第160話もし、あたしを竜祥さまから救い出したいと言うのなら、

  斗奴雷のまるで正気を取り戻せていたように上げていた震えては、虚無に侵食されていた声に口角を上げられているように思えては、まったりと額を上げてしまう楽々花は金色の瞳でぼんやりと自分の顔を見てくれている彼の事を映し出して行きつつ微笑んで言う、「大丈夫だからさ。」楽々花が繰り返していた言葉に眉をひそめられては、彼女は何を言っているのかが分からなくなっている斗奴雷、「え…?」とりあえず楽々花に返事をしないのは失礼のように思いつつ、チラッと視線を自分の右手にある携帯電話を向けていく彼、刹那、久守が竜祥とつるんでいる事を思い出してしまうと、つい急いで楽々花を連れて出来る限り自分たちが住んでいるマンションよりずっと遠くに行かないとと強く思っては、夜中になると、下手に楽々花を連れて歩き回るのも危険のように思えては、危険と危険に挟まれては自分には楽々花を連れて逃げ出せる場所がないように思えてしまう斗奴雷は、悲しそうにと歯を食いしばっては、まさか竜祥が狂っている世界の中でまでリードを引いて行けると思ってしまうと、油断していた自分の無力さを憎む以外の事が出来ずにいる自分が嫌になっている彼。


  強く両手で斗奴雷の畏怖に震わされている身体を抱えていた楽々花はまったりと彼の身体を離れて行き、忽然、まるで自分に見捨てられているように思えているような斗奴雷が自分に投げて来るやけに潤んでいる深い紫色の瞳と、彼の事を苦しんでいるような目にある赤い糸に目を細められている楽々花はまったりと温かい両手を彼の頬に添えて言う、「だからそんな怖い顔をしないで…?」


  楽々花が自分に投げて来ていた慰めているような一言がやけに優しく思えてしまう斗奴雷、右手にある携帯電話は呪われているようにも思えてしまう彼は震えているような霞んでいる視界の中で、まるで自分を導いてくれているような金色の瞳を見つめていき、「僕は…君を守れなくなるかもしれない…」顎が震えては声が粘っているような気がしている斗奴雷は残念そうにとぽつりと唇を開けていき、「だぞ…?」


  斗奴雷が紡いだ一言に見開かされては、彼が自分の事をどうやって守るべきなのかを考えていたせいで、人を殺めざるを得ないでいたような表情を浮かんでいた事に口角を微かに上げられているように思えては、まるで自分に甘えて来ているような彼の白皙の頬に沿って落ちていく涙の粒に目を細めてしまう楽々花、「いいの。」軽く繊細な指先で彼の熱くなっていた頬を拭いていく楽々花は微笑んで言う、「そんなに苦しめられるまでわたしの事を考えててくれてたんだね?」


  「うぐっ…」楽々花が自分に向けて来ていた一言に心を苛まれているように思えては、思わず苦しそうな唸り声を発してしまう斗奴雷、霞んでいく視界に苦しめられては瞬きするのを恐れてしまう彼は楽々花が自分に向けて軽く頷いてくれている態度を見てしまうと、悲しそうにと渇いた唇を噛んでしまう彼、「僕は…」「大丈夫…?」斗奴雷のまるで叱れていた子供のようにと泣きながら声を上げている事に眉間に皺寄せてしまう久守は、心配そうな眼差しを右手にある携帯電話に向けていき、「なんで泣きそうになっているの…?」


  「あ…」楽々花と同じように自分の事を気にかけてくれている久守の本気で心配してくれているような声に見開かされては、優しい彼女はきっと竜祥に騙されているに違いないと思うと同時に、もし彼女が竜祥に自分と楽々花の事を殺せと言われてたら、きっと今のように平然と自分たちに気にかけてくれることが出来ないはずなんだと考えていく斗奴雷、何度も鼻翼に力を入れては、竜祥が扱える戦力と持っている情報が分からない以上、悲観過ぎるのも却って形勢を見誤ってしまうと思い、久守のことを説得出来なくとも、竜祥にとって利用価値は沢山あるはずの楽々花は簡単に殺されることがないと同時に、もし楽々花が囚われてしまったら多分死ぬより酷い目に遭ってしまうのだろうと思っている斗奴雷は強く鼻を啜っていき、「あいつは危険だ、竜祥から離れて…?」


