第142話そんなお金は持っておりません。

  竜祥がぽつりと口にしていた我孫子の名前に目を細められては、淡い笑みを浮かべてしまう母親は軽く彼の頭を撫でて行きつつ声を上げていく、「埜哉様が凡人である私たちじゃ決して耳にする事が出来ない神の言葉を通訳してくれる方なんだ、」自分が上げていた声に戸惑っているようにとぱちくりながら眉間に皺寄せている竜祥に微笑んでは、軽く右手の人差し指を立てていく母親は補足するようにと声を上げていた、「とてもお偉い方なんだ。」


  母親が紡いだ一言に困らされては、つい神なんて存在するはずもないだろうと思ってしまう竜祥はもし神がいてたら、どうして自分が今まで散々両親に苛まれて来ないといけないのかと思っている竜祥はぽつりと疑問の声を上げていき、「ねぇ…お母さん…」竜祥のまるでまだ自分に埜哉様について聞きたがっているような態度に口角を上げられては小首を傾げていく母親はぽつりと疑問の声を発してしまい、「うん?」


  チラッと自分の身体を守ってくれてきたようなベッドの上で敷いていた小汚いシーツに一瞥しては、大きな穴が破られていたベッド越しで何とか母親が床に置いていたラップと薬を見て見たいと思っている竜祥はチラッと視線を母親に向けて言う、「聖なる薬と聖水って…いくらだった…?」ぼんやりと目を細めてしまう竜祥はつい母親に変な薬を飲まされていたせいで、自分の身体には何かしらの異変が起こってしまうんじゃないかと思っては、ぽつりと弱っている声を発してしまい、「身体が壊れてたり…しない?」


  竜祥のまるで聖なる薬と聖水を貰うには金がかかっていたと確信していた一言に見開かされていた母親は、彼がまだ埜哉様の事を断っているような態度に目を細められては、微笑んでいく母親は彼の頭を撫でて行きつつぽつりと渇いた唇を開けていき、「おバカさん、」淡い笑みを竜祥に見せていく母親は、まるで自分の事を疑っているようにと自分を見て来ている竜祥の怪しんでいる眼を凝視していく彼女、「埜哉様は人間を救う為に、我孫子さまを呼んでいたのよ?」母親の真っ直ぐに自分の質問を答えてくれないでいる様に眉間に皺寄せつつ、彼女はきっと怪しい奴らに騙されているんだと思っている竜祥は、ゆっくりと母親の微笑みから視線を破られていたシーツに向けては、母親がもし本当に神様に助けて貰っていると言うのなら、自分たちは決してこのような酷い環境の中で暮らしていないはずなんだと強く思っている竜祥。


  「身体を壊すはずもないでしょ?」竜祥の自分がちゃんと彼の質問に返事しなかったいたせいで拗ねていたような態度に口角をくすぐられては、軽く鼻を啜ってしまう母親は猛然と視線を自分に向けて来ている竜祥に微笑んで言う、「それにね?聖なる薬と聖水はもちろん、」ゆっくりと自分の手のひらを滑らせて来ていたような竜祥の髪の毛から引いては、軽く自分の白皙の右手を握っていく母親、「集会に行けば、配って貰えたりするんだぞ?」


  忽然、またしても聞いたことのない話をしてくれていた母親の一言に目を細められている竜祥は、母親は集会に行っていた時に金を取られていたなのではないかと思ってしまう竜祥はぽつりと疑問の声を上げてしまい、「集会…?」「うん…あっ…」竜祥の自分たちが父親に怒られていた核心について触れて来ていた一言に口角を斜め下の方向に固定されていたような気がしては、思わず弱っていたような声を発してしまう母親は苦い笑みを浮かべて行きつつ、軽く右手の人差し指で頬を掻いていく、「これ以上言ってはいけないわ…」軽く左手で右手を握っては竜祥に警戒しているような眼差しを向けていく母親は、ぽつりと弱っている声で呟いていた、「あなたは埜哉様に信仰を捧げていないんだもの…」


