第132話酒イコールパン!ほら!パンを食べろ!

  「うっ!」父親が自分に向けて来ていた強く自分を叱って来る言葉に心を握り潰されているような気がしてならないでいる竜祥は強く歯を噛んでは、苦しそうな唸り声を発していた。両手を段ボールの中に突っ込んではぼんやりとしている頭で自分の左手に握られていたビールを感じつつ、右手で二本のビールを握っていく父親は眉間に皺寄せては竜祥に向けて叫んでいき、「さっさと来い!」父親が発する自分の顔面にぶつけて来ていたような声色に背中を押されているような気がしてしまう竜祥、「は、はい…!」大慌てで頷いては、急いでいるように両手を床に付け、父親に殴られたくないと言う思いに駆り立てられている彼は恐る恐ると地面で散らかっていた緑色の欠片を見下ろしつつ、自分の寒風に苦しめられては、震えている両足を苛んで来ているようなシャツに沿って滴り落ちていく黄色の液体に羞恥心を覚えてしまう竜祥、まるで自分に興味を無くしていたかのようにと部屋の中に入っていく父親に一瞥しては、ごくりと固唾を飲み込んでいく彼は恐る恐ると両足を上げては緑色の欠片を出来る限り避けて行きつつ、小汚い寝室の床にある黄色の吸い殻を踏んでいき。


  刹那、否応なしに自分の鼻に突っ込んで来るやけに甘い香りが一丸となっているように自分の鼻腔に入って来ては、充血している赤い瞳から水分を奪っているような気がしてならないでいる竜祥、眉間に皺寄せてはつい吐き気を催して来る香の匂いに歯を噛んでは、嫌々と自分の両足を濡らして来ているように感じてしまうシャツに苦しめられながら、リビングに向けて歩こうとする竜祥、「うっ…」「何してやがんだ!」まったりと使い古されていた椅子に座っては、背中を椅子に付けていた父親はバランスが崩れていたような机の上に置かれていた三本のビールを楽しそうにと見つめながら、リビングの左側にある寝室に向けて叫んでいき、「さっさと入れやこの野郎!」


  「は、はい…!」酔っぱらっていた父親は自分を呼んでいたことを忘れて欲しいと強く願っていた竜祥は、まるで自分を絶望に引きずり込もうとしているような父親に鼻を啜っては、チラッと自分の右側にある寝室の隅っこで鎮座していた黄ばんでいた雑誌と新聞を敷いてはようやく欠けていた足を補っては、バランスを保てていたベッドに一瞥してしまい、切なげに大きなシャツに守られていた右腕で涙と鼻先を濡らして来ていた鼻水を拭いては、父親が自分の存在を忘れては、いっそ自分に眠らせてくれたらと思ってしまう彼は軽く左手で自分の殴られては固まっているように思えてしまう頬に当てて行きつつ、火と化していたような頬を撫でて行きながら、リビングに向けて歩いていきながら、チラッとまるで自分の事を見守ってくれているように、プラスチックの椅子を独り占めしていたようなワインの上で仲間たちと遊んでいる瞬間に止まっていたようなハートの群れに一瞥しては、まるで自分を鼓舞しに来ているような使い古されたネクタイを見てしまう彼、軽く歯を噛んでしまう彼は何度も鼻翼に力を入れて行きつつ、急いで父親のもとに行かないとと強く思っている。


  まったりと自分の顔面にぶつけに来ていたようなおびただしい煙に心臓が一瞬止められていたように思えては、つい苦しそうにと眉間に皺寄せていた竜祥、「うっ…」苦しみのあまり悶絶してしまいそうな声を発していた彼は眉間に皺寄せたまま、ゆっくりと視線をリビングの右側の隅っこで黒いカラスのようなキャラクターをしていたポスターの前で丁寧なまでに合掌しては、窶れていた両足を座布団に付け、まるでお椀を香で埋めようとしていたような母親が数え切れない程の香がお椀に入れては、体が曲がり、塵芥と化していく灰色の香と、おびただしい煙を気にすることなく、ポスターに向けて独り言を呟いている姿は異常だと思えている竜祥、右手で粘っては上手く息を吸い込めないでいる鼻を握り、何とか煙の苦しみから逃れようと考えてしまう竜祥は左手で涙を拭いて行きながら、まるで自分とは別の世界に住んでいるように楽しそうにと右腕を椅子の背に持たれていっては左手でタバコを吸いている父親に一瞥していき。  