  自分の悲しみにつられているように、潤んでいる金色の瞳で自分の事を見てくれている楽々花の存在に口角を支えられているようにと感じては、彼女に不安にさせないで行こうと願っていく斗奴雷はぼんやりと自分の顔を見つめては、両手を頬に添えてくれていた彼女に微笑んでいきつつ、軽く左手で彼女の頭を撫でていき。斗奴雷が冷酷なまでに震えているような声で紡いだ一言に眉間に皺寄せては、つい彼と竜祥の間に一体何かが遭ったのかと想像してしまう久守は、ぽつりと弱っている声を上げてしまい、「どうしてそんなに彼の事を邪険に扱うの…?」


  まるで自分に撫でられている事を堪能していたようにと目を細めて行きつつ、幸せそうな笑みを浮かべていた楽々花から左手を引いては、潤んでは充血している深い紫色の瞳で右手にある携帯電話を見ていく斗奴雷、「君は…」軽く歯を噛んでは出来る限り久守の中にある完璧のように作り上げられていたはずの竜祥の印象を壊したくないと思っては、彼女に冷静になって貰うにはそうする他ないように思い、何度も鼻翼に力を入れていく斗奴雷は自分に心配してくれている楽々花に苦い笑みを見せては、彼女から目を逸らしていく彼は事実だけを久守に伝えては、どうやってそれを考えるのは彼女に任せて行こうと思っては言葉を紡いだ、「平気で野良犬を解剖する奴の事をどう思う?」


  「急にどうしたのよ…」斗奴雷が急に自分に向けて来ている例え話に眉をひそめられては、思わず小首を傾げてしまう久守は、もしかしたら彼には昔、竜祥が野良犬を解剖するところを目の当たりにしていたなのではないかかと思い、目を細めてしまう彼女は横目で携帯電話を見て行きつつ、誰もがパニックになっていた時で逸早く民衆の事を助けようと思ってくれていた竜祥は、悪い人のはずがないと強く信じている彼女は言う、「他の人の場合は知らないけど…」軽く鼻翼に力を入れては、民衆の栄養の問題まで考えくれている竜祥はきっと何かしらの理由があって野良犬を解剖していたはずなんだと思っては、揺るぎない声で言葉を紡いだ、「竜祥さまならきっと勉学のためにやっていたと思うよ?」


  久守の竜祥を信じ切っているような話に目を細められつつ、彼女を説得するのは限りなく無理に等しく思えてしまう斗奴雷は軽く歯を噛んでは、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼はまるで自分に応援してくれているようにと華奢な両手を握ってくれて、揺るぎない眼差しで自分を見てくれている楽々花に一瞥しては、口角が彼女に上げられているように思い、彼女のためにもう少し久守を説得する事に励んで見ようと思ってしまう彼は言う、「じゃ、保身のために人を死まで追い詰めていたと言ったら?」


  ”ドクンー”「え…?」刹那、斗奴雷がやけに深刻そうな口調で自分に言葉を投げて来ていた事に見開かされては、思わず間の抜けた声を上げてしまう久守、「なんかの勘違いじゃないの…?」胸元の奥がぽっかりと小さな黒い穴を開けられているように感じてしまう彼女は、つい竜祥が自分の目の前で人を殺めていたことを思い出しては、斗奴雷がわざわざ竜祥の事を悪く言うために嘘をついている可能性もあるように思いつつ、軽く歯を噛んでしまう彼女は眉をひそめたまま怪しんでいる眼差しを携帯画面に向けていき、「それとも竜祥の事を悪く言って、」軽く左手で抱き枕を強く握っていく彼女は携帯電話を見つめたままぽつりと声を発していた、「あたしを誑かそうとしていない…?」


  「僕が君を誑かしてもメリットはないはずだろう?」久守が発している微かに震えているような声色に目を細められては、彼女にもちゃんと人を殺すのが良くないであることを認識出来ている様に、自分にはまだ彼女を説得しては竜祥から離れて貰う希望が残されているんだと思い、口角を微かに上げられているようにと感じてしまう斗奴雷、「本当の話だ。」斗奴雷の充血している眼を床に向けたままで紡いだ深刻な話にあんぐり口を開けられていた楽々花は呆然と彼の横顔を見つめては、竜祥と言う人は一体どれだけ怖いのかを想像してしまうと、つい彼がさっき涙を零してまでに竜祥の存在に精神的に追い詰められていたのを納得出来ているように思いつつ、斗奴雷が紡いでいる竜祥の人物像に恐怖を植え付けられているように思えては、思わずごくりと固唾を飲み込んでしまう彼女。


