第321話お兄ちゃんお兄ちゃん!

  自分の事を手が焼ける子供だと思っているような違和感を与えに来る、微笑んで来ながらため息を吐いていた野黒新の様に苛立ちを覚えている白野は、何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、不服そうにと両手を握っていく彼女は言葉を紡いでいき、「絶対馬鹿にしてるのでしょ…」白野の自分に彼女と和流の事を知らせようとしていないで、かと言ってこれ以上自分に何かしらの用事があるようには見えないでいる態度を呆然と見ては、チラッと顔を両手にある携帯電話に向けていく野黒新、『別に、もう帰ってもいい?』またしても自分のもとから離れようとする野黒新が、携帯電話に言わせた言葉に困らされては、困り果てているようにと繊細な眉毛を顰めて行きながら、唇をすぼめては、もしかしたら彼は自分に飽きているのではないかと不安になり、彼に常に世界に興味を持っては、勝手に一人で部屋の中で命の終焉を向かうなんて事を何としても避けたいと強く考えてしまう白野、ぼんやりと自分の左側に座ってくれては、勝手に離れては、いなくなろうとしないでいる彼の様に、心を微かにくすぐられているように感じている白野は潤んでいる深いピンク色の瞳で彼の顔を映し出していた、「あんた、これからどうするつもりよ。」


  白野がやけに平坦な声色で自分に酷く重たく感じては、二度と思いたくもないくらいに冷たく感じては、何もなく虚無で出来上がっていたような未来を聞きに来る様に困らされることなく、漠然としている眼差しを携帯画面に向けて行きつつ、未来の事はある程度の企画は、案外自分にも有ったんだと考えていく彼は、軽く温かくなっていた携帯画面に親指を付けていた、『爺さんが亡くなると、もうやる事は無いな。』

  

  ぼんやりと携帯画面に触れていく両手の親指を止めている野黒新の様に、目を細められているように感じては、軽く口角を上げては、彼がこれ以上書こうとするものを全力で阻止して行きたいと、強く願っている白野は迷わずに左手を胸元に当てていき、「あたしんちに来る?」刹那、まるで自分の右耳を撫でに来ているような声を発して来ていた白野の様に見開かされては、漠然と携帯画面から目を逸らしては、彼女の顔を見つめていく野黒新、「え?」


  呆然と渇いた唇を明けに来ている野黒新の態度に、口角をくすぐられているように思えては、提案するようにと微笑んでいく白野、「別に変な意味はなくて、」ぱちくりながらまるで自分が彼に向けている言葉は、信用ならないと語って来ているようにと眉毛を顰めていく彼の態度に、困らされているように感じては、淡い笑みを保って行こうと強く考えていく彼女、「掃除とか、料理とか、何でもいいから出来る事をして?」自分が彼に向けていく説明の言葉を耳にすると、更に困らせては、漠然と小首を傾げていく彼の眼に目を半開きさせていく白野は、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「そして給料を払ってあげるわ?」


  白野のまるで自分に働き口を用意しようと語って来ているような態度に困らされては、思わず苦笑いして見たくなっている野黒新は呆然と顔を携帯画面に向けていく、『別に…俺は働かなくとも、』ぼんやりと文字をかけて行きつつ、そもそも自分は働くどころか、生きる事すらあんまりしたくないと言うのにと、内心で考えてしまう彼、『家の遺産でも暮らしていけるし…』携帯電話から上げて来る平坦な声色をぼんやりと耳にして行きつつ、微かに繊細な眉毛を顰めては、揺るぎない眼差しを彼の落ち込んでは、自分の隣りにいるはずなのに、酷く遠くに離れているような感覚に、不安を強いられているように感じては、思わず強く繊細な両手を握っていく彼女は言い放った、「じゃちゃんと生きていこうよ?」白野の自分を全力で励まそうとする態度に困らされては、思わず苦い笑みを浮かべてしまう野黒新は軽く携帯電話を弄っては、まったりと首を横に振っていく、『ただ生きる意味がないだけだよ。』


