんだから…」まったりと左手を上げて行きつつ、何度も首を横に振って行きながら、拗ねているようにと唇を尖らせに来ている彼の瞳に一瞥していく兄は言う、「静かにしてくれないかな?」


  兄が自分に向けて来ている本気の眼差しに、目を細められているように思えては、漠然と目線を夕焼けを背にしているような彼の自然を頼っては、神々しくにも感じてしまう様に、頭を真っ白にされているような気分になれている弟、「うっ~」刹那、まるで自分の脳内から意識を奪い返して来ているような、腹部から胸元までこみ上げて来ては、否応なしに自分の唇をこじ開けに来ているような息に、眉毛を軽く跳ねらされていたような気分を味わってしまう弟、宛ら兄がさっき自分に向けて来ていた一言を肯定して行くようにと何度も頷いて行きながら、まったりと両手の人差し指を立てていく弟は言う、「そうだったそうだったな~」楽しそうにと両手で自分の項垂れていたような口角を支えて行きつつ、自分のやけに楽しそうにと言葉を紡いでいく様にぱちくりして来る兄に、ゆっくりと顔を近づいていく弟、「娘を産んで、」何度も赤くなっていた鼻翼に力を入れて行きながら、自分が彼に向けていた話は間違っていないんだと、自分に教えに来るようにと軽く頷いてくれる兄の顔を見つめていく彼、「苗字は嫁さんのものにしてたんだよね、お兄ちゃん~」


  宛ら自分の事を小馬鹿にしに来ているようにと軽く左手を上げて来ては、何度も自分の右肩を叩いて来ている弟の仕草に目を半開きさせて行きつつ、ひょっとしたらこいつは自分に喧嘩を吹っ掛けに来ていないのかと考えてしまう兄は、ぽつりと困っているような声を上げていき、「なんで一々そんなことを強調しに来る…」兄の口からぽつりと呟いていた、自分の話を反対して来るようなニュアンスが込められていた一言に、苛立ちを覚えては、思わず悔しそうにと強く歯を噛んでは、何度も赤くなっては、熱気を放っているような鼻翼に力を込めて、強く温かく感じさせに来ては、熱くなっていた喉と肺を焼いて来るような空気を漠然と感じていく弟は言う、「だからよぉ、」


  不服そうにと歯を食いしばっては、軽く顔を兄に近づいて行きながら、人差し指を立てていく彼は悔しそうにと潤んでいた瞳で、自分に飽きれているような眼差しを向けに来る兄の胸元に向けていき、「おまーとは違っていて!」忽然、自分の唇から飛び出ていた、自分でも少しばかり驚いてしまう大声に、繊細な左側の眉毛がビクッと跳ねらせて仕舞った彼の胸元を軽く人差し指で突いていく弟、「俺は大変苦労するわけよぉ!」ぱちくりながら酷く向きになっている自分が、彼にしている行動を気にしていないかのようにと、平然としている表情を自分に向けては、文句をちゃんと聞いてくれると語って来ているような、余裕綽々な表情を浮かべて来る彼の存在に苛立ちを覚えている弟は軽く歯を噛んでいき、「嫁も餓鬼も養っていけねぇとならねぇし?」歯ぎしりして行きつつ、視野の中で段々分身を作って来ているように、右肩が微かに重なっているような二人の兄を交互に睨んでいこうと強く考えている弟は、強くふらついている両足に力量を込めていき、「いい学校にだって入ってもらいてぇし?」


