第258話 お前にも…このクラスにも、学校側にも…従うものかよ…!

  ぱちくりながら向きになっている自分の態度に驚かされては、上手く自分が紡いだ言葉を聞き取れないでいるような斗奴雷の態度に歯ぎしりしてみたくなっては、無性に腹立たしい彼の存在に飽きれては、強く歯を噛んでいた竜祥は内心にある焦燥感を抑えて行きつつ、斗奴雷といっぱい話をしては小夜に会える時間を削っていた事を考え直していくと、つい単純な馬鹿なのかもしれない相手に時間をかけて来ているべきではなかったような気がしている竜祥、「もし彼の死がお前が望んでいるように大事になり、」軽く右手で額を擦って行きつつ、疲れ気味になっている竜祥は自分の額を擦っている態度に不安になり、自分に心配そうな眼差しを投げて来ている斗奴雷に鼻腔の奥を撫でられているように感じては、軽く鼻で息を吐いてしまう竜祥、「死んでいた彼にちゃんと安心して貰えるような結果を得ようとしよう。」


  再び腕を組んではどうしても自分に心配してくれている人の事を放っておけないように思ってしまう自分は、重大な弱点を含んでいた事に内心で考えて行きつつ、何とかこの弱点を克服していかないとと強く思っている竜祥、「それは両方に対するメリットがないって話だ。」軽く左手の人差し指を立てては、斗奴雷に子供でもどうやって尼姥姥の件に触れて行くべきなのかを教えて行こうと思い直している竜祥は、まるで再び理屈を語り始めている自分の事を五月蠅いと知らせに来ているようにと眉間に皺寄せて行きつつ、唇をすぼめている斗奴雷の態度を赤い瞳で映し出していくと、不満そうにと軽く鼻翼に力を入れていき、「俺たち学生から見るとこれから社会に出ていく時に、」


  猛然と体を左側に向けてずらしては、何かしらのものに怖がっているようにと両腕を抱えていく竜祥は阿保でも分かるように、未来で遭ってしまう可能性を演じていこうと考えては、ぼんやりと自分たちの事を照らしてくれている夕陽に馬鹿にされているような気分になりつつ、急に恐縮している乙女のような自分の態度に驚かされてはビクッと眉毛を跳ねらせている斗奴雷の顔を気にすることなく、軽くトーンを上げていく竜祥、「あ、あの虐めの学校から出て来た奴だ!」強く焦燥感に駆り立てられているせいで汗ばんでいる両手を頬に当てていく竜祥は、何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、眉間に皺寄せては強く夕陽を指差していき、「もしかしたらこいつが誰かを虐めたりなんかして…!」


  「あ、」渾身の演技を振る舞って来ている竜祥は、もしかしら緊張と不安に潰されて仕舞いそうな自分の心を救いたいからコントでも演じてくれているのではないかと、呆然と考えている斗奴雷はまるで自分にさっきの演技は如何なものだろうかと、尋ねて来ているようにチラっと潤んでいる赤い瞳を自分に向けて来る竜祥に向けて、唯々諾々と首を縦に振っていた、「ああ…」斗奴雷のあからさまに自分の結構頑張っていたつもりである演技に飽きれている態度に、心に少しばかりダメージを負っていたような気がしている竜祥はまったりと上半身を元の位置に戻して行きながら、平然としている声を発していく、「このような偏見はデフォルトに身につけて来るんだ。」ぼんやりとぱちくりしながら自分の顔を見て来ている斗奴雷の態度に、頬が少し焼かれているような気がしている竜祥は何事もなかったかのように彼の瞳を見つめていき、「学校側のコネはもう言うまでもない話であり、」


  ぼんやりと自分の話に頷いてくれている斗奴雷のまるで頭の可笑しな奴を見ているような眼光に、歯ぎしりしてみたくなっては、何度も鼻翼に力を入れていく竜祥はさっき彼が目にしていたのは、ただのプレッシャーに押しつぶされているせいで目にしていた幻覚だと思わせて行くようにと、真剣な表情を浮かんでは、左手の人差し指を立てていた、「一回の勝訴の為に、これからの内申にも、」まるで恥ずかしさを自分から指先に転移して行くようにと、目線をゆっくりと立てている中指に向けている竜祥の話に目を細められているように感じている斗奴雷。