  竜祥の苦しめられながら自分に畏怖しているような眼差しを向けて来ていることに向けてニヤリと右側の口角を上げては、右腕を椅子から離れていく父親、「ほれ!」”どん”強く右手でビールの瓶を握っては軽くビールの瓶をベッドと同じように足が少しばかり欠けていた机に叩き付けていた父親が、自分を呼んで来ている眼差しにごくりと固唾を飲み込んでしまう竜祥、まるで火事を起こしているようなポスターの前に跪いていた緑色のワンピースを着ていた母親のまったく自分たちの存在を気にしていない姿を見てしまうと、思わず軽く歯を噛んでいく竜祥は赤い瞳でポスターを睨んでは、カラスのマスクを付けていたポスターの中にあるキャラクターは自分の母親を奪っては、煙で自分たちを苦しめて来ている悪魔だと思っている竜祥。


  ”どんどん!”竜祥が自分より母親の事をずっと見ていることに眉間に皺寄せては、つい焼きもちを焼いているような気がしてしまう父親は分厚い唇をすぼめて行きつつ、何度も右手にあるビールの瓶でバランスを崩していた机を叩いていき、宛ら自分が机に立たせていた音に畏怖を覚えているようにとびくっと体を跳ねらせていた竜祥に向けては、軽く鼻で笑ってしまう父親は威張っているようにと軽く顎を上げていく、「これを全部飲んでみろ!」「え…?」父親が自分に向けて来た台詞に絶句されては、思わずぱちくりしてしまう竜祥はつい小首を傾げては、自分の耳を疑ってしまい。


  「なぁに、」竜祥の上手く自分が口にしていた言葉を理解出来ていないような態度に口角を上げられては、まったりと左手にあるタバコを小汚い机に置いては、ゆっくりと左手で自分の黒いガマが付けられていたような顎を擦っていく父親は自分の機嫌を損ないたくない故に、恐る恐ると両手を自分に向けて来る竜祥に右手にあるビールを渡していき、「いつも飲んでる水道水と同じだと思え!」


  父親の口から飛び出ていた言葉はあんまりだと思いつつ、本気で自分にビールを飲ませようとするように右手にあるビールの瓶を放しては、自分の両手にかけて来ていたビールの重さに眉をひそめてしまう竜祥はごくりと固唾を飲み込んでいた。「これは日々プレッシャーに押しつぶされてしまう大人を癒していく不思議なジュースさ。」ゆっくりと左手で机に小さな灰を残していたタバコを挟んては、右手で机に置いていたビールを手にとっていく父親、「お前が手にしていた奴はあと少ししか残してねぇんだ、」酩酊状態になっていた父親が自分に向けて来ている言葉をぼんやりと耳にしながら、恐る恐ると視線をビールの瓶の中にある震えている両手とダンスを踊っているような泡を立たせていた黄色の液体を睨んでいく竜祥。


  「うう~」右手にあるビールの瓶を口に付けては楽しそうにと自分の熱気を放っては、焼かれているような気がしてしまう体を冷やして来るビールをラッパ飲みしていた父親、「ぷ~」嬉しそうにと右手にあるビールの瓶を唇から離れてはぼんやりと佇んでは、自分の顔を見て来ている竜祥に向けてニヤリと右側の口角を上げていく父親は軽くタバコを挟んでいた左手の人差し指で竜祥の事を指差していき、「それを全部飲み干すと部屋まで戻るのを許そう。」


  父親が自分に向けて来ていた言葉は確実に自分と共に聞いてくれているはずなのに、まったくもって父親の事を止めようとしないでいる母親の背中に絶望を覚えられては、香とタバコから立てている煙に苦しめられている竜祥は両手にあるビールの瓶を見つめては、ごくりと固唾を飲み込んでいた。「さぁ!」強く右手にあるビールの瓶を握りしめては顔を前に向けて出していく父親は自分が上げていたやけに高ぶっているような声色に驚かされているように、びくっと繊細な眉毛を跳ねらせては自分のことを見て来ている竜祥の顔を睨んで行き、「どうするんだ!」竜祥の軽く鼻翼に力を入れてはチラッと嫌悪しているような眼差しを母親の華奢な背中に向け、お椀から立てて来る煙に苛立ちを覚えているような姿に向けてニヤリと口角を上げては、強く鼻で笑ってしまう父親は言う、「運命ってものはな?」流し目でまるで自分の右手にある緑色の武器を畏怖しているにと肩を縮めながら自分のことを見て来ている竜祥に向けて、軽く顎を上げてしまう父親、「常に挑戦者に微笑むもんなんだぜ?」