  二人の兄を交互に見てしまうと、つい頭が爆発してしまいそうな程の苦しみを味わっているような気分になりつつ、夕陽を背にしているような兄の様を睨んでいくと、つい神も彼の味方になっているんだと強く弱り切っては、ずたずたになっていたような心臓で感じてしまう弟は、悔しそうにと渇いた唇を噛んでいき、「綺麗な別嬪さんと結婚してもらいてぇし?」まったりと鼻先から垂れていく鼻水に、人中を濡らされているように感じつつ、自分の舌先に触れて来るような粘っているしょっぱい味を味わっていく弟、「俺が竜祥の奴の為に何とか頑張っていけねぇとならねぇんだよぉ!」内心にある明日に対する不安に、脳内を押しつぶされてしまいそうな気がしてならないでいる弟は、思わず猛然と両手を伸ばしては、強く兄の両肩を掴んでいた、「俺が!おれがよぉ!」


  またしても大きな声を上げに来る弟の音量を抑えることが出来なくなっているような様に、苦笑いして見たくなりつつ、強く自分の両肩を握っては、放そうとしないでいる彼の態度に飽きれては、酷く訳の分からない文句をいっぱいぶつけられていたようにとも感じてしまう兄は、まったりと両手を上げては、軽く自分の肩に置いていた弟の両手を下していき、「りゅうしょうって…?」


  「うちの餓鬼の名前をさっきで決めたんだ~」宛ら上手く両足で歩けなくなっている自分の存在を、導いてくれているようにと右手を握ってくれていて、背中を自分に向けては、廊下の向こう側に向けて歩いていく兄の戸惑っているような横顔を見つめていく弟は、楽しそうにと口角を上げていた、「いいだろう?」「まぁ…」ぱちくりながら酔っぱらっている弟が子供の話になる途端に、嬉しそうになって来る姿勢に心をくすぐられているように感じつつ、まったりと自分を迎えて来ているような窓際に目線を向けていく彼、「良いけどさ…」


  ぼんやりと目を細めては、まったりと模型のように病院のもとで走っていく車を見下ろしてしまう兄は、軽く上手く力を込めることが出来なくなっているような弟の右手を放して行きつつ、ゆっくりと振り返っては、酩酊状態になっている彼が上手く音量をコントロールが出来なくとも、せめて子供たちに悪い影響を与えていて欲しくと強く考えてしまう兄、「でも僕は婿入りしたからと言って、」まったりと腕を組んでは、背中を自分の事を支えてくれているようなひんやりと壁に当てて行きながら、自分の紡ぐ話に興味を示してくれているようにと軽く眉毛を跳ねらせては、真顔で自分の事を凝視して来る彼に苦笑いして見たくなっている兄は、ぽつりと声を発していき、「別に楽になっていたってわけじゃないんだぞ?」


  彼と同じように子供の将来で悩んでいる自分の話を、まったくもって信じていないようにと眉間に皺寄せたままで、軽く左側の眉毛を上げていく弟の姿勢に口角が硬直されているように感じつつ、漠然と目を細めては、チラッと自分の背中を撫でたがっているような夕陽に目を向けていく兄は、ぽつりと声を発していた、「そもそも楽する為に彼女と結婚していたって訳じゃないんだ。」兄のあからさまなまでに、取り繕っているような気分を感じさせに来る態度に、口角が無理矢理上げられているように感じつつ、まったりと何度も首を横に振って行きつつ、右手を上げては兄に向けて手招きする弟は、流し目で自分の行動で困惑気味になっているような彼の眼を見つめていく、「良いっていいって、ここは外人なんてねぇから素直に言っちまいな~?」


  自分が彼にぶつけていた言葉を上手く理解することができずにいるようにと眉間に皺寄せては、ゆっくりと背中を冷たい壁から離れていく兄の瞳を見つめていく弟、「お金持ちのお嬢様の家に入って、」可笑しそうにと口角を上げては、軽く左手で自分の限界なまでに裂いてしまいそうな唇を隠していく弟は、まったりと起伏しているような声色を上げて行きつつ、ゆっくりと右肩を彼の胸元に近づいては、胸元を左側に向けてずらしては、兄の顎を見上げていき、「ボンボンになりてぇって~」


