第218話わたしたちを繋がってくれてた御守りをみるんだよ~?


  「えっ?!」竜祥がやけに真面目に紡いだ一言に見開かされては、心臓を微かに殴られてように思えてしまう母親は自分と同じように竜祥が口にしていた一言に頭をぶん殴られているような気がしては、自分とまったく同じような驚愕の声を発していた自分の左手を丁寧に支えてくれている小夜に目を向けていく余裕を無くしては、急いで説明するようにと自分の右腕を連れて歩き出している竜祥の横顔に向けて声を発していき、「そんなことをするはずないでしょが!」


  突然、叔母さんが自分に投げて来ていた言葉に眉毛を跳ねらされていたような気がしてならないでいる竜祥は、ぼんやりとぱちくりして行きつつ、向きになっているようにと唇をすぼめては眉をひそめている叔母さんと、まるで彼女が紡いだ一言の証人になってくれているように軽く上半身を叔母さんの体から抜け出しているような、前のめりになっている小夜の頷いてくれている様に戸惑ってしまう彼、「あっ…」


  忽然、もしかしたら二人は自分が叔母さんのことを悪く言っているのを勘違いしているのではないかと思っては、急いでいるように何度も首を横に振っていく彼は何度も赤くなっていた鼻翼に力を入れていき、「い、いえ!」叔母さんと小夜の自分が切羽詰まった気持ちに駆り立てられては声に乗せていた発言を耳にしてしまうと、ますます困っているようにと小首を傾げている様に目を細められては、二人に自分が今まで両親に苦しめられては、つい叔母さんのような大人が普通に接してくれているのが、少しばかり変にも思ってしまうくらいに、両親に育って来る環境の中で歪んだ価値観を強いられて来ていたような気がしてならないでいる彼、自分が碌な環境で育てられなかったと思うとつい心が握り潰されてしまいそうなくらいに辛く思っては、まともな二人と接していけばいくほどに自分が両親から受けて来ていた影響がぼろを出ては、今のように自分に気まずい思いを残してくるのであろうと悔やんでしまう彼。


  思わず二人から目を逸らしてしまう竜祥は引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、もう過ぎては二度と自分に降りかかってこないはずの出来事にいつまでも囚われてはならないと強く思っている彼は、軽く右手を叔母さんの繊細な右腕から離れて行きつつ、右手の人差し指で濡れていたこめかみを掻いていく、「うちの…」二人に説明する言葉を紡ぐのは非常に困難にも思えている彼は不安そうにと眉をひそめては、心配そうな視線を送ってくれては、ピンク色の瞳で自分の気まずい表情を映し出してくれているはずの小夜と、目を合わせなくなっているように感じてしまう彼はぼんやりと自分と小夜の間に挟まれては、どっちに傘を傾けたらいいのかと悩んでくれている叔母さんの自分に見せてくれている戸惑っては、何かしらのことに気がついてくれているような悲しんでいる眼に向けて、苦い笑みを浮かべていく彼は言う、「父さんに…」


  「あっ…」刹那、竜祥のまるでこれ以上自分たちには説明出来なくなっていると語ってくれているにと、顔を地面に向けては悔やんでいるようにと唇を噤んでいる横顔に心を刺激されているように感じては、四六時中酒ばっかり飲んでいる印象しか残してくれなかった彼の父親のことを思い出してしまうと、つい竜祥はいっぱい狂っているような彼に苦しめられて来ていたのであろうと、内心で彼の悲しんでいる様に納得していく母親はぽつりと呟いていき、「あなたって…色々遭ったんだね…」