  父親が自分に投げて来ていた訳の分からない一言に困らされては、自分はただベッドに戻って静かに眠りたいだけなんだと思いつつ、ぼんやりとしている視線を煙に燻られているようなビールの瓶に向けてしまう竜祥、何度も鼻翼に力を入れては宛ら家を燃やしているような煙を立てているお椀のやけに鼻腔に刺激を与えてくれては、視界を奪おうとするように自分の瞳にまったりと入って来る煙は痛く感じては、自分は立派な人間になるためには、瞳を煙に殺されてはいけないと強く思っている竜祥。


  ごくりと固唾を飲み込んでいく竜祥は迷わずに目を瞑っては、猛然と両手で強く握っていた自分の手のひらに温まれていたビールの瓶を唇に付けては、やけに硬く感じてしまうビールの瓶の縁を口に突っ込んでいき。忽然、ひんやりとした液体はまるで自分の舌の上で蔓延っているようにやけに苦い味を残しては、喉に突っ込んでくるようにと感じてしまう竜祥、宛ら自分に上手く息を吸わせようとしないでいるような液体に見開かされては、苦く感じては喉に泡を付けて来ている液体を拒んでいる喉は、否応なしに液体を上に向かわせているような思いをする竜祥、「ごっ!」鼻腔に突っ込んでいるような微かに温かく感じてしまうビールの臭いに打ちひしがれては、思わず前屈みになってしまう竜祥は悶絶してしまいそうな思いをしながら、右手で強くビールの瓶を握りながら左手で自分の熱くなれている胸元を押さえて行きつつ、ゆっくりと自分の鼻先から滴り落ちていく黄色の液体と自分の口から吐き出されていた泡が混じっていた黄色の液体を見下ろしていき、苦しそうにと息を吸い込んでいく竜祥はぼんやりと唇を開けては、軽く青筋が立てていた額を上げては、もう自分のことを見逃してと、懇願している眼差しを父親に向けていた。


  「なに止まってんだ?」左手にあるタバコを小汚い机に付けては、眉間に皺寄せている父親は厳かな表情を自分が上げていた憤っているような声色に驚かされているようにと、体を引いていく竜祥を睨みながらチラッと彼の右手にあるビールに一瞥していきつつ言葉を紡いでいく、「まだ少し残ってんだろうが、」まったりと左手の人差し指を立てては頬と歯の痛みに苦しめられているだけではなく、上手く息を吸い込むことすら出来なかったせいで血走っている竜祥の眼を睨んでいく父親、「無駄遣いするんでないぞ?」


  「うっ…」父親のまるで自分の右手にあるビールの瓶の中に残されていたビールを飲み干さないと許してくれないような一言を耳にしてしまうと、悲しみを覚えては、思わず涙を零してしまいそうな竜祥は自分の眼を殴りに来ているような熱く感じてしまう灰色の煙に苛まれつつ、まるで自分と父親の話にはまったくもって興味がないぞと言いに来ているような母親のポスターに向かっては訳の分からない呪文を唱えている様に歯を噛んでは、どうして母親は自分のことを救ってくれないのかと不満に思いつつ、悔しそうな眼差しを左手に添えられていたビールの瓶に向けていく彼。


  「今度また吐き出したらどうなるのかは、」左手を膝に付けては、右手で強くビールの瓶を握っていた父親は、自分が発していた起伏しているような声色に顔を硬直されている竜祥の恐れている赤い瞳の中にある自分の顔を睨んで行きながら言葉を紡いだ、「分かってんだろうな?」ニヤリと右側の口角を上げては、竜祥のことをからかってやろうと楽しく思えてしまう父親は軽く黒い胡麻が付けられていたような顎で、竜祥の華奢な両手で握りしめているビールの瓶を指して行きつつ、声を発していく、「その瓶と一緒に、今晩、お前たちにベランダで寝て貰うぞ~?」


  父親が紡いだ本気っぽい台詞に心臓を鷲掴みにされては、自分の身体に鳥肌を付けて来ていたような寒い風の中で一晩を過ごして仕舞ったら、自分はきっと二度と目を開けることが出来無くなるんだと思ってしまう竜祥、「うっ…」悲憤と悔しさが混じり合っていた唸り声を上げてしまう彼は歯を噛みしめては、ごくりと固唾を飲み込み、ビールの瓶を睨みつけながら今度こそしくじってはならないぞと内心で何度も自分に言い聞かせながら、父親のまるでいつまでも彼が下して来た命令を叶えようとしないでいる自分を催促しに来ているようにと、何度も右手にあるビールの瓶で机を叩いている様に一瞥しては、瞳が煙と緊張に震わされているような気がしてならないでいる竜祥は猛然と両手で握りしめていたビールの瓶を上がっては大きく唇を開けていき。


