第64話俺は決してこの力を無駄にしたりなんかしないよ?

  『お前…』眉をひそめてしまう野黒新は竜祥の事が段々分からなくなっては理解出来なくなっている心境になっては思わず小首を傾げてしまう彼は竜祥の顔を凝視し始めている、『何がしたいんだ…?』野黒新の微かに怯えているよな姿勢に目を凝らしては、軽く視線を彼の頭上に上げて行く竜祥はまるで彼の背中に生えていたかのような天を貫く真っ白な柱を見つめてしまい、「言ってたでしょ?」顎を軽く上げていたままで視線を野黒新の眉をひそめている表情に一瞥した竜祥は揺るぎない声を発して行き、「神に復讐するんだって。」


  竜祥のまるで自分の後ろにある柱にしか興味がないかのような平坦な口調に目を細めている野黒新、軽く鼻翼に力を入れている彼はどうしても竜祥は神にさえ復讐出来れば他のことなんてどうでもよく思っているようにと感じてしまっては、彼の事を尋ねるかのように引っ掛ける質問を携帯電話に言わせていた、『民衆を守るってスローガンはどうした?』野黒新が自分に投げて来ている質問に目を瞑っては軽く口角を上げては首を横に向けてしまう竜祥、「それはついでってわけでもなければ、」微かに目を開けている彼は野黒新の戸惑っているような表情を見つめながら揺るぎない声を行き、「二の次ってわけでもありませんよ?」軽く握りしめている左手を上げている彼は歯を食いしばっていた、「全てが、神への復讐の条件なんだよ。」


  竜祥の怒りに満ちている声色に戸惑っては思わず眉をひそめてしまう野黒新はつい小首を傾げてしまい、『は…?』野黒新の自分が何を言っているのかが分からないでいる姿勢に軽く笑っては彼に説明するようにと彼に向けて一歩を踏み出している竜祥、「神は人々が殺し合うのが見たいでしょ?」軽く歯を噛んでいた彼は怒りを抑えながら声を上げている、「させない。」まるで自分のことを飲み込もうとしているかのような野黒新の宛ら暗闇の如く漆黒に侵されている眼を見つめている竜祥、「神は人々のことを玩具と見なしているんだろう?」野黒新の足元まで歩いていた彼は宛ら額を野黒新の額に付けて行こうとしているかのようにと言葉を紡いでいた、「させねぇ。」


  竜祥の偏執なまでの眼差しに目を細めては彼が自分の頬にくっついて来ようとしている姿に嫌悪感を覚えてしまう野黒新はつい仰向けになっては、チラッと自分の右手にある携帯電話に一瞥してしまい、『情報を聞かせて貰おうか。』野黒新が自分に近づかせていたことに困っているような姿勢に目を細めている竜祥は屈託のない笑みを彼に見せて行きながらゆっくりと背筋を伸ばしていき、「大した情報はない、」軽く左手を上げては流し目で野黒新が自分に向けて来ている馬鹿にしているのかと聞きに来ているような眼差しを眺めながら竜祥は声を発して行き、「って言った方がいいのかな?」竜祥のもったいぶっている姿に苛立ちを覚えては、和流と白野の事を思い出してしまうと、わざわざ民家まで侵入する強化者は少数であり、侵入したからと言って二人の事を見つけるのもそんな容易なことではないはずだと思っても、やはり二人の事が心配してしまっては、自分は急いで二人のもとまで帰らないといけないと責任を感じている野黒新は急いでいるかのように携帯電話に言わせていた、『言ってみ?』軽く喉を詰まらせて来ているような唾液を飲み込んでは、竜祥が柱を調べていた情報を集めていたと言うからにしては、白野と和流の事を守っている自分には到底手に入る情報ではないはずだと考えてしまう野黒新、柱にもし二人の事を助ける方法があるのならと期待している野黒新は竜祥の赤い瞳の中にある自分の事を見つめていた。