  叔母さんのまるで自分に今まで何に遭って来ていたのかを察してくれているような言葉に、口角を強張られているように思えている竜祥は残念そうにと引き攣っている右側の口角を上げて行きつつ、彼女に自分は大丈夫なんだと教えてやりたいと願っている彼は、無理矢理元気を無くしては項垂れてしまう頭を上げて行きながら、彼女のことを見つめていく、「えへへ…」竜祥の困り果てているように目を細めては自分に笑って見せてくれている健気にも思えてしまう様に、心を苛まれているような気がしてならないでいる母親はついそのような家庭で育って来たのに、まだ周りの者に気を遣って行ける彼は立派な子供のようにも思えては、彼の上げているはずの口角がまるで彼は嘘を吐いているぞと教えてくれているようにと、痙攣している様に鼻腔の奥が麻痺されていたような気がしてならないでいる母親はつい傷心を思えては、軽く鼻を啜っていく彼女は霞んでいる視界の中で小夜のことを探して行きつつ、ぽつりと少しばかり粘っているような声を発していた、「ちゃんとお世話するんだぞ…?」口角が竜祥が今まで遭って来ていた自分には想像も付けないくらいの地獄のような毎日に、斜め下の方向に向けて引っ張られているように思えている母親は叱られていた子供のようにと、渇いた唇をすぼめて行きつつ、自分が紡いだ話に驚かされているように眉毛を跳ねらせている小夜に言う、「お客さんなんだからね…!」


  母親のまるで竜祥の健気さを、彼が紡いだ一言で感じ取れていたような態度に口角をくすぐられているような気がしてならないでいる小夜は、彼女の潤んでいる瞳に向けて強く頷いていき、「うん!」母親がちゃんと竜祥のことを自分の我が儘に負けていたのではなく、心から受け入れている様に感動を覚えては、胸元の奥からこみ上げて来る高ぶっているような心境に眼を刺激されているように感じては、ゆっくりと霞んでいる視界の中で項垂れている竜祥の顔を探していく小夜は、元気に満ちている声を上げていき、「良かったね?」


  小夜が自分にかけてくれていた一言に項垂れてしまいそうな口角を軽く支えられているように思えては、恐縮しているようにと軽く頷いていく竜祥、「うん…」軽く鼻翼に力を入れては、いつまでたっても落ち込んでいる暇はないんだと教えに来てくれているような、自分の右腕を傘の縁に沿ってはぶつけて来る透明な水柱に一瞥していく彼はごくりと固唾を飲み込み、揺るぎない眼差しを自分が小夜の家から走り出していた道に向けていく。


  忽然、まるで自分の瞳を橙色に染め上げて来ているような大きな傘に見開かされては、ぼんやりとあんぐり口を開けてはぱちくりしている竜祥は切羽詰まったようにと右手で強く傘を握って、急いで自分たちのもとまで走って来る叔父さんの汗ばんでいる額を見ていき。「あ、あなた…!」苦しそうにと唇を開けては、ひんやりとした空気を吸い込んでいる足元のズボンが水溜まりに濡らされていた父親の荒くなっていた息遣いと、辛そうに左手を左膝を押さえて行きつつ、切羽詰まった気持ちと急いでいるような息遣いに挟まれては上手く言葉を紡ぐことが出来ずにいる様に驚かされつつ、思わずぱちくりしてしまう母親は心配そうにと小夜から左手を引いては、彼の呼吸に合わせているようにと起伏している逞しい肩に手を置いて行きつつ、眉間に皺寄せてしまう彼女は彼への心配に唇をこじ開けられているようにぽつりと唇を開けていた、「もう直ぐ帰るってメールしてたんじゃ…」


  焦燥感に駆り立てられているせいでつい自分のことを叱って来ているような口調で、話しかけて来ていた母親の言葉と彼女と同じように自分のことを心配してくれては、不安そうに自分の汗に濡らされていた額に注目している小夜の瞳に微笑んでいく彼はまったりと背筋を伸ばして行きながら、ぼんやりと自分の顔を見上げてくれている竜祥に一瞥していく彼は微笑みながら、自分の笑顔に驚かされては眉毛を跳ねらせていた竜祥から、眉間に皺寄せている母親に目を向けていく、「心配だからだよ…」喉から息を漏らしているような声で言葉を紡いで行きつつ、軽く口角を上げていく父親は自分が紡いだ言葉に絶句されている母親が浮かんでいる驚愕の表情に微笑んで行きながら、軽く左手を胸元に当てては、暴れ回っているような胸元の鼓動を押さえていきたいと強く思ってしまう彼は、軽く左手を上げては鼻梁にかけていた汗に位置をずらされていた眼鏡を直して行きつつ、チラッと目線で母親が握っていたピンク色の傘を指していき、「それに三人にその傘は小さいだろう…?」


