第210話僕は…困った時に遭ったら…いつも心の中で君の名前を呼んで来たの…


  


  竜祥のまるで喉を引き千切ろうとしているようなくらいに苦しい声を発している様に目を細められては、唸り声を上げて行きながら唇を噛んでしまう小夜はつい自分にも大してお金を持っていないことを思うと、お金を持たないとどんな目に遭ってしまうのかを彼から聞かされた以上、つい彼と二人で上手くやっていけるはずもないと思っては、彼のことを守れなくなるんだと思ってしまうと、悔しそうに眉間に皺寄せていく小夜は自分の熱くなっている頬を冷やしに来ているような涙の粒の感覚を感じて行きつつ、無言で涙を零しながら、今度こそ下手に約束するのではなく、ちゃんと立派な人間になってからいっぱいお金を稼げるようになってから彼に、もうお金に困らされなくだっていいんだと教えて行こうと強く思っている、「うぐっ…」自分がちゃんと就職出来るまでの間を想像してしまうとついこの間では竜祥はどうやって生きていけたらいいのかと思うと、悩みに困り果ててはつい悶絶してしまいそうな唸り声を上げてしまう彼女、両親を頼っていくと、またしても自分の力では彼のことを守れなくなるんと悩みの渦に陥っているような気がしてならないでいる彼女。


  小夜が悔しそうにと噛んでいる唇の間から零れていた辛い泣き声に心を苛まれているように思えては、軽く歯を噛んでしまう竜祥はつい自分の大好きな彼女にまで自分のどす黒い感情に連れ込んでは、彼女に泣かせていたんだと悔やんでは、苦しそうにと眉をひそめてしまう彼は潤んでいる赤い瞳で彼女の顔を見つめ、自分に泣かせている彼女は可憐にも感じつつ、自分は多分叔母さんに弱い叔父さんに守られる事無く、家に戻されてしまうんだとぼんやりと考えては、下手したら彼女は叔母さんにもう二度と殺人犯の子である自分なんかと接触するなと言われてしまうんじゃないかと考えては、自分が今まで身をもって知らされて来ていた出来事を彼女に教えて上げては、自分がちゃんと傍で守れる事が出来なくなとも、最低限に優しくて人に親切な彼女に人の事を警戒していて欲しいと強く思っている彼。


  潤んでいるピンク色の瞳の中にある自分の顔を見つめてしまうと、つい上手く心を苦しめて来ていた事を紡げなくなっているように思えては、逃げているようにと彼女の紅潮している顔から床に視線を向けていく竜祥は言う、「警察にも…」まるで泥沼のように自分の事を囲んで来ては、苦渋な思いに体を雁字搦めにされているように思えている彼は苦しそうに声を発していき、「僕の事を守るはずだった警察にも…」歯ぎしりして行きつつ本来自分が上手く貧乏な生活から抜け出せたら、少しくらいはまともな体験をしながら暮らしていけるはずなんだと思い上がっていた自分の事が滑稽にも思えては、引き攣っては勝手に上がっていく左側の口角は痙攣しているようにとびくっと跳ねては、苦しそうに歯を食いしばって、涙を堪えている小夜の顔を見つめていく彼は思わず自分は一体何を間違っていたのかと自分の存在意義を疑っては、何もかも分からなくなっている、「貧乏だから…嫌われちゃうし…!」


  口角が斜め下の方向に固定されては、つい自分は生まれて来るべきではなかったんじゃないかと思っている彼は、苦しそうに喉から声を絞り出していた、「僕だって…いっぱいお金を持ってみたいんだよぉ…」竜祥の苦しそうにと叫んでいるように青筋が浮かんでいる赤くなっていた喉元に力を入れ、声を絞り出している姿勢に目を細めつつ、彼の苦しみに体を支配されているような気がしてならないでいる小夜は軽く歯を噛んでは、彼の自分の両手の中で震えている左手を強く握って行きながら、上手く言葉を紡げないでいる自分にはちゃんと彼が語ってくれている話を耳にしているんだと、言っているようにと頷いていく、「うん…」