  野黒新の緊張している姿に目を細めては、彼に合わせているように左手を上げては少しばかり早口になっている竜祥は言う、「柱には強化者たちの御宅力がランキング形式で並べてたりするんだ、」自分が紡いだ言葉の意味を理解したような野黒新の眉をひそめている姿を眺めている竜祥は軽く首を横に向けて振りながら声を発して行き、「残念だけど神がどんな手を使ったのかは分からないのだが、」ゆっくりと野黒新の焦燥感に苛まれては微かに赤くなっている頬から自分の左手の人差し指に目を向けている竜祥は言う、「撮影する事が出来ないし、紙で記録する事も出来ない、」軽く左手を自分のこめかみに向けている竜祥は自分のこめかみを突きながらぽつりと声を発していた、「使えるのは脳だけなんだ。」


  竜祥は一体何故自分に執着するのかが分かったように思えている野黒新は右手にある携帯画面を見つめては携帯電話に考えを代弁して貰って行き、『そのランキングは、俺が上位だっていいたいのか?』野黒新が謙遜している一言に口角がくすぐられては可笑しそうに笑ってしまう竜祥は何度も首を横に振りながら彼の言葉を否定するようにと声を上げていた、「上位どころかではありませんよ、」宛ら彼のことを讃美しているような竜祥は左手を前に向けて出しては野黒新に尊敬している眼差しを向けては感動しているような声を発していた、「あなたが一なんですよ?野黒さん?」左手の人差し指を立てては微かに顔を野黒新に向けて近づいて行く竜祥はぽつりと唇を開けては声を発して行き、「最初の時は、間違いなく、」軽く左側の口角を上げている彼は揺るぎない口調で野黒新に説明していた、「あなたが世界で一番強い御宅のはずなんですよ?」


  竜祥の潤んでいる赤い瞳を目にすると、彼が何故わざわざ民衆のことを置いては自分とこんな話をして来ていた事が分かったような気がしてしまう野黒新は軽く首を縦に振ってしまい、『なるほどな…』目を細めてしまう野黒新はデフォルトでは自分が一番強いであろうとも、一日も過ぎてしまうと、強化者を殺しては力を奪っていた輩はいとも簡単に自分を凌駕するほどの御宅力を持っているはずだと考えながら竜祥の嬉しそうな表情に一瞥していた、『道理で俺を探して来るわけだな。』

  

  野黒新が自分に向けて来る警戒が少し緩和していることに嬉しく思えては左手の人差し指を立てている竜祥は言う、「次の情報は、預言って言うか、」目を細めている彼はもったいぶっているかのようにと軽く右側の口角を上げて行き、「先に知らせて来たんですね?」野黒新が自分の言葉に眉をひそめている反応を目にすると、嬉しそうに笑ってしまう竜祥は頬を彼に近づかせながら声を発していた、「人類には勝ち目が残されていたと言うことを。」


  ”ドクンー”突然、竜祥の唇から聞こえて来た一言に心臓が操られていたような気がしている野黒新は彼のことを見つめて、彼が言う言葉を待つことにしては、まるで自分の返事を耳にしないと次の情報を教えてくれないでいるかのように左手を背中に当てている竜祥の平然としている姿勢に歯を噛んでは、軽く鼻翼に力を入れてしまう野黒新は急いでいるかのようにと右手にある携帯電話を弄っていた、『神を倒すのか…?』


  携帯電話から聞こえて来る平然としている声色に野黒新が懸念しているような心境が織り交ざっているような気がしている竜祥は彼に向けては軽く頷いていた、「ええ、最終日になると、」ゆっくりと顎を上げては、視線を自分の顎を上げていると同時に遠くにある真っ白な柱の方向を指差している竜祥は沈んでいるような厳かな声を上げていた、「柱には最初に向かう人の前で魔剣を使う使者が現れると、」目を細めては流し目で野黒新のひそめている眉間に目を向けている竜祥は軽く口角を上げていた、「そしてそいつは化け物みたいな強さを持していると、」軽く顎を引いては左手を頬に添えている竜祥はぽつりと声を発して行き、「そう書かれてたんですよ?」


  竜祥のまるで自分に向けては可愛くアピールしている姿を気にする事なく、軽く鼻翼に力を入れては真剣な眼差しを自分の右手にある携帯画面に向けている野黒新、竜祥がわざわざ自分を欺くためだけに作り話を考えては、ここまで自分と話をしてくるはずがないと思いつつ、彼が紡いだ一言にある単語を聞いてしまうと、どうしても現実味がないように思えては携帯電話に飽きれているような声を発して貰っていた、『魔剣って…』