  父親が自分たちのことを気になってくれてはわざわざ駆けつけてくれていた事に、ピンク色の口角を上げられているようにも思えては、幸せそうに目を細めていく小夜はチラッと萎縮しているように肩を縮めていた竜祥の横顔に一瞥しては、なかなか父親に母親が彼に一緒に住んでもいいと言う知らせを父親に伝えようとしないでいる彼に微笑んで行きつつ、内心で彼の事を鼓舞していく小夜は彼の横顔に向けては軽く頷いていた。


  「何よりのは、」まるで自分の汗ばんでいる顔を見たことがないようにと、ぱちくりながら自分のことを見つめて来ている母親の雨に濡らされていた体に目を細められつつ、無言で自分の言葉を待ってくれている子供の二人に微笑んで行きながら、軽く右足を上げていた母親の膨れ上がっていた足首に目線を落としてしまう父親はつい母親の赤くなっていた白皙の肌に心を刺激されているように思えては、心が抉られていたような気がしてならないでいる彼は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、彼女はきっと急いで走っていたせいで足を捻っていたのであろうと、両手で彼女が履いていたハイヒールを握っている小夜に一瞥した彼は、ついハイヒールを履いたままで走っていた母親に飽きれてしまいそうに思っては、まったりと胸元を膨らませに来ているようなひんやりとした空気を吸い込んで行きつつ、まるで自分が彼女の怪我を気づいていたのを分かったかのように、軽く肩を縮めては、右足を引いては左足の脛にくっついていく彼女の、悪びれないでいる子供のような態度に微笑んでいき、「僕の心配はまんまと当たったって所かな?」


  父親の母親の足の怪我で負い目を覚えているようにと荒れていた息遣いを抑えながら紡いだ一言に、目を細められている小夜、「お父さん…」切なげに眉をひそめていく小夜はつい自分が家から飛び出していたせいで母親に怪我を負わせていたんだと思っては、悲しそうに俯いて軽く唇を噤んでしまう彼女は雨に濡らされていた街灯の光を頼っては、微かに光っているような両手で強く湿っていたハイヒールを握っていき、「ごめんね…我が儘で…」小夜の叔母さんに怪我を負わせていた事に謝っている態度に見開かされては、猛然と自分たちに踏まれていたアスファルトから、彼女の落ち込んでいる横顔に目を向けていく竜祥は何度も赤くなっていた鼻翼に力を入れて行きつつ、彼女は自分を止める為に飛び出していたことを思うと、自分こそがちゃんと謝るべきなんだと思っては、一瞬、脳内を過っていく頑なに自分のことを泊めようとしなかった叔母さんのことを思い浮かんでは、思わず目を半開きさせてしまう竜祥は、勝手に彼女に向けてしまいそうな目線を控えて行きながら、自業自得とは言えなくもない叔母さんに飽きれては、自分が思っていることを三人に知られたら今度こそ本当に追い出されては、実家の帰り道すら分からないでいる自分は野垂れ死になるんだと不安になり、恐る恐ると肩を縮めては、何としても叔父さんと叔母さんに、主に叔母さんに怒らせるわけにはいかないと強く思っている彼は歯を噛んでは項垂れていた。


  「ううん、」小夜が素直に謝って来ている態度に目を細められては、自分が竜祥を家に連れて帰っていたのに、ちゃんと最後まで母親の文句を押し返しては、彼を泊めてやれなかった自分が全般的に悪いんだと強く思っている父親は、不甲斐ない自分に苦笑いして行きながら、ちゃんと自分の代わりにやろうとしていたことを貫けていた小夜に内心で感謝して行きつつ、軽く右手で彼女の頭を撫でていく父親は言う、「良くぞ竜祥君を上手く止めたね?」


