第260話乙女?



  漠然と例え自分が尼姥姥とその遺族のために何かしらの事をしようと言う思いを諦めたとしても、自分には竜祥が言っていたようにクラスメートたちに狙われているのだろうと考えて行きつつ、自分には悪いことを何もしていないはずなのに、どうして現実は自分の事を追い詰めて来るのかをぼんやりと考えて行きながら、重たい足取りで自分の机のもとに向けて歩いていた斗奴雷。


  まったりと臀部をひんやりとした椅子に付けては、軽く歯を噛んでしまう斗奴雷はつい俯いては自分にはどんなことをしようとも、皆間違いだらけのような気がし始めている彼はつい脳内にある悔やんでいる気持ちに、視界を霞まされているように思えては、ゆっくりと震えているような両手を上げて行きつつ、自分の眼を隠しては、無力のあまり涙を零す事も出来なくなっているような瞳を覆っていこうと思い、少しでも竜祥が語って来ていた汚らしい現実から逃れては、息継ぎをする暇を現実から奪って行きたいと思いつつ、まったりと椅子に付けていた背中がまるで内心にある気怠い思いに応えてくれているようにと、自分の身体を下に向けて押していく感覚を漠然と感じていく斗奴雷、「うん…?」


  忽然、まるで自分の目線を引いて来ているような机と引き出しに挟まれていた小さい白い紙の角に戸惑っては、ぼんやりとぱちくりして行きながら、軽く汗ばんでいた両手を椅子に付けては、体を起こしていこうと考えて行きながら、自分には封筒の角のようにも見えてしまうような物を引き出しの中には入れていないはずだと呆然と考えて行きつつ、左手を引き出しに当てていく斗奴雷。


  ゆっくりと左手を引いて行きつつ、レールに滑って来ているような引き出しの微かな震えを感じていくに連れ、まるで自分に正体を知らせに気ているような教科書の上に置かれていた真っ白な封筒に眉毛を跳ねらされているように思えては、まるで自分の目線を固定しに来ているような白い封筒を封じていた淡いピンク色のハートに唇を無理矢理開けられているような気がしてならないでいる斗奴雷は、急いでいるようにと教室のスライドドアに目線を向けては、誰かに見られていないのかと確認しては、緊張に喉を鷲掴みにされていたような思いを抱えていた彼は、軽く歯を噛んではぽつりと胸元の奥から安堵の吐息を吐いて行きつつ、困っているようにと両手で自分の事を待ってくれていたような封筒を握っていく。


  脳内を過っていく黄色の糸を拒んでいるようにと歯を噛んでは何度も首を横に振っていた斗奴雷、両手にある封筒に口角を無理矢理上げられているように思えては、軽く鼻翼に力を入れてしまう斗奴雷はつい自分の瞳を吸い寄せて来ているような淡いピンク色のハートのシールを見つめては、自分にはもしかしたら人生の中で初めてのラブレターを貰えたんじゃないかと漠然と思って行きながら、勝手に笑ってしまう自分の頬に苛立ちを覚えつつ、何度も鼻翼に力を入れては、丁寧なまでに左手をシールに当てて行きつつ、誰かの思いを封じてくれていたシールを剥がしては、相手の思いを確認して行こうと考えてしまう斗奴雷。


  まったりと淡いピンク色のハートにつられて上げていく白い封筒を見つめて行きつつ、喉が荒れ狂っているような心臓に潰されて仕舞いそうな思いを抱えてしまう斗奴雷、軽く歯を噛んでは竜祥がさっき自分に投げて来ていた言葉を思い返していくと、自分は多分尼姥姥の後を追わされるような形になっては、クラスメートたちに虐められる程には行かなくとも、我妻に嬲られるような思いを抱えて、これからの学園生活を過ごして行かないとならなくなってしまうのだろうと思い、ゆっくりと右手で封筒の角を握っては、左手で折られていた白い紙を手に取っていく斗奴雷。