  「うっ!」当たり前のようにと瓶に沿っては自分の喉に入り込んで来るやけに苦く感じてしまう液体に苦しめられては、一刻も早く自分を苦しんで来ている父親の助っ人になっていたビールから離れて行きたいと切に思ってしまう竜祥、ごくりと喉に詰まっていた液体を飲み込んでは、猛然と両手で握っていたビールの瓶を自分の口から抜け出していき、「はぁ…」宛ら自分に息を吸い込む権力を奪いに来ていた液体から脱獄出来たような気がして仕舞って大きく唇を開けたまま息を吸い込んでいく竜祥、「はぁ…」


  辛そうにと息を吸いこんでいる竜祥の軽く左手を上げては口角から滴り落ちてしまう唾液を拭いていく様を睨み見ながら、彼のことを褒めているようにと大きな両手を前に向けては叩いていく父親は言う、「よぉし~上出来だ!」楽しそうにと大声を上げては辛そうに息を吸っている竜祥を褒めていく父親は自慢げに言葉を紡いでいき、「将来社会に出ててもバカにされるのを免れるはずだよぉ~」猛然と左手の親指を立てては宛ら自分が紡いでいる言葉を待ってくれているように呆然と佇んでいる竜祥に向けては、叫んでいるようにと声を発していく父親、「さすが俺の息子だ!がはははは!」


  やけに大きな笑い声を上げている父親の嬉しそうな姿勢に眉間に皺寄せながら、ごくりと固唾を飲み込んでしまう竜祥は自分の口の中に残されていたビールの苦みに苛まれつつ、軽く歯を噛んでしまう彼は丁寧に両手で握っていた空き瓶をまるで父親につられているように起伏している小汚い机に置いていき、「もう…」弱り切っている声を発しては、固まっているようにと感じてしまう左頬に苛まれつつ、ゆっくりと黒い胡麻が付けられていたような顎を引いて行きながら、やけに赤くなっていた頬で自分の身体を固定しに来ているような父親の姿に畏怖を覚えては、強く震えている両手を握りしめていく竜祥はぽつりと父親に懇願しているようにと言葉を呟いていく、「部屋に戻ってもいい…?」


  「うん、」竜祥が自分に尋ねて来ていたような一言を耳にすると迷わずに頷いては、右手をビールの瓶から引いていく父親、「俺はちゃんと言うことを実行する男だかんな、」眉をひそめては本気の眼差しを寝室に戻れると知れていたせいで自然にと口角を上げている竜祥を見つめていく父親、「よく覚えておけよ?」まったりと左手の人差し指を立てては前のめりになっていた父親は竜祥の顔を睨みつけているようにと沈んでいるような声色で言葉を紡いでいき、「話す言葉を実行しない野郎には舐められるのがおちだってことをよ。」


  父親がやけに本気の口調で自分に向けていた一言をぼんやりと聞きながら自分は別に自分が言っている言葉はどうでも良く思えては、ただ父親から逃げては一人で煙のない場所で眠りたいだけなんだと強く思っている竜祥、父親の執拗に自分の顔を見て来ている眼差しに弱っている胸元を貫かれているような気がしてならないでいる竜祥はごくりと固唾を飲み込んでは恐る恐ると頷いていた、「うん…」


  父親のまるで自分の返事に納得しているようにと楽しそうに頷いては椅子にもたれかかっていく様を目尻に投げては、一刻も早くベッドに体を付けては毛布の中で包まっていようと思ってしまう竜祥、宛ら自分の鼻腔にこびりついては離れようとしないでいる香の匂いは段々臭くなれているようにと思えては、不服そうに歯を噛んでしまう竜祥は自分が父親に殴られ、歯まで飛ばされていたことも知らずにただ訳の分からない黒いカラスのマスクを付けては、真っ黒なパーカーで身体を隠していたような変な物の前で跪いては、訳の分からない言葉を呟いている母親の様に不満を覚えては、どうして母親は自分のことを助けてくれないのと彼女に問いかけて見たくなっている竜祥、煙に目と鼻を殴られては、耳がだんだん痛くなっているような気がしてならないでいる彼は苦しそうにと歯を噛んで、ゆっくりと視線を父親に向けては、どうして父親は家を燃やそうとしているような母親の事を止めてやらないのと尋ねて見たくなっている彼。