  ”ドクンー”突然、何もかも達観しているような態度を自分に向けて来ている野黒新に、心臓を嬲られているように感じては、口角が否応なしに斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる白野、「うっ…」『何で生きる必要があるんだろうな、』呆然と携帯画面の上で滑っていくような両手の親指を見下ろして行きつつ、生きていく事に唯一と言って楽しんで行ける物は、精々創作物を堪能すること以外ないように感じている彼、『もし爺さんが亡くなると、生きていくだけでも辛い事に遭うだけだし…』自分が携帯電話に喋らせようとする話に、鼻腔の奥をくすぐられているように感じては、思わず自嘲気味に笑っていく彼、ただアニメやゲームなどのフィクションを楽しむだけと言うのなら、生きていくに連れて来る辛い思いとは、割に合わない商売のようにと感じてしまう彼は軽く歯を噛んでいき、『人生なんてくそ食らえだ…』


  野黒新の酷く絶望に耽っているような様に、心臓を苦しめられているように思えては、口角が限界なまでに斜め下の方向に向けられているような気がしている白野、困り果てているようにと肩を縮めて行きながら、自分には想像すら付けない程に苦しめられて来ていた彼をどうやったら慰めて行けては、再び希望を持つようになれるのだろうかと、心を充填しに来ているような疑問に苛まれては、鼻腔の奥が少しばかり麻痺されているようにと感じている彼女は、ぽつりと呟いていく、「そんなことを言わないでよ…」


  切なげに俯いては、自分の顔を見れなくなっているような白野の可憐にも思える姿に、目を細められているように思いつつ、いっそのこと彼女に完全に自分と言う見込みのない奴を諦めて貰いたいと、切に思っている彼は携帯電話に言わせていた、『事実を言っただけだし。』「うぐっ…」携帯電話の平坦な声に心に、罅を入れられているような気がしては、自分も偶には、彼が語って来ていた言葉をぼんやりと考えていたことは何度もあったと思い出していくと、つい彼の苦しみに感染されているように感じつつ、辛そうにと歯を食いしばっては、紅潮していく顔を彼に向けてしまう白野、「あたしだって…」


  突然、まるで携帯電話の声に撃沈されているような白野が、自分に向けに来る態度に眉毛を跳ねらされているような気がしてならないでいる野黒新、「え?」自分の決して彼ほどの辛い思いをしたってわけでもないのに、彼に泣かされている様に困らされているような、暗闇に飲み込まれていた眼を見つめてしまう白野、恐る恐ると彼が自分の知らぬ間に勝手に死を臨んでいく思いに、震わされている両手を握りつつ、痙攣しているようなくらいに、辛く思える胸元に両手を当てていく彼女はぽつりと唇を開けていき、「目一杯頑張ってるのよ…?」

  

  荒れている息遣いに、言葉を喉から押し出されているような気分を味わっている白野は、大慌てで両手を上げて自分の泣いている様に、悩まされている彼の顔を見つめていく、「明日の希望なんて見えたりしないのに…」強く歯を噛んでは、苦しんでいるようにと眉毛を顰めたままで、自分の右側に座っていた自分を苦しめに来ていた原因の一つに、目を向けていく彼女は言う、「全身全霊で頑張って…」何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、自分より傷つけられていた野黒新の前では、泣いてはならないと強く思っては、急いでいるようにと左手を上げては、自分のピンク色になっている目の下を擦っては、彼の顔を見つめていき、「よりいい明日を迎える為に全力で頑張っているのよ…?」


  「や…」泣きながら自分を励もうとする白野の、健気過ぎたように感じてしまう体勢に、心臓を殴られているような気がしている野黒新、潤んでは、ぽつりと少しばかり血走っている眼からはみ出ているような彼女の瞳に、心の奥にある悲しみが引かれているようにと感じている野黒新、「おばげ(お前)…」忽然、まるでぽつりと渇いた唇を開けていた自分と同じようにと驚かされては、眉毛を跳ねらせていた白野の一瞬にして泣き止んでは、あんぐり口を開けに来ている態度に、体中が焼かれているように思えては、彼女が浮かんで来ていた驚愕の表情に、羞恥心を刺激されているような気がしてならないでいる野黒新は、急いでいるようにと彼女から顔を逸らしていた、「う…」