  叔父さんが自分のことを思ってくれていた一言に見開かされては、思わずあんぐり口を開けて仕舞いそうになっている竜祥は切なげに眉をひそめて行きつつ、項垂れていきながら取り敢えず胸元を叔母さんの方に向けては、叔父さんと彼女に謝って行こうと思っている彼、「すみません…」竜祥自分に謝って来ている事に見開かされては、急いでいるようにと右手を小夜の頭から引いては、彼に微笑んでいく叔父さんは目を細めて行きつつ、何度も首を横に振って行きながら声を発していた、「君が謝ることなんて一つもないのよ、ほら、」母親の雨に濡らされては水溜まりに浸っていた左足に心を苛まれているように感じては、ひ弱な彼女はずっとこのままだときっと風邪を引いてしまうんだと強く思っている叔父さんは、軽く右手にある傘を竜祥に向けて渡して行きつつ、ぱちくりながら恐る恐ると自分から傘を受け取ってくれている竜祥に微笑んでいく彼は言う、「話は戻ってからにしようか?」


  ゆっくりと呆然と自分に頷いてくれている竜祥から小夜に目線を向けていく父親は小夜に、竜祥のもとに行ってくれと語っているようにとピンク色の瞳に映し出されている自分のことを見ながら、軽く顎で竜祥の方向を指していく彼、「二人にはこの傘をやるから、先に戻ってていいんだよ?」目を細めては唇をすぼめつつ、まるで自分が何かしらの事をしようとしているのを察してくれているような、頬が微かに紅潮している母親の顔を見ていく父親は言う、「ドアは閉めてないから。」「でも、」素直に自分たちに大きな傘を持ってくれていた父親の話に従って行きつつ、恐る恐ると竜祥のもとに向けて歩いていく小夜は軽く人差し指を突いて行きながら、チラッと母親の後頭部を見上げていき、「お母さんは…」


  小夜のちゃんと母親の事に気を付けてくれている様に口角を上げられているように思えている父親は、軽く左手を握っては誇示しているようにと軽く胸元を叩いていく彼は言う、「僕が責任を取って連れて帰るよ。」宛ら父親が紡いだ男前にも思えてしまう言葉に心を射抜かれていたように、びくっと体を跳ねらせていた母親の仕草にニヤリと口角を上げていく小夜は横目で自分のことを待ってくれているような竜祥の顔を見ながら微笑んでいく、「じゃ、お母さんのことをよろしくね?」軽く肩を竜祥の右腕にくっついていく小夜は彼に伺っているようにと横目で彼の顔を覗き込んでいき、「いこう?」


  小夜が自分に投げてくれていた話を耳にすると、恐る恐ると頷いて行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでしまう竜祥、「う、うん…」ぼんやりと右手でピンク色の傘を握っては、軽く叔父さんに体を向けている叔母さんの横顔を目にすると、つい彼らは一体どうやって一緒に家に戻るのかと不安になりつつ、何かしらのアドバイスを出せないのかとぼんやりと考えている竜祥。


  忽然、まったりと大雨に濡らされている背中を自分に向けて来ている父親の姿勢に眉毛を跳ねらされているように感じつつ、やはり彼は自分が思っている通りのことをしてくれるんだと思うと嬉しそうに笑ってしまう母親は、照れくさそうに左手の人差し指で髪の毛を弄って行きながら、横目でまったりと屈んでくれている彼に尋ねていき、「お、おんぶでもしてくれるの…?」「もちろんそのつもりよ?」軽く左膝を水溜まりが出来上がっていたアスファルトに付けて行きつつ、万が一母親の体重にバランスを崩されてしまったら、彼女は絶対拗ねてしまうんだと強く思っている父親は、彼女の繊細な心を守って行こうと思いつつ、横目で彼女の照れている乙女のような紅潮している頬と耳殻を見ていき、「どうぞ?僕の背中に乗って?」


  「おお…」呆然と傍らで二人の会話を聞いては、まるであんぐり口を開けている自分の代わりに嬉しい声を上げてくれているような小夜の、自分にくっついて来ていた体を感じて行きつつ、つい照れくさそうに彼女から目を逸らしてしまう竜祥は何度も鼻翼に力を入れて行きながら、軽く左手で後頭部を擦って行きつつ頷いていく。「うう…」子供の前にいるのに、自分に心を蕩けて仕舞いそうな言葉を投げてくれている父親は、意地悪だと言ってみたくなっている母親は不貞腐れるようにと軽く前に向けて体を傾斜して行きつつ、宛ら自分の足が不自由であることに気がついてくれているように、体を軽く起こしてくれている父親の行動に目を細められては幸せそうな笑みを浮かべている彼女、「ありがとう…」


