第143話だから、ちゃんと立ち向かって?

  「埜哉様の代弁者である我孫子さまは、」”フー”やけに自信に満ちている声を発しては、猛然と右手にある扇子を自分の右側で鎮座していた我孫子真乖に向けては、目を細めて行きながら、人々から向けて来る真面目な眼差しから逃れて行こうとしている鬼頭焔硝は言う、「埜哉様は人々の事を元気にしてあげたいと言うお言葉を、彼を頼って伝わって来ていたのです!」鬼頭焔硝が自分が適当に口にしていた一言をまことしやかに存在しているはずもない埜哉様の言動だと口にしても、これっぽちも悪びれる様子がないでいる様に見開かされては、ごくりと固唾を飲み込んでいく我孫子真乖はつい彼に尊敬しているような眼差しを向けていた。


  「おお…」感嘆の声を漏らしている人々の向きになっては、自分が紡いだ言葉を信用してくれている態度に口角を上げられているような気がしてならないでいる鬼頭焔硝は軽く笑って、ゆっくりと右手にある扇子を自分の胸元に向けて引いて行きながら、顎を引いていき、「さっき諸君らも見たように!」鬼頭焔硝が紡いでいる言葉にコントロールされているようにと彼が具体的に何を言っているのかがさっぱりわからないでいる自分とは違っていて、何度も母親と同じように頷いている人々の事を観察していく竜祥は、思わず自分の身体を圧迫しに来ているような重たい感覚に心臓を押されているようにと感じては、もし誰もが頷いている環境の中で自分だけが首を横に振って仕舞ったら、自分はどうなってしまうのかを思うとつい怖くなっては、涙目になってしまいそうな気がしている彼は歯を食いしばっては、どの道、母親を怪しい集会から抜け出して貰わないと自分はいつかはきっと父親に殺されてしまうようになるんだと思い、強く両手を握っていく竜祥はゆっくりと右手にある扇子で風を操っているようにと白い髪の毛を起伏させている鬼頭焔硝を睨んでいく。


  「我孫子さまは少しお体を動かしていたのです!」”ター”猛然と右手にある扇子を左手に向かっては、裂帛の音を扇子で立たせては揺るぎない眼差しを扇子の先端から人々に向けていく鬼頭焔硝は言う、「そはつまり埜哉様の思いは代弁者である彼のお体を動かしてしまうぐらいに強いであることなのです!」鬼頭焔硝が本気の顔で紡いでいる言葉を聞きながら、話で激昂になってたら誰もが身体を少しぐらいは動かしてしまうのだろうと思っている竜祥はチラッとまるで胸元に顎を付けて眠っているような我孫子真乖の体格に一瞥してしまうと、如何に体を動かし辛い我孫子真乖に目を半開きさせては、鬼頭焔硝が紡いだ言葉は少しばかり馬鹿馬鹿しいものでもないように思えている。


  ”どー”強く左手を胸元に当てては当たり前のように首を軽く前に向けて出していく鬼頭焔硝は鼻に力を入れては、迷わずに言い切っていた、「これはここにいる諸君らが幸せになれる日はそう遠くはないって事になるのであろう!」「ややー!」刹那、まるで自分が鬼頭焔硝に向けてしまいそうな驚愕の表情を抑えて来ているような人々の叫び声に見開かされては、思わずあんぐり口を開けてしまう竜祥は恐る恐ると視線をまるで自分の存在を隠そうとしているような母親の、鬼頭焔硝の言葉につられているように、迷わずに立ち上がっていた姿に向けて行きつつごくりと固唾を飲み込んでいた。


  「ややー!」宛ら自分に見せつけて来ているようにと両手をかざしている母親の仕草に目を細められては、軽く口角を上げてしまう鬼頭焔硝はひんやりと感じてしまう息を吸い込んで行きつつ、チラッと信者たちと共に自分に信頼している眼差しを向けて来ていた我孫子真乖に一瞥しては、ゆっくりと眼を何度も両手をかざしている母親に向けては、ゆっくりと右手にある扇子を、竜祥に左足を抱えられ、彼が座らせようとしている母親に向けて行きつつ声を発していた、「この積極的な信者さんはどんな願い事があるのかな?」