  軽く赤くなっている鼻翼に力を入れては、まるで真剣に自分が紡いだ一言について考えてくれているような久守の姿勢に目を細めて行きつつ、いつかは必ずしも現実になってしまう可能性を彼女に教えようと思う彼はぽつりとオブラートに包まれていたような渇いた唇を開けていき、「それこそ君が彼に殺されたって可笑しくないんだよ。」斗奴雷がやけに平然としている口調で語っている言葉に見開かされては、喉から息が漏れているようにと感じている楽々花は金色の瞳で彼の顔を映し出して行きながら、斗奴雷の本気の表情を目にすると、とてもじゃないが彼が久守に怯んで貰うためにわざわざ嘘を吐いているようには見えないでいる楽々花、「あんた…」


  「どうしてあんたの言うことを信じないといけないの?」まったりと腕を組んでは自分にだけではなく皆に親切にしている竜祥が仲間である自分の事を殺すはずもないんだと思っている久守は、軽く左手で右手を握っては不満そうに言葉を紡いでいる、「竜祥さまはちゃんと柱に弱らされている人たちのことを守っているんだぞ?」久守が竜祥が善良な人間であることを信じ切っている様に目を細められては、悲しそうにと何度も首を横に振っていく斗奴雷は言う、「それは君のような善良な人間を上手く利用するために作った芝居に過ぎないのだろうな。」左手を握りしめては、竜祥は決して彼とは無関係な人を守ったりしないはずだし、彼と関わりのない人間は彼から見れば等しく何かしらのことを成す為の道具に過ぎないのであろうと強く思っている斗奴雷は言う、「もし家族を連れてあいつに守られて貰ったら。」悔しそうにと歯を噛んでは、人々を束ね、彼らに自分を抗うことができないようにするには、民衆を守っているように強化者に見せかけては、こっそりと強化者の目の前で自分の冷酷な一面を見せては、彼らにもし歯向かってしまったらどうなってしまうのかを見せて来ていたはずだと思っている斗奴雷は言う、「それは尚更利用しやすくなる。」


  斗奴雷が紡いだ分析しているような話に戸惑いつつ、思わず眉をひそめてしまう楽々花はつい竜祥は人々の家族を平然と殺してしまう程の極悪の人なのかと彼に尋ねて見たくなっては、斗奴雷のやけに冷静な横顔とまるで竜祥の存在に怖がっていることを知らせて来ているような額に滲んでいる透明な粒に目を細められては、軽く左手を彼の肩に向けて置いていく楽々花。


  忽然、まるで自分が竜祥の計画に対する思いから感じて来る畏怖から救い出してくれているような肩に置かれていた感覚に見開かされては、思わずあんぐり口を開けられてしまう斗奴雷はぱちくりながら肩に置いていた艶やかな爪と繊細な指先に見開かされてしまい、ゆっくりと白皙の左手に沿っては、まるで自分のことを鼓舞してくれているようにと燦爛とした笑みを見せてくれているよ楽々花の笑顔に、口角を微かに上げられているように思えている彼、「他の人の場合は知らないけど…」目を細めて行きつつ左手で携帯電話を握っていく斗奴雷は恐る恐ると楽々花の左手に一瞥し、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼は強く右手を握りながら言葉を紡いでいく、「竜祥という奴に関わると、」斗奴雷が真剣な表情で言葉を紡いでいくことに微笑みながらまったりと右手を彼の額にある汗の粒に向けて行く楽々花。


  優しく自分の額を冷やして来ているような汗の粒を拭いてくれている楽々花の存在に、渇き果てていたようにも感じてしまう心が潤いを与えられているように感じている斗奴雷は言う、「最悪以上の考えをした方が身のためだぞ。」「もう竜祥さまのことはいいのでしょう?」斗奴雷が語って来ている言葉は全て彼の妄想でしかないように思いつつ、十数年も会っていない彼が被害妄想にでもなっていたのではないかと思ってしまう久守は不服そうにと唇を尖らせていきつつ声を上げていき、「あんたと竜祥さまが昔で何かが遭っていたのかは知らないけどさ、」軽く鼻翼に力を入れてはこれ以上、満面の笑みでゲームをプレイしていた、子供の頃の彼に対するイメージを彼に壊されたくないと思ってしまう久守は言う、「彼に言われて用事がるから電話をかけて来たの。」