  呆然と夕陽に照らされている白い紙を見つめては、相手がどんな人であろうと、これからの自分と関わってしまうと、きっと否応なしに危険に巻き込まれてしまうのであろうと考えては、憂いに耽っているようにも感じている斗奴雷はつい人生今まで数少なく自分に好意を向けて来ている相手を拒んでいかなくなる事に悲しんでは、苦笑いしてみたくなっている彼は丁寧に右手の親指でまるで少女の唇のように合わせていた白い紙を親指で開いては、やけに大きく見えてしまう文字に目線を向けていた。


  『お前が尼姥姥を殺したんだ。』”ドクンー”まるで自分の顔面を殴り込んで来ているような大きな黒い文字に見開かされては、心臓が一瞬縮んでいたような思いをしていた斗奴雷、「えっ…?」両手が酷く震えてはぼんやりと眉間に皺寄せて行きつつ、相手は一体誰なのかを考えて行きながら、もしかしたら自分は多重人格を持っていて、自分の知らぬ間に尼姥姥に何かしらの事をしていたんじゃないかとぼんやりと考えては、我妻に殴られていた時のやけに冷静になっていて、そして本気で彼の事を殺そうと考えていた自分の今になると、怖く感じてしまう状態に口角を斜め下の方向に向けられているように感じつつ、霞んでいた視界を振る解くようにと軽く歯を噛んでは目を瞑ってしまう斗奴雷は何度も鼻翼に力を入れては、涙を零してしまうと自分は現実に負けていたように思えている彼は自分の事を鼓舞するようにと強く息を吸い込んで行きつつ、手紙に書かれていた大きな文字に震わされていた心臓をどうにか抑えようと思いながら眉間に皺寄せては、まったりと瞼を開けていた。


  『弱い奴のプライドまで潰したお前が、尼姥姥の野郎を殺していたんだよ。斗奴君。』手紙に書かれていた自分が尼姥姥を殺していたと語って来ていた訳を知らせに来ている言葉に、眉間を刺激されているように思いつつ思わず強く歯を噛んでしまう斗奴雷、「うっ…!」白い紙を汚していたような小汚く見えては歪んでいるようにも思えるメッセージに脳内を浸食されているような気がしてならないでいる彼、「僕が…」体中が手紙に残されていた簡単なメッセージに嬲られては、震わされているような気がしてしまう彼はつい辛そうにと喉に引っかかって来ているような唾液を飲み込んでしまい、「僕は…」


  自分が尼姥姥を殺すような真似をするはずもないんだと署名されていなかった手紙を書いた相手に向かって、叫んでみたくなっている彼は悶絶してしまいそうな思いを抱えつつ、辛そうにと強く歯を噛んでは、まったりと目線を尼姥姥が使っていた机に向けては、彼が去り際に自分に投げて来ていた怒っていた話と、彼がどうしても担任の教師にクラスの中で読み上げていた遺言を交互に考えていくと、尼姥姥が自分に酷く負い目を感じては、自ら命を絶っていた可能性はかなり高く感じている斗奴雷は思わず再び霞んでは、上手く自分に世界を見せてくれないでいる眼に苦しめられつつ、恐る恐ると戦慄しているような顔を震えている両手に握られていた手紙に向けていき、「そんなことを…した…」


  強く歯を噛んではもしかしたら本当に竜祥が語っていたように、クラスメートたちは皆我妻が悪いのではなく、尼姥姥を助けていた自分の方が悪者だと思っているんじゃないかと考えてしまうと、尼姥姥とその遺族の為に頑なになるまで頑張って行こうと思っていた自分は、今度は尼姥姥だけではなく、彼の遺族まで追い詰めては、死なせるような事をして仕舞うんじゃないかと怖くなり、有り得ない事なのに、どうしても両手にある自分の両腕を縛り付けに来ているような手紙に、その一番有り得ない事が現実になるんだと知らせに来ているように思えては、つい嗚咽まじりの声を戦慄している唇から漏らしていた彼、「僕がやったのか…?」