  「何もかも、学校側が裏で操作できる事なら、」ぼんやりと自分の顔を見ようとしないでいる竜祥の赤くなっている頬に一瞥しては、自分を説得するためにこんなにも話をしてくれては、自分を尼姥姥の件に関して諦めさせるためだけに、恥ずかしい演技までしてくれていた彼は悪い奴ではないんだと内心で思ってしまう斗奴雷は、切なげに目線を床に向けては、竜祥が尼姥姥の死を予測出来ていたはずなのに、尼姥姥を助けるような事をしていなかったのを思うとつい彼がただ気まぐれで、自分に話しかけて来ているだけなのではないかとぼんやりと考えている。


  斗奴雷のようやく物事の重大さを理解できている態度に、口角をくすぐられているように感じては、わざわざ名門校を選んで受験していた彼はきっと自分の将来を捨てて行くような愚かな真似をしないはずだと考えている竜祥は、胸元の奥にある嬉々とした気持ちを抑えて行きつつ、声を発していた、「全てが最悪の成績になるんだと思った方がいいのだろう。」竜祥が自分に向けて来ている両親に、主に母親に自分の事を認めて貰う一番重要な成績が、尼姥姥とその遺族に関わっていくと全てを潰されてしまう事を教えに来ている事に、口角を斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる斗奴雷、「それでも…」悩んではつい泣き出して仕舞いそうな気がしている彼は、自分が酷く弱い奴だと思いつつ萎縮しているようにと、軽く両手を握って行きながら、潤んでいる深い紫色の瞳を自分のぽつりと漏れていた一言に眉毛を跳ねらされている竜祥に向けていき、「やっぱり僕は…」


  「はぁ…」斗奴雷のどうしても尼姥姥の件について首を突っ込もうとしている態度に飽きれては、つい重たいため息を吐いてしまう竜祥はもう彼の顔を見たくないと語っているように、両足を窓の方向に向けて歩いて行きつつ声を発していた、「だから、お前が証人になっても、」軽く歯を噛んでは斗奴雷が尼姥姥のために体を張ると語って来てたら来る程に、自分のどうしようもないくらに弱っていた時に自分を助けてくれていた小夜と重なり合っているように感じている竜祥、「お前一人だけだって話だよ?」まったりと両肘を窓際に付けて行きながら、自分にはもう彼を説得することが出来なくなっているのではないかと、憂いに侵されている眼を橙色のオブラートに包まれていたような雲に向けていく彼、「誰もがお前のように馬鹿なまでに死人の為に将来を捨て行けるような覚悟を持っているとは思わないでね?」


  頬杖を突いていく竜祥が何度も自分に向けて来ている同じようにも感じる言葉を耳にすると、つい彼が語って来ているのはただの耳を傾けなければ聞こえない言葉ではなく、確実に自分が向き合わないとならない問題であるのを思うと、つい目の前の世界が真っ黒にされているような気がしてならないでいる斗奴雷、「うっ…」「最悪の場合は、」汗ばんでいる右手の手のひらの感覚を感じて行きつつ、ぼんやりと空を見上げていく竜祥、「ううん、」自分が声に乗せていた言葉は少しばかり間違っているように考えている彼はまったりと首を横に振って行きつつ、今の愚直な斗奴雷を間近で感じていくと、当時自分の為に体を張ってくれていた小夜は一体どれくらい叔母さんに悩ませていたのかを、知れているように感じている竜祥は可笑しそうにと軽く口角を上げていく、「きっとそうなるのだろう。」


  まったりと振り返っては、両腕を窓際に付けていく彼は悔やんでは、自分の顔を見れなくなっている斗奴雷の夕暮れに照らされている横顔を見つめて行きながら、声を発していた、「お前とその遺族を必死に学校を告訴すればする程に、」軽く左手の人差し指を立てては、自分が言いたい事を全部言えたら、もう心置きなく斗奴雷が人生を台無しにする場面を傍らで見ていけるはずだと思っている竜祥は言う、「メディアも関わって来るようになると、」悔やんでは眉間に皺寄せている斗奴雷が、自分に向けて来ている酷く落ち込んでいる様に目を細められては、きっとあの頃の小夜もこのような思いを抱えていたのだろうとぼんやりと考えている竜祥、「学校側が勝訴するのはもちろん、」