  久守が自分たちに投げて来ていた話に目を細められては、竜祥はきっと折尾から楽々花のことを知らされては、さっき自分が思っているような事を実行してようとしているのだろうと思ってしまう斗奴雷はぽつりと声を発していた、「だろうな…」斗奴雷が上げているまるで自分が彼に尋ねようとする事を分かったいたような微かに残念にも思えているような口調に目を細められつつ、自分はちゃんと竜祥がくれていたミッションを達成しないとと思っている久守は言う、「あんたは今…」


  久守が一瞬迷っているようにと声を止まらせていた事に歯を噛んでは、何度も鼻翼に力を入れていく斗奴雷はごくりと固唾を飲み込んでは、彼女も自分と同じように躊躇しているなのではないかと考えている。宛ら瞼と長いまつ毛に視界を阻まれているように思えてしまう久守はぼんやりと天井から、まるで自分のことを照らそうとしているような淡い紫色の窓枠に封じられていたような星空に一瞥していき、悔しそうにと歯を噛んでしまう彼女はミッションを斗奴雷に教えてしまうと、竜祥のことを快く思っていない彼には、きっと嫌われ、下手したら憎まれてしまうかもしれないと思うと、つい切なげに鼻を啜っては、ぽつりと声を上げていた、「楽々花さんと一緒にいるんだよね?」


  「うっ…」久守がやけに弱っている声色に喉を鷲掴みにされているような気がしては、口角が斜め下の方向に向けて引っ張られているようにと思えている斗奴雷、忽然、まったりと自分の太股の上に置いていた握り拳を包んで来ているような柔らかい感覚に見開かされては、ぼんやりと自分の右手の上に置いてくれていた白皙の左手に一瞥していき、軽く親指で自分の指を撫でてくれている楽々花の仕草に目を細められては、何としても彼女のことを守って行こうと強く思っている斗奴雷は揺るぎない眼差しを左手にある携帯電話に向けては、声を上げていく、「違うと言ったら?」斗奴雷のみすぼらしく思えてしまう言葉に口角を上げられているように思いつつ、苦い笑みを浮かべてしまう久守は軽く左肘を太股に付けては、ぽつりと冷淡にも思えてしまう声を発していき、「声が聞こえてたわ。」


  「楽々花さんに…」久守がやはり素直に自分たちのことを見逃してくれないと知れてしまうと、一瞬にして険しい表情を浮かんでしまう斗奴雷はごくりと固唾を飲み込んでは、携帯電話に尋ねていく、「彼女に何をしようとする…」宛ら自分のために久守を敵に回しているような斗奴雷の憤っているよう表情に見開かされては、喜ぶはずなのに彼が浮かんでいる辛そうな表情を目にすると、つい彼には自分の事を一旦置いて欲しいと思ってしまう楽々花は自分の訳の分からないぐらいに矛盾している考えに苛まれては、悔しそうにと歯を噛んでいた。


  「そんな怖い声を出さないでよ…」宛ら領地を占拠されていた獣が上げている怒声のように自分に話を投げて来ていた斗奴雷に苦笑いしてしまう久守は、悲しそうにと軽く左手の人差し指で頬を掻いて行きつつ言葉を紡いでいく、「ただ皆の精神的な支えになって貰いたいだけなんだよ。」久守が自分に向けて来ている綺麗な御伽噺のような話に鼻をくすぐられているように思えては、きっと竜祥にそう言われていたのであろうと思っている斗奴雷は、純白なまでに彼の事を信じている久守を騙している竜祥の事を軽蔑するようにと鼻で笑っていた、「それは君を誑かすための事であって。」チラッと眉間に皺寄せつつ真剣な眼差しを自分に向けては、自分が紡ごうとする言葉を邪魔しようとしないでいる楽々花を見ては、何度も鼻翼に力を入れていく斗奴雷、「本音はあいつが楽々花さんを利用して、自分と合作しようとしないでいる強化者たちを一気に集めて。」