  母親の素直に自分に全ての事を言おうとしないでいる態度に目を細められては、軽く鼻翼に力を入れていく竜祥は歯を噛んでは、もし母親が本当に怪しい集会にいっぱいお金を使っていて、そしてこれからもそのつもりでいると言うのなら、これから自分がいつ酒を飲んでは、狂ってしまう父親に殺されてしまうのかが分からないと思っている竜祥は軽く首を横に振っていた、「ううん…お母さん…」懸命に枕のもとにくっついていた右手を離れては、母親に向けていく竜祥は自分が発していた弱っている声に見開かされている母親を睨むようにと見つめていく、「ぼく…」ぼんやりとしているように思えている頭に打ち勝とうとしているようにと強く右手で母親の左手を握っていく竜祥は、揺るぎない眼差しを母親に向けていき、「埜哉様に信仰を捧げてみたいの…」


  「あなた…」竜祥がやけに決意に満ちている眼差しに見開かされては思わずあんぐり口を開けていた母親、彼が一所懸命に自分に埜哉様の事を尋ねようとしてくれている態度に感動を覚えては、鼻の奥が微か麻痺されていたようにと感じてしまう母親は、思わず右手を上げては自分の唇と液体が滴り落ちてしまいそうな鼻を隠していき、「うぐっ…うん…」ぼんやりと軽く首を縦に振っていた母親は竜祥の潤んでいる赤い眼の中にある自分に微笑んでは、ゆっくりと右手を唇から離れては、彼の頭に向けて行きつつ言葉を紡いでいく、「やっぱり…あなたはいい子ね…」


  歯ぎしりしては母親の事を睨みながら脳内で彼女が今まで貢いで来ていたポスターの事を描いていく竜祥は、つい父親に殺されないために、自分は母親を狂わせていたポスターについて調べないといけなくなっている事に不安を覚えては、ごくりと固唾を飲み込んでいた。「この若さで埜哉様と縁を持つなんて…」竜祥の自分の眼から視線を落としていきつつ何かしらの深刻そうな問題を考えている様に口角を支えられているように思えては、納得している彼女は強く頷いて言う、「うん…分かったわ…連れていってあげる…」ゆっくりと潤んでいる赤い瞳で自分に鋭利な眼差しを向けて来ている竜祥に微笑んでは、彼に安心して貰えるようにともう一度首を縦に振っていく母親、「うん…!」


  母親の自分のしたいと思っている事にまったく気がついていない様に安心感を覚えつつ、無理矢理口角を上げては、何とか彼女の信頼を得ないとと思っている竜祥はぽつりと渇いた唇を開けていた、「埜哉様について…」目を細めつつ横目で母親の事を見ていく彼はぽつりと声を発していた、「もっと詳しく知らせてくれないかな…?」


  「埜哉様は全知全能の存在であり、」やけに自信に満ちている声色で紡いだ揺るぎない一言をぼんやりと耳にしながら、軽く鼻を啜ってしまう竜祥。「そこら辺の胡散臭い宗教が仕立て上げていた神とは格がちがうのですよ。」黒い袖を上げては、飽きれているようにと肩をすくめながら首を横に向けて振っている白い髪の毛をしていた男性の事を、自分の視界を埋めて来ているような大人たちの肩の間で覗き見ているような竜祥は、軽く鼻翼に力を入れて行きつつ、チラッと横目で自分と同じように脛の上に座っては台の上で立っていたやけに長い袂をしていた服を着ていた男性の顎を上げながら、自分たちの事を馬鹿にしているような姿を見ている母親に一瞥しては、男性の態度に苛立ちを覚えている竜祥は軽く歯を噛んでは、自分と母親の前でやけに広く感じていた会場を埋めていた人々の事を見ては、きっとあの黒い服を着ていた男性が母親からお金をかっさらっていたのに違いないと思っている竜祥。