  「何だ?」小さな両手を握りしめている竜祥のまるで自分のことを恨んでいるような眼差しを向けて来ている様に戸惑いつつ、小首を傾げてしまう父親は両手で握っていたビールの瓶を感じながら、赤い瞳の中にある自分を見つめてしまうと、ニヤリと右側の口角を上げては、一度ビールの魅力を知れて仕舞った竜祥はもしかしたらまだ酒を飲みたがっているなのではないと思ってしまう父親、自分にはビールを飲みながら話の相手が出来てしまうかもしれないと思うと、つい興奮気味になってしまう彼は竜祥に向けて顔を近づかせてしまい、「まだ俺と飲みてぇのか?」


  ”ドクンー”忽然、父親が自分に投げて来ていたあまりにも意外な一言に見開かされては、顔をぶん殴られているような気がしてならないでいる竜祥、「えっ?」間の抜けた声を上げていた竜祥は自分に心の思いを見透かされていたことに驚かされているんだと、強く思っては得意げに何度も頷いていく父親、「そう言えばお前にはまだ晩飯食ってなかったな?」横目で竜祥のことを見ては、子供なのに大人のジュースを飲んではならないという心の憚りを拭いでやろうと考えてしまう父親、「ほらほら、」


  楽しそうにと左手にあるビールの瓶を竜祥に向けて行きつつ、嬉しそうにと語っていく父親、「知ってた?この大人のドリンクってのはな?」父親の否応なしに両手を上げては何度も首を横に振っている自分に無理矢理ビールの瓶を押し付けて来ていることに見開かされては、慌てて両手で満タンのビールの瓶を手にとっていく竜祥、強く自分の両手に負担をかかってはまるで自分の胸元を下に向けて引っ張っているようなビールの瓶の感覚に、驚かされては強く歯を噛んでしまう竜祥はもし酔っぱらっている父親からビールの瓶を受け取っていなかった、酔っぱらっている彼はこのまま無責任なまでに酒を自分に任せてくれては手を放してしまい、瓶が床に転がって割れてしまったら、父親にとっては多分自分なんかより遥か重要なビールを一本無駄にしてしまったら、自分にはきっと全ての歯を飛ばされてしまうに違いないのだろうと思っていた竜祥。


  「これは麦で出来上がってたりすんだよな?」竜祥の丁寧に両手で握っていたビールを見つめている様に口角を上げては、左手の親指を立てていた父親は自分の声に顔を上げられている竜祥に微笑んでいき、「不思議だろう?」宛ら自分に合わせてくれているようにと頷いてくれている竜祥の態度に口角を上げては、嬉しそうにとゆっくり左手を腰に当ててしまう父親、「パンと同じ原料なんだ!」大声で言葉を紡いで行きつつ、右手にあるビールの瓶を分厚い唇に付けていく父親。


  猛然と自分の喉に突っ込んで来ていた苦い味をしていたビールに口角を上げては、宛ら自分の身体を愛でて来ているかのようにとゆっくりと自分の口角に沿っては、自分の喉元を撫でて来ているようなひんやりとしたビールに興奮を覚えてしまう父親、「うは~」”どー”嬉々とした声を発しては強く右手にあるビールの瓶を机に向けて置いていた父親は、ぼんやりと唇を開けては自分の顔を見て来ている竜祥の身体を、蠢いているような視界の中で見定めようと思っては首を前に向けて伸ばしていき、「酒イコールパン!ほら!」猛然と左手の人差し指を立てては竜祥の自分が上げていた一言に見開かされている姿を見つめている父親は大声を上げていた、「パンを食べろ!」


  父親が自分に向けて来ていた理解に苦しむ理屈に戸惑っては、ぼんやりと赤い瞳で両手にあるビールの瓶を映し出していく竜祥、呆然と唾液を飲み込んではどうしても手にある物がビールにしか見えないでいる彼は、軽く鼻翼に力を入れては、もし自分がビールを飲み干して仕舞ったら、父親のような訳の分からない状態になったらどうしようと考えてしまう竜祥は思わず苦しそうな唸り声を上げていき、「うう…!」「なんだ?」竜祥の苦しそうにとビールを見つめている姿に眉間に皺寄せては、不服そうに顎を上げてしまう父親は強く右手にあるビールの瓶を握りしめていき、「俺のパンが不味くて食えねぇってのか?」