  宛ら自分に殴って欲しいと語って来ているように戦慄しては、上手く立てない両足で奇抜なポーズを取りに来る弟の態度に、目を半開きさせて行きつつ、彼はどれだけ自分が婿入りしたことを嫌っているのかが垣間見えているようにと感じてしまう兄、「いや…」まったりと左手を上げては、焼けているような鼻息を自分にぶつけに来る弟に、弱らされているように思えては、彼は急に吐き出したりしないことを内心で祈っていく兄は、ぽつりと声を発していた、「そんなことは思っていないよ。」


  兄の頑なに正直になってくれないでいる態度に目を半開きさせて行きつつ、詰まらなさそうにと唇を尖らせていく弟は、拗ねているようにと何度も鼻翼に力を入れていき、「なんだ、」ぽつりと自分の唇から飛び出ていた文句交じりの一言に戸惑っては、漠然と小首を傾げていく兄の眼を睨んで行きつつ、猛然と左手を上げては自分の胸元に当てていく弟はつい羨ましい、これからの人生を歩んでいけるような彼の存在に嫉妬してしまい、「俺が外人だって言いてぇのかよ、」強く立てていた左手の親指を胸元に当てては、眉間に皺寄せていた弟はまたしても自分の話に驚かされているようにと、眉毛を跳ねらせていた彼の顔を睨んで行きつつ、強く握っていた右手を上げていく、「この野郎、張り倒すぞおらぁ!」


  「やめよう…?」本気で訳の分からないことで自分をぶん殴ろうとしているような弟の態度に困らされては、弱っているようにと軽く両手を上げていく兄、「病院に近いからと言って…」引き攣っているような右側の口角を上げて行きながら、弟が気に病むことがあるから酔っぱらっているんだと、内心で自分に言い聞かせて行きながら、彼の酷く無礼にも思える態度を受け入れていこうと強く考えている、「暴力は良くないよ?」

  

  兄の微かに赤くなっているような額と、喉から微かな怒気が混じっていたような声色に、心を怯まされているように感じつつ、まったりと無意識のうちに彼に近づいていた顔を引いては、不服そうにと腕を組んでしまう弟は言う、「まぁ、兄ちゃんがそんなことを言うのなら、」軽く顎を上げては、流し目で引いている自分の体勢に安心感を覚えているようにと、左手で胸元をなで下ろして行きつつ、ぽつりと安堵の吐息を吐いていく兄の様を睨むようにと見つめていく弟、「聞いてやらんこともないぜ?」強く両手を腰に当てては猛然と顎を上げては、天井を見上げていく弟はつい胸元の奥からこみ上げて来る途轍もなく楽しい気持ちと、無性に笑って見たくなっている気分に口角を上げられているように感じては、チラッと横目で漠然と自分のことを見てくる兄の様を睨んでいき、「感謝して?」


  「はぁ…」子供のように自分に威張って来ている弟の様に飽きれては、つい彼にため息を吐くことしか出来なくなっているように思えては、軽く右手を額に当てては、何度も首を横に振ってしまう兄、「頼むから音量を抑えておくれ?」困り果てているようにと繊細な眉毛を顰めては、チラッと遠くで自分の心を引いているようなガラスに目線を送っていく彼、「子供たちを起こしたくないんだからさ?」「おお~」忽然、兄が自分にぶつけて来ていた文句交じりの言葉に、心をくすぐられているように感じては、嬉しそうにと左手の親指で強く自分の胸を抉るようにと突いていく弟、「起こされるのかな?」急いでいるように何度も左手で自分の胸元を叩いては、一刻も早く自分の子供にパパと呼ばれて見たいと切に思っている彼は言う、「俺の声で。」

  

  「まぁな…」酷く驕って来る弟のまるで二人を起こしたがっているような態度に、目を半開きさせて行きつつ、つい酔っ払いに普通に話をしようと考えていた自分の方が馬鹿馬鹿しく感じ始めている兄は、ぽつりと声を発していた、「そんな馬鹿でかい声だと。」急いで自分の子を起こしては、ちゃんと自分に顔を見せて貰いたいと強く思っては、竜祥の頬っぺたに触れて見ては、どんな感触なのかを知れて見たいと強く考えている弟は、つい内心から怒涛の如く脳内にこみ上げて来る興奮を、上手く耐えられなくなってしまい、「おひひ~」