  斗奴雷が自分にかけて来ている作戦のような話に眉をひそめられては、彼が言っている言葉は一理あるようにも思えてしまう久守は軽く顎を引いて行きつつ真面目に彼の話を聞いている。「服従する奴を仲間し、そうでないやつは殺して、」忽然、斗奴雷が紡いだ作戦のような話の後半に見開かされては、竜祥はきっともっと強化者を集めては、より弱っている民衆の安全を考えてくれているだけなんだと思っている久守は、斗奴雷が竜祥を侮辱しているような話に苛立ちを覚えては、憧れの彼にもっと人の事を信じていて欲しかったと切なくなっている彼女。


  「その力だけを貰っとくつもりであるのだろうな。」無言で自分が紡ぐ話を聞いてくれている久守に、彼女はただ利用されているだけであることに気がついて欲しいと願っている斗奴雷は言う、「信じて貰えないだろうけど…」自分の右手の手の甲を温めてくれているような温もりを感じつつも、何としても楽々花を竜祥に奪わせる訳にはならないと強く思っている彼は言う、「きっとあいつはこれ以上酷いことを考えているのに違いないはずだ。」


  「あんた…」斗奴雷が語っている地獄の長のようにも思えてしまう竜祥に眉をひそめられては、つい彼が言っている言葉に畏怖を覚えては、とてもじゃないが竜祥がそんな人間であるようには思えないでいる久守はぽつりと震えているような声を上げてしまい、「どうしてそんなにも人のことを悪く思えるの…?」軽く歯を噛んではごくりと固唾を飲み込んでいく久守はもしかしたら斗奴雷が言っている言葉は竜祥のではなく、彼が思っているものなのではないかと思ってしまい、戦慄しているような左手を上げては、淡い紫色の髪の毛を軽く握っていく彼女はぽつりと弱っている声を漏らしていた、「そんな怖い事なんて…」


  「昔は思えなかったよ。」久守のまるで竜祥ではなく自分を恐れているような話に歯を噛んでは、やはり竜祥の残酷さを目の当たりにしていなかった彼女はどうしてもルックスが格好良くそして演技の上手い竜祥を信じてしまうんだと思うと、悔しそうにと眉間に皺寄せていく彼は切なげに項垂れては、ぽつりと声を発していく、「のこのこと信じて来たから、こんな思考回路になってたんだ。」斗奴雷が紡いだ話に見開かされては、竜祥は彼に何かしらの危害を加えていたなのではないかと不安になっては、思わず彼の手を握っていた左手に少しばかり力を込めてしまう楽々花。


  まるで自分が被害を受けては消えてなくなってしまわないかと不安になっている楽々花の潤んでは、泣き出してしまいそうな金色の瞳に強張っていた口角が微かに上げられているように思えている斗奴雷。「雷…」宛ら喉から息を漏らしていたように弱り切っている口調で自分の名を呼んでくれていた久守に目を細められている斗奴雷、「僕は彼のように賢くないけど…」軽く背筋を伸ばして行きつつ強く息を吸いこんでしまう斗奴雷は言う、「自分に向けて来る困難にも出来る限り逃げて来たけど…」まるで自分がいなくなるのを畏怖しているような楽々花の右手に一瞥しては、ゆっくりと胸元を自分の右側に座っていた楽々花に向けては、揺るぎない眼差しを彼女に向けていく彼は言う、「でもどうしても譲れない物に、そいつがぶつけて来る時には…」自分が本気の口調で紡いでいる言葉が気になっているようにと微かに首を傾げている楽々花を見つめていく斗奴雷は強く歯を噛んでは、揺るぎない声を発していた、「何としてもそれを潰していくぞ…」


  斗奴雷が発しているまるで自分の事を殺めようとしているような話に苦しめられては、胸元が憎しみで出来上がっている大きな手に鷲掴みにされているような気分を味わっている久守、悔しそうにと歯を噛んでは、胸元の奥にある不満に唇をこじ開けられているような気分になっている彼女は横目で携帯電話を見つめながら声を上げていき、「あたしを、潰すの?」久守が上げている向きになっているようにと感じてしまう声色に歯を噛んでは何度も鼻翼に力を入れてしまう斗奴雷は言う、「そうさせないでくれ…」


  斗奴雷が昔の同窓を手にかけようとしている話に見開かされてはつい不安になり、彼がきっと後悔する事を自分のためにして欲しくないと強く思ってしまう楽々花は何度も弱っている左手で彼の右腕を引いていき、「あんた…」「はぁ…」斗奴雷がはっきりと自分が敵である事を言おうとしないでいる事に飽きれては、彼はやはり昔のままのようにも思えてしまう久守、つい重たいため息を吐いていた彼女は引き攣っているようにも思えてしまう右側の口角を上げて行きつつ、横目で携帯電話を見ていき、「ずばりお前なんかを潰して、楽々花さんを守って見せるとか言えないわけ?」