  宛ら自分の身体を貫こうとしているような眼差しを向けて来ていた最後の列に座っていた竜祥の赤い瞳に目を細めていく男性、軽く右手にある淡い黄色の扇子を広げては、ゆっくりと自分の唇に当てていく彼は自分に崇拝している眼差しを向けて来ている人々に口角を上げられては、ゆっくりと自分の左側にある民衆を囲んでいたような無骨な灰色の壁からゆっくりと自分の右側で、自分と一緒に緑色の畳の上にいた体がやけに太い男性に目を向けていき、「ほら、お前もなんか言ってやりな。」


  ぼんやりと切り株のような両足を前に出しては、桶のような腹部に両手を下ろしていた太い男性は急に自分に話を振って来ては、一瞬にして民衆の視線を自分に向けて来ていた白い髪の毛をしていた男性の言葉に困らされて仕舞っては、まるで自分に縋っているような眼差しで自分の身体を見つめて来ている人々の顔を見てしまうと、思わず彼らは自分の不意を突いては自分の脂こい体を食おうとしているなのではないかと思ってしまう太い男性、軽く額に浮かんでいた汗に濡らされていた鼻翼に力を入れていく彼は、軽く豚足のような左手をかざして行きつつ、ゆっくりと右手にある真っ白な扇子を自分の分厚い唇を隠して行きながら、糸のような目で自分を睨んで来ている人々に向けては、弱り切っている声を発していく、「や、やや。」


  「ややー!」刹那、一瞬にして猛然と左手をかざしては狂っているようなまでに大きな声を上げていた民衆に見開かされては、思わずあんぐり口を開けてしまう竜祥はぱちくりながら、辛そうにと大人たちの真似をしていく微かな黄色の髪の毛が混ざっていた紫色の髪の毛をしていた、自分より少しばかり年上のように感じて来る女の子の叫んでいた声に、困惑気味にされているような気分になりつつ、漠然と自分に繊細な左足にある大きな痣を見せに来るようなショートパンツを穿いていた緑色の瞳をしていた彼女の方から、チラッと自分は母親につられて来ていたと語っているような、嫌々と手をかざしては、弱っているような合図の声を発していた金色の髪の毛をしていた男の子に一瞥しては、横目で母親の口角を引き裂こうとしているようなまでに唇を開けていた事に絶句されては、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼は視線を母親から自分たちの後ろにあるまるで自分たちの行動を監視しに来ていたようなカラスのマスクを付けていた変なポスターに向けていき。


  「う、うぉおお…」人々が上げていたまるで自分の脳を殴りに来ているような声色に見開かされては、つい感嘆の声を漏らしてしまう太い男性はチラッと自分の左側で佇んでいた白い髪の毛をしていた男性の満足しているようにと、何度も首を縦に振っている様を見ていき、「凄いな…」軽く両手で扇子を握っては口角を上げていく男性はまるで自分の次の台詞を楽しみにしているようにと両手を握りしめながら、自分を凝視して来ている人々に微笑んでいき、「ありがとう…なんかアイドルになれている気分になっちゃうよぉ…」喉から上手く声を発する事が出来ずにいるような太い男性が紡いだ本音に見開かされては、思わず唇を大きく開けていた白い髪の毛をしていた男性は民衆の怪しんでいるように眉間に皺寄せている様に苛立ちを覚えては、軽く鼻翼に力を入れて彼はチラッと照れくさいにと体を隠していた大きな白い布をつれては、後頭部を擦っている太い男性の横顔を睨んでいく。