  「うっ?!」父親の本気で怒っては自分の顔を睨んで来ている眼差しに畏怖を覚えては、左頬に鉄板をぶつけられていたような痛みと頬が石となっていたような感覚をもう二度と味わいたくないと強く願ってしまう竜祥、チラッとゆっくりと華奢な両足で床を踏んでは立ち上がっている母親に一瞥してしまう竜祥、母親はもしかしたら自分のことを助けに来てくれるんじゃないかと煙に苦しめられているせいでぼんやりとなっていた頭で考えていた竜祥。


  「やや!!」忽然、奇声を上げては猛然と両手をかざしては強く右足を右側に向けて踏み出していた母親の両腕で斜面を作っているようにと右手を高く上げては左手を斜め下の方向に向けていた奇妙なポーズに喉を驚愕に鷲掴みにされているような気分になれている竜祥、「え…」「ああ?」眉間に皺寄せていた父親は竜祥のなかなか自分の大好物を飲もうとしないでいる様に右側の眉毛を上げられては、歯ぎしりしてしまう彼はゆっくりと顔を竜祥に向けて近づいて行き、「飲むか?飲まないのか?どっちだ?」まるで自分の悲憤に満たされているような声色に顔を引っ張られているようにと、潤んでは充血していた眼で自分の顔を見て来ている竜祥の何度も首を縦に振っている姿勢を嘲笑っているようにと強く鼻で笑っていく父親、「ってかなんだ?そのぼーとしている面はよ?」父親が酒に酔わされているせいで上手く両足で床を踏んでは立ち上がれないでいる様に僥倖を覚えてしまう竜祥は、まったく自分が陥っているピンチに関心を持とうとしないでいる母親に一瞥しては思わず強く歯を噛んでしまう彼は必死にどうやって父親の機嫌を損なわないまま不味いビールも飲まなくて済むのかを必死に考えている。


  不満そうにと右手にあるビールを下ろしてはまったりと腕を組んでしまう父親は、もし竜祥は楽しく自分の酒を飲んでくれないと言うのなら、いっそ自分がもう一本飲めた方が得するんじゃないかと考え始めながら不貞腐れるようにと言葉を紡いでいた、「まるでこの俺が餓鬼おめぇに意地悪しているみてぇじゃねぇか?」父親の今にも自分に向かって突っ込んで来そうな真っ赤な顔に左側の眉毛を跳ねらされてしまう竜祥、「ううん!」急いでいるようにと首を横に振っていた彼は無理矢理口角を上げては、父親の機嫌を直してはビールを飲ませないでと相談してみようと考えてしまう彼、「う、嬉しい…よ、お父さん…」


  竜祥の軽く顎を引いてはあからさまに自分のことを恐れているような姿に苛立ちを覚えては、軽く鼻翼に力を入れてしまう父親、「だったらどうして笑わないんだ!」”ドンー”猛然と握りしめている右手を机にぶつけてはやけに大きな音を立たせていた父親は、自分の行動にビクッと身体を跳ねらせていた竜祥に歯ぎしりしてしまい、「全然嬉しそうに笑ってくれねぇじゃねぇか!」”ドンドンー”宛ら拗ねている子供のようにと何度も右手で机を叩いてしまう父親は自分のことを恐れては必死に目を瞑って肩を縮めている竜祥のことを怒鳴っていき、「馬鹿にしてんのか?!」顎を上げては強く左手で自分の胸元を叩いていた父親は恐怖のあまり目尻に涙の粒が滲み出ていた竜祥を見ては、怖がっている彼は可哀想だと思い、彼に少しぐらいに笑わせてやろうと思ってしまう父親は冗談交じりに言葉を紡いでいき、「この一人で家を支えて来たパパちゃんを舐めてんのか!?」


  父親のやけに起伏しているような声色で紡いだ言葉に困らされては、恐る恐ると瞼を変えては父親のまるで自分の笑みを期待しているような眼差しにぱちくりしてしまう竜祥は顔が真っ赤になり、血に染め上げられている父親は非常に怖く感じては、鬼のように思えてしまいそうになる彼、父親の眼で蔓延る赤い糸に歯を噛んでは、ごくりと固唾を飲み込んでしまう竜祥は狂っているように頭を左右に振らしている母親の事を構う余裕を無くしては、父親の事を警戒しているように一歩を引いていく。

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