  霞んでいる視界がまるで自分の目頭を撫でて来ているような感覚に、心を苛まれているように思えては、自分は尼姥姥を、そして折尾を助ける以外の事を何も考えていなかったんだと強く思っている斗奴雷は歯を食いしばっては、自分に憎悪を向けて来る手紙を拒んでいるようにと何度も首を横に振って行きながらぽつりと弱り切っては、震えている吐息が混ざっている声で言葉を紡いでいく、「違う…僕は…僕は…」段々落ちていく夕陽のまるで自分を見捨てて行くように、光を奪って来ているような思いをさせて来ては、自分は暗闇に落ちているのかと漠然と考えて行きつつ、そもそも自分が存在しているから夕日を自分のもとから退かしているのかと不安になり始めている彼、「ぼく…は…」苦しそうにと強く痺れているような鼻を啜っては、自分は尼姥姥を殺そうなんて思っていないし、殺してもいないんだと何度も自分に言い聞かせている彼は、懇願しているようにと弱っている声を漏らしていき、「やっていないよ…」


  苦しそうにと歯ぎしりしていく彼は思わずクラスメートたちのようにただ突っ立ているだけで、或いは教室から離れては、誰かが虐められているのを見て見ぬふりをしたらいいのかと、怨念の塊となっていたような手紙に聞いてみたくなっている彼は何度も鼻翼に力を入れていた、「何も…していなかった方が…」強く歯を噛んでは現実が自分を退かしては、異物である自分の事を排除しようとしているんじゃないかと考えてしまう彼は、ぽつりと衰弱している声を漏らしていた、「良かったと言うのか…?」両手にある手紙と竜祥が自分に予告して来ていた未来に苦しめられては、頭が真っ白にされているように思い、つい誰かに助けを求めたらいいのかですら分からないでいる自分は、酷く惨めだと思っている斗奴雷は苦しそうにと戦慄している顎を窓際に向けては、霞んでいく視界の中で自分から離れていこうとしているような夕焼けを見つめている。


  まるで橙色のオブラートに包まれていた雲を全部深い青色に染め上げようとしているようにと、微かな光を放っていく夕日を空の彼方まで追い詰めていく月、傷心に体を嬲られては、上手く両足で歩くことすらままならないでいるような気がしてしまう斗奴雷は何度も鼻翼に力を入れては、自分に踏まれている黒いアスファルトはもしかしら自分の心を映し出しているんじゃないかとぼんやりと考えては、辛そうにと強く歯を噛んでは、悲しみに耽っていた自分のことを捨てていくようにと強く右手にある鞄を握っては、そもそも誰かのいたずらかもしれない手紙に、泣かされてしまいになるのは可笑しな話だと自分の事を慰めて行きつつ、考えたくはないけれども、竜祥が自分の事を追い詰めて来る為にわざわざ手紙を書いて自分の机の引き出しに残しては、廊下で自分の事を待っていた可能性だってあるんだと思って行きながら、自分は尼姥姥を殺していないんだと、自分がそれを知れているのならそれでいいんだと強く考えている斗奴雷は、無理矢理自分の考えを納得しているようにと強く首を縦に振っていた。


  「やめてって…!」突然、まるで遠くで自分に懇願して来ているような少しばかり低く聞こえて来るまるで幼い男の子のような声に戸惑っては、ぼんやりと額を上げてく斗奴雷、「うん?」「そのお金はダメなんだってー!」必死に目を瞑っては大きな声を発して行きつつ、自分の右足に軽く蹴られていた自分の鞄を気にする事無く両足にある紫色の財布を強く握っている折尾は、白皙の喉元に浮かんでいた小さな喉仏を限界なまでに上げては必死に叫んでいた、「誰かぁ!助けて!」強く眉毛を顰めていく彼女は無理矢理瞼を開けては、自分の両手にある財布を奪おうとしている息遣いが荒くなっている我妻の顔を睨んでいく、「痴漢よぉ!」