  「なのに…」霞んでいく視界に少しばかり慣れているように思いつつ、まるで自分に溺水しているような体験を味合わせて来ているような痺れている鼻腔の奥が、脳内を浸食している脳を抉られているような辛い感覚には、どうしても慣れないと思ってしまう彼はぽつりと渇いた唇を開けていき、「どうしてなんだよぉ…僕だって…」自分は一体何を間違っていたのだろうと思ってしまう彼は悔しそうにと歯を噛んでは、自分と同い年の子供は殆どが幸せとは言えなくとも、自分が喉から手が出るくらいに求めている幸せな生活を当たり前のように過ごしているのに、自分には次から次へと小夜のような子には想像も付かないくらいの苦しい思いをぶつけられて来ているように感じては、悔しそうに歯を噛んでしまう彼は言う、「頑張ったのに…頭が割れそうなぐらいに…」まるで自分の事を否定しているようにと小刻みに首を横に振って行きながら徐々に幅を広げていく竜祥は、苦しそうにと小夜から目を逸らしていき、「毎日頑張って来たのにぃ…」


  辛そうにと猫背になり、両肘を太股に付けていく竜祥は、自分に左手を抜け出されては驚かされているような小夜の表情を気にしている余裕を無くし、自分がただ普通の暮らしをするためにいっぱい同い年の子供が決して読もうとしないであろう難しい書物だって、無力にでも読んでは少しでもまともな人間に近づけるような努力を地道に繰り返して来ていたのに、平凡な暮らしはまるで自分の事を嫌っているようにと何度も自分の事を拒絶しに来ては、邪険に扱って来ている事を思ってしまうと思わず自分の努力と人生を疑ってしまう彼は辛そうにと喉から声を絞り出していき、「何のために生まれて来たんだ…僕は…!」震えているような顎を上げては天井にある自分の真っ赤になっているはずの顔を照らしてくれている光は、少しでも自分の人生を照らしてくれやしないと強く思ってしまう彼、「一体…!」涙目になっては決して目尻から零れようとしないでいる涙に苦しめられているような実感を得ているような、疼く眼に苛まれている彼は強く割れているような気がしてならないでいる声帯で声を絞り出していき、「なんの為に…!」


  「うぐっ…」竜祥の自分自身の存在を疑い始めている辛い気持ちを極めていたようにも思えてしまう一言に、胸元を貫かれていたように思えては、つい苦しそうな唸り声を発してしまう小夜は否応なしに両手を彼の酷く震えている肩に向けていた。”どー”宛ら温かい薄荷と化しているような優しい匂いから感じて来る温もりに、喉が震わされているように思えては、口角が斜め下の方向に固定され、上手く上がる事が出来ずにいる竜祥はまるで自分のどこに行ってしまうのかも分からない体を受け止めてくれているような彼女の抱擁に、辛い心境を刺激されているように感じては、怒涛の如く脳に登っていく苦しみに刺激されては、思わず白眼を向いてしまいそうな気がしてならないでいる彼は必死に歯を噛んでは、自分の左腕に当てて来ている温もりが心に打ち込んで来ているように思いつつ、辛そうにと鼻を啜っていた。


  まるで生まれたばっかりの鹿のように自分の両腕の中で酷く震えている竜祥の軽く鼻を啜っていく音をぼんやりと耳にして行きつつ、自分にはまったく体験するどころか想像すらしていなかった出来事を身をもって味わって来ていた彼に、どんな慰めの言葉を向けようとしても虚しく聞こえて来るだけなんだとぼんやりと思っては、自分が思った以上に傷を負っては、傷だらけの体に心を潰されてしまいそうな彼の存在を体で感じてしまうと、つい彼の顔を見るのが怖くなっているように思えてしまう小夜は悔しそうにと眉をひそめて行きつつ、今の自分よりずっと辛い目に遭って来ていた竜祥ですらちゃんと苦難に向かって来ては今、自分の傍に戻って来ているのに、彼だけを守るヒーローを誇っていた自分が彼のもとから逃げてどうするんだと強く思ってしまう彼女は恐る恐ると痙攣しているような顎を上げて行きつつ、彼の真っ赤になっては鼓動を刻んでいる喉の皮膚を殴っているような動脈を沿っては、彼の震えている横顔を見つめている彼女、軽く歯を噛んでは、強く鼻翼に力を入れてしまう小夜は微かな香の匂いを帯びている彼の存在を五感で感じて行きつつ、自分には上手く傷だらけになっている彼の事を守って行けるかどうかを思うと、思わず怯んでしまいそうになっている彼女は怖がっているようにと呟いていた、「もう大丈夫よ…?」