  軽く胸元の奥に募って来ている憂いを吐き出して行くようにと、ぽつりと渇いた唇を開けてしまう竜祥、軽く鼻翼に力を入れてはつい小夜のように輝いている斗奴雷を守る事は、小汚い自分には無理のように感じている竜祥、「遺族が学生をたぶらかして名門校に汚名をつける為にわざわざこのような事をして、」自分が声に乗せていた滑稽にも思える一言に、右側の口角を上げられているように感じつつ、チラっと眉毛を跳ねらせてはあんぐり口を開けている斗奴雷の顔を見ていく彼、「頭のいかれた息子の死を学校側に弁償して貰う為だとか、」軽く肩をすくめては、斗奴雷に怯ませる為に嘘を吐いていない自分の言葉を聞きながら、小汚い自分より、社会はよっぽど汚らしいもののように思えちぇいる竜祥、「スクープで新聞に載せられてしまうかもだぞ?」軽く鼻で笑っていく竜祥はまったりと目線を自分の後ろにある、自分たちの黒髪を照らしてくれている夕陽に向けていた、「俺が言っていた以上に酷いタイトルだったりかもしれないんだぞ?」


  「どうして…」竜祥がやけに平坦な声で語って来ていた言葉は、現実になり兼ねないような説得力が籠っているように思えては、否応なしに窓際でくつろいでいるような彼の姿勢に左足を引かれているように思えては、思わず強く彼に胸元を向けていく斗奴雷は猛然と両手で抉られているように思えて胸元を押さえていき、「そんなことを…!?」斗奴雷の現実に酷く怒って来ている様が酷く微笑ましく思えている竜祥はまったりと目を瞑っていく、「被害者を疑う馬鹿はいないからだよ。」


  まったりと右手の人差し指を立ててはぼんやりと顎を上げていく竜祥は言う、「加害者は悪い、それが世の認識であるから、」強張っているような右側の口角を上げて行きつつ、民衆は酷く愚かな存在であることを知れると、斗奴雷は自分に従っては愚の骨頂である殆どの人々を観念しては、自分と共にこからの学校生活をやって行けるんじゃないかと、漠然とした期待をしていく竜祥、「特に愚かな民衆から見れば、」まったりと顎を引いては真剣な表情で自分の顔を見つめてくれている彼の瞳に目線を向けていく竜祥は、ぽつりと渇いた唇を開けていき、「これ以上納得行けるような閉め方はないくらいだぞ?」ゆっくりと背中を壁から離れて行きつつ両足を斗奴雷に向けて歩いて行こうとする彼は目を細めて行きながら、自分が紡いだ言葉に納得し兼ねているような斗奴雷の顔を赤い瞳で映し出していく、「自分たちの疑いを完全に払うには、」軽く口角を上げては横目で深刻そうな表情を浮かんでは、項垂れている斗奴雷の横顔を見ていく竜祥、「そうなる必要がるからだよ。」


  竜祥が紡いで来ているまるで予言のような言葉に、口角を斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる斗奴雷は、思わず漠然と唇を開けては、ぽつりと絶望に満たされているような声を漏らしていた、「そんな…」「言うなれば、」まったりと両手をポケットに突っ込んで行きつつ、夕陽に照らされている壁を見つめていく竜祥、「コストパフォーマンスって話になるな。」軽く鼻翼に力を入れては夕陽を映し出している鏡のような酷く眩しく思えているタイルに、目を細められているように思えては、ゆっくりと振り返っていく竜祥は流し目で困り果てているようにと潤んでいる眼を自分に向けては、縋って来ているような斗奴雷の態度を見つめていく、「人命ではあるけど、それなりの価値があるものなら、」まったりと目線を自分のポケットから抜け出している左手に向けては、斗奴雷に自分が考えて来ていた事を声に乗せてしまうと、現実にこれっぽちも期待していなかったのにも関わらず、社会は酷く汚らしいものなんだと再認識しているように思えている竜祥、「その単語は当てはまるんだ。」


  竜祥が紡いでいる言葉を耳にすればするほどに、自分は尼姥姥とその遺族の為に何かしらの事をしてあげるべきではないんだと、現実が自分に未来の人生に対する霧のような迷いを明白に来てくれているような気がしてならないでいる斗奴雷は、悔しそうにと強く歯を噛んでいた。斗奴雷の俯いては尼姥姥に向けていく姿勢を考え直そうとしている様に、口角を少しばかりくすぐられているように思いつつ、軽く顔を彼に近づいていく竜祥は微笑んだ、「尼姥姥の為に何かしらの事をしようとするのは愚かを極めるような話なのさ、」顎を引いては、まだ自分の考えを拒んで来ているように小刻みに首を横に振っている斗奴雷の態度が酷く面白く感じては、彼の考えは一生理解できないようにも思えている竜祥は言う、「勝てる戦いでもなければ、」


