第230話あの女の人に文句を言ってくるわ!



  

  小夜がやけに賢くなっているように思えてしまうくらいに自分が吐いていた嘘の核心に触れて来ていた一言に眉毛を跳ねらされているように思えては、ごくりと固唾を飲み込んでしまう竜祥はつい自分の顔を射抜いては魂のを凝視しに来ているようなくらいに、鋭く思えてしまう彼女の眼差しに叱られているように思えては、唇を噤んでいき、右足が上手く歩けない程の傷を負ってまでご飯を食べに行くのは有り得ない話であり、常識的に考えると、自分が一番理にかなった嘘を紡げる可能性は、帰り道でしか転ぶ出来なくなるんだと思い、そうなるとご飯は食べるのは彼女が知れているメールを送っていた時間にあり、それもご飯を食べ終わっていた少し空きのある時間となってしまうんだと思うと、割れてしまいそうな頭が段々痛くなっているように思えている竜祥は、自分の嘘は門衛が彼女に知らせていた外に出る時間で完璧に破られていたんだと悔やんでいる、「それは何と無くっていうか…」まるでもう自分の苦し紛れの嘘を聞きたくないと語って来ているようにと客人用のスリッパを履いては、当たり前のようにと自分のもとまで戻ってくれては、華奢な肩で再び自分の脇を支えてくれている小夜の憂いに侵されているような瞳を見てしまい、「お、お前と同じで、」


  軽く自分のことを連れてはリビングに向かおうとしている彼女の瞳を見てしまうとつい彼女に悲しませたくはないと強く願ってしまう竜祥は、自分の身体を丁寧に支えてくれている彼女の存在を感じてしまうと、つい右足の痛みが刺激されては、涙を脅かしに来ているようにと思えている彼は悔しそうにと軽く鼻を啜っては、小夜に心配されたくないと強く思っている自分は、もしかしたら却って彼女を悲しませているのではないかとぼんやりと考えてしまう彼、「何かお前が来そうなんだからと思ってたからだよ。」


  引き攣っているような右側の口角を上げては、自分が小夜に全てのことを白状してたら彼女もきっと悲しんでしまうんだと思いつつ、教えてあげなくても彼女は悲しんでいる事に、またしてもどうしようもないくらいの場面に追い付けられているように感じては、苦しそうにと歯を噛んでいく彼は右足からこみ上げて来る痛みは自分が陥っているジレンマと比べてしまうと、さほど痛くもないように感じている。


  小夜のまったりと右手を伸ばしては椅子を引いてくれている様の行動に口角を斜め下の方向に向けられているように感じては、ごくりと固唾を飲み込んでいく竜祥はまるで自分にはもう嘘を吐けなくなっているのかと聞きに来ているように顔を自分に向けて来ている彼女に見開かされては、急いでいるようにと言葉を紡いでいく、「ほら、外食しようと思っていたからだよ。」軽く頷いては、自分に上手く椅子に座れるようにと軽く左足で椅子の足を引いては、身体を自分からずらして行きつつ左側の腰に手を添えてくれている彼女の丁寧なサポートに、心臓を嬲られているように感じてしまう竜祥は、まったく自分が紡いでいる嘘に興味を持ってくれないでいるような彼女の顔を見上げていく、「う…午後はね、」


  ゆっくりと臀部をひんやりとした椅子に付けていく竜祥は強く左手の人差し指を立てては、左腕から伝わって来る鈍い痛みを耐えて行きつつ、ゆっくりとクリーム色の机の下にある隠されていたような椅子を引いている小夜の凛とした横顔を見つめていき、「なんか勉強する気になれなくてさ?」まったりと臀部を椅子にかけては、目を半開きさせて行きつつ両肘を机に付けている小夜の無言で自分の話を聞いてくれている様を見つめていく竜祥は、軽く右手を自分の暴れ回っているような胸元に当てて行きながら、小夜はきっと自分のように物事の状況を上手く把握していない事を、自分を騙すように考えている彼は声を発していき、「気分転換で、偶には外で食べてもいいんじゃないかななんて思っててさ?」顔を両手に付けながらぼんやりと自分の顔を見てくれている小夜の飽きれている態度に、心を無言で叱られているように思えている竜祥は気まずそうにと軽く右手を上げては、自分の後頭部を擦っていき、「あはは、もしかしたらお前を連れていってやれなかったから神が罰を与えに来ていたなのかもしれないね?」