  自分が発していた酷く震えている声色に顔を引かれているように、充血している真っ赤な瞳を向けて来ている竜祥の暗闇に閉じ込められては、自分の顔を映し出せなくなっているような眼を見つめていく小夜、「これからはわたしがずっとあなたと一緒にいるから…!」”ドクンー”悔しそうにと胸元を自分の左腕から引いて行きつつ、急いでいるようにと右手の手の甲を鼻水と涙に濡らされていた人中に当てていく小夜が、やけに潤んでいるピンク色の瞳で映し出してくれている自分の微かに光っているように見えてしまう顔と、彼女が自分に投げて来ていた自分がずっと夢の中でしか聞こえないと思っていた一言に、現実に潰されては欠片と化していた心が少しばかり集められているように感じてしまう彼、「えっ…」


  強く歯を噛んでは、ごくりと渇いては辛い心境に焼かれているような喉を冷やしていくかのようにと、唾液を飲み込んでいく小夜は眉間に皺寄せて行きつつ、いっぱい理不尽な現実と戦って来ていた竜祥の代わりに自分が彼の事を守る為に戦って行くんだと強く思ってしまう彼女は、決意を彼に伝えろうとしているように強く左手を握っては、揺るぎない眼差しを彼に向けていき、「もし管理人さんがまたあなたに嫌味を言ったらわたしが文句を言ってやるわ…!」


  酷く震えては少しばかり粘っているように聞こえて来る小夜が嗚咽まじりに紡いでくれていた言葉に、斜め下の方向に向けられていた口角は少しばかり上げられているように思えては、やはり彼女は自分がずっと思っていた小夜なんだと思えてしまう竜祥、悲しみと今まで培ってきた一人で全てを抱えて来ていた辛い心境に苛まれているせいで、上手く力を込める事が出来ずにいる左手を軽く上げていく竜祥は叱られているようにと唇を噛んでは、自分は強いんだと知らせに来ているような小夜の向きになっている態度に目を細められては、軽く彼女の両手に温められていた左手の親指を彼女のまるで潤んでいる瞳につられていたように、ピンク色になっている目の下に柔らかい指を当てていく彼は軽く鼻を啜って言う、「いいよ…」震えては熱くなっている頬に当てて来る少しばかり冷たく思えてしまう彼の指先に、目の下にある涙を退かされているように感じてしまう小夜はつい自分にいっぱい惨めにも思えてしまう体験を語って来ていた彼が、どうして味方になると語っていた自分の言葉を聞いた途端に、急に弱気になっているのかが不明瞭に思えている彼女、「えっ…?」


  まるで自分が紡いだ誰でも理解出来る返事を分からなずにいるようにと間の抜けた声を発していた小夜の、ぼんやりと開けていた唇に微笑んでいく竜祥は軽く眉をひそめては、純粋な小夜に小汚い社会と戦わせてしまうと、きっと彼女は汚されてしまうんだと思っては、軽く引き攣っているような右側の口角を上げて行きつつ、彼女の火と化しているような頬から左手を引いていく、「僕の腐ったような生活に首を突っ込まない方が身のためだよ…」


  竜祥が無理して自分に安心させる為に引き攣っているような口角を上げてくれている様と、彼が自分に投げて来ていた一言に見開かされては、思わず悔しそうにと眉をひそめてしまう小夜はつい色んな困難に遭って来ていたのに、まだ自分に気を付けてくれる余裕を持っている彼が格好良く思えては、胸元の奥が彼に引かれているような気がしてならないでいる小夜は思わず胸元を彼に寄せてしまい、「そうはいかないよ…!」苦しそうにと涸れているよな喉から声を絞り出しては、強く右手を胸元に当てていく小夜は自分が発していた微かに震えていた大声に、驚かされているようにと眉毛を跳ねらせている彼の顔を見つめながら言葉を紡いでいき、「だって、」自分はもう酷く弱っている彼に甘えているように守られてはいらないんだと強く思っている小夜は、潤んでは充血しているピンク色の瞳で彼の顔を映し出していく、「わたしはあなただけを守るヒーローだって…」