  野黒新の戸惑っているような姿に軽く笑っては補足するようにと左手を胸元に当てながら言葉を紡いで行く竜祥、「使者を倒し、その魔剣を奪った奴が、」歯を噛んでしまう竜祥は揺るぎない視線を自分たちの事を見下ろしているような高らかな柱に向けては言葉を紡いだ、「神に挑む資格を得るのです。」竜祥の凛とした顔立ちで自分に向けて来ている言葉を耳にすると、自分はゲームでも遊んでいるのかと内心で疑問に思えては、竜祥が説明キャラにしてはとんでもないことをして来たように思えてしまう野黒新は軽く歯を噛んでは、自分が思っていることは多分シルエットに見られていて、そして自分にそう思わせるのもシルエットが現実を滅茶苦茶にしていたせいなんだと考えている彼は携帯電話に言わせて行き、『本気でゲームのつもりで俺たちを遊んでんな…』内心から脳内にこみ上げて来ている不満に苦しめられては軽く歯を噛んでしまう野黒新は竜祥の悲憤に満ちている眼光を向けていた、『あの自称神は。』


  野黒新が憤っている姿は普通だと思いつつ、彼がやはり自分と同じように自分たちの生活や運命を全てを悪い方向に向けて変えていた神に憤怒を覚えていることに嬉しそうに笑っては声を発していた、「ええ、」悔しさにコントロールされていたかのような左手を握りしめては柱に目を凝らしている竜祥はぽつりと声を発してしまい、「もちろん、柱に向かう人を全員倒すことになるんでしょうけれど、」自分が得ていた情報から神がわざわざ決めていたルールを分析している竜祥は軽く笑っては野黒新に目を向けていた、「大人しく手を組むより、御宅力を奪った方が、」神に神がしていた事の報いを味合わせてやろうと決意した竜祥は野黒新に向けては提案しているかのようにと左手の人差し指を立てていた、「神に勝つ可能性が高くなりますからね。」


  竜祥が既に最後の一日のことを考え始めている姿に彼は自分が最後まで生き残れることをまったく疑っていないように思えては、やはり彼は自分に加えていた人々のことより如何に神であるシルエットを倒すのかを優先する事を分かったような気がしている野黒新は右手にある携帯電話を弄っていた、『そうか、他に情報はないのか?』野黒新がまだ自分から情報を聞き出そうとしている姿に目を細めては、残念そうに首を横に振っている竜祥はぽつりと声を発して行き、「如何せん、他の情報を持っていないんだ。」


  竜祥の目を細めてはこれ以上自分に何かしらの事を言おうとしないでいる姿に目を細めている野黒新、軽く唾液を飲み込んでいる彼は自分は竜祥とは違っていて、神に復讐するより二人の安全を第一にしたいと思っては、竜祥は多分如何に普通の人を守って行けるのかという情報に興味がないのだろうと考えている野黒新は軽く右手の親指で携帯画面に滑って行き、『それじゃさよならって言うのはいささか人情に薄いと思うけど、』竜祥のまるで自分が彼に返す返事をとっくに分かっていたかのように目を細めている姿を見つめている野黒新は携帯画面にある赤いラッパのアイコンをタップした、『俺はそこまでして神に勝ちたいなんて思ってないから。』


  野黒新はやはり素直に自分と一緒に神に向かおうとしないでいることに安心を覚えていると同時に、少しばかり苛立ちを覚えてしまう竜祥は大袈裟なまでに眉毛を上げては、わざとらしく左手で唇を隠して行き、「それは何故だか教えていただけないだろうか?」竜祥の演技をしているかのようにと小首を傾げては自分にぱちくりして来ている姿勢に神経が逆撫でられているような気がしては、歯を噛んでいた野黒新は携帯電話に声を上げて貰い、『守りたい奴がいるんだからだ。』竜祥が彼が知っている情報を教えてくれて来た以上、自分も何かしらの事を彼に知らせないと申し訳なく思いつつ、自分が彼と一緒に行動しない理由を最低限に彼に知らせる責任があるように思えている野黒新、『情報を知らせてくれるのはありがたいけど、俺はただあの二人を守りたいだけであって、』携帯電話から聞こえてくる自分がかけていた言葉をぼんやりと聞きながらぽつりと唇を開けては息を吐き出している野黒新、『神に復讐したいのはお互い様だけど、俺は仲間を優先する事にした。』目をつぶっている竜祥が携帯電話から発する平然としている声を耳にしながら首を縦に振っている姿に歯を噛んでは、何を考えているのかが分からないけれど、何もかもを考えているようなオーラを醸し出しているような彼のことが好きになれないような気がしている野黒新は軽く一歩を引いていた、『だから違えたな。』