  渇いた笑い声を上げて来ている竜祥の嘘を貫こうとしている様に飽きれては、ばつが悪そうに自分と顔を合わせようとしないでいる彼のことを見つめては、つい可笑しく感じては、軽く口角を上げていく小夜は軽く左手を机から引いて行きながら、頬を右手の手のひらに当てていく彼女はまるで教師に叱られていた学生のようにと両手を太股の上に置いては、項垂れている彼の顔を見つめていき、「晩御飯は勉強時間を少しでも増やすためにいつも早めに済んでたわよね?」苦笑いして行きながら竜祥が何より重要視して来ていた勉強を蔑ろにして、適当にも思えるご飯を食べる事で気分転換しようとは思えないでいる小夜。


  共に日々を送って来ていた小夜が自分に向けて来ていた否定できない切実な話に心臓を軽く抉られているように感じては、もう彼女に嘘を吐いていることがばれているのに、どうして認めないのだろうかと、自分の小夜に格好悪いところを見せたがらないでいるプライドと、彼女に悲しませたくない思いに問いかけてみたくなっている彼は悔しそうにと歯を噛みしめていく、「うっ…」


  「それも結構適当にでさ?」まったりと目を細めて行きつつ、流し目で竜祥の顔を見つめていく小夜は軽く左手の人差し指を立てては、ゆっくりと胸元を彼に近づいていき、「なのにどうして午後でそのお店に行って、」声を発して行きながら、チラっと視線を自分たちにまろやかな月を見せつけてくれているような透明なガラスに向けていく小夜は、軽く笑っては横目で口角が強張っている竜祥の俯いている様を見ていき、「こんなにも夜遅くまでなっていたのかな?」竜祥の強がっているようにと歯を噛んでは何度も鼻翼に力を入れている様に苦笑いしてみたくなっている小夜は、まったりと右手を引いてゆっくりと腕を組んでいきながら彼に尋ねていく、「メールを送っても返信は何か怪しいしさ?」


  小夜が黙り込んでいた自分に向けて来ている言葉を耳にして行きつつ、何とか重要な問題から彼女の注意を逸らすことができないのかと必死に考えていた竜祥は、つい彼女が自分に投げてくれていた一言にようやくヒントを見つけ出せたように感じては、気まずさに操られている口角を上げたまま額を上げてしまう彼は潤んでは、心配に満ちている眼で自分の事を見つめてくれている小夜に苦笑いしていき、「そ、そうかな…?」ごくりと固唾を飲み込んでは切なげにため息を吐いてくれている小夜の軽く頷いてくれている様に、悲しみを覚えている竜祥は軽く左手をポケットに当てて行きつつ、小汚い地面に汚されていた布越しで携帯電話の感覚を感じていきながら恐る恐ると彼女に尋ねていく、「メールは可笑しかったのかな…?」


  「うん、」竜祥の汚されていた服装に手を当てている様を目にすると、つい彼に風呂にでも入って、着替えてもさせてやろうと思ってしまう小夜は、彼の上手く動かせずにいた右足のことを思い浮かんでは、つい弱っている彼がちゃんと自分に向けて来ている嘘を破いてくれては、真実を教えてくれるまでは話をし続けていこうと思いつつ、彼がちゃんと自分に嘘を吐いていたことが悪いことであるのを知れたら、自分がタオルで身体を拭いてやろうと考えてしまう小夜は潤んでは、捨てられてしまいそうな子猫のような充血している赤い瞳で自分の顔を映し出してくれている竜祥のことを見てしまうと、つい自分の視線を引いているような彼の初雪のような白皙の喉元に目を向けてしまう小夜はごくりと固唾を飲み込んでは、大人になっていた彼に裸を自分に見せて貰うのは、少しばかり恥ずかしく感じている。


  「うん…?」小夜の自分の胸元に視線を向けて来ては、急に逃げていくかのようにと顔を逸らしていく様にぱちくりして行きつつ、まるで熱気を放っているように徐々に赤くなっている彼女の横顔に戸惑ってしまう竜祥は、ぼんやりと小首を傾げていきながら彼女はもしかしたら廊下で自分のことを待ってくれていた間で、熱でも出して仕舞ったんじゃないかと不安になっている、「どうかしたのかな?」