  「ぐへへ…」引き攣っているような笑い声を上げて行きつつ、宛ら腫れているようなピンク色の瞼を開けるのが億劫のように思えていたような太い男性は、自分がアイドルになれているように思えては、つい興奮を覚えては恥ずかしそうにと右手にある扇子を上げて自分の大きな扇子で自分の顔を隠して行きつつ、チラッと視線を絶句されている白い髪の毛をしていた男性に向けて声を発していた、「これはもしかしたら今年で最優秀女優賞を獲得した楽々花ちゃんと…!」


  宛ら白い髪の毛をしていた男性と内緒話をしているような太い男性の扇子で顔を隠している姿は怪しく思いつつ、チラッと自分の右側で真剣な表情を浮かんでは、どう見ても生活には支障が出て仕舞うぐらいに体の太い男性、と白い髪の毛をしていた男性の話を待っている母親に一瞥した竜祥は飽きれているようにと、太い男性につられているように手にある扇子で顔を隠している白い髪の毛をしていた男性に目を向けていた。


  「け、結婚出来たりして…?」ごくりと固唾を飲み込んでしまう太い男性は幼い楽々花がテレビで活躍している様を思い浮かんでしまうと、つい興奮気味になれては、嬉しそうにと口角を上げていく彼はぼんやりと口角から透明な液体を垂らして行きつつ、声を発している、「ま、まだ小学校にも入れていないんだけど…」本気の眼差しを自分に飽きれているように目を半開きさせている白い髪の毛をしていた男性に向けていく彼は言い放った、「ぼ、僕は待つよぉ…?」美人になるのに違いない楽々花と結婚出来てしまうかもしれない事を思うとつい体中の脂肪が燃え盛っているように思えては、軽く胸元を飽きれては声も発する事が出来ずにいる白い髪の毛をしていた男性に向けていく太い男性は言う、「焔硝(えんしょう)ちゃん…!」


  「馬鹿なのかお前…」目を半開きさせていた鬼頭焔硝は太い男性から投げて来ているやけに期待に満ちている眼に目を半開きさせては、チラッと自分の唇を隠してくれていた扇子を少しばかり下げては、真剣な顔で自分がどうやって太い男性の話を解説するのかを黙々と待ってくれている人々に一瞥しては、ぽつりと困っているような声を上げていき、「あほども…もとい、」軽く首を横に振っていきながら意味深な眼差しをしている振りをしては、民衆に自分たちはどれだけくだらない話をしているのかを察知させないようにと意識している鬼頭焔硝は言う、「信者たちが戸惑ってんだろうが…!」


  鬼頭焔硝が自分に向けて来ていた自分の事を責めてた言葉に見開かされては、眉毛が生えていなかった太い男性は申し訳なさそうにと軽く脂肪に詰らされては、上手く引けないでいる顎に困らされつつ、ぽつりと弱っている声を上げていき、「ご、ごめんなさい…で、でも…」額に皺寄せては揺るぎない眼差しを鬼頭焔硝に向けていく彼は迷わずに言い放った、「楽々花ちゃんは僕がお嫁ちゃんにしたいよぉ…」


  まるで自分たちに扇子を見せつけて来ているような台の上にいる二人に困らされては、二人は一体どんな魅力を持って、自分よりずっと年を重ねて来た大人たちの気を引けるのかが分からずにいる竜祥は困っている視線を母親の横顔に向けては、母親のまるで太い男性と白い髪の毛をしていた男性の話を聞くまでは自分を相手にしようとしないでいる態度に困らされては、思わずため息を吐いて見たくなっている竜祥はチラッと視線を周りに向けて行きつつ、民衆はどんな態度をしているのかを調べて行きながら、自分と同じぐらいの年をしていた子供はいないのかと期待しながら、あわよくば小夜と会ったらと一瞬思っていた彼は猛然と首を横に振っては、こんなどうしようもない場所で小夜とは出会いたくないと思いつつ、小夜にまで毎日のように香に虐待されたくないと思っている竜祥。