  宛ら自分に興奮している猿の真似を披露してくれているようにとと、急いで左手を上げては、彼の喉元にあるハートがいっぱい刺繍されていたワインレッドのネクタイを握っては、ネクタイを外していこうとする弟の様に飽きれては、まったりと右手の人差し指を立てていく兄は軽く白皙の首を伸ばしていた、「子供はちゃんと眠らないと育たないんだぞ?」”ドクンー”「うっ…!」刹那、兄が紡いだ強く自分の胸元を殴打しに来るような一言に、一瞬にして床から離れては、宙を舞いているような感覚を与えて来ていた興奮が退かされているように思いつつ、恐る恐ると肩を縮めては、軽く両手で自分の唇を押さえて、地面に姿を消そうとしているようにと力が入れなくなっている両足を軽く屈んでいく弟は、ぽつりと喉から息を絞り出していた、「やっべぇなちゃんと抑えないとね…?」


  急に遠くでふらついている蠅の羽ばたく音を真似しに来ているような弟のあからさまに、自分の頭を馬鹿にして来るような酷く小さく聞こえて来る声色に苛立ちを覚えては、思わず強く右手を握っては、右足で強く床を踏んで行こうと考えている兄は、ついまともに会話出来そうにないでいる彼に向けては、大きな声を上げていき、「抑え過ぎよぉ!」「やめろよ、」兄の彼が自分に何度も言って来ていた話を、自ら破っているようにと大きな声を発している様に不満を覚えては、酷く悔やんでいるようにと眉間に皺寄せていく弟はぽつりと声を上げていく、「なにうちの子を起こそうとしてんだよこの野郎。」


  「もういい…」弟の酔っぱらっているのか、それとも酒を頼っては悪ふざけで自分のことを馬鹿にしに来ているのかが分からないでいる体勢に、頭を苛まれているような気がしてならないでいる兄は軽く左手を額に添えては、何度も首を横に振っていき、「ここで話をするのはやめよう?」軽く右手の親指を立てては、自分の後ろにあるやけに綺麗に見えてしまうと同時に、憂いを感じさせに来る夕陽を指差していく兄は、揺るぎない眼差しを弟に向けては、声を上げていく、「外でそんなくだらない話をしていこう?」


  「いや、」兄のまたしてももう歩きたくはないと語って来るようなブルブルと、戦慄している両足を駆使させようとする話に心を弱らされているように感じては、猛然と左手を上げていく弟は真剣な眼差しを彼に送っていた、「本番はここからやで。」本番だと語って来ている割には、どうしても自分のことを小馬鹿にしているような気分を感じさせてしまう弟の姿勢に、微かな苛立ちを覚えつつ、まったりと横目で彼の顔を見つめていく兄は、困り果てているようにと軽く左手の人差し指でこめかみを掻いていき、「なんで急に訛る…」


  まったりと臀部を脛に付けては、右手を軽くひんやりと感じてしまう床に付けては、自分の急な行動にぱちくりして来る兄の顔を見上げて行きつつ、丁寧なまでに左手を胸元に当ててしまう弟は言う、「俺、貧乏。」急に切実な話と、自分の顔を見上げて来る弟の様に弱らされては、彼だけが完全に屈んでは、自分が立って喋るのは良くないような気がしている兄はまったりと屈んでいき、「まぁ…」兄のまるで自分と同じようにしゃがんもうとする態度に、眉毛を軽く跳ねらせているように感じては、猛然と強く両足に力を込めては、強く彼の両腕を掴んでいく弟は切羽詰まったような声を発していた、「お前、金とコネ持ってる。」