  「え?」突然、鬼頭焔硝が自分にだけ話しかけて来ていた事に見開かされては、思わずあんぐり口を開けていた母親はぱちくりながら、ゆっくりとかざしていた両手を下ろして行きつつ、ごくりと固唾を飲み込んでは、恐る恐ると次々と自分に目を向けて来ている人々の真面目な表情に困らされては、竜祥に助けを求めていくような彼女はチラッと竜祥の顔を見ては、まるで自分と同じように人々のやけに本気の眼差しに畏怖を覚えては、自分とは関係していないぞと言っているように、迷わずに両手を自分の左足から離れては、背中を自分に向けて来ていた竜祥の薄情にも思えてしまう仕草に絶句されては、思わず涙を零してしまいそうになっている。


  母親の自分が彼女に振っていた話題に困らされては、照れくさそうに軽く右手の人差し指でこめかみを掻いている様に軽く口角を上げていく鬼頭焔硝は、ゆっくりと困っては佇んでいる彼女のまるで座りたいと思っているように臀部を脛に付けて行こうとしている行動から、竜祥の自分を恨んで来ている顔に一瞥していく鬼頭焔硝は言う、「願い事を述べる前に何かしらの解決出来ていた事でもみんなに聞かせてあげなよ、」”パー”軽く右手にある扇子を左側に向けて振っては目を細めて行きつつ、ゆっくりと右手にある扇子で自分の唇と鼻先を隠していく鬼頭焔硝は、悔しそうにと唇をすぼめている竜祥を見ながら微笑んだ、「新参者もいたりするはずなんだからさ?」


  鬼頭焔硝のまるで自分に挑戦しに来ているような眼差しと母親に向けていた言葉に苛立ちを覚えては、悔しそうにと歯を噛んでしまう竜祥は軽く鼻翼に力を入れて行きつつ、自分たちの事を睨んで来ているような民衆の視線はやけに怖く感じつつ、恐る恐ると横目で母親の事を見上げていく彼はわざわざ狂っているような信者たちの前で鬼頭焔硝に戦う言葉を紡ぐ必要はなく、自分の母親さえここから離脱出来たら、他の人間がどうなってしまうのかは自分とはまったく関係していないし、わざわざ相手のホームで顰蹙を買うどころか相手のすべてを打ち破って自分に災いをもたらすかもしれない行動をする必要はないと思いながら、人々のやけに疲れているような表情に目を細められては、軽く歯を噛んでしまう彼はついもし鬼頭焔硝のふざけていた言葉と態度を見破れるのなら、自分はもしかしら一気に騙されている彼らを全部救い出せるんじゃないかと考えている。


  「は、はい…!」鬼頭焔硝が自分に向けて来ていた一言を耳にしてしまうと恐る恐ると肩を縮めて行きつつ、怖がっているようにと右手で後頭部を擦っていく母親は項垂れたままぽつりと弱っている声を発してしまい、「恐縮ですが…言わせてましょうか…」宛ら心の準備をしているようにと深呼吸している母親の顔を見上げては、母親が震えているような眼でひんやりとした床を見下ろしている態度に目を細めながら、丁度彼女の悩みについて聞いて見てもいいような気がしている竜祥はごくりと固唾を飲み込んでは、軽く民衆に凝らせているような緊張感に満ちている息を吸い込んでいた。


  「お、夫が自分に対する態度が冷たいから…」ゆっくりと右手を項から下ろして行きつつ、自分の両手を握ってしまう母親は眉をひそめて行きながら、チラッとまるで自分たちの事を見守ってくれているような周りの壁に貼られていた変なポスターに一瞥していき、「そして…彼が思っているようにお金を稼げないでいることに悔やんでいて…」心臓の鼓動が民衆の視線に加速されているような気がしてならないでいる母親は軽く顎を上げては、感謝している眼差しを我孫子真乖と鬼頭焔硝に向けて行きながら声を発していた、「ヤケ酒を毎日のように飲むになって…」まったりと胡坐をかいては母親が紡いでいる言葉を分析していくようにと腕を組んでしまう竜祥は、疑っているような眼差しを母親の顎に向けて行きつつ、彼女が口にしている話はまったくもって改善されていないように思えている彼はついどうして彼女は訳の分からない二人の話と、可笑しなポスターを信じているのかが理解出来なくなっている。


