第153話あなたはあたしのことを放っておけないのでしょ?

  自分が貧しい家庭に産まれていたことを知れていた小夜が自分に投げて来ている、犯罪していないのかと尋ねているような眼差しに口角を上げられては、軽く首を横に振ってしまう竜祥はまったりと臀部をベッドに付けて行きつつ、彼女の潤んではまるで自分と一緒に相手に謝りに行こうと言っているように、前のめりになっている肩に心を苛まれているような気がしつつ目を細めていく彼は言う、「盗んでもいなければ奪って来たお金でもないぞ?」


  竜祥が自分に投げて来ている真っ直ぐな眼差しに安心感を覚えては、軽く左手で胸元をなで下ろしていく小夜は目を細めて行きつつ、ぽつりと弱っているような声を上げていき、「良かったよ…一緒に弁償しに行こうって…」軽く左手の人差し指でこめかみを掻いては、つい竜祥はいけない事をしていたと思っていた自分が彼に申し訳ないことをしたと思っている小夜は苦笑いしながら、潤んでいる桜色の瞳で彼のことを映し出していき、「思ってたところだったよ。」


  小夜が素直に自分が盗人だと思っていた事を教えに来ている話に口角をくすぐられているように思えては、ちゃんとしたランドセルも買えない自分にはきっと牛乳を買える金を持っているはずもないと、彼女は思っているのだろうと思っている彼は流し目で小夜の事を見て行きながら、彼女の事をからかっていくようにと声を上げていき、「お金を盗むような輩に見える?」竜祥がふざけているように自分に質問を投げて来ている口調に目を細められては、当たり前のように首を横に振っていく小夜、「見えないけど、しないと信じるけどさ、」右手の手のひらを温めて来ているような牛乳の温度に心を撫でられているように思いつつ、眉をひそめてしまう小夜はぽつりと唇を開けていき、「でも…ちゃんと筆も買えないのに、」宛ら自分が紡いだ一言に驚かされているように眉毛を上げている竜祥の顔を見つめていく小夜、彼が盗んでもいなければ奪ってもいないと言ってくれていた言葉を強く信じていきたいと思っている彼女は、竜祥が自分にさっきの言葉は嘘だと言いに来ているんじゃないかと、恐れては肩を縮めて、ぽつりと弱っている声を発していた、「牛乳はちょっと贅沢じゃない…?」


  小夜のまるで自分が彼女の内心での思いに関していた考えを答え合わせてくれていたような一言に安心感を覚えつつ、微かに彼女の考えが自分が思っていた通りである事に見開かされていた竜祥、「うっ…!」忽然、演技をしているようにと強く右手で自分の胸元を鷲掴みにしていく竜祥は悔しそうにと歯を噛んでは、ぽつりと無念の声を漏らしていき、「なんて厳しいお言葉なの…!」


  「ご、ごめんね?!」竜祥が自分が紡いだ一言で傷つけられている様に見開かされては、思わず彼が自分にくれていた牛乳を隣りに置いて行こうと思っていた小夜は、右手にある牛乳はきっと彼が大変な思いをして買ってくれていたものなんだと思っては、右手にある彼の思いが詰まっている牛乳を離してはならないと強く思ってしまう彼女は、左手で彼の弱っている右肩に当てて行きつつ、急いでいるようにと説明していき、「馬鹿にするつもりはないんだ!」強く鼻翼に力を入れていた小夜は切羽詰まった心境に苛まれては、思わず眉毛をひそめてしまう彼女は自分のリアクションを確かに来ているようにと、チラッと自分に目を向けて来ている竜祥の眼差しを気にすることなく、俯いてしまう彼女はぽつりと自分の心を苛んで来ている思いを、弱っては微かに震えている声に乗せていき、「ただあなたに誤った道を選んで欲しくないって言うか…!」


  ごくりと固唾を飲み込んでしまう小夜は右手にある牛乳を強く握っては、竜祥は犯罪に手を染められる前に、自分とお別れを告ぐ為に彼にとって結構豪華にも思えてしまう牛乳を買ってくれては、牛乳を餞別にしようとしているのではないかと考えてしまう彼女、「お金に困ったのなら、いつでもあたしに言っていいんだよ?」竜祥と離れ離れになってしまうかもしれないと思うと、鼻腔の奥が痺れているように思えている小夜は潤んでは、泣き出してしまいそうな桜色の瞳で自分の態度に見開かされている彼のことを映し出していく、「あなたが牢屋に入るところを見たくないんだよぉ…」