  軽く歯を噛んでは、自分を地獄に引きずり込んでいたような酷くおぞましく思える発音に、体中が苛まれているような気がしてならないいる彼は強く手にある携帯電話を握っては、何とか自分に泣かされていた彼女を慰めに行かないとと強く考えている、『泣くなよ…?』ごくりと固唾を飲み込んでは、眉毛を顰めて行きつつ、何度も鼻翼に力を入れていく野黒新は揺るぎない眼差しを彼女に向けて行きながら、彼女が自分が発していた酷く聞きづらく感じては、コンプレックスの塊となり、自分に春菜を上手く守れなかったことを常々に知らせに来た舌について、尋ねて来ないで欲しいと願っていく彼、『な?俺が悪かったからさ?』叱られていた子供のようにと軽く歯を噛んでは、右手を上げては、手の甲で涙を拭いていく白野の拗ねているようにと唇をすぼめては、自分の発音を勘弁してくれていると同時に、自分にも彼女が泣いていたことについて、これ以上触れて欲しくないでいるようにと顔を逸らしている少しばかり可愛らしく思える様に、淡い笑みを見せて行きつつ、まったりと顔を緊張に占拠されているような両手にある携帯電話に向けていく彼、『生きるよ?』


  まるで自分が携帯電話に言わせていた一言に驚かされているようにと、ビクッと繊細な肩を跳ねらせては、急いで自分に顔を向けに来る彼女の自分が言い直したりしないのかと、聞きに来ていると同時に、若干言い直すなと、威嚇しているように睨んで来る態度に微笑んでは、もう少し未来で心をくすぐるような作品を見るのを目標として、爺さんが永久に目を瞑るまで、そして白野がちゃんと自分のことを諦めてくれるまでは、頑張って生きては、自分の生死一つで悲しんでくれる人のために、生きていこうと漠然と考えている彼、『お前が悲しまない時まではちゃんと生きていくから、悲しまないで?』


  野黒新が携帯電話に言わせていた一言に悩まされては、自分の為に生きようと語って来る一言は、酷く格好良く聞こえるはずなのに、彼はちゃんと自分との約束を守ってくれるのだろうかと、酷く不安になっている白野は拗ねている子供のようにと唇を尖らせにいた、「本当…?」まるで自分に反論する余地を奪いに来ているような、酷く弱くなり、自分に叱られていたような白野の萎縮している様に目を細められては、ぼんやりと目線を自分たちに踏まれている地面に向けていく彼は丁寧に頷いて行きつつ、こんなにもいい女性を決して他の人に捕らわれるなと、心の中で和流に向けて叫んでいる野黒新、「うん…」


  野黒新がちゃんと生きていくと、語って来ていた態度に口角が自ずと上げられているように思えては、紅潮していた白皙の頬に小さな笑窪が浮かべているような気がしている白野、「えへへ…」幸せそうにと両手を合わせては、まるで自分がぽつりと漏らしていたような笑い声に、顔を引かれているようにと自分の事を見つめて来ている彼の日差しに照らされては、微かに光を取り戻せているような琥珀色の瞳を見つめてしまう彼女は微笑んだ、「嬉しい。」


  白野のまるで宝物を手にしていたような心の底から喜んでくれているような姿に、恥ずかしい思いを強いられているように感じつつ、もしかしたら彼女はたったの数回で、彼女の力になっていただけで、自分にこれまでの事をして来ていたのかと、ぼんやりと脳内で考えて行きつつ、もし時間が取り戻せるのなら、ちゃんと彼女の事をずっと大事にして行けるような和流に、彼女に力になる全ての出来事を譲っては、二人に幸せな未来に向かわせて見たいと思っている野黒新、『なんか、ありがとうね…』苦い笑みを浮かべて見たくなっている野黒新はもし時間が戻れるのなら、自分は死ぬほどに春菜の事で悔やむ必要もないのになと、自分の馬鹿馬鹿しく思える例えばを罵って見たくなっている彼は、携帯電話に言わせていく、『いっぱい手紙を書いてくれててさ。』


  照れ隠ししているようにと左手を上げては、軽く後頭部を擦っていく彼のまったりと自分に顔を向けに来る様に、心を弾まされているような気がしては、何度も鼻翼に力を入れてしまう白野、「ふんふん~」急いで両手で目の下にある涙の粒を拭いては、自慢しているように彼に向けて胸を張っては、両手を腰に当てていく彼女は言う、「お姉ちゃんとして当然のことをしたまでだよ。」