  強く左手で右手の手首を握ってしまう母親は悲しそうにと軽く右手を握っては胸元に当てて行きながら、ぽつりと弱っている声を発していき、「私は自分なりに努力してあげたいと思っていたけど…」母親が紡いだ一言に眉間に皺寄せては、軽く鼻翼に力を入れていく竜祥はつい母親は自分の中では日々家事する以外は家に火事をもたらすような事以外はしていなかったように思えては、ゆっくりと両手を自分の足首に付けていく彼は黙々と母親が紡ぐ言葉を待っている。


  悲しい思いに苛まれては、軽く右手を上げていく母親は右手の手のひらで自分の額を押さえて行きつつ、困っている声色で言葉を紡いだ、「でもやはりどうしようもなくて…」母親の泣き出してしまいそうな態度につられては、彼女の悲しみに感染されているようにと、胸元に手を当てていく人々の頷いては拳を握って彼女の事を鼓舞しているような態度に一瞥した鬼頭焔硝は小首を傾げて行きつつ彼女に尋ねていく、「それで?」


  「道端でパンフレットを貰ったの…」鬼頭焔硝が自分に投げて来ていた一言に口角をくすぐられているように思えては、ゆっくりと額を上げてしまう母親は異様なまでに希望と期待に満たされている眼で鬼頭焔硝の事を見つめていき、「今から思うには、」激昂になっては思わず前のめりになってしまう母親は興奮気味になっては、楽しそうにと声を発していた、「きっと埜哉様が私たちを助けに来てくれていたきっかけを残してくれていたのに違いないのよ…」母親のやけに跳ねているように聞こえて来る声色に眉をひそめて行きながら、母親は道端で適当に配っていたパンフレットを貰ってたせいで、こんなチープな場所で溜まり場として扱っている組織に入っていたと思うと、つい母親の頭はかなり弱いなのではないかと考えてしまう竜祥。


  母親の期待に満ちているような眼で自分の顔を睨むようにと見つめて来ている態度に不安を覚えては、ごくりと固唾を飲み込んでいく我孫子真乖はつい彼女は自分の豊満な体を味わってみたいなのではないかと怖くなっている。両手で大きな扇子を握っては照れ隠ししているようにと顔を隠していく我孫子真乖の仕草に目を半開きさせていた鬼頭焔硝はチラッとまるで自分に具体的に何かがあっていたのかと、聞いて欲しがっているような母親に一瞥しては、軽く右手にある扇子で自分の口角を掻いていく彼は言う、「夫があなたに対する態度はちゃんと直ったのかな?」鬼頭焔硝が母親に向けていた核心に触れていた話に頷いては、父親から向けられていた態度はまったく改善されていないはずの母親にはどうして毎日のように香を焚いでいるのかを知ってみたいと思っている竜祥。


  鬼頭焔硝が自分に投げて来ていた一言に目を細められては、軽く頷いていく母親はぽつりと渇いた唇を開けていき、「ええ…」母親の鬼頭焔硝が紡いだ言葉を認めていた一言に見開かされては、思わずあんぐり口を開けてしまう竜祥はつい左手を上げては、軽く自分の腫れては紫色の痣が浮かんでいた額を擦っては、自分はもしかしら聞き間違っていたなのではないかと思っている彼は、まるで自分の左手を弾けているような額の痛みに自分は間違いなく現実にいるんだと知れている竜祥、「え…?」


  「少しだけではありますけど…」竜祥が発していた弱り切っている声を気にする事なく、ゆっくりと顔を上げては鬼頭焔硝の満足しているようにと腕を組んでいる様を見つめていく母親は左手を胸元に当てながら言葉を紡いだ、「我孫子さまが言っているように、」母親が興奮気味になれては軽く口角を上げていくに連れ額を上げている様をぼんやりと見つめながら、彼女が太い叔父さんに何を言われてたらこんなあからさまに怪しい組織の事を信じてしまうのかが気になっている竜祥。


  「水曜日になると、旦那に聖なる薬を飲ませたらきっとこの状況は改善されると…」目を細めて行きつつ我孫子真乖と話が出来ることを思うと、つい光栄にも感じてしまう母親は、嬉しそうに疲れているように項垂れている我孫子真乖の彼の両手にある扇子を見下ろしている様を睨むように凝視していく、「最初は戸惑ってたんですけど…」激昂になっているせでつい口内で分泌している唾液に喉を詰らされているような気がしては、引き攣っているような左側の口角を上げていく母親はまるで我孫子真乖の体を貫こうとしているような眼差しに眉間に皺寄せては、つい母親は何かしらのものに取り付かれていたのではないかと思ってしまう竜祥は軽く鼻翼に力を入れていた。