  「あ…ああ。」大慌てで飛び跳ねて来るようにと体を起こしに来ては、強く両手で自分の腕を掴んで来る弟のまるで指を自分の腕の筋肉に、食い込もうとしているようなくらいに強く両手に力を込めて来る態度に、苦笑いして見たくなっている彼は、ぽつりと弱っているような声を上げていく、「少しはな…?」兄の素直に彼はコネと金を持っているのを認めていたことに、微かに苛立ちを覚えつつ、強く彼の繊細な肩を軽く揺らしては、猛然と左手を胸元に当てていた弟、「俺たち、友達。」


  「いやいや…」酒の臭いを微かな髭が生えていた人中の下から飛ばして来る、弟の酷く呆けているような話に首を操られているようにと、何度も横に振ってしまう兄、「血のつながりがあるから、」人形と化しているようにと左手を胸元に当てたままで、自分の顔から少しでも視線をずらそうとしないでいる弟の態度に目を半開きさせて行きつつ、引き攣っているような右側の口角を上げてしまう兄は、つい彼はもしかしたら自分とコントをやりたがっているのではないかと漠然と考えてしまい、「友達じゃないから、兄弟だから、」苦い笑みを浮かべては、軽く顔を自分が紡いだ言葉に驚かされているようにと眉毛を跳ねらせていく彼の眼を見つめていく兄、「な?」


  「おお、」兄が自分に知らせに来る一言に眉毛を跳ねらせているように思えては、思わず大きく唇を開けていく弟は、嬉しそうにと強く彼の白皙の両手を握っていき、「よくぞ言ってくれたんじゃねぇか、」兄の一言に感動を覚えては、視野がぼやけているように見えてしまう弟は、つい切ない気分になれては、軽く鼻を啜っては、眉間に皺寄せていく、「兄弟…!」声が自分の胸元から全身に向けて広がっていく温かい漣に、震わされているような気分になれている弟は、自分の萎縮しているような態度と痙攣しているような両手に握られては、困り果てているような兄の顔から目線を逸らしてしまい、「だからよ…」何度も鼻翼に力を込めては、軽く歯を噛んでしまう弟は、ぽつりと小さな声を上げていく、「その…」

  

  弟の自分に懇願しに来ているような様に戸惑いつつ、漠然と小首を傾げていく兄は苦い笑みを浮かべては、大して自分に重要そうな話を持って来そうにないでいる弟にとっての、一番重要な話はかなり制限されているような気がしてならないでいる彼は、軽く左手の人差し指でこめかみを掻いて行きながら、ぽつりと小さな声を発して行きつつ、弟の顔を覗き込んでいく、「金を貸して欲しいのかな?」「いや、」兄が自分に向けに来るかなり核心について来ていたような話に、首を横に振らされているように感じつつ、ゆっくりと鋭利な眼差しを彼に向けていく弟は、軽く左手の親指を胸元に当てていき、「そりゃ一時の困難しか解決できないってことぐらいは、」軽く眉間に皺寄せては、例え兄がずっと自分にお金を貸してくれるとしても、自分にはちゃんとそのお金を返していける手段は、そもそも持っていないんだと強く考えている弟は言う、「俺にゃ分かるで?」


  「おお…」一瞬にして彼は酷く成長していたと、自分に知らせに来ていた弟が紡ぐ話に、唇が否応なしにこじ開けられているように感じては、つい感動されてしまいそうな気分を味わっている兄、「酔っぱらってるのに、」軽く左手で熱くなっている目頭を撫でていく兄は鼻を啜っては、微かに眉毛を顰めていき、「普段よりしっかりしてるね…?」「馬鹿にでないぞ、」兄のまるで自分のことをいつまでたっても子供だと考えて来るような様に不満を覚えては、不服そうにと何度も鼻翼に力を込めて行きながら、腕を組んでしまう弟は言う、「俺は竜祥の為にいっぱい考えて来たんだ。」