  ”ドクンー”「あ…」突然、小夜が嗚咽まじりに苦しそうにと喉から絞り出していた一言に見開かされては、ぼんやりと唇を開けてしまう竜祥はぼんやりと彼女の必死に自分に何かしらの事を伝えようとしているようにと、華奢な肩を起伏されて行きつつ、激昂になっている心境を抑えている様をぼんやりと見ている竜祥、彼女の強く右手で胸元を押さえては、強く泣き声を抑える為に息を止めている様に目を細められては、自分のために精一杯努力してくれている彼女の健気な姿勢に感動を覚えては、彼女にそんなことをしなくだっていいんだと、彼女に教えてあげたいと思ってしまう彼はつい胸元の奥にある暗闇を追い払ってくれているような彼女から感じて来る感動に、胸元の奥にある鼓動を加速されては、上手く言葉を紡ぐ事が出来ずにいる彼は切なげに歯を噛んでは、弱っている自分に苛立ちを覚えては、悲しみに心を挟まれている彼は悔しそうにと眉をひそめていく。


  竜祥のまるで自分に感動されているようにと軽く顎を引いては、天井にあるお日様のようなライトを頼っては微かな光を取り戻せているような彼の姿に口角をくすぐられているように思いつつ、切なげに熱くなっている鼻先を右手の手の甲で擦っては、彼に触れて行きたいと願ってしまう彼女はまるで自我が芽生えたかのようにと彼の右頬に触れていく自分の左手に苦笑いしてしまう彼女。


  まったりと自分の手のひらに当てて来ている現実に苛まれては、微かに震えている彼の頬を感じていく彼女はぼんやりと彼のまるで自分の顔を避けているように顔を逸らしている彼の姿に向けて、昔の現実に苦しめられて来ていた彼を助けにいく事が出来ないけれど、今はちゃんと精神的に支えて行けるんだと思っている彼女は無理矢理口角を上げては、切なげに微笑んでいく、「最初に会っていた時に言ってたのでしょ…?」


  小夜が自分に投げてくれていた言葉に感動を覚えては、目尻が温めい水に撫でられているような気がしてならないでいる竜祥は軽く歯を噛んでは、つい最初に出会っていた頃の他愛のない約束は、きっと彼女にはもう覚えていないんだ勝手に考えていた竜祥はつい自分の言葉に苦しめられても尚、微笑んでくれている彼女に心を揺さぶられているように思えては、ぽつりと弱り切っている声を発していた、「さよ…」


  竜祥の自分が紡いだ言葉に感動を覚えてくれている様に口角をくすぐられているような気がしてならないでいる小夜は、目を細めて行きながら軽く首を傾げては彼の顔を潤んでいるピンク色の瞳で映し出していき、「えへへ…なぁに?」幸せそうな笑みを自分に見せてくれている彼女に心を照らされているように思えては、つい目の下を擦っているような大粒の涙の感覚に苦しめられているような気がしてしまう竜祥、「覚えてて…」


  忽然、まるで上手く自分に言葉を紡がせてくれないでいるような胸元の奥から込み上げて来ている感動に打ちひしがれては、びくっと肩を跳ねらせてしまう竜祥、「うぐっ…」自分が発していた苦しそうな唸り声に驚かされているようにびくっと体を跳ねらせている小夜の些か大袈裟にも思える仕草に、口角をくすぐられているように思いつつ、彼女が自分に与えて来ている喜びのあまり、つい自分は生きてこれたのは僥倖にも思えては、神に祝福されているんじゃないかと、両親を亡くしていたばっかりなのに、自分のとことん矛盾している思いに苛まれては、苦しそうにと右手を上げては自分の鼻先と鼻水に汚されていた人中を押さえていく竜祥は言う、「覚えててくれてたんだね…」