  ぼんやりと叔父さんの強く歯を噛んでは、鼻翼に力を入れていく様に目を細められては、あからさまに細身の叔母さんの体重に体のバランスを潰されては格好悪いところを見せてしまわないかと、不安になっていた叔父さんがかつての自分と同じように、足が怪我をしていたせいで上手く屈むことが出来ずにいる相手に体を合わせていく様に口角をくすぐられているように思えては、まるで自分と同じことを思い出してくれているように無言で二人のことを見て行きつつ、左手で緩んでいる口元を隠している小夜の笑っているような眼に目を向けていく彼はつられているように微笑んでいた。


  「僕の方こそ礼を言うべきだよ。」自分の背中に当てて来ていた母親の柔らかい体に目を細められつつ、両腕で自分の肩を抱えてくれていた彼女の無言で頬を自分の項に当てて来ている姿勢に、後頭部をくすぐられているように感じつつ、左耳が彼女の唇から漏れている吐息にくすぐられているような気がしてならないでいる父親は、なかなか自分たちの前で歩いて行こうとしないでいる竜祥と小夜のことを気にする余裕を無くしては、一刻も早くひ弱な彼女を家に送ってやらないとと強く思っている彼は急いで重たくなっている足でアスファルトを踏んで行きつつ、チラッと横目で彼女の真っ赤になっている顔を見ていき、「彼とは話が済んだみたいだね?」


  「うん…」父親のやけに格好良く見てしまう横顔と彼のまるで自分の胸元の奥をくすぐって来ているような声色に、口角を無理矢理上げられているようにも感じては、つい凛とした彼の横顔を見れなくなっているように思えてしまう母親は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、恐る恐ると自分の体を連れては起伏してくれている彼の体を抱えて言う、「成人になっても泊めてもいいと思うわよ…」


  母親が弱り切っているような声色で自分に投げて来ていた意外な一言に見開かされては、思わずぱちくりしてしまう父親は自分の左頬に当ててしまいそうな傘の取っ手を気にする事無く、彼女の萎縮している表情を見つめていき、「これはこれは…」まるで自分が上げていく飽きれているような声色に目線を引かれているようにと、自分のことを見てくれている彼女に向けて軽く口角を上げていく彼は言う、「何を話してたんだよ…」


  「だって…」彼が自分に尋ねて来ている簡単な質問に心を苛まれているように思えては、竜祥のような優しい子がさぞ酷い環境の中で暮らして来ていたことを思い出すと、つい彼は不憫な子だと思っては、彼の両親が上げていなかった温もりを倍にしては、彼に自分たちの家で感じて欲しいと思ってしまう彼女は拗ねている子供のようにと唇をすぼめて行きつつ、何度も赤くなっていた鼻翼に力を入れていき、「可哀想だもん…」


  母親がようやく竜祥の事理解しようと思ってくれている態度に口角を上げられているように感じつつ、やはり彼女は自分がずっと好いている優しい女性なんだとぼんやりと曲がり角を通って行きつつ、自分たちを守ってくれているピンク色の傘を殴って来ている雨が立てている音を耳にしながら、自然が奏でてくれている優雅なメロディーにも感じている彼は微笑んでいく、「そうね…」


  ぼんやりと佇んではまるで両親を消え去って行くのを待っているような竜祥の、淡い笑みを自分たちの視界の中で消えていた二人に向けている様を見ては、照れくさそうに左手の人差し指で赤くなっていた鼻先を擦って、自分に目線を向けてくれている様を見つめている小夜。彼女のまるで自分に目線を固定されては、自分たちも帰ることを忘れていたような態度に苦い笑みを浮かべてしまう竜祥はぱちくりして行きつつ、軽く左手の人差し指で二人を飲み込んでいたような曲がり角を指差していき、「行こう?」

  