  得意げに自分に話をして来る白野の、あからさまなまでに調子に乗っている態度に微笑んで見たくなりつつ、まったりと目線をアーケードの前に向けてしまう野黒新、目を細められているように感じては、誰かとまったりと座っては話をするのが、酷く懐かしく思えてしまう彼はチラッと横目で右手で、赤くなっていた鼻先を擦っている白野の態度に一瞥しては、思わず淡い笑みを浮かべていく彼は、つい子供のように自慢しに来る彼女をからかって見ようと思っていき、「へー」


  自分の唇から飛び出ていた飽きれているような声色に、眉毛を微かに上げられては、ぱちくりながら両手を太股の上に置いている彼女の、すっかり自分が携帯電話で彼女と話を進めている今に慣れているようにと、顔を携帯画面に向けに来る様に苦笑いして見たくなってい彼は軽く携帯電話を弄っていた、『なのに泣くのね?』携帯電話から自分にぶつけに来る言葉に、眉毛をビクッと跳ねらされているように感じつつ、何度も鼻翼に力を入れては、取り繕うようにと腕を組んでしまう彼女、「ふんふん~」自分の口から上げていく少しばかり起伏している声色に、困らされているようにと小首を傾げて来ては、ぼんやりとぱちくりしに来る野黒新の瞳を見つめていく白野は、軽く左手の人差し指で目の下にある小さな涙の粒を拭いては、さり気なく左手の人差し指を立てて言う、「これはただの策よ、」自分の言い放った一言に眉毛を顰められては、漠然と左側の眉毛を跳ねらせていく彼の瞳を見つめていく白野、「あんたはあたしが泣くのを見るときっとそう言ってくれるって信じてるから。」


  白野のあからさまなまでに、取り繕う為に嘘を吐いて来ていた態度に目を半開きさせて行きつつ、チラッと目線を自分の左手にある携帯電話に向けていく彼、『ちっ。』「携帯電話で舌打ちっ?!」携帯電話から上げて来た、平然と自分に不満を投げに来ているような声に見開かされては、野黒新がどう見ても自分が取り繕っていた事を見破っていたはずなのに、自分とじゃれ合ってくれていた態度に幸せを覚えては、項垂れていた口角が微かに上げられているようにと感じている白野。


  自分が携帯電話に言わせていた一言に、体を刺激されていたようにと肩を跳ねらせては、猛然と顔を自分に近づいて来ていた彼女に淡い笑みを見せていく野黒新は、軽く右手の人差し指で自分の口を指して行き、『舌切られちまったからな。』忽然、野黒新のまるでさっき彼が上手く言葉を紡げなかった訳と、携帯電話で自分と話をする理由を知らせに来ていたような態度に、苦笑いして見たくなっている白野、「そう…だったのね…」ぼんやりと俯いては、軽く人差し指を突いていく彼女は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、自分たちの事を鼓舞して行くようにと強く両手を握っていく、「なんか…」ごくりと固唾を飲み込んでは、猛然と左手を胸元に当てていく彼女は、揺るぎない眼差しを彼に向けていき、「あたしも頑張るからさ?」


  白野の健気にどうしようない現実で戦っていくような凛としていた姿が、酷く格好良く感じている野黒新、淡い笑みを浮かべては、チラッと目線を左手にある携帯電話に向けていく彼は、彼女の潤んでいる深いピンク色の瞳をからかっていくようにと、携帯電話に言わせていた、『俺は頑張らないぞ?』「うん、」携帯電話から伝わって来る野黒新の本心であろう言葉に目を細められては、まったりと左手を胸元に当ててしまう彼女は微笑んで言う、「もう頑張らなくていいのよ。」


  「え?」刹那、白野が酷く腑抜けた言葉を携帯電話に、代弁させていた自分の態度を受け入れようとする一言に見開かされては、彼女が淡々としている態度で紡いだやけに重たく感じてしまう言葉に、鳩尾を押されているように感じては、否応なしに温かい気持ちを体の芯に入れられているようにと感じてしまう野黒新。まったりと左手の人差し指で軽く自分の右側に置いていた鞄を指差して行きつつ、さっき紡いだ言葉はただの冗談なのにと、語って来ているようにぱちくりしている野黒新の顔に微笑んでは、右手の親指を立てていた彼女は言う、「あたしはあんたの分まで頑張るから、」自分が少しばかり切羽詰まったような気持ちが詰められている口調に、渇いた唇が否応なしにこじ開けられているような野黒新の様を見つめていく白野、「あんたを決して諦めたりしないから!」まったりと左手を彼の太股の上に置いていた彼の、少しばかり大きく思える右手に触れていく彼女は言う、「だから、ちゃんと生きていこう?」右手を胸元に当てては、彼に拒まれるのを酷く怖く感じてしまう白野は、拗ねている子供のようにと眉毛を顰めていき、「ね?」さっき自分が彼に向けていた、ちゃんと生きていける事に頷いていた彼に、ちゃんと携帯電話で、彼の本音を知らせたいと願っている白野は、潤んでいる深いピンク色の瞳で揺るぎない眼光を彼に向けていく、「あたしと、約束して?」