  竜祥が自分の胸元を貫こうとしているような核心に触れて来ていた一言に眉毛を跳ねらされていたように感じては、体がびくっと跳ねていた小夜は急いでいるようにと顔を彼に向けては何度も首を横に振っていく、「な、なんもないよ。」軽く赤くなっている鼻翼に力を入れては自分が大慌てで紡いだ言葉を鵜呑みにしてくれている彼の顔を見つめて行きつつ、つい単純になっている彼のことを騙していた自分も、自分に嘘を吐いていた彼と同じなんだと思っては、両成敗なんだと思っている彼女はぽつりと渇いた唇を開けていき、「ふ、普段はいっぱいメッセージをかけてくれて来たのに、」ぱちくりして行きつつ、竜祥が自分に向けて来る戸惑っているような表情に一瞥していく小夜は、恐る恐ると肩を縮めて行きながら、軽く人差し指を突いていき、「今日は滅茶苦茶シンプルな言葉しか返してくれなかったのよ…?」


  小夜のまるで自分の存在を恐れているような態度で自分に話しかけて来ていた態度に困らされては、思わず小首を傾げてしまう竜祥はぼんやりとぱちくりして行きつつ、彼女の態度を分析していくより、彼女が自分に投げて来ていた切実な質問を上手くはぐらかしては、自分のことを嘘つきだと思っている彼女に何とか考えを改まって欲しいと願っている竜祥、「えっと…それは…」言い淀んでいる自分のことを怪しいと言わんばかりに目を半開きさせている小夜の、紅潮している頬に目を奪われているように思えては、少しくらいは触れてみたくなっている竜祥はごくりと固唾を飲み込んでいき。


  忽然、まるで自分に助け船を出してくれているような左腕から滲んで来るように、捩じられているような痛みに見開かされてしまう竜祥は軽く強張っている右側の口角を上げて行きつつ、彼女の瞳を見つめていく、「ほら?転んだから、腕をぶつけててさ…?」自分が紡いだ嘘と嘘が上手く繋がれている事に感心しているようにと、軽く細い眉毛を跳ねらせていく小夜の顔を見つめてしまう竜祥は微笑みながら、さりげなく自分の顔を見つめに来ては嘘を破ろうとしている小夜から顔を自分の左腕に向けていく彼は、少しくらいは無理があるようにも思えてしまう嘘を紡ぎ続ていき、「痛いんだよな…これが、」恐る恐ると肩を縮めていく彼はチラっと小夜の潤んでいるピンク色の瞳に一瞥しては、ぽつりと弱っているような声を漏らしていた、「だからいっぱい文字をかける気分ではなくなっちゃてさ?」


  竜祥が上手く自分のことを誑かそうとしている態度に目を半開きさせて行きつつ、普段は賢い彼にからかわれたり、意味が少しばかり理解できなかった内容を言われようとも、一人でちゃんとパソコンで調べてから彼の話を理解しようとしていた自分は、彼がこんにも酷い傷を負っているのに、彼が思っているように、このことを見過ごしてはならないと強く考えている小夜は軽く顔を彼に近づいて行きつつ、右手を繊細な腰に当てて行きながら、軽く左手の人差し指を彼の左足を指差していき、「左手と右足と額だけが傷を負っていたのでしょ?」


  「うっ…」小夜がいとも簡単に自分が一見上手く繋がれていた嘘を見破って来ている一言に、鳩尾を強く殴られているように感じては、小夜がやけに逞しく思えてしまう自分は傷のせいで弱っているのだろうかとぼんやりと考えて行きながら、ガンガン自分に攻めて来ている小夜に負い目を覚えてしまう竜祥は悲しそうにと項垂れて行きつつ、軽く渇いた唇を噛んでいき、「うん…」