  「ねぇ、母ちゃん…」忽然、幼い声に視線を引っ張られては、猛然と自分の斜め前の方向に視線を向けていく竜祥は、自分に声の主人を探させないでいるような大人たちの逞しい背中に苛立ちを覚えつつ、軽く鼻翼に力を入れていく彼はゆっくりと臀部を脛から離れて行きながら、何とか自分と同じよう年の子供は自分たちが置かれている異常という言葉を解釈しているような環境に置かれていることを、どう思っているのかが気になっては、ぼんやりと赤い瞳でまるで自分の視線を引っ張って来ているような華奢な背中に向けていく竜祥、「え…?」


  喉から驚愕の息が漏れているように思えてしまう竜祥は透明なシャツを着こなしては、小さな両足を白いニーソックスで包んでいたピンク色の髪の毛をしていた細身の男の子の事を見てしまうと、自分たちは同じ子供で、可笑しな状態に置かれているけれど、多分根本から違っている人なんだと強く思っている彼は大人しく太股を脛に付けて行きつつ、ゆっくりと奇妙な格好をしていた男の子に目を向けている彼の母親らしき人物を見ている。


  「黒いガーターベルトを穿いてみたいな…」ピンク色の髪の毛をしていた男の子の涙目になっては、母親に向けていく強請っているような一言に心臓を抉られているような思いをしては、白いニーソックスを穿いていた彼は両親に罰を与えられていたせいで奇抜な格好していたのではなかったと知れてしまうと、つい眩暈を覚えてしまいそうな竜祥はこの集会に来る人はまともな人は自分しかいないのかと疑い始めている。


  「大人しく我孫子さまと鬼頭焔硝さまのお言葉を待ってたら、」横目で唇をすぼめては叱られていたようなピンク色の髪の毛をしていた男の子を見ていく母親は、彼の悲しんでいるようにと頬を膨らませている顔は可愛く思いつつ、軽く右手の人差し指を立てて言う、「帰り道で買ってあげるね?」「あ…!」母親が自分に投げて来ていた言葉に見開かされては、心が弾んでいるような思いをしているピンク色の髪をしていた男の子は、嬉しそうにと口角を上げて行きつつ、楽しそうな声を上げようとする、「ありがー」男の子の喜んでくれている表情に向けて軽く笑っては、小首を傾げていく母親は右手の人差し指を立ててはぽつりとにべもない言葉を紡いだ、「ニーソックスを。」


  ”ドクンー”忽然、母親が発していた冷酷すぎる一言に絶望を覚えては、瞬く間に涙目になっているピンク色の髪をしていた男の子は苦しそうにと鼻に力を入れていき、「うぐっ…」苦しそうにと両手を握っては自分が穿いていた白いニーソックスを見下ろしてしまう彼は、拗ねているようにとぽつりと声を発していた、「母ちゃんの意地悪…!」「意地悪なのかなっ…!」強く左手で自分の唇を押さえては、ピンク色の髪をしていた男の子と彼の母親の会話が、自分が母親と一緒に商店街でただ見ていたテレビの中にあるどのコントよりも可笑しく思えている竜祥、「そもそも普通のソックスを買って上げてよぉ…」


  必死に声を抑えては二人に自分の話を聞かせたくないと思いつつ、自分の意見をあからさま過ぎるぐらいに狂っている二人に言ってやりたいと思っている竜祥、「男は普通そんなの穿かないでしょうが…!」奇人の二人を笑ってやるべきなのか、こんなにもあり得ない二人と一緒に置かれている現状を笑ってやるべきなのを、分からなくなっている竜祥は必死に左手で自分の頬を握りしめて行きつつ言葉を紡いでいく、「儚すぎるでしょうが…!!」