  小夜が自分に向けて来ている宛ら自分が既に警察に捕らわれていたような態度に目を半開きさせては、困っているようにとぱちくりしてしまう竜祥、「いや…泣きそうな顔をするなって、」軽く右手の人差し指でこめかみを掻いていく彼は悲しそうにと鼻を啜っている小夜の表情に鼻をくすぐられているように思えては、軽く笑ってしまう彼は言う、「冗談だよ、ちゃんと外で暮らして行くって。」


  竜祥が自分に投げて来ていた一言を耳にすると、彼は簡単に自分との約束を破いたりはしないはずなんだと思っている小夜は目を細めて行きつつ、チラッと自分の右手にある温かい牛乳に一瞥しては、ぽつりと声を発していき、「じゃ…このお金は…」ごくりと固唾を飲み込んでいく彼女は恐る恐ると竜祥の項垂れているような肩から左手を引いて行きつつ、潤んでいる桜色の瞳で彼の顔を映し出して言う、「叔父さんと叔母さんに貰ったお小遣い…」竜祥が自分に言ってきた彼の家計のことを思い出してしまうとつい自分がぽつりと声に乗せていた言葉を疑ってしまう小夜は、ぱちくりながらぽつりと呟いていく、「なのかな…?」


  小夜が自分の返事を耳にする前に既に答えを分かっていたような態度に口角をくすぐられているように思えては、苦笑いしていく竜祥は軽く右手の人差し指で自分の頬を掻いて行きつつ言葉を紡いだ、「自分で言ってて信じてないよね。」「うん…」竜祥が自分の気持ちを代弁してくれていた一言に顎を引かれているように思えては、頷いていた小夜は右手にある牛乳に一瞥していき、「叔母さんも叔父さんも…ほら…」軽く渇いた唇をすぼめては、唾液を飲み込んでいく小夜は竜祥に怒らなせたくないと思いつつ、恐る恐ると言葉を紡いでいく、「なんかお金には厳しそうじゃない…?」


  「まぁ、」小夜の自分がどうやって牛乳を買える程のお金を手に入れていたのかと尋ねて来ている姿勢に目を細められつつ、軽く右側の口角を上げていく竜祥はチラッと彼女の右手にある牛乳から彼女に目を向けて言う、「答え合わせをするぞ。」微かに眉をひそめている小夜の本気の眼差しにつられているようにと、微かに緊張を覚えていく竜祥は目を細めて行きつつ、軽く左手を自分のポケットに当ててはぽつりと弱っている声で説明する言葉を紡いでいく、「これは父さんが酒を買って貰って来た時で取り忘れていた小銭をこっそり貯めて来たものなんだよ。」


  竜祥が知らせて来ていた訳はやけにリアリティのあるように感じつつも、そもそも彼は自分を騙すようなことはしないはずなんだと強く信じてしまう小夜、「そ、そうなんだ…」見開かされていた小夜はぼんやりとしている眼差しで右手を温めてくれている牛乳のパックに向けて行きながら、思わず疑問の声で言葉を紡いでいき、「でも…」困っているようにと眉をひそめている彼女はゆっくりと潤んでいる桜色の瞳で竜祥のことを映し出して言う、「どうして牛乳を…?」


  小夜の困っている態度に目を細められては軽く左手を彼女の右手に向けていく竜祥、「自動販売機の中で一番栄養があると思ってな。」宛ら彼女の右手を催促しているようにと軽く汗ばんでは小汚いコインを握っていたせいで汚されていた左手を彼女の白皙の右手の手の甲に添えていく彼は、屈託のない笑みを自分を映し出す鏡と化していたような桜色の瞳を見つめて言う、「ほら、飲んでみなよ。」


  竜祥が自分を促して来ている話に目を細められては軽く繊細な鼻翼に力を入れていく小夜は、自分の右手を包んでくれているような彼の左手と牛乳のパックに一瞥していき、「で、でも…そんなずっと貯めて来たお金を、」軽く歯を噛んでしまう小夜は自分がベッドの縁に添えていた右脚に一瞥しては、責任感の強い竜祥がきっと自分が貧血になっていたのが彼のせいだと思い込んでいるはずなんだと思っては、つい申し訳なく思えてしまう彼女は言う、「あたしの為に使うのは…本来はきっとインクとか、」まったりと左手を右手にある牛乳のパックに添えていく小夜は潤んでいる桜色の瞳を竜祥に向けていき、「教科書とかを買うつもりだったのでしょう?」