  竜祥の渇いてはオブラートに包まれていたかのような唇に目を半開きさせて行きながら、彼に水でも取って上げようと考えてしまう小夜はまったりと臀部を椅子から離れて行きつつ、横目で彼の顔を見ていき、「こんな不自然な転び方ってあるの?」まるで自分のことを見捨てているようにと台所に向かっていく小夜の凛とした横顔に縋っていくようにと、彼女に目を向けていく竜祥は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、強く左手を上げようと思っていた彼はつい左腕からこみ上げて来る鈍い痛みに無理矢理目を細められては、小夜が自分を見つめて来ていない以上、少しくらいは体中の痛みに苦しめられては、歪んでしまう表情を浮かべてもいいと気を少し緩めていきたいと思っている彼は、苦しそうにと軽く歯を噛んでは、大慌てで右手を胸に当てて行きつつ、微かに震えているような声を上げていき、「あ、あるよ?」まるで連続で嘘を吐いている自分の顔を見たくないでいるようにと電気ポットを握っては、透明なガラスのコップに水を注いでいる小夜の繊細な背中姿に目を向けていく彼は何度も鼻翼に力を入れて行きながら、苦しそうにと右手の人差し指を立てて行きつつ、何とか彼女のことを説得していこうと考えている、「今俺がしているんじゃない。」


  竜祥の嘘を貫こうとしている態度に飽きれては、ついため息を吐く以外のことが出来なくなっているように感じている小夜は目を細めて行きつつ、何度も首を横に振っては、右手にある電気ポットをシンクの隣りに置いては、まったりと両手で透明なガラスで出来上がっていたコップを握っていく彼女はチラっと横目で自分の反応を待っているようにと肩を縮めて、自分の顔を見つめて来ている彼の潤んでいる赤い瞳を見つめて言う、「嘘をつかないで。」


  「うっ…」にべもなく自分が散々頑張っていた嘘に終止符を付けに来ていたような小夜の言葉に、口角を斜め下の方向に向けられているように思えては、悔しそうにと歯を食いしばってしまう竜祥は残念そうにと項垂れていき。竜祥の不満そうにと俯いてはもう自分にこれ以上話をしよとは思っていない態度に苦笑いして行きながら、彼に近づいていく小夜はぽつりと渇いた唇を開けていき、「どうしちゃったの?」ゆっくりと竜祥の顔を覗き込んで行きながら、左手にあるコップを彼に向けていく小夜は不安そうにと彼に尋ねていく、「教えてくれないのかえ?」


  小夜が自分に気を遣ってくれては水を取ってくれていた仕草に心を温められていると同時に、もし彼女に彼女のせいで自分がヤバい奴に目を付けられていたことを知られてしまうと、きっと彼女は泣いて仕舞うのだろうと思ってしまう竜祥は強く歯を噛んでは、ぷいと目線を彼女から逸らしていた、「君には…」辛そうにと涸れているような喉から必死に声を絞り出そうと考えている彼は、小夜への気遣いでぽつりと唇をこじ開けていた、「関係のないことだよ。」


  「えっ…」ぼんやりと右手にあるコップを握っては竜祥が口にしていた、まるで自分のこと退かそうとしているような話に眉毛を上げられているような気がしてならないでいる小夜は、自分のぽつりと唇から漏れていたような声に額を上げられている彼の顔を見つめて行きつつ、叱られているように悲しそうにと細い眉毛をひそめていく、「もしかして…好きな子の為に他の男の人と喧嘩してたりとか…」小夜のまるで自分が彼女に向けていた一言に絶望したような態度に、口角を軽く斜め下の方向に向けて引かれているように思いつつ、苦い笑みを浮かべてしまいそうな竜祥は彼女が自分に向けて来る推測はまったくもって間違っていない事に心をくすぐられているように思いつつ、彼女の彼女の脳内にあるドラマのようなシチュエーションに悲しまされている姿に、苦笑いしてみたくなっている竜祥はゆっくりと、身体が硬直している彼女から目線を床に向けていく。


  竜祥のまるで自分と全ての繋がりを切断しようとしているようにと顔を床に向けている事に見開かされては、自分がぽつりと口にしていた猜疑を否定しに来ていない彼に焦燥感を刺激されているように思えては、急いでいるように臀部を椅子に付け、右手にあるコップを机に置いては、急いでいるようにと左手を胸元に当てていく彼女、「な、ないわよね?」竜祥の顔を覗き込んで行きつつ、何度も心を抉りに来ているような何かしらのものを失っていく感覚に苦しめられては、麻痺されているように思えている鼻を啜っていく小夜、「流石にあなたに限ってはそんな熱血な事は…」引き攣っているような口角を上げて行きながら、もし竜祥が自分ではなく他の女の子のことが好きになってたら、もちろん応援していくつもりでいたとぼんやりと考えてしまう小夜、つい彼が自分から離れていくのはあまりにも早すぎていたんだと自分から彼を奪っていた神に文句を言ってみたくなっている彼女は目を細めつつ、まるで決断したようにと自分に潤んでいる瞳を向けて来ている彼のルービーのような瞳の中に閉じ込められている自分のことを見つめていく、「しないわよね…?」