  ゆっくりと窶れていた左手を上げては自分の頬に当てていく母親は、まるで自分の向きになっている姿勢を怖がっているように軽く両足を引いている鬼頭焔硝の存在を気にする事なく、我孫子真乖を見つめていく、「彼はちゃんと飲んでくれなかったけど、」ごくりと固唾を飲み込んでは頭が滾っているように感じている母親は人々の前で我孫子真乖の事をいっぱい褒めてしまうと、彼は埜哉様に自分のことをいっぱいいいように言ってくれては、自分を苦難から救い出してくれるんじゃないかと思っている、「やっぱりお高いお薬なので、一か八かで、」ゆっくりと視線をまるで自分の無理矢理引き攣っている口角を上げている様に畏怖しているような自分の前で座っていた人々を見ていく母親は言う、「ちゃんと聖なる薬をご飯の中に混ざったら、」ニヤリと右側の口角を最大限の前に上げては、幸せそうにと右手を歪んでいる頬に当てていく母親は言う、「彼は翌日で夜の獣になって下さったのです…」


  母親の狂っているような態度で語っている言葉に眉をひそめて行きながら、彼女が狂っているのは家をいっぱいの香で燃やそうとしていた瞬間からだと思ってしまう竜祥は、自分の知らぬ間に父親に変な薬を飲ませて来た母親のヒステリックな態度に、呆気に取られている民衆と台の上にいる二人を目にすることなく、軽く右手の親指と人差し指で顎を擦っていく彼はぼんやりと視線を床に向けて行きながらやけに静かになれている環境の中で母親が紡いだ言葉を分析し始めている。


  目を細めて行きつつ赤い瞳で母親の足元に一瞥した竜祥は、毎日のように訳の分からない薬を飲んでたら、例え薬には何の効果がなくとも、たまに自分が思って都合のいいことが起こった場合は、母親は勝手に薬のおかげでだと思ってしまうんじゃないかと思っては、チラッと人々がまるで母親が狂っているような態度で紡いだ言葉に納得し始めているようにと頷いている様を見ては、パンフレットを何百人や、それ以上の多くの人に送れば、だんだんこの事に気がついていない人は、都合よく起こっている出来事が多い時にはまた集会に来てしまうのだろうと考えている竜祥は、チラッと視線を困っているようにと右手の黒い袂で額に浮かんでいた冷や汗を拭いている鬼頭焔硝と我孫子真乖を見ては、大してお金をかける必要もなければ、世の中にある阿保を集めてたらどれだけのお金も稼げては、例えお巡りさんに通報したところで、彼らは簡単に場所を変えて、次の場所で違ったメンバーで新しい適当な名前を付けては、集会活動を再開する事が出来てしまうのだろうと思い、軽く歯を噛んでしまう竜祥はごくりと固唾を飲み込んでは、どうして子供の自分でも簡単に分かってしまう事のはずなのに、母親は理解してくれないのと焦燥感を覚えている。


  「よろしい、」母親のやけに輝いているように見えてしまう眼差しに畏怖を覚えては、ごくりと固唾を飲み込んでいく鬼頭焔硝は軽く右手にある扇子で自分の慌てている表情を隠して行きながら、扇子の先端越しで母親の激昂になっている様を見ていく彼は、引き攣っている右側の口角を上げて行きつつ言葉を紡いでいく、「でもそれだと聖なる薬はただの惚れ薬にしか聞こえないから。」母親のまるで自分が紡いだ彼女の話に微かな過ちがある事に不安を覚えているように、眉をひそめつつ顎を引いている様に向けて軽く鼻で笑っていく鬼頭焔硝は竜祥が投げて来る不信の眼差しに目を細めて行きながら、ゆっくりと右手にある扇子を彼に向けていく鬼頭焔硝は言う、「それに、我々は決して怪しい薬を売りさばいているのではなく。」


  本気の表情を浮かんでは、軽く左手の人差し指を立てている鬼頭焔硝はまったりと言葉を紡いでいく、「ただ埜哉様に信仰心を捧げていただけの真なる信者だけに救いの聖なる薬を与えていただけなのです。」鬼頭焔硝が紡いだ一言に眉間に皺寄せては、つい彼が口にしていた信仰心と言う言葉が気になっては、信仰心を捧げただけでお金になれるはずってわけではなければ、たらふくなまでにハンバーガーを食えるってわけでもないと思っている竜祥はぼんやりと視線で母親の呆然としている表情で頷いていた仕草を見ていく。