  靴底で自分の両足を踏んで来ようとしているようにと靴先を上げて来ては、転んでしまう事を恐れていないように自分の右手に握られていた彼女の財布を必死に守っている様に微かな不安を覚えてしまう我妻、「おいおい、」ニヤリと右側の口角を上げては折尾が穿いていたスカートに目線を向けていくと、つい彼女に乱暴な事をすると、自分が女の子に襲い掛かるような変質者に見えてしまうんじゃないかと思いつつ、困っているようにと眉間に皺寄せていく彼は自分たちの体を囲んで来ていたような両側の壁に一瞥しては、自分たち二人しかいない事を知りながらも、弱っている女の子に見えてしまう折尾を誰もいない場所で虐めるような事はしたくないと思いつつ、もし尼姥姥の服を脱いだ時のように、向きになっては虐めを止めても可笑しな話だし、続けるのも少し変だと知りながらも、続いて行かないと面子が潰されてしまうような場合に再び落ちてしまうと、折尾も尼姥姥のようなことをするんじゃないかと、心が曇りに包まれているような気がしている我妻は、強く右手にある彼女の財布を握りながら声を発していた、「男に痴漢するほど俺は落ちぶれていねぇぞ?」


  軽く歯を噛んでは、ついもし尼姥姥が死んでいなかったら、自分はきっと女の子に見えてしまう折尾を虐めているように見えようが見えまいが、お構いなしに彼女から財布を奪っては、手こずるような事にもなっていないはずだと思いながら、彼女が転んでしまはないかと彼女の向きになっては体を後ろに向けて倒れていこうとしている態度に不安を覚えつつ、自分がお金を求めているのに素直に金を渡してくれないでいる彼女に不満を覚えている我妻は、大きな声を上げていた、「この女装男め!」  


  忽然、我妻が自分に投げて来ていた言葉に目を細められているように思いつつ、ゆっくりと足先を地面に付けて行きながら、ただ自分の財布を握っているだけでこれ以上力を入れては、自分から財布を奪おうとしないでいる我妻の自分の目を半開きさせている様を映し出して来ている黄色の瞳を見つめている折尾は、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「へ…」宛ら自分が発していた意味深な声に戸惑っているようにと、眉間に皺寄せていく我妻の顔を見つめては、軽く鼻で笑っていく折尾は不満そうにと彼の軽く顎を上げては自分を見くびっているような顔を見上げて言う、「可愛い女の子だったらするんだね…!」ぽつりと自分の声から飛び出ていた少しばかり怒っているようなニュアンスが込められていた話に、驚かされているようにと眉毛を跳ねらせていく我妻の表情を睨んでいく彼女、「下種。」


  折尾が自分に投げて来ていた罵倒の言葉に苛立ちを覚えては、思わず強く歯を噛んでいた我妻は強く左手を握っては叫ぶようにと声を発していき、「馬鹿にするのも大概にしろ!」自分が上げていた大きな声に驚かされていたようにと華奢な肩を跳ねらせては、萎縮しているように肩を縮めていく彼女の顔を睨んで行きつつ、不服そうにと何度も鼻翼に力ていく我妻は言う、「俺が女を虐めた所を目にしたことがあるのか?」向きになっているような自分にぱちくりして来ては、ぼんやりと首を横に振っている折尾の顔を睨みつつ、自慢しているようにと大声を上げていく我妻、「俺は女性を守っていく主義だぞ!」


  「へー」我妻が自分に投げて来ていた彼の人生に向けている姿勢に口角を軽く上げられているように思いつつ、ただの下種なのに何いい人ぶってるんだと内心で思ってしまう折尾は、悔やんでいるようにと目線を自分の胸元に向けて行きながら、自分の微かに服を退かしていたような胸元に目を細められては、引き攣っているようにと軽く右側の口角を上げてしまう彼女は、猛然と額を上げては彼の顔を見つめていく、「実は自分、」自慢しているようにと笑って行きつつ、左手を財布から引いては胸元に当てている自分の仕草に戸惑っているようにと、眉間に皺寄せている我妻の瞳を見つめていく折尾は言い張った、「女でございます。」