  竜祥が小さな声で独り言を呟いている様に目を細めては、憤怒を覚えてしまう母親は彼に顔を向けては、猛然と右手の人差し指を立てて自分の唇に付けていき、「しーっ!」母親のまるで自分に警告しに来ていたような声に見開かされては、思わずぱちくりしてしまう竜祥は恐る恐ると彼女に目を向けて行きつつ、赤い瞳で憤っては眉間に皺寄せている母親の事を映し出していた。「鬼頭焔硝さまはちゃんと言葉を通訳して貰っているんだぞ…!」竜祥の呆然としているような表情に目を向けている内に、鬼頭焔硝は何かしらの重大な話をするのではないかと思っている母親はチラッと台の上にいる二人に一瞥しては、右手で唇を押さえて行きつつ言葉を紡いでいく、「静かにして…!」


  母親が自分に向けて来ていた一言に目を半開きさせては、ニーソックスを穿いていた男の子と彼の母親の会話がどうでもよく思い始めている竜祥は軽く鼻翼に力を入れては、チラッと台の上にいる二人の未だに内緒話をしている様に一瞥しては、どう見ても普通の人間にしか見えない二人には何かしらの特別な力を持っているようには思えないでいる竜祥は、ぽつりと弱っている声を発して行きつつ母親の事を見つめている、「あの太い人が代弁者じゃなかったの…?」


  竜祥が自分に向けて来ていた質問に目を細められては、冷静を取り戻せたようにとゆっくり臀部を脛に付けていく母親は軽く左手を胸元に当てては、台の上にいる二人に尊敬している眼差しを向けて行きつつ言葉を紡いでいく、「代弁者でも、埜哉様のような方になると、」チラッと尊いように思えてしまう二人からチラッと疑問で満たされている赤い瞳に一瞥していく母親は言う、「また一人の通訳者が必要になるんだよ。」


  「そう…」母親が自分に向けて来ていた一言に目を半開きさせては、ついさっき我孫子真乖(わびこ しんかい)がアイドルになれていたような気がしていた発言を思い出しては、軽く鼻翼に力を入れていく竜祥は母親の頑なに二人の話を信じている様に苛立ちを覚えつつ、子供の自分ですら二人は怪しい以外にこれといって特別なところなんてないはずだと言うのに、どうして母親はそんなにも二人の事を信用してしまうのかと疑問に思いつつ、チラッと視線を自分の視界を邪魔しに来ていたようなスーツを着こなしていた大人の背中に向けては、まだ母親にガーターベルトを強請っていた男の子の弱っている声色を耳にしつつ、両手を強く握っている母親に目を向けていく竜祥、「ねぇ、お母さん、」宛ら自分が発していた一言に顔を引っ張られているようにと自分に目を向けて来ている母親に口角を上げては、両手を軽く握ってしまう竜祥は流し目で彼女の事を見つめながら一緒に集会に来ていた以上、彼女に少しぐらい信用されているはずなんだと思ってしまう竜祥は、愛想笑いをしながら言葉を紡いでいく、「ぼくはハンバーガーを食べたいよぉ。」


  「そんなお金を持っておりません。」一瞬にして顔を自分から逸らしては、再び何を喋っているのかが分からない二人に顔を向けていく母親の態度に目を半開きさせては、悲しそうにと唇をすぼめてしまう竜祥はついまだガーターベルトを欲しがっている男の子に、白いニーソックスを買って上げていた彼の母親の方が優しく思いつつ、無理矢理口角を上げては、恐る恐ると右手の人差し指を立ててしまう竜祥は強請っているようにと母親の横顔を見つめていき、「せめてポテトチップスを買って…?」宛ら自分に五月蠅いぞと言いに来ているように眉間に皺寄せながら、横目で自分の事を見て来ている母親の眼差しに無理矢理微笑んでは、左手を胸元に当てていく竜祥は何とか彼女に自分の誠意を見せたいと思いつつ、ぽつりと弱り切っている声を発していた、「一本でもいいからさ…?」