  ”ドクンー”「うっ…」感動に苛まれているようなピンク色の瞳を囲んでいた瞼が、微かに赤くなっているようにと感じてしまう竜祥、小夜が自分に投げて来ていた一言に胸元の奥をぶん殴られているように思えては、彼女がピンポイントなまでに自分が本来貯めていたお金をどうやって使うつもりだったのかを口にしていた事に苛まれては、何度も鼻翼に力を入れていく彼は言う、「い、いいから!」


  向きになっているようにと小夜の右手から左手を引いては強く両手を握っていく竜祥は揺るぎない赤い瞳で小夜の自分のハニカム姿に見開かされては、優しく見守ってくれているにと微笑んでりう様を映し出していき、「早く飲んでよ。」パックを破ろうとしないでいる小夜の黙々と淡い笑みを自分に見せて来ている様に心を苛まれては、拗ねているようにと唇を尖らせてしまう竜祥、「僕のことはいいからさ、」潤んでいる桜色の瞳に負けていたようにと小夜から目を逸らしていた竜祥は自分と彼女のことを見守ってくれているような棚を見つめつつ、ぽつりと呟いていく、「今、怪我してるんだ、」唇をすぼめていた竜祥はチラッと横目で淡い笑みを浮かべては手にある牛乳を凝視している小夜に言う、「栄養が必要になるはずだからさ。」


  竜祥が自分の怪我の事を思ってくれては彼にとって非常に大切なお金を使ってくれていた事に口角を上げられているように感じつつも、目を細めていく小夜は丁寧に握っていた牛乳のパックを軽く彼に向けて渡していき、「飲めないよ。」「なんでだよ…」小夜のまるで自分に牛乳を受け取って欲しがっていような様に眉間に皺寄せては、牛乳を拒んでいるようにと軽く右手で彼女の白皙の指を押していく竜祥は言う、「折角買って来たんだから、飲んでよ?」


  竜祥が自分に牛乳を飲めと説得しに来ている言葉を拒絶しているようにと首を横に振っていく小夜は微笑んでいき、「折角買って貰ったからこそだよ。」宛ら自分がぽつりと口にしていた一言に困らせているようにと、眉をひそめている竜祥の赤い瞳を見つめていく小夜は言う、「めちゃくちゃ重要なお金なんでしょう?」まるで無言で自分に返事をくれていたように跳ねていた彼の細い眉毛に目を細めては、自分の両手にある牛乳のパックを見下ろしては、自動販売機は返品処理は出来ないはずだと思ってしまう小夜は猛然と揺るぎない眼差しを竜祥に向けては、自分には彼から大切なお金を取ってはいけないと強く思っては迷わずに声を上げていた、「あたしがお家に帰ってお母さんに金を貰って、」宛ら自分が発している物事を決めていたような言葉のニュアンスに驚かされているように、見開かされている竜祥の顔を見つめていく小夜は言う、「あなたに返すから。」


  「いや…」小夜が自分にお金を返して来ようとしている話に困らせては、思わずぱちくりしてしまう竜祥は軽く右手の人差し指でこめかみを掻いて行きつつ、ぽつりと弱っている声を発していき、「おごりだから。」竜祥が自分に向けて来ていた一言に目を半開きさせては、不服そうに唇を尖らせていく小夜は何度も鼻翼に力を入れていき、「その条件が飲めないと言うのなら、」竜祥の叱れているように眉をひそめている様と肩を縮めている仕草を見てしまうとつい弱っては、大人しく彼に従ってしまいそうな自分の考えを断っているようにと顔を逸らしていく小夜は言う、「あたしも飲んだりしないわ。」「え…」小夜の頑なに牛乳を飲もうとしないでいる話に目を半開きさせては、チラッと彼女の手にあるパックに一瞥しては、牛乳ではなく、他に彼女が断れないような物を買って上げれば良かったと反省してしまう竜祥はぽつりと呟いていき、「なんて頑固な…」