  「それで?」軽く右手にある扇子を頬に当てては横目で母親の顔を見てしまう鬼頭焔硝は言う、「朝はどんな態度をしていたのかな?」鬼頭焔硝が自分に投げて来ていた一言に見開かされては、心臓の鼓動が段々強くなれているように感じてしまう母親は、チラッとぼんやりと自分の表情を観察しに来ているような赤い眼から顔を逸らしては、ごくりと自分の喉を詰まらせに来ていたような固唾を飲み込んでいく彼女は照れくさそうにと軽く人差し指を突いていき、「朝もちゃんと愛してくださるけれど…でも…」忽然、父親が空き瓶で自分を殺そうとしていたシチュエーションを思い出してしまうと、つい悔しそうにと歯を噛んでしまう母親は悲しそうにと顔を台の上にいる二人に向けていき。


  母親が紡いだ言葉に眉間に皺寄せては、父親が普段酒を飲まない限りはちゃんと自分たちの事を叱って来ないで話をしてくれる事を思いながら、それは変な薬とはまったく関係していないはずなんだと思っている竜祥。「悪魔に…」両手が胸元の奥からこみ上げて来る悲憤に支配されては、体が震えているような気がしてならないでいる母親はゆっくりと顎を上げて行きつつ、まるで自分の体の震えを恐れているような我孫子真乖の怖がっている眼を睨みながら、悲しそうにと強く右手を胸元に当てては首を前に向けて伸ばしていた、「ビールと言う悪魔の手先に手を出す度に…」涙目になっては、チラッと視線を自分の悲しんでいる表情につられては、眉をひそめている竜祥に向けていく母親は軽く首を横に振って行きながら、ぽつりと弱り切っている声を発していた、「私とこの子を殴って来たりとかしますから…だから…」


  軽く鼻を啜っている母親の仕草につられているようにと悲しんでしまう人々に一瞥した竜祥は、つい頭は可笑しいかもしれないけれど、あからさま過ぎるぐらいに怪しい二人に騙されている信者は皆いい人なんだと思ってしまう彼は切なげに目を細めては、もし本当に神があると言うのなら、善良な人間に苦難を与えて欲しくないと願ってしまいそうになっている彼。


  「今度は…」息遣いが荒くなってはつい前のめりになってしまう母親は、ぼんやりと自分の顔を見て来ている台の上にいる二人のことを睨んで行きつつ言葉を紡いだ、「今度はちゃんとビールをやめさせるような…」”パー”宛ら自分の誠意を二人に見せつけているようにと、強く両手を叩いては合掌してしまう母親は迷わずに額を下げていた、「聖なる薬を貰いたいのです!」母親の必死に怪しい二人に祈っている姿に目を細められては、彼女もちゃんと自分の事を考えてくれては何とか酒ばっかり飲んで来ている父親を何とかしようとしてくれる思いに、微かな感動を覚えている竜祥は潤んでいる赤い瞳で母親の目を瞑っている横顔を映し出して行きつつぽつりと弱っている声を漏らしていた、「お母さん…」


  「これはいけませんね、」”パー”母親が自分たちに投げて来ていた一言につられているようにと、自分たちに期待に満ちている眼差しで見て来ている人々のことを軽蔑しているように目を細めてしまう鬼頭焔硝、右手にある扇子を強く左側に向けて振っては裂帛の音を立たせていた彼はゆっくりと扇子を自分の口元に向けて行きつつ、曖昧な眼差しで母親の自分が紡いだ冷酷な一言に見開かされている表情を睨みながら、軽く左手の人差し指を立てては彼女の事を指差していきつつ言葉を紡いでいく、「埜哉様は決して簡単に信者の妨害をしないことなのです。」鬼頭焔硝が紡いだ言葉に戸惑っては思わず眉間に皺寄せてしまう竜祥は軽く鼻翼に力を入れて行きつつ、もし埜哉というものが実在しているだとしても、簡単に困っている人々のことを助けないようじゃ、どうして母親はここまでに埜哉様のことを信じてしまうのかが理解出来ずにいる竜祥は、チラッとあんぐり口を開けている母親の呆然と立ち尽くしている態度を睨みながら、自分たちの前に座っていた人々と同じようにと疑っている眼差しを鬼頭焔硝に向けていく。