  さっき頷いていたはずなのに、またしても自分にちゃんと約束しろと語って来る白野の、真摯にどうしようもない自分と向き合って来る様に困らされているように感じている野黒新、ぼんやりと俯いては、強く自分の右手に触れて来ているのに、自分が少し右手に力を込めると、彼女の力量は消え去ってしまいそうなくらいに、儚く感じている野黒新、宛ら自分の左手にある携帯電話に目を固定されているようにと、携帯画面を睨むようにと凝視しに来る彼女に鼻腔の奥をくすぐられているようにと感じている彼。


  ぼんやりと目を細めては、軽く口角を上げていく彼はまったりと上半身を彼女から逸らして行きつつ、生きようとは、思えなかった自分に、創作物を堪能する以外に、実行しないといけない程の生きていく理由を増やして来ては、これからも大変な日々を送らせようとする、彼女にちょっとした意趣返しをして行こうと考えている彼はぱちくりながら、上半身を逸らしては、右手を彼女に触れさせている自分の様に、困らされているような彼女に一瞥していき、『妹だと言ってくれるのなら、考えておこう。』


  携帯電話から伝わって来る一言に、左側の眉毛をビクッと跳ねらされているような気がしては、目を半開きさせに来ては、ニヤリと口角を上げてくれている野黒新の元気になれている態度に、心をくすぐられているように感じては、軽く左手を胸元に当てては、ひんやりとした空気を吸い込んでいく白野は軽く脇を締めては強く華奢な両手を握っていき、「お兄ちゃん!」


  微かにも自分が彼女に向けていた言葉を考えないで、素直なまでに自分の願望を叶えて来ている白野の少しばかり猛々しく思える様に、唇を否応なしにこじ開けられているような気がしてならないでいる野黒新、「え?」宛ら自分が彼の事を呼んでいたのを上手く聞き取れなかったかのような野黒新の態度に、微かに眉毛を顰められているように感じては、強く繊細な足指で靴を掻いては、揺るぎない眼差しを彼に向けていた、「お兄ちゃんお兄ちゃん!」


  絶句されては、彼の事を兄だと連呼している自分に、困らされているような野黒新のどうしたらいいのかが分からなくなっている様を気にすることなく、猛然と両手を合わせていく白野、「お願いだからしずくの傍にいて?」必死に眉毛を顰めては、強く目を瞑ってしまう彼女は、喉から戦慄しているような声を絞り出していき、「お願いお願い!」「うっ…」白野のやけに素直に自分の事を兄だと呼んで来ていた態度に、口角が斜め下の方向に固定されているような気がしつつ、思わず何度も鼻翼に力を入れていく彼はつい非常に恥ずかしい事をリクエストされていたはずなのに、どうやってリクエストした自分に全てのダメージを返して来ていたのかと、彼女に聞いてみたくなりつつ、本気で自分を引き留めようとしている白野の、丁寧なまでに顎を引いていく様に、喉が恥ずかしい思いに詰らされているような気がしてならないでいる野黒新は、何度も歯を噛んでしまい、「ううう…」


  恐る恐ると繊細な睫毛を上げて来ては、潤んでいる深いピンク色の瞳で自分の顔を見つめてくれている白野の態度にぱちくりして行きつつ、自分はまたしても彼女に申し訳ない事を一つ増やして仕舞ったなと、心の中で悔やんでは、何度も鼻翼に力を入れていく彼は、自分に失望したようにと目線を携帯画面に向けていく、『い、いいだろう…いよう。』