  「あああ…」ぽつりとあんぐり口を開けている自分の事を映し出してくれては、逆さまになっている自分の事を凝縮している透明な粒を気にしている余裕を無くしては、切なげに涙を零している竜祥の表情に見開かされては、呆然と涙を流していた小夜は急いでいるようにと弱っている彼に両手を向けていき、「な、泣かないで?」軽く彼の体を抱えては、左手で彼の雨に濡らされていた黒い髪の毛を擦っていく小夜は、まるで自分に抱えられていたせいで更に弱くなっているようにと項垂れている彼の顔を覗き込んで行きつつ、涙を我慢して行きながら、何とか彼に悲しみの連鎖から抜け出してやりたいと願っている彼女は言う、「それは自分が口にしていた事なんだから…」竜祥が自分がちゃんと彼との約束を覚えているだけで感動されている姿は、些か大袈裟にも思えている小夜はまったりと左手で自分の両腕の中で震えている彼の頭を撫でて行きつつ言葉を補足していき、「覚えているに決まっているんじゃない…」


  「うん…」小夜が紡いでいるまるで自分の心に入って来ているような温かく思えてしまう言葉に感動を覚えては、自分もちゃんと彼女との約束を覚えているんだと思ってしまうと、つい自分たちは両思いなんだとぼんやりと考えては、自分の胸元の奥から溢れてしまいそうな彼女への気持ちに悩まされては、恐れているようにと震えている視界の中で彼女の事を探していく彼は、まるで自分が顔を上げるのを待ってくれているようにと微笑んでくれている小夜の笑みに眉毛を上げられているように感じては、口角が一瞬斜め下の方向に向けられていた彼は軽く赤くなっている鼻翼に力を入れては、強く頷いていた、「うん…!」


  竜祥が二回も自分にまったく同じの返事を向けて来ているのに、二回目の返事は彼が上手く立ち直れていると語って来ているように思えている小夜は、嬉しそうにと軽く口角を上げて行きつつ、左手の手の甲で鼻を擦っている彼につられているようにと鼻を啜っては強く頷いていく、「うん!」竜祥の自分が彼に向けていく返事に口角を上げられている様に微笑んで行きながら、軽く両手を彼の背中から引いていく小夜はチラッとサイドテーブルの上に置かれていたティッシュ箱に一瞥していき、「ほら、」軽く左手を伸ばしては、自分の指先を撫でてくれているような柔らかいティッシュの感覚を感じて行きつつ、軽く口角を上げて行きながら彼の顔を見てしまう彼女は言う、「ティッシュいる?」


  「うっ、」小夜が自分に向けて来ているまるで自分が頷いていくと、彼女自ら自分の涙を拭いてくれると語って来ているように、軽く右手にあるティッシュを淡い黄色の波のように起伏させている様に、恥ずかしさを強いられているような気がしてならないでいる竜祥は恐る恐ると弱っている肩を縮めて行きつつ、軽く首を横に振っていき、「ううん…」竜祥のまるで自分に遠慮しに来ている様に目を半開きさせて行きつつ、彼の真っ赤になっている瞳に目を細められているように感じては、散々人々に苦しめられて来ている彼はきっと他人からの優しさを勝手に拒んでしまうような精神状態になっているではないかと思っては、軽く左手にあるティッシュを彼に向けていく彼女は真面目そうな表情を浮かんで行きつつ、他人に優しくされるのに慣れないと言うのなら、まず家族である自分から彼に慣れて貰わないとと思っている彼女は言う、「ううんじゃないわ、」軽く左手にあるティッシュが透明な粒に殴られているように、枯れていく花火の如く萎れている様を気にする事無く、自分の仕草に上げられていた眉毛に飾られている赤い瞳の中にある自分の顔を見つめていく彼女、「ほらちゃんと拭いてあげるからじっとしてて?」

  

  「うう…」断っていたのにも拘わらず無理矢理自分の涙を拭いて来ている小夜の行動に心を撫でられているような気がしてならないでいる竜祥は、何度も赤くなっている鼻翼に力を入れて行きつつ、彼女に感動されているせいでますます涙を零しているようにと感じている彼はぱちくりながら自分の涙を拭いてくれては、無言で鼻を啜っては目の下にある涙が引いていた透明なレールを気にしていない彼女の仕草に、苦笑いして見たくなっている彼は軽く歯を噛んでは、彼女が約束を覚えてくれていた言葉を耳にしていた自分にもちゃんと自分の思いを彼女に伝えないとと強く思ってしまう彼、「あのね…僕はね…?」