  斗奴雷が観念する前に自分が向きになっている彼の事を諦めようと思っている竜祥は、呆然としている眼差しを夕陽に向けて行きつつ言葉を紡いでいく、「この目を瞑っては通っていけるような戦をわざわざ臨んでいてそれで負けて、」まったりと憂いに満たされているような胸元に、少しでもの救いを持たしていくようにとひんやりとした空気を吸い込んでいる竜祥は、流し目で斗奴雷の歯ぎしりしている顔を見ていく、「これからの人生も負けていく。」どうしようもない事で、酷く悔やんでいるのに自分とはまったく関係していない事を捨てようとしないでいる彼に飽きれては、まったりと床に目を向けていく竜祥は軽く鼻翼に力を入れていた、「この学校に入れるくらいだ、」軽く右足を守っていた靴先で綺麗にも感じてしまう床に敷いていた大理石を左右に向けて踏んで行きつつ、膝から感じて来ている鈍い痛みに歯ぎしりしてみたくなっている竜祥は学校側を含めては、自分と同じように尼姥姥の為に何かしらの事をしようとは思わないでいる学生たちの事を心の中で蔑んでは、額に皺寄せて行きつつ、目線を夕焼けに向けてはぽつりと声を発していた、「こんなにも簡単な事を考えられない奴はいないのだろう。」


  「僕は…」思わず人生を導いてくれているような竜祥に顔を引かれているように思えては、彼に潤んでいる目線を向けていく斗奴雷は邪悪ではなくとも、決して正義とは言えないでいる彼を頼っては、人生に置けるかなり重大な選択を任せたくはないと強く思いつつ、まるで自分の思いを裏切って来ているように勝手に開けていく唇に、絶望を強いられては、自分はクリアする事のないゲームをプレイしているんだと漠然と考えては、胸元の奥からこみ上げて来る悲憤に体中を苛まれているように感じている彼は、項垂れたままでぽつりと弱っているような声で呟いていく、「どうしたら…」


  「どうするのも何も、」斗奴雷のまるで自分にならこの絶望しかない現状を破れる方法でもあるんじゃないかと、期待しに来ている一言が酷く面白く感じては、自分にもどうしようもない故に、尼姥姥を犠牲者にしては、最初から薄々こうなってしまうんじゃないかと知れていても、自分の安全を最優先にしては、今に至って来ていたんだと心の中で考えている竜祥は、信者のようにと自分に潤んでいる眼を向けて来ている彼に一番簡単で、確実な解決方法を知らせていく、「諦めろって言いに来ているんだよ。」


  「うっ…!」竜祥が自分に向けて来ていた当たり前のような返答に、口角を斜め下の方向に固定されているような気がしてならないでいる斗奴雷は、つい頭の中に秘められている苦しみを刺激されては、気絶してしまうくらいに心を嬲られているように思えている彼、「君なら…」頭がはっきりと物事を考えられなくなっているように思いつつ、悔しそうにと強く両手を握っていく彼は何度も鼻翼に力を入れては、きっと何かしらの対策は残されているはずなんだと、まったくもって根拠のない未来を信じて行きたいと思っている彼、「どうにか出来るんじゃないのか…?」懇願して行くようにと眉毛をひそめて行きつつ、強く右手を激しく鼓動を刻んでは、震えているようにも思えている胸元に当てていく斗奴雷、「彼の為に、」強く歯を噛んでは、竜祥が何かしらの方法を知れては、意地悪で自分にそれを教えようとしていないのではないかと考えてしまう斗奴雷は、無実である竜祥に濡れ衣を着せていくぐらいに、自分はどうしようもないくらいに追い詰められているような実感を得ているように感じては、ぽつりと戦慄しているような声を発していた、「学校側に一矢を報いる方法をさ…?」


  斗奴雷のまるで自分の心を溶かしに来ようとしているようなくらいに、可憐に感じてしまう眼に目を細められては、打開策はなくはないけれど、学校側よりずっと偉い立場にいる人の事を知れていない以上、莫大な資金も持っていない事になると、学校側は完膚なきまで尼姥姥の遺族を潰せて行けるんだと考えている竜祥は平然と首を横に振っていた、「ないね。」尼姥姥の遺族が出来ることはせいぜい額縁の中に入っていた彼の顔を見ないで、悲しみを無理矢理でも歯を食いしばって乗り越えていく他ないように感じている彼は、まるで自分が発していた淡々とした声に無理矢理退かされているようにと上半身を引いては、ぼんやりと唇を開けている斗奴雷の顔を見つめていく、「皆無だね。」