  人々の不満を覚えては眉間に皺寄せている様を見てしまうと、思わず心臓が鷲掴みにされているような思いを体験しているように思えている我孫子真乖、ごくりと固唾を飲み込んでは、恐る恐ると弱っている眼差しで鬼頭焔硝のまったく動じていない姿を眺めては、自分の体型のことを思うともし民衆が本気で怒り出して自分たちの事をぶん殴ろうとしたら、自分はきっと逃れる事なんてできないのだろうと思っている我孫子真乖はつい自分の髪の毛を濡らして来ている冷や汗に、自分はちゃんと生きていけるかどうかは鬼頭焔硝に委ねられているんだと考えている、「焔硝ちゃん…」


  我孫子真乖の弱り切っている声を耳にすると軽く鼻で笑っては、目を細めて行きつつ自分がたまに目にしていたアニメキャラを神だと信じ込んでいる阿保たちを誑かすのは、造作もない事だと思っている彼は軽く右手にある扇子を前に向けて行きつつ言葉を紡いでいく、「これはあなたに与えられていた試練なのです。」鬼頭焔硝が迷わずに言い切っていた一言に眉間に皺寄せて、唇をこじ開けられているような気がしては、思わず自分の耳を疑ってしまう声を発していた竜祥、「はっ…?」


  「埜哉様は選ばれし者に苦難を与え、」軽く右手にある扇子を胸元に当てて行きつつ、目を細めている鬼頭焔硝は軽く顎を斜め下の方向に向けて引きながら言葉を紡いでいき、「そして人間から進化させていくものなのです。」眉間に皺寄せている人々のまるで自分が紡いだ一言を上手く理解できずにいる姿に向けては、軽く口角を上げていく鬼頭焔硝はまことしやかに右手にある扇子の先端で母親の困っている顔を指して行きながら、声を発していた、「喜ぶといいですよ?」


  鬼頭焔硝が紡いでいる言葉に苛立ちを覚えては、彼は苦難から逃れようとしている母親の事を誑かしているにしか思えないでいる竜祥は、チラッと両手を握っては本気の眼差しで鬼頭焔硝のことを凝視している母親に一瞥しては、問題がまったく解決されていないと言うのに、どうして母親はまだ彼に信じ切っている眼差しを向けているのかが分からないでいる竜祥はつい困っているようにと眉間に皺寄せていき。


  「抗える事ができないと思えば思う程に、」ひんやりとした息を吸い込んで行きつつ、左手を胸元に当てては軽く首を前に向けて出していく鬼頭焔硝は言う、「埜哉様はあなたがこの苦難を乗り越えることを信じている証拠ほかないのですから。」「おお…」宛ら鬼頭焔硝が紡いだ訳の分からない言葉を信じているかのようにと、自分たちの前にいる人々たちが漏らしている感嘆の声に驚かされては、どうして彼らはそんなにも簡単に鬼頭焔硝が紡いだ言葉を信じているのかが困らされている竜祥、鬼頭焔硝のまるで自分のことを軽蔑しているように目を細めている様に苛立ちを覚えては、思わず歯ぎしりしてしまう竜祥は強く鼻翼に力を入れて行きつつ、喉から悲憤に震わせされている声を絞り出していた、「ふざけんな…」


  呆然と両手を握っては埜哉様はちゃんと自分の事を信じてくれているんだと思ってしまうと、つい光栄にも思えている母親はごくりと固唾を飲み込んでは、鬼頭焔硝と我孫子真乖に尊敬する眼差しを向けていく。母親のぼんやりと頷いては、自分が適当に紡いだ一言に納得している様に目を細めては、彼女はやはり阿保なんだと内心で差別していく鬼頭焔硝は言う、「だから、ちゃんと立ち向かって?」目を細めながら屈託のない笑みを浮かべていく鬼頭焔硝は自分のことを憎んでいるような竜祥に一瞥しては、馬鹿な母親に産まれていた彼は可哀想に考えつつ、自分たちの商売を子供の間にも広がせてやろうと思ってしまう鬼頭焔硝は母親に微笑んで行きつつ、強く左手でガッツポーズを取っていき、「埜哉様は常にあなたのそばにいますからね?」

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