  腕を組んでは右手にあるパックの感覚に目を細められては、温かいパックのように自分を真心で接してくれている竜祥の温かい思いは牛乳と一緒に、自分に断られているようにと感じてしまう小夜、申し訳ない心境に苛まれつつ、チラッと教師が使っていた回転椅子に一瞥していく彼女、「あっ。」忽然、閃いたかのようにと眉毛を上げてはぽつりと平然とした声を発していた小夜は自分が上げていた声に目を引っ張られているように、自分のことを見つめて来ている竜祥に顔を向けては、ニヤリと右側の口角を上げて行きつつ、両手にある牛乳を彼に渡していき、「先生に牛乳を渡して、」自分の話を聞いた瞬間、眉間に皺寄せていく竜祥を流し目で見つめつつ小首を傾げていく小夜は言う、「お金を払って貰って?」


  「いや…」小夜が自分に投げて来ていた提案に苦笑いしてしまいそうな竜祥は恐る恐ると、温かい右手の手のひらで彼女の手にある牛乳を彼女の胸元に向けて押していき、「大人から見れば凄いみみちい金になっちゃうけど…」まるで自分の返答を快く思っていないかのようにと渇いた唇をすぼめている小夜に目を半開きさせてしまう竜祥、「ってか、」小夜の自分の思いを頑なに拒んで来ている話に困らせては、軽く右手でこめかみを押さえていく竜祥は言う、「そんなことをするぐらいなら、最初から買っていないよ。」


  宛ら自分が補足していた一言に苛立ちを覚えているようにと無言で頬を膨らませている小夜の丸くなっている白皙の顎に、心をくすぐられているように思えては、淡い笑みを彼女に見せてしまう竜祥は軽く右手の人差し指を立てては、教科書も勉強するための道具もいつでもちゃんと買えるようになれるはずだと思いつつ、最悪の場合は我孫子真乖から少しぐらい母親が貢いだお金を返して貰って行こうと考えていく彼は強く左手を握っては、優しい声色で小夜に言い聞かせていき、「金のことを心配しなくていいからさ?飲んで?」


  竜祥のまるで自分に懇願しに来ているような態度に目を細められては、何度も鼻翼に力を入れてしまう小夜はついこれ以上彼を断ってしまうと、自分がただわがままを言っているだけになるように思えては、つい彼が自分に向けて来ている熱気を放っているような思いを断れなくなってしまいそうに思えている、「でも…」「でもじゃないよ、」小夜のまだ自分の思いを断って来そうな態度に不安を覚えつつ、つい体に力を入れてしまう竜祥は自分が発していた微かに怒っているような声色に驚かされているようにと眉毛を上げてしまう小夜から目を逸らしては、申し訳ない思いに心を捕らわれているように感じてしまう彼はぽつりと呟いていく、「これは詫びなんだ…」


  「お詫びって…」竜祥が自分にかけて来ていた一言を耳にすると、思わずオウム返ししてしまう小夜は自分の両手にある牛乳に一瞥しては、彼が紡いだ一言に不満を覚えては、思わず文句を言いたくなってしまう彼女は拗ねているようにと唇をすぼめては、眉毛をひそめていき、「別にあなたは間違ったことなんてしていないのでしょ?」小夜が紡いだまるで自分の心のドアをノックしに来ているような一言に目を細められては、思わず苦しそうな唸り声を上げてしまう竜祥、「う…」軽く歯を噛んでしまう彼は小夜が自分にご飯を分けて来ていなかったら、栄養不足になっていたせいで貧血で倒れてたりしないはずだと、自分と良くつるんでいるせいで周りのクラスメートたちにも遠ざかられてたりもしないように思えては、小夜はやはり自分と一緒にいるべきではないんだと強く思っている竜祥は恐る恐ると額を上げては、潤んでいる桜色の瞳の中にある自分のことを見つめていく、「そうでもないと思うぞ?」