  折尾がまるで自分の頭を馬鹿にしているような言葉を投げて来ていた態度に目を半開きさせて行きつつ、彼女が穿いていたスカートに目線を向けていく我妻、「ふざけてんじゃねぇっての、」猛然と左手の人差し指を立てては彼女の両足の間を指差していく彼は言う、「ついてんだろうが!」「うっ…!」我妻が自分に投げて来ているまるで自分の心を抉りに来ているような話に、口角を一瞬にして斜め下の方向に固定されているように思えては、悔しそうにと軽く歯を噛んでく折尾、内股になってはまるで自分の太股の内側を擦って来ているような少しばかり柔らかく感じてしまう違和感に苛立ちを覚えつつ、不服そうにと白い歯を噛んでいく彼女はまるで自分の言い分だけは聞いてやろうじゃないかと、語って来ているようにと顎を上げては、右手を自分の財布から引いて行こうとしないでいる我妻の顔を睨み付けていき、「つ、ついてるけど…!」強く左足を右足から離れては地面を踏んでいた折尾は大声で言い張った、「女の子だもん!」


  「ざけんな!」折尾が自分に金を奪われたくないでいる故に、自分の頭を馬鹿にしに来ているような嘘を吐いている様は滑稽にも感じては、猛然と右足に力を入れては彼女から財布を奪って、ふざけた話を聞いている暇はないんだと強く考えている我妻は、自分に抗って来ているようにと口角を斜め下の方向に向けて行きつつ、強く両手で財布を握って来ている折尾の段々赤くなっていく白皙の頬を見つめては、少し握っていくと折れてしまうかのような華奢な両腕に力を入れて行きながら、苦しそうな唸り声を零している彼女の姿は少しばかり可愛く感じては、不服そうにと強く左手を握っていく我妻は、相手は男であり、いくら可愛く見えようとも、相手は男だと言う事を内心で自分に言い聞かせては、握り締めている左手の大きさを折尾によく見えて貰えるようにと彼女の顔に近づいて行く我妻は酷く怒っては、強張っているようにも感じてしまう喉元から声を絞り出していた、「さっさと金を出さないとぶん殴るぞ!」


  「ううう…」本気で自分の事を女の子だと思っていないでいる我妻が投げて来ていた言葉に、口角を斜め下の方向に固定されているように思えては、思わず胸元の奥から段々こみ上げて来ている緊張に頭を狂わされているように感じては、どうして男だと自嘲気味に自己紹介の時に口にしていたのだろうかと一瞬考えては、強く両足で踏ん張っているせいで少しでも多く力を貰えるようにと、我妻に向けて踏み出していた左足に触れて来た産まれていた時から、膨らんでいた柔らかい感覚に心を苛まれているように思いつつ、何度も鼻翼に力を入れてしまう折尾はごくりと固唾を飲み込んでは、自分が女の子だと言い張っても学校側も、社会も自分の事を男だと認識していることを思うとつい、自分が自分はどんな性別だと思っているのかは無意味な事であり、自分が思うだけなら何も変えられないんだと強く考えていく彼女は、段々自分の燃えているようにと叫ぶようにと熱く感じている頬に拳を近づいて来ている我妻の血走っている眼に一瞥しては、ごくりと固唾を飲み込んではここで財布を奪われる訳にはならないんだと強く思い、必死に繊細な喉から声を発していた、「やー!!やめて!」まるで喉を引きちぎるくらいにトーンを上げては、幼い女の子のようにも聞こえて来る声に退かされていたようにと、猛然と左手を引いては眉毛を跳ねらせている我妻の顔を睨んでいく彼女は言う、「乙女に何をする気よ!!助けて!」


  まるで自棄になっていたようにと強く歯を噛んでは鼻翼に力を入れては、酷く重たく感じてしまう息を吐き出している我妻のまるで牛となっているような様に見開かされては、殺されてしまうんじゃないかと不安に胸元の奥を爆発されてしまいそうな気がしてならないでいる折尾は、強く畏怖に震わされている体に力を入れては叫んでいた、「誰か!犯されちゃうよぉ!!」


  ”ダーッ”強く左足で地面を踏んでは、まるで自分の足裏を殴っては自分に文句を言いに来ていたような地面から感じて来る痺れに、歯ぎしりしてみたくなっては、涙目にされてしまいそうな気がしている斗奴雷は強く鼻翼に力を入れて行きつつ、左足が潰されているような錯覚を与えに来ている地面の事を睨んで行きながら、急いで乙女を襲うとしている輩を止めに行かないとと強く思っている彼は、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「おい…!」