  「そんなお金は持っておりません。」にべもなく自分の願いを断って来ていた母親の一言に目を半開きさせては、疲れ気味になっている竜祥はつい項垂れては、自分の家はきっと白いニーソックスを穿いていた奇抜な男の子の家庭よりずっと貧乏なのだろうと思っては、悲しそうにと胸元を詰まらせに来ているような重たい息を吐き出してしまい、「はぁ…」悔しそうにと歯を噛んでしまう竜祥は眉をひそめていきつつチラッと視線を台に向けては、きっと怪しい二人が何かしらの子供の自分でも信じないような話をしては、母親と周りにいる頭が少しばかり可笑しな人々の事を誑かして行こうとするのに違いないと思っている竜祥は強く両手を握っては、二人の詐欺を看破して、母親に真実を教えてあげては、何とかお金を節約して、父親にも怒らせないでいて、毎日のように鼻を詰まらせに来る香を焚かなくなる事を祈りながら、揺るぎない眼差しで台の上にいる二人を睨んでいく。


  「コホン!」忽然、台の上にいる自分たちの話を待ってくれていたせいで、やけに静かになっていた空間で自分の咳払いの声を響かせていた鬼頭焔硝はまるで自分が上げていた真剣な声と眼差しに畏怖を覚えているように顎を引いては、肩を縮めている人々の事を睨むようにと見つめながら右手にある扇子を上げていく彼は言う、「我孫子さまは、こう言ったのだ。」鬼頭焔硝のやけに鋭く感じてしまう眼差しに緊張を覚えては、一瞬、彼は何かしらの不思議な力を見せつけて来るんじゃないかと思っては、ごくりと固唾を飲み込んでしまう竜祥は軽く鼻翼に力を入れて行きつつ、握りしめている両手を太股の上に置いていた。


  「きっと日々、人々の精神のために頑張ってくれていて、」ゆっくりと右手にある扇子を前に向けていく鬼頭焔硝は、顎を上げて行きつつ人々の軽く自分の話に頷いてくれている態度を睨みながら言葉を紡いでいく、「人々に元気になって貰えるような活気で満ちあふれているアイドルは崇拝されるべく、」鬼頭焔硝が真顔で紡いだ言葉に目を半開きさせては、微かな違和感を覚えては、ゲームのキャラクターのようにも見えて来る二人の存在に、戸惑う感情を強いられているようにと強く感じつつ、思わず眉間に皺寄せてしまう竜祥は小首を傾げていき。


  「我孫子さま自身も、」大きな声を発して行きつつチラッとまるで自分の応援をしてくれているように両手を握っている我孫子真乖に一瞥しては、つい額が汗ばんでいる彼が迂闊に口にしていた台詞をどうして自分が全力でフォローしてやらないといけないのかと不満を覚えては、猛然と鋭利な眼差しを人々に向けていく鬼頭焔硝は言う、「そのような存在に親近感を感じている。」鬼頭焔硝の目を細めている様を睨みながら、どうしても彼は必死に言い訳を考えているとしか思えないでいる竜祥はアイドルが神と何かしらの関係があるようには思えないでいる。


  人々の自分が紡いだ言葉に戸惑っている様に歯ぎしりしてしまいそうになっては、思わず台から体を引いて見たくなっている鬼頭焔硝は無理矢理顎を上げては、決して人々に自分は怯んでいる事を見せない事を意識しながら言葉を紡いだ、「それはつまり!」やけに大きな声を上げてはまるで自分の心の疑問を大きな声で打ち消そうとしているような鬼頭焔硝にぱちくりしてしまう竜祥は、チラッと両手を握りながら本気の眼差しで鬼頭焔硝と彼の横顔を見つめている我孫子真乖を見ている母親に一瞥しては、どう見ても怪しい二人に尊敬している眼差しを向けている人々はどうかしていると思っている竜祥は軽く歯を噛んでは、肩を縮めながら鬼頭焔硝はどんな言葉で人々の事を誑かすのかを期待しつつ、自分が全力で打ち破いてやろうと思っている。

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