  小夜の酷く震えている声を耳にして仕舞うとつい彼女のこと抱えては、そんなに悲しまないでと彼女の耳元で囁いてみたいと思ってしまう竜祥は、泣き出してしまいそうなピンク色の眼を見つめて、ごくりと固唾を飲み込んでしまう彼はぽつりと呟いていた、「強ち…間違ってない…」”ドクンー”竜祥が言いづらそうにと自分に向けて来ていた一言に体を有無を言わさずに彼から退かされているような気がしてならないでいる小夜、「えっ…」


  喉が軽く殴られていたような気がしてしまう彼女は竜祥のぼんやりと自分に向けて来ている眼差しに、口角を硬直されているように思いつつ、喪失感に斜め下の方向に固定されてしまいそうな口角に自分は酷く落ち込んでは、彼に自分はそんなに気にしていないぞと演技することもできずにいるんだと思ってしまう彼女、「そ、そうだったんだね…へ…」視界が霞まされているように思えては、呆然と彼の汚されていたズボンを見下ろしていく彼女、竜祥が彼の好きな子の為に満身創痍になっていたんだと思っては、つい彼はどうしてそんな馬鹿な事をしていたのかと、彼のことをこっぴどく叱ってみたくなってしまう小夜は悔しそうにと軽く歯を噛んでは、竜祥が傷を負っていた事は彼が彼の好きな子の為だと言うのなら、自分はただの部外者でしかないんだと思ってしまう小夜は切なげに鼻を啜っていき、「そうだったんだ…」


  竜祥が自分の為にもこんなにボロボロになったことがなかったのにと、嫉妬している思いが脳を占拠しているように感じつつ、彼に自分の為に少しでも傷を負って欲しくないと強く思いつつも、どうして彼は自分の知らない子の為にこんなにも馬鹿な事をしていたのかと思い、彼にこんな酷い傷を負わせていた女はきっとこれからもずっと彼を苦しんでしまうんだと思っては、会ったこともない人のことを悪く思っている自分が嫌になってしまいそうな気がしつつ、竜祥が惚れている女の子は多分彼に幸せにしてあげることが出来ないんだと強く思い、自分に優しくしてくれて来ていただけではなく、散々酷い事に遭って来ていた竜祥がまだ他の者に傷をつけられてしまうこと思ってしまうと、つい心臓が割れてしまいそうな気がしている小夜、竜祥の将来のことを考えれば考えていく程に、内心にある傷心が募っていく、「うぐっ…」


  「えっ?!」小夜の勝手に黙り込んでは彼女の中で段々膨らんでいく妄想に打ちひしがれているようにと、悲しそうな唸り声を漏らしていた事に見開かされ、大慌てで右手を上げては彼女の華奢な肩に向けていく竜祥は懇願しているようにと彼女の顔を覗き込んでいき、「な、泣くのは勘弁しろよ!」「うう…」酷い傷を負っていた竜祥が弱っている自分に気を遣ってくれている仕草を見てしまうと、つい自分は酷く情けなく思ってしまう小夜は悔しそうにと軽く鼻を啜っては、潤んでは微かに充血している眼で彼のことを見つめて行きつつ、つい彼にどうして自分を好いてくれないのかと聞いてみたくなっては、彼に誰かと奪い合う程に魅力を持っている女性の存在を思うと、つい自分には勝てそうにない相手だと思ってしまう小夜は苦笑いしながら、軽く自分の左頬に手を添えてくれている竜祥の顔を見つめていき、「だ、だって…」まったりと自分の熱くなっている頬を濡らして来ているような涙の粒を親指で拭いてくれている竜祥のことを見つめて行きつつ、重傷を負っている彼に静かに休んで貰いたいと願ってしまう小夜は悔しそうにと唇を尖らせて行きつつ、軽く右手を上げては右目の下を越えていく涙を拭いていき、「こんな酷い傷を負っているんだよ…」