  ”ドンー”竜祥が揺るぎない眼差しを自分に向けて来ては感情が伴っていないくらいに、絶望に満たされている赤い瞳に映し出している呆然としている自分の顔に、頭が狂っているくらいに混乱しているように思えている斗奴雷、「そんな…」斗奴雷の本気で自分には何かしらの対策があるんじゃないかと期待しに来ていたように、自分が返していた返答に絶望を覚えては、あからさまに落ち込んでいる様に苦笑いしてみたくなっている竜祥は言う、「どんだけ俺に期待しているんだよ、君って…」


  軽く左手を握っては悔しさを噛みしめたり、握り締めるくらいの事しか出来ないでいる自分の事を見下ろしているようにと、握っていた左手を見つめている竜祥はぽつりと残念そうな声を発していた、「俺はただの高校生だぞ?」握っていた左手を離しては、小夜が尼姥姥のような存在にならない事を全力で臨んでいく他ないように感じては、もう亡くなっていた人の為にどれだけのことをしようとも、もうその人は戻って来れないんだと考えている竜祥、「それこそどうにかなる余裕を持ったとしても、」引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、漠然と日々元気に過ごして来ている小夜が誰かに陥れたり、誰かに命を断たれたような真似をされると、自分は間違いなく発狂しては、その人の何もかも完膚なきまで潰して行くのに違いないんだと強く思っている竜祥は言う、「何の見返りもないものに力を振るうはずもないのだろう?」


  斗奴雷の自分の小夜を脳内にある誰かに亡くされていく可能性のせいで、酷く憤っていた声色に負い目を感じているようにと俯いている斗奴雷の顔を見つめては、目を細めて行きつつ、少し自分の負に満たされているような感情に巻き込まれていた彼に申し訳ない心境になっては、目線を彼の上手く立つ事が出来ないでいる両足に向けていく竜祥はぽつりと声を上げていた、「言いたい事は尼姥姥の遺族に関する話だけではないんだよ。」


  「え…?」竜祥のまるで極限なまでに尼姥姥と遺族に向けていく思いに追い詰められている自分に、追い打ちをかけに来ようとしている一言に心が痙攣されているように感じては、現実は自分を死へ追い詰めに来ているんじゃないかと不安になっては、口角を斜め下の方向に固定されているように思いつつ、恐る恐ると震えている両手を上げては、尼姥姥と遺族のことを一旦諦めてもいいんじゃないかとぼんやりと考えてしまう斗奴雷は、ごくりと固唾を飲み込んでは、自分と目線を合わせないでいるように自分の足元を注目しに来ていた竜祥に尋ねていく、「まだ…何があるのか…?」


  斗奴雷の自分の紡ごうとしている話に恐れては、両足が震え始めている態度に口角をくすぐられているように思いつつ、流し目で彼の繊細な両足から彼の強張っているような顔を見ていく竜祥、「二人目になるぞ?」声に合わせているようにと軽く左手を上げては彼の胸元を指差していく彼、「お前。」突然、竜祥が自分に投げて来ていた訳の分からない言葉に戸惑っては、ぼんやりと小首を傾げて行きながらぱちくりしていく斗奴雷、「え?」


  斗奴雷の尼姥姥のことをばっかり考えては、少しでも彼が置かれている立場を考えていない様に苦笑いしてみたくなっている竜祥はまったりと腕を組んでいく、「尼姥姥の死のせいで、」目を細めて行きつつ、壁に向けて歩いていく竜祥は自分の横顔を追ってきているような彼の瞳を見て言う、「クラスのバラスが崩れた。」ゆっくりと振り返っては、再び背中を壁に当てていく彼は軽く左手の人差し指を立てては、自分に緊張感を強いられているようにとごくりと固唾を飲み込んでしまう斗奴雷の顔を見つめている、「お前が次の犠牲者に選ばれたんだよ。」一瞬にして自分が紡いだ言葉の意味を分かってくれているようにと、絶句されてはあんぐ口を開けている彼の顔を見つめていく竜祥、「このクラスの民意に。」