  「言えないよ…」久守が自分に投げて来ている文句交じりの言葉に目を細められては、困っている時の自分にいっぱいゲームを送ってくれては、自分の将来にとって重要なピースを与えてくれていた彼女の事を思うと、楽々花のためだと思っても、やはり彼女のことを殺すのは無理だと思いつつ、頑なに竜祥に従っている彼女の事を殺さずに、かと言って楽々花が危険に遭うような事を回避して行きつつ、何とか未来を紡いでいこうと思っている斗奴雷はぽつりと声を上げていく、「格好つけるより皆に安全でいて欲しいんだから…」斗奴雷のまるで虐められていた子供のようにと不服そうに唇を尖らせては、弱っている声で紡いだロマンが詰まっているようにも思えてしまう言葉に鼻をくすぐられているように思いつつ、あんなにも険しい事を思っていたはずなのにも関わらず、彼自身も叶えることができないと思うはずのことを口にしている姿勢はやけに愛くるしく思えている楽々花は、軽く左手を彼の黄色の裾から引いては、つい彼の弱っているは項垂れている頭を撫でて見たくなっている。


  「あんたね…」斗奴雷のまるで自分に強く叱れていたような口調に目を半開きさせては、弱っているようにと苦笑いしながら何度も首を横に振ってしまう久守は言う、「分かったわ。」久守が口にしていた一言に見開かされては、思わずあんぐり口を開けてしまう斗奴雷は自分の頭を撫でてくれている楽々花が、自分の横顔に向けて来る愛玩動物を愛でるような眼差しに恥ずかしさを覚えつつ、つい萎縮してしまう彼は肩を縮めて行きつつぽつりと弱っている声で携帯電話に尋ねていき、「竜祥の奴から逃げてくれる?」


  「ううん?」斗奴雷が自分に投げて来ていた言葉を耳にすると当たり前のようにと首を横に振っていく久守は横目で携帯電話を見つめては、声を上げていく、「あたしは彼のことを信じているわ?」久守が一瞬自分に微かに与えてくれていた希望を撤回していた言葉に目を半開きさせては、残念にと項垂れてしまう斗奴雷はぽつりと呟いていた、「だろうな…」


  斗奴雷のまるで息が漏れているタイヤのような口調に口角をくすぐられているように思えている久守は微笑みつつ、彼のことをからかっていくようにと声を発してしまい、「あたしを潰す気になった?」久守のまるで自分に肯定する言葉を紡いで欲しがっているような態度に不満を覚えては、何度も鼻翼に力を入れていく斗奴雷は揺るぎない声を上げていた、「出来る限り逃げていくと言っていたはずだ。」斗奴雷のきっぱりと危害を加えようとしているかもしれない相手に逃げると言っていた態度に目を半開きさせては、可笑しそうにと笑ってしまう楽々花はまったりと黒い髪の毛から左手を引いていた。

  

  「煮え切らないね…」斗奴雷が自分から逃げようと口にしていた話に苦笑いしてしまう久守は、軽く左手の人差し指で淡い紫色の髪の毛を弄りながら声を発していき、「竜祥さまのことはもちろん信じているけど、」目を細めて行きつつ淡い笑みを浮かべていく彼女はチラッと携帯画面に一瞥しては声を発していく、「あんたの言うことも信じているわ。」ぼんやりと久守と斗奴雷の話を聞いては、出来る限り悩んでいる斗奴雷の邪魔をしないで彼のことを黙々と支えていこうと思っていた楽々花は、つい久守が紡いだ話に眉をひそめられては、思わず間の抜けた声を上げてしまい、「はい…?」


  楽々花のまるで自分の代わりに疑問に思っている声を発していたような態度に、鼻をくすぐられているように感じつつ、久守は完全に竜祥だけを信じているだけではないと知れてしまうと、自分にはまだ彼女を竜祥のもとから救い出せる可能性はあると強く信じていく斗奴雷は言う、「どうしたいんだ…君は。」「もし、」目を細めては軽く左手を強く暴れ回っているような胸元に当ててしまう久守は横目で携帯画面を見つめて言う、「あたしを竜祥さまから救い出したいと言うのなら、」

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