  「なるほど…」残念そうにぽつりと唇を開けては、野黒新が自分に従わない以上、素直に諦めるはずがないと考えている竜祥は自分がさっき久守に言っていた言葉と自分が測っていた距離はまさかこうも早く役立つ時が来るとはと思いつつ、野黒新が自分に向けて来ている警戒しているような眼差しを見ながら嬉しそうに笑っている竜祥は前屈みになっては左手を胸元に当ててしまい、「でも大丈夫ですよ、神はきっとすんなりと俺たちにしたいことをさせてくれないはずなんだから、」小首を傾げては真摯な眼差しを野黒新に向けて行く竜祥は微笑みながら言葉を紡いで行く、「気が変わったらいつでもここに来てください?」まるで自分ともうこれ以上関わりたくないと言いに来ているかのようにとまたしても自分から一歩を引いては自分に警戒する眼差しを向けて来ている野黒新の姿に苦笑いしてはゆっくりと背筋を伸ばしている竜祥は言う、「待ってますからね?野黒さん。」


  自分に微笑みかけては自分から離れるのを嫌がっているかのように切なげに眉をひそめている竜祥がしている奇妙な表情と、彼の嫌々と左手を上げては左右に振らしている姿をぼんやりと暗闇に浸食されていた琥珀色の瞳で映し出している野黒新は携帯電話に言わせてしまい、『気持ち悪い…って言ったらまずいか…』「ううん、」野黒新が素直に彼に媚びている自分の事を受け入れないと言いに来ていることに嬉しく思えては軽く首を横に振っている竜祥はぽつりと唇を開けて行き、「いいんですよ、君が野黒新なんですから。」そう言うと軽く左側の瞼を閉じていく竜祥。


  「うっ…」自分にウィンクを送って来ている竜祥の態度に喉が詰まらせているような気がしては思わず眉間に皺寄せてしまう野黒新は軽く歯を噛んでは唾液を飲み込んで行き、『それじゃさよなら。』宛ら自分の存在に狭まれているかのようにと急いで背中を自分に向けて歩き出している野黒新の姿を見つめている竜祥、口角を上げていた彼はゆっくりとピンク色の口角を上げてはぽつりと声を上げていた、「ええ、またいつか。」


  「追いましょうか。」忽然、自分の後ろから聞こえて来る自分に甘えて来ているような久守の声に目を細めては軽く首を横に振ってしまう竜祥はぽつりと唇を開けていた、「もう少し待っておいてくれ、」黒いシャツを着こなしていた野黒新の黒い影とかして行く姿を見つめながら彼が向かっている方向を凝視している竜祥は言う、「視野の中で消えないぐらいが丁度いいかな。」「うん…」」ゆっくりと竜祥の隣りまで歩いて来た久守は自分の両手を握っては赤い瞳を竜祥に向けてはぽつりと疑問に満ちている声を発してしまい、「でもどうしてそこまでして彼に執着するのですか?」小首を傾げている彼女は野黒新の背中姿から視線を離れようとしないでいる竜祥の顔を見つめながらぽつりと声を上げていた、「竜祥さまは。」

  