  竜祥が自分に投げて来ていた言葉に体を甚振られているように感じては、否応なしに彼が自分が大人しく彼に従っていかないでいる故に、自分を尼姥姥のように潰そうとしているのではないかと連想してしまう斗奴雷は、悔しそうにと強く歯を噛んでは、何度も首を横に振っては、竜祥はそのようなことをするような人間ではあるだろうけど、彼はしていないと信じて行きたいと願っている斗奴雷は、戦慄している眼を彼に向けていた、「どうして…」


  斗奴雷のまるでクラスメートが善良である自分に敵意を向けるのは、有り得ないことだと思い込んでいるような様に、口角を上げられているように感じつつ、目を細めていく竜祥は言う、「お前が輝いているからだよ、」軽く鼻翼に力を入れては左手の人差し指に目線を向けていく彼は言う、「これ程の馬鹿は人生初めて見るくらいに、」自分が紡いでいる話に口角をくすぐられているような気がしている竜祥は、まったりと流し目で斗奴雷の顔を見ていき、「お前は綺麗なのさ?」


  竜祥が自分に投げて来ていた馬鹿にしているのか、褒めているのかが定かではない言い方に困らせては、ぼんやりと眉毛を顰めていく斗奴雷は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、彼の赤い瞳を見つめて言う、「お前が…」ぽつりと自分の唇をこじ開けて来ている竜祥への疑いに、悩まされているように眉間に皺寄せてしまう斗奴雷は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、まるで自分が彼にしようとしている質問を分かっていたようにと、軽く鼻で笑っている竜祥の顔を見つめていき、「そうしようと…」悔しそうにと軽く歯を噛んでは横目で彼に警戒している眼光を向けて言う、「操作してたのか…?」


  斗奴雷の自分を疑うべきかどうかを悩んでいる様に、心をくすぐられているように感じつつ勿体ぶっているようにと軽く両手を上げては、肩をすくめていく竜祥、「さぁな?」横目で自分の態度に驚かされてはビクッと眉毛を跳ねらせている彼の顔を睨んでは、もし自分が自分に従わないでいる彼の事を排除しようと言うのなら、彼はどんな反応を自分に向けて来るのかを見極めようと考えている竜祥は言う、「予測出来る事でも変えるには難しかったりするんだぞ?」


  竜祥のはっきりと自分に返答をくれないでいる態度に、歯ぎしりしてみたくなっては、彼が本当に自分をクラスから離脱させようとするのなら、自分には多分手も足も出せないのだろうと思っている斗奴雷は、悔しそうにと歯を食いしばっていた、「お前…」喉から怒気に満ちている声を絞り出して来ている斗奴雷の様に、口角を上げられているように感じては、まったりと背中を壁から離れていく竜祥、「敵意を向けて来るね。」目を細めて行きながら、自分が何かしらの誘導をしていたってわけでもなく、クラスメートは普通に彼の事を嫌っては、彼に全ての責任を擦り付け、多数である自分たちの安全を確保するのが当たり前のように思えている竜祥は、流し目で深い紫色の瞳に映し出している自分の顔を見て言う、「でも、」軽く右手の人差し指を立てては彼に提案するようにと口角を上げていく竜祥、「こちらは打開策はあるんだ。」


  まったりと自分の靴先に左足を向けて来ている竜祥の様に苛立ちを覚えては、彼と手を組んだらきっと何もかも解決できるのであろうと思っては、彼はきっと自分に何もかも諦めては、自分が助ける為に他人を盾にするんだと教えに来るのに違いないはずだと強く思い、両手を握りしめていく斗奴雷は微かな光を過っていく深い紫色の瞳で彼の事を映し出していた、「断る…」


  斗奴雷が上げていた沈んでいるような声に、唇を無理矢理開けられているように思えては、面白がっているようにと口角を上げて行きつつ、細い眉毛を上げていく竜祥、「ほぉ~?」「お前にも…」歯ぎしりして行きながら、竜祥のような人間になると、彼の力を借りるまでもなく自分一人でどうにかクラスの中で上手くやっていけるんだと思いつつ、自分が嫌っては蔑んでしまう自分になりたくはないんだと強く考えている斗奴雷は何度も鼻翼に力を入れては、自分を睨み付けに来ているような赤い瞳と竜祥の余裕そうに笑っている様を見つめていき、「このクラスにも、学校側にも…」ごくりと固唾を飲み込んでは、上手く全てを断っては、自分の信じたい道を歩む事を声に乗せずにいる斗奴雷は、不服そうにと渇いた唇を噛んでは猛然と揺るぎない眼差しを彼に向けていた、「従うものかよ…!」


  

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