  竜祥が自分の考えを否定しに来ていた話に戸惑っては思わず眉間に皺寄せてしまう小夜は、不服そうにと腕を組んでいき、「どこが悪いって言うのよさ?」目を細めてしまう小夜はチラッと自分の右手にあるまるで自分の手のひらを撫でて来ていたような柔らかく感じてしまう牛乳のパックに一瞥して行きつつ、自分の項垂れているような腫れている右脚を見下ろしていき、「こうしてわざわざお金を使ってくれるんだし、」軽く歯を噛んでは、竜祥がいるから自分がちゃんと挫いていた右脚で歩く事もなければ、ウサギのように飛び跳ねつつ、医務室に来る必要もなかったようにと感じてしまう小夜は言う、「お姫様抱っこでここに運んでくれてたし、」軽く両手を握っては猛然と額を上げていく小夜は揺るぎない眼差しで赤い瞳の中にある自分のことを見つめていく、「むしろいっぱいお礼を言うべきなんだよ。」

  

  小夜が自分に見せて来ているやけに本気の眼差しにぱちくりしては、照れくさい思いが体中に広がっているように感じてしまう竜祥、「あはは…」恥ずかしそうにと右手で後頭部を掻いて行きつつ、目を細めてしまう彼はまるで瞬きを忘れているように、自分のことを見つめて来ている小夜に向けて軽く歯を噛んでは項垂れていく彼、「あのな?」竜祥が発していた沈んでいるような声色に戸惑っては、思わず小首を傾げてしまう小夜はぼんやりと彼の顔を見つめては、ぽつりと疑問の声を発していき、「なぁに?」


  小夜が自分に投げて来ていた平坦な声で紡いだ質問に催促されているようにと感じてしまう竜祥、「考えたけどさ…」宛ら自分にちゃんと話を聞いてくれているよと教えて来ているにと頷いてくれている小夜の白皙の顎を見ていた竜祥、強く歯を噛んでは、今回小夜が貧血になって倒れていたことを教訓にし、これからは彼女が栄養不足になっていたせいで転んだり、或いはそれ以上の酷い目に遭ってしまう前に、自分が何とかしないとと強く思っては、ちゃんと彼女が今まで自分に向けて来ている好意を断ろうと考えている竜祥、「これからは母さんが作ってくれていた昼ご飯だけを食べていくよ、」宛ら自分が紡いだ一言に驚かされては、もしかしたら母親が作っていたご飯は不味いのかと尋ねて来ているような潤んでいる桜色の瞳に目を細めては、軽く鼻翼に力を入れていく竜祥はまたしても小夜に悲しい思いをさせていた事を思うと、残念そうにと項垂れては、ぽつりと言葉を補足していき、「君に悪い影響を与えたくないからさ…」


  「竜祥君…」竜祥の困り果てては自分と目を合わせようとしないでいる様に目を細められては、彼が自分にくれていた牛乳に一瞥しては、軽くベッドに付けていた左手を上げては、強くガッツポーズを取っていく小夜、「よし、分かったわ。」小夜が自分に向けて来ていたやけに活気が溢れている声色に戸惑いつつも、もしかしたら彼女はとっくに自分にご飯を分けたくなくなっていたのではないかと思い始めている竜祥、自分が知らぬ間に彼女を齧って来た寄生虫になっていたかもしれないと思うと、つい鈍感な自分を責めてしまう彼はぽつりと弱っている声を漏らしていた、「うん…」


  ”ター”忽然、まるで自分の身体を鼓舞しに来ているようにと強く右肩を叩いて来ていた左手の感覚に見開かされては、呆然と額を上げては、ぱちくりしつつ自分に屈託のない笑みを見せて来ている小夜に小首を傾げていく竜祥、「え?」間の抜けた声を上げてしまう竜祥のぼんやりとしている態度に口角をくすぐられているように思えては、軽く彼の右肩から左手を引いて行きつつ、親指を立てていく小夜は言う、「二人分のお料理を作って貰うね?」まるで自分に何を言っているのかと聞きに来ているようにと上げている竜祥の繊細な眉毛に目を細めつつ、微笑んでいく小夜は軽く左手の人差し指を立てては補足するようにと声を上げている、「お母さんに。」


  「えっ?」小夜がまるで自分の代わりにこれからの自分たちの昼ご飯を決めてくれているような話に驚かされては、萎縮しているようにと軽く身体を引いていく竜祥はぽつりと弱っている声を上げていた、「な、なんで…?」「だって、」竜祥の困っているような姿が少しばかり面白く思えている小夜は、軽く左手の人差し指で自分と彼の胸元を交互に指差していき、「あなたはあたしのことを放っておけないのでしょ?」小夜が自分に尋ねて来ている答えが分かりきっている質問に眉をひそめては、迷わずに首を縦に振っていく竜祥は言う、「当たり前だ。」