  小夜のまるで自分に涙を拭かせたくないでいるような態度に口角をくすぐられているように思いつつ、悔しい心境に駆り立てられてはつい涙を零している彼女の可憐の姿に、心を溶かされているように感じては、もう彼女に嘘を吐くのは止めていこうと思ってしまう竜祥は、ぼんやりとさっき堅持していた自分のやることって意味があったのだろうかと疑問に思いつつ、ゆっくりと彼女の震えている頬から右手を引いていく彼、「うん。」


  「相手はあんまりだよ…」唇をすぼめて行きつつ、軽く鼻を啜っては右手の手の甲で鼻先から零れてしまいそうな鼻先を擦っていく小夜は、切なげに眉をひそめていき、「こんな人と喧嘩させるような女の子はちょっと問題があるんじゃないの…?」軽く歯を噛んでしまう彼女は無言で自分に微笑んでくれている竜祥の少しばかり困っているようにと軽く右手の人差し指でこめかみを掻いている様を見つめては、彼の前で彼が気に入っている人のことを悪く言う自分が嫌になってしまう小夜はつい彼の汚れていた服装に、心を叱られているように感じては、もし彼が好きな人がその場にいたら、どうしてあからさまに戦いに負けていた彼にちゃんとした服も買ってやれなかったのかと叫んでみたくなっている小夜は、不服そうにと軽く歯を噛んでしまい、「具体的な事は知らないけどさ…」軽く左手を激しく鼓動を刻んでいる胸元に当てては、彼はもしかしたら女の子を見る目がないんじゃないかと思うと、ますます涙を零してしまいそうな気がしている小夜は、お節介だろうけど散々現実に苦しめられて来ていた彼にはちゃんと幸せになって欲しいと強く願っては、嗚咽まじりに彼に向けて言葉を紡いでいく、「わたしなら何としてもこんな傷を負わせるようなことをしかったわよ…?」


  小夜が苦しそうにと自分の為に涙を零してくれている態度に心を温められているような感じつつ、恥ずかしさに口角を斜め下の方向に固定されているように感じては、頭皮がやけに痒くなっているように思えている竜祥は恥ずかしそうにと項垂れては、何度も右手で痒くなっている後頭部を擦っていき、「まぁ…」小夜の子供のようにと頬を膨らませている可愛い姿に心を刺激されては、泣いている彼女のことを抱きしめては頭を撫でて行きながら、慰めていきたいと強く思ってしまう竜祥は彼女の潤んでいる瞳の中にある自分の姿を見つめて行きつつ、軽く右手の人差し指でこめかみを掻いていく、「俺が勝手にしてたことだしさ…」


  竜祥が口にしていた自分が思っている通りの話に歯ぎしりしてみたくなっては、普段はあんなにも賢い彼はどうしてこんなにも馬鹿なことをしていたのかと困惑してしまう小夜は、つい胸元の奥に過っていく賢い彼は馬鹿なくらいに盲目になり、彼が思っている女性のことを好いているのであろうと感じては、軽く鼻翼に力を入れては、自分とはまったく関係していないことだと知りながらも、盲目になっている彼は今度こそあの女性の為に命を落としてしまっては、永遠に自分から離れて行くんじゃないかと強く思っては、体中が火に焼かれているような焦燥感に駆り立てられてしまう彼女は、急いでいるようにと華奢な喉に引っかかって来ていたような唾液を飲み込んで行きつつ、彼の肩に両肩を向けていき、「病院いく…?通報は?」


  切羽詰まった心境に苛まれては、急いでいるように彼に顔を近づいていく小夜は鼻声になっていた自分のことを気にすることなく、自分の酷くアグレッシブになっている態度に驚かされているようにと軽く上半身を引いていく彼の顔を見つめていき、「これはただ事じゃないんだよ?」眉間に皺寄せて行きつつ、何度も赤くなっている鼻翼に力を入れていく小夜は竜祥にあの人と別れた方がいいんじゃないかと強く思っては、左手を彼の肩から離れては強くガッツポーズを取っていく、「一緒に連れてく?」別れてしまう彼はきっと悲しむのだろうと思いつつ、彼が悩んではどうしようもない時は自分がちゃんと傍にいることをどうしても伝えて上げたいと願っている小夜は、賢い彼はきっと彼が向きになっていた時で冒して過ちに気がついてくれるのに違いないんだと思っている小夜は言う、「あの女の人に文句を言ってくるわ!」


  


  

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