  強く歯を噛んではまるで急に話を遮っていく自分の存在に絶句されていたような相手のことを睨んでいこうと思っている斗奴雷は、ゆっくりと顎を上げて行きつつ、学校の近くでこんな悪さを働く輩は飛んでもないくらいに法律の存在を無視しているように思えている彼は、ゆっくりと消えてなくなってしまいそうな夕陽に照らされている人影から相手の顔を睨んでいくと考えている、「何してんだ…」右手にある鞄を握り締めて行きつつ、相手のことを許しては今度はどこの無辜の女性が傷つけられてしまうのかは分かったもんじゃないと、強く思っている斗奴雷はつい自分の顔を見つめて来ている二人の顔に、脳内にある思いを打ち消されていたように思えてはぼんやりと唇を開けていた、「って…」


  まるで急に登場していた自分と同じように驚かされてはぱちくりながら、お互いの顔を見つめ合っている自分たちはもしかしら変な状況に置かれているのではないかと漠然と考えていく斗奴雷、「えっ?」折尾の潤んでいる緑色の瞳で自分の顔をぼんやりと見つめて来ては、まるで既に我妻から救われていたようにと口角を上げてくれては微笑んでくれている様にぱちくりして行きつつ、左手の人差し指で彼女のことを指差していく斗奴雷はぽつりと弱っている声を漏らしていた、「乙女?」


  斗奴雷の自分と同じように折尾の性別について疑問に持っている姿を睨みつつ、またしても自分が悪さをしようとしている時に飛び出て来ている彼に苛立ちを覚えては、不満そうにと軽く顎を上げて行きながら、何度も鼻翼に力を入れていく我妻は黄色の瞳で彼の顔を睨んで行きつつ、声を発してき、「またお前かよ…」自分のことを警戒しているようにと軽く左足を引いては、踏ん張っているような斗奴雷の様に鼻腔をくすぐられているように思い、当たり前のようにと右手を離しては、折尾から少し金を奪っては美味しい物でも食べに行こうと思っていた我妻は、顎を少し斜め下の方向に向けて行きつつ、強く両手を握っては緊張を覚えている斗奴雷の顔を睨んでいく、「なぁ?」まるで自分から解放されていたようにと急いで彼のもとに向けて走り出してく折尾の、風に吹かれては少しばかり綺麗にも思える黄色の橋を宙に残していく様に一瞥しては、猛然と鋭利な眼差しを斗奴雷に向けてはニヤリと右側の口角を上げていた、「俺の楽しみを破って来ていた斗奴君じゃねぇかこの野郎。」


  我妻から逃げては可愛い乙女のようにと自分の右側まで走って来ている折尾の、我妻に恐れているようにと肩を縮めては華奢な両手で小さな財布を握っている様に一瞥していく斗奴雷、ピンク色の口角を斜め下の方向に向けている彼女の少しばかり可愛く見えてしまう様に、困っているように思いつつ、もう二度と会いたくないと思っていた我妻にまたしても彼が誰かのことを虐めている時に遭遇していた今に悔やんでは、つい脳内を過っていく竜祥が自分に向けていたもし自分がダメになったら、その次は折尾の番であることを思い出しては、思わず強く歯を噛んではいく彼は自分にはどうしても引いてはならない理由が出来ていたように思えては、尼姥姥の時は彼が声を上げて、誰かに助けを求めていなかったのを思いつつ、彼を助ける時、確かに自分には彼の気持ちを考えないで勝手にも言えるように、彼を助けに行っていたことを思い返して行きながら何度も鼻翼に力を入れては、折尾はさっき確実に誰かに助けを求めては、今も自分のもとまで逃げて来ていた事に微かな安心感を覚えていくと同時に、自分のことを泣かしてしまいそうになっていた訳の分からないくらいに、自分の方こそ全般的に悪いと語って来ていた手紙のことを思い出しては、自分は本当に正しいことをしているのだろうかと自分の存在を疑っている斗奴雷、「ううっ…」



  


  



  

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る