  「おお…?」軽く自分の眉毛を跳ねらせに来るような、弟の真剣な眼差しが酷く微笑ましく思えてしまう兄は、軽く右手の人差し指を頬に添えて行きつつ、流し目で彼の顔を見ていく、「だからなに?」散々自分の事を侮辱していたように、馬鹿にしていた弟の様を思い出していくと、ついやられっぱなしでいるのは酷く嫌な気がしてしまう兄は、流し目で彼の顔を見つめて行きながら、声を発していた、「財産を丸ごと上げて欲しいの?」


  忽然、兄が自分に向けて来ている酷く魅力的な言葉に興味を惹かれては、眉毛を軽く跳ねらされているような気分を味わってしまう弟はごくりと固唾を飲み込んでは、何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、彼に潤んでいる瞳を向けていき、「くれるの?」まったりと右手を上げては、自分の財産を狙って来ているような様を示しに来ている弟の額を軽く右手の中指で弾く兄、「そんな訳ないでしょ。」


  「うっ…」自分の軽く彼に近づいていた顔を、無理矢理退かしに来ているような感覚を感じさせに来る兄の中指の感覚に、目を半開きさせて行きつつ、思わず唇をすぼめてしまう弟は、悔しそうにと両手を上げて行きながら、軽く自分の額を擦っていき、「だろうな、っていうか、」悔しそうにと強く歯を噛んでは、そもそも叶えることのない話を自分に投げて来た兄に苛立ちを覚えては、不満そうにと強く熱く感じてしまう空気を吸い込んでいく弟は眉間に皺寄せては、強く右手を握っていた、「馬鹿にするなよ、俺はちゃんと働くつもりでいんだぞ?」軽く左手を上げては、親指で遠くで眠っているはずの赤ん坊を指して行こうとする弟は言い放った、「餓鬼の為にな。」


  「おおお、」弟が息子の為に頑張って、人生を再スタートしようとする姿勢に胸元の奥を打たれているような気がしてならないでいる兄は、嬉しそうにと強く彼の右手を両手で包んでいく、「感心じゃないか、怠け者なのに。」「へっ、」兄の自分の事を褒めに来ているはずなのに、どうしても棘がいっぱい隠されていたような言葉に、自分は多分誇ってもいいような気分になれている弟は、照れくさそうにと左手の人差し指で軽く自分の赤くなっていた鼻先を擦って行きつつ、揺るぎない眼差しを彼に向けて言う、「仕事を掛け持ちしていこうと思ってるんだ。」


  弟が紡いだ結構当たり前のようにも感じつつ、彼には出来そうにないでいるような話に、両手を彼のもとから退かされているように感じては、まったりと頷いていく兄、「ふん…」軽く腕を組んでは横目で真剣な表情を浮かべて来る弟の様を睨むようにと見つめては、彼はただ酔っぱらっている勢いで無理な話を語ってみたいだけなのではないかと、不安になっている兄はぽつりと疑問の声を彼に投げていく、「すれば?」兄の自分に向けて来る切実な一言に、内心にある悲しみが刺激されているような気がしてならないでいる弟は、恐る恐ると戦慄している左手の親指を胸元に当てていき、「俺、学歴ねぇ。」


  またしてもシンプルなまでに、会話を交わそうとする弟の態度にぱちくりして行きながら、まったりと頷いていく兄、「そうだな。」ゆっくりと右手を上げては、自分の酷く向きになっては、激しく鼓動を刻んでいる胸元に当てていく弟、「俺、コネねぇ。」宛ら胸元に羽根を作り上げているようにと、両手を胸元に当てていた弟の姿勢に軽く頷いていく兄、「そうだったな。」ごくりと固唾を飲み込んでは、口角が段々脳内に登って来る現実に追い詰められている感覚に、斜め下の方向に固定されては、思わず涙目になってしまう弟、「俺、社会に見捨てられ。」

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