  竜祥の叱られているようにと肩を縮めて行きつつ、弱り切っている声色で自分に向けて言葉を紡いで来ている態度に、口角を上げられているような気がしている小夜は微笑みながら軽く右手にあるティッシュを握って行きつつ彼の顔を見つめて言う、「うん、ちゃんと聞いているから、」軽く赤くなっている鼻を啜っては、小首を傾げていく小夜は悲しみの渦に引き込まれていたせいで後遺症でも残っているように、震えている竜祥に落ち着かせようとしているようようにと軽く左手で彼の握っている右手に触れていき、「落ち着いて?」自分と同じように涙を流しては鼻水に人中を汚されていた事を忘れているような小夜が、自分に見せて来ているまるで艶やかな唇を飾り付けているようなライトに照らされては、微かに光っているような人中に目を半開きさせて行きつつ、自分に無垢な笑みを見せてくれている彼女に恥ずかしさを強いられているように思えては、困っているようにと軽く左手の人差し指でこめかみを掻いていく彼はぽつりと渇いた唇を開けてしまい、「まずは自分の涙を拭いてよ…」


  「あっ…」忽然、彼が自分に向けて来ていた話に唇をこじ開けられているように思えては、ぼんやりと自分の左手と彼の右手の手首の間にある濡れていたティッシュの感覚に目を細めていく小夜、「えへへ…」つい悲しんでいる彼にどうにか気分を直して行きたいとしか思っていなかった自分にも、彼につられては切なげに泣いていた事を忘れていた自分はおっちょこちょいんだと苦い笑みを浮かべてしまう彼女は、照れくさそうに軽く左手で後頭部にある青色の髪の毛を擦って行きつつ、ぽつりと声を発していく、「うん、」軽く自分の顔を映し出してくれている赤い瞳に向けて頷いては、ゆっくりと背中を彼に向けては猿をモチーフにしていたティッシュ箱からティッシュを取ろうとしている彼女はぽつりと弱っている声を漏らしていた、「忘れちゃったや…」


  「うう…」小夜の自分が思っていた通りに自分の事を重要視しているせいで、彼女自身の事を忘れていたと語って来る小うるさい雨音に掻き消されてしまいそうな声色に口角を斜め下の方向に向けて引っ張られているような気がしてならないでいる竜祥は、左手にあるティッシュをサイドテーブルに置いては、ゆっくりと右手にある淡い黄色のティッシュで涙を拭いて行きつつ、自分に顔を向けて来ている彼女の事を見つめ、まるで何事もなかったかのように再び自分の悩みを聞こうとしているような真面目な眼差しを向けて来ている彼女の自身を蔑ろにしている様を思うと、思わず拗ねているようにと唇をすぼめていく彼は何度も赤くなっている鼻翼に力を入れていき、「ティッシュを貸して。」


  竜祥の軽く左手を伸ばして来てはまるで自分の右手にある、微かに自分の涙を濡らされていたティッシュを求めて来ているようにと赤い瞳で自分のティッシュを指して来ている態度に戸惑いつつ、つい彼は一体何を考えているのだろうかと困らされてしまう小夜はぼんやりと小首を傾げていき、「うん?」頑なに自分の右手にある既に自分に使われていたティッシュを求めて来ているように何度も左手を上下にして来ている態度に、苦笑いしてしまう彼女は呆然と右手にあるティッシュを彼の手のひらに置いていきながら軽く肩を縮めては叱られているようにと軽く唇をすぼめていく、「いいけどさ…」

  

  小夜の自分のしたい事を理解できずにいるように弱っている態度に目を細めて行きつつ、軽く口角を上げていく竜祥はまったりと右手にあるティッシュで彼女の目の下にある涙が残していたレールを拭いて行きながらぽつりと渇いた唇を開けていき、「僕は…困った時に遭ったら…」自分の右手にあるティッシュで涙を拭かれている事に驚かされているように軽く上半身を引いては、強く息を吸い込んでいる様に微笑んで行きながら、内心で紡ごうとする言葉に苦しめられては、ぼんやりと俯いていく彼は照れくさそうにと呟いていた、「いつも心の中で君の名前を呼んで来たの…」

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