  竜祥が自分に向けて来ている話に目を細められては、軽く左手を彼に向けていく小夜は微笑んで言う、「それはこっちだって同じなんだからさ。」”ドクンー”忽然、自分の汗ばんでいた右手を包んで来ていたような小夜の手のひらの温度と彼女が自分の心の奥に入って来ているような一言に見開かされている竜祥、「うっ?!」竜祥の絶句されては、自分の言葉に感電したようにとビクッと体を跳ねらせている様に微笑んで行きつつ、チラッ自分の右手に握られている牛乳に一瞥していく小夜、「えへへ…」竜祥の表情に連れられているようにと強張っている右手から、左手を引いてしまう小夜は丁寧に両手で牛乳のパックを握っていき、「牛乳を飲むね?」


  宛ら自分に飲んでもいいのかと聞きに来ているようにと、軽く両手にある牛乳のパックを上げている小夜の仕草は愛くるしく思えてしまう竜祥、小夜が自分のことを放っておけないとはっきりと教えてくれていた事に体中が痒くなれているように思えてしまう彼は恐る恐ると肩を縮めては、ぼんやりと首を縦に振っていた、「う、うん…」竜祥の萎縮しては自分と顔を合わせようとしないでいる態度に目を細めて行きつつ、彼のハニカム姿が面白く思えては、彼をからかって行こうと考えては、ニヤリと右側の口角を上げてしまう小夜は言う、「あなたも一口どう?」宛ら自分の提案に驚かされているようにとビクッと肩を跳ねらせては、ベッドから転んでしまいそうな竜祥の大袈裟にも思えてしまう仕草に口角をくすぐられているように感じている小夜は軽く右手にある牛乳を彼に向けて渡していき、「ずっと貯めて来たお金で買ったものなんでしょう?」


  「い、」小夜の右手に握られていた牛乳のパックが彼女の真っ白な歯に破られていた小さな角に、付いていた透明な液体がやけに扇情的に思えてしまう竜祥、「いいよ…」軽く両手を前に向けては、軽く左右に振らしては彼女の提案を断ろうとする彼は言う、「君が飲んでくれるのを見ているだけでいいからさ…」竜祥が自分に向けて来ている微かに震えている声色に目を細めつつ、彼の紅潮している頬につられているように、耳殻が痒くなれているように感じてしまう小夜は流し目で彼のことを見て行き、「そう?」


  小夜の面白がっているような態度に眉をひそめつつ、彼女の華奢な右手に握られていた牛乳が零れたりしないのかと不安になっている竜祥は恐る恐ると頷いて行く、「うん…」竜祥のしおらしくなっては、両手を握りながら肩を縮めている様に微笑んでは、さっきまで強引に自分の身体を抱えては医務室まで運んでくれていた彼との態度のギャップを思うと、心の奥が桃の花がまったりと咲いているように感じては、彼は不思議のように思えている小夜は言う、「ありがとう。」


  小夜が自分に投げて来ていたまるで自分の鼓膜を優しく撫でて来ているような声色に目を細めては、幸せそうな笑みを浮かべていく竜祥は軽く首を縦に振って言う、「うん。」竜祥の俯いては照れくさい気持ちに攻められているせいで自分と顔を合わせようとしないでいる様に微笑んでは、軽く牛乳のパックを咥えていた小夜は流し目で彼の顔を見つめては、思わず胸元の奥からこみ上げて来ている思いを甘えているような声色に乗せていき、「大好き!」


  ”ドクンー”突然、否応なしに自分の体を貫いて来ているような一言に見開かされては、一瞬にして涙目になってしまう竜祥は大慌てで背筋を伸ばしていき、「うう?!」竜祥のまるで硬直されているようにと微動だにしないでいる様に口角を軽く上げてしまう小夜、「えへへ…」まったりと上げていくピンク色の口角につられているようにと、皺寄せてしまう白皙の頬には小さなピンク色の笑窪が浮かんでいた。目を細めて行きつつ、繊細な右手の人差し指に触れられている携帯画面を紅の瞳で映し出して行きつつ、携帯画面に浮かんでいた斗奴雷の名前に心を撫でられているような思いをしている久守は寂しそうな笑みを浮かべては、軽く右手の親指で彼の名前をタップしていた。

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