「あ…」携帯電話から自分に向けに来ていた言葉に、口角を上げられているように思えては、照れくさそうにと少しばかり紅潮している顔を自分に向けに来る野黒新のハニカム姿に心を弾まされているようにと感じている白野は、思わず屈託のない笑みを浮かべては、宛ら救済を施されているようにと、幸せそうにと微笑んで行きつつ、両手を合わせて言う、「やった~ありがとうね~」軽く右手の人差し指を立てては、自分の微かに上げていた口角に添えていく白野、「新兄ちゃん~」


  「うっ…!」自分の背中を焼いてくるような白野の態度に、喉を鷲掴みにされているように感じては、体中が苛まれているような気がしてならないでいる野黒新、思わず強く歯を噛んでは、心を嬲って来ているような歯がゆい思いを抑えて行こうと、強く考えている彼は急いで携帯電話を弄っていく、『や、やめんか…恥ずかしくないのぉ…?』リクエストを向けに来ていたのに、素直に彼の事を兄だと呼んでいた自分よりハニカム姿を見せて来る野黒新の初心な様に、酷く熱くなっていた頬が緩められているように思いながら、まったりと腕を組んでしまう白野、「ふんっ、」余裕そうにと鼻で息を吐き出していた自分に、困らされているように眉間に皺寄せていく彼の瞳を見つめては、軽く右手の人差し指を立てていく彼女は言う、「社会人を舐めないで頂戴。」


  ぱちくりながら耳殻が真っ赤になっていく頬に、波及されているような白野のまるで彼女は全くもって恥ずかしくないと語りに来る態度に、苦笑いして見たくなっている野黒新。顎を上げて行きつつ、左手を胸元に当てていく白野は流し目で彼の顔を見ていきながら、声を発していく、「こんぐらいは社会の洗礼を受けると、」強く鼻翼に力を入れては、内心からこみ上げて来る恥ずかしい心境を押し殺していくようにと、強く歯を噛んでしまう彼女は揺るぎない声で言い放っていこうと考えている、「ちっとしか恥ずかしくないわよ。」


  酷く恥ずかしくなり、全く恥ずかしくないと言い切れないでいる白野の羞恥心に震わされている、少しばかり可愛く伝わって来る声に、口角を微かに上げられているような気がしては、微笑んでは、さっきのような願い事をするもんじゃなかったと、まったく楽しく思えないでいる自分が、ひたすらに彼女に借りを作っていたことで悔やんでいる彼は、携帯電話に言わせていた、『やっぱりはずいんだな…』


  まるで自分が携帯電話で彼女に向けていた話を、上手く理解できないでいるようにと両手を太股の上に付けては、恥ずかしそうにと歯を噛んでいる白野の真っ赤になっていた横顔に一瞥してしまう彼は、可笑しそうにと軽く鼻で笑っていき、『ってか社会怖いな…』携帯電話から伝わって来る自分の気持ちを理解しているような話に困らされては、ただでさえ現実に飽きている彼に、社会の闇云々を聞かせるべきではないんだと心の中で悔やみながら、恐る恐ると頷いていく白野、「うん…」


  チラッと目線を右側にある鞄に向けては、漠然と目を細めていく白野は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、自分は簡単に仕事を諦めると、野黒新にちゃんと現実と戦っている手本を見せることが出来なくなるんだと、心の中で強く考えている彼女、「それじゃ、」まったりと右手を鞄に向けて伸ばして行きつつ、ゆっくりとベンチから立ち上がっている自分にぱちくりつつ、見上げて来る野黒新の事を見つめていく白野、「あんたがちゃんと生きていく宣言を耳にしたところで、」まったりと左手の人差し指を立てては、自分の影に密かに守られているような彼の瞳を見下ろしていく彼女は、微笑んで言う、「首にされて行きますか~」


  まったく首にされることを恐れていないと語って来ているような彼女の言葉のニュアンスに困らされては、ゆっくりと左手の親指を携帯電話に触れてしまう野黒新、『頑張れよ、』携帯電話の話を耳にしては、屈託のない笑みを自分に見せてくれていて、強く頷いてくれている彼女に微笑んでいく彼、『本当に首にされたらうちで預けるぞ?』突然、野黒新の自分を守ろうと語りに来る言葉に、見開かされているように感じては、やはり彼は昔のままなんだとぼんやりと内心で思って行きつつ、そもそも彼の事を何として守りたいと思っているはずなのに、却って彼に守られたらどうするのよと、漠然と考えていく白野はニヤリと口角を上げては、流し目で彼の事を見つめていく、「え~?どうしようかな~」



  

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