  竜祥が自分のことを導こうとしてくれている態度に口角を上げられているように思いつつ、まったりと首を横に振っていく小夜はゆっくりと目を瞑っていき、「ううん、」まるで長い睫毛で宙を引いてくれているような小夜の仕草に戸惑っては、思わず眉間に皺寄せてしまう竜祥はぼんやりと右手で傘を握っては、ゆっくりと彼女に胸元を向けていき。「丁度いいや、」軽く口角を上げては右手で強く手にある赤いハイヒールを握っては、左手で竜祥の右腕を掴んでいく小夜は自分に触れられていた事に驚かされているように、びくっと眉毛を跳ねらせていた彼の潤んでは充血していた眼の中にある自分を見つめて言う、「こっちに来てくれないかな?」


  「え…?」宛ら自分に面白い物を見せてくれると言いに来ているようにと、自分の右腕を引いては向こう側にある壁に向けて歩き始めている小夜の大きな傘の守りから抜け出そうとしている姿勢に見開かされては、急いでいるようにと右手にある傘を彼女の方向に向けて近づいていく竜祥は恐る恐ると肩を縮めて行きつつ、何度も赤くなっている鼻翼に力を入れていく、「どうかしたのかな…?」


  叱られていたようにと弱り切っては、微かに震えているような声色で自分に話しかけてくれている竜祥の存在に口角をくすぐられているように思えては、これからは成人になるまで彼と一緒に暮らして行けることを思うと、つい幸せを手に入れていたように思えている小夜は軽く右手の人差し指を立てては、赤いハイヒールが自分の上げている右手につられては、白皙の頬を飾り付けてくれているように顎に近づいてくれている様を気にする事無く、ぼんやりとぱちくりしつつ自分を見つめてくれている彼に向けて嬉々とした声を発していた、「わたしたちを繋がってくれてた御守りをみるんだよ~?」


  小夜が自分に向けて来ている惑わせようとしているようにも感じてしまう言葉に小首を傾げて行きつつ、ぼんやりと自分の右腕を引いては街灯に照らされている薄暗い壁に顔を近づいて行きながら、何かしらの物を探しているような彼女の後頭部を見つめている彼は、ぽつりと胸元の奥を満たしに来ているような疑問の声を上げていく、「御守りって…?」「うん…」自分の背中に声をかけて来ていた竜祥の戸惑っている声色を耳にして行きつつ、目を細めながら微かな雨で出来上がっている透明なカーテンと街灯の光に照らされては、微かな黄色の光を放っているような壁を注目している小夜は、困っているようにと軽くピンク色の唇をすぼめていき、「確か…あっ!」


  突然、まるで宝物でも見つけていたかのようにと大きな声を発していた小夜の猛然と振り返って来ては、嬉々とした笑顔を自分に見せてくれている様に、驚愕に刺激されては、微かに強張っていた口角を上げられているようにも思える竜祥はピンク色のの中にある自分の顔を見つめては微笑んだ。「ほらほら!」竜祥に道を譲っていくように急いで体を彼からずらしては、左手の人差し指で淡い黄色のカーテンに包まれていたような灰色の壁を指差していく小夜は、困惑気味になっては眉をひそめつつ自分のもとまで歩いて来ている彼に紹介するように、軽く左手の人差し指で自分の名が書かれていた壁を指していく、「ここ、見えるでしょ?」


  ぼんやりと可愛らしく聞こえて来る彼女のやけに元気に満ちている声色を耳にしながら、呆然と赤い瞳でまるで自分に微笑んでくれているような丸いハートに包まれていた彼女のあどけなさを感じさせて来る名前に、口角をくすぐられているように思いつつ、ぱちくりしていく竜祥はまるで自分に自慢しに来ているようにと軽く両手を腰に当てては満面の笑みを浮かんでいた小夜の顔を見つめていく。


  ”ドクンー”まったく自分のことを警戒していないような燦爛な笑みがいつも見れて来ていたはずなのに、心臓がまるで彼女が自分に浮かべて来ている笑みは些か今までのとは違っているものなんだと教えに来ているように、激しく鼓動を刻んでは、自分の雨に濡らされていた少しばかり冷たくなっている体を温めようとしているような感覚に、口角が無理矢理斜め下の方向に向けて引っ張られているように思えては、つい心から溢れているような羞恥心に苛まれては、逃げていくように彼女から目を逸らしていく彼は照れくさそうにと軽く歯を噛んでいる。


  


  

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