  「今はそれを君に説明する時間はないよ?」軽く口角を上げては野黒新が走らないでいる姿に僥倖に思いつつ、彼はもしかしたら大きな動きをしてしまうと、自分の事を見かける人や、影でこっそりと自分を見ている人に怪しまれるのではないかと懸念しているだろうと思ってはチラッと冷静を装っている野黒新から視線を久守に向けてしまい、「いいかい?」自分が彼女に向けて行く声を耳にしていた彼女は強く頷いては握っては、胸元の前に置いていた両手を下して行く久守の事を赤い瞳で映し出している竜祥は言う、「居場所が分からなくだっていい、自分が何故彼の事を追うのか、」目を細めては野黒新が遠くまで行かないかと懸念しては横目で彼の背中姿を追いながら声を上げている竜祥、「どうして後を付くのかを彼に知らさないことだ、」右手の人差し指を立ててはまるで自分の顔に視線を固定されているかのように煌めく星の如く潤んでいる瞳を自分に向けて来ている久守に微笑んでいる竜祥は言う、「ばれたら知らんぷりをしてもいいし、通り過ぎたふりをしてもいい。」


  竜祥が自分に顔を微かに近づいていたことに胸元の奥の鼓動が早くなっているような気がしている久守をごくりと固唾を飲み込んではぽつりと艶やかな口紅に淡いピンク色に染められていた唇を開けて行き、「それは分かってますけど…」軽く右手の人差し指で頬を掻いている久守はチラッと小さな黒い線となっていたかのような野黒新の背中に一瞥しては不安に思えてしまう彼女はぽつりと声を上げて行き、「彼は見えなくなっちゃいますよ?」


  久守が自分が彼女に下していた任務を上手く完遂出来るかどうかを心配になっている姿に目を細めては軽く左手をポケットに突っ込んでいく竜祥、「建物を利用するんだ、この周りでは建物が多いだろう?」軽く顎を上げている竜祥はまるで野黒新が進もうとしている道を決めていたかのようなシャッターで閉めていた店を見渡して行きながら声を上げて行き、「それを使って彼を観察高い場所を確保しておいてくれ。」横目で真面目に自分の話を聞いては首を縦に振っている久守を見ていた彼は真面目な表情を久守に向けて行き、「もし彼に威嚇されてたとしたら素直にさっき君に言っていた理由を教えてあげて?」野黒新と自分たちの間には人気がいない事を考えては、さっきでアジトの中で彼の聴覚を試していた時は人々が小うるさく自分に話をしていたせいで彼が上手く自分が彼の事を仄めかしていた言葉を聞き取れなかっただけであり、人気がなくなると彼の聴覚は間違いなく研ぎ澄まされるのだろうと思いつつ、帰り道で後を追われないのかと相手は警戒しているかどうかは分からない以上、細心の注意を払うべきだと考えている竜祥は久守の事を心配しているような眼差しを送りながら声を発していた、「絶対に君の体を守るんだぞ?」


  野黒新に携帯番号を聞いていないことに彼には自分の事をそこまで警戒されていなければ、久守に家の方向を特定して貰う事もばれないのだろうと内心で自分が考えていた策を吟味している竜祥は目を細めている。竜祥が繊細な左手の人差し指の指先が顎を擦っている姿と彼が自分に向けて来ていた一言に心臓が握りしめられているような気がしては、ごくりと固唾を飲み込んでいた久守は興奮気味になっては両手で頬を押さえてしまい、「うっは…!」猛然と背中を竜祥に向けては独り言を口にしているような彼女は楽しそうにピンク色の口角を上げてしまい、「竜祥さまが…わたしの体の事を…」胸元の奥の鼓動が早くなっては、耳元が心音に殴られているような気がしてならないでいる彼女は体を左右に振らしながら声を発していた、「心配してくださってりゅうう~」


  もしかしたら竜祥と上手く付き合っていけるような場面に、持っていけるのではないのだろうかと、勝手かもしれないが、お互いの間には、いい雰囲気なまでに仕上げられているような気がしている久守は、目一杯口角を上げては、竜祥に言い聞かせにいく、「ちなみに自分、好きな食べ物はブルーベリーのゼリーだったりするのですよ~?」漠然と他愛のない彼女の好物を自分に知らせに来るような久守の話に、目を細められているように感じては、適当に彼女の存在をあしらって行こうとする竜祥は言う、「しっかりと覚えておくとしようか。」野黒新の黒い点とかしては自分の視界から段々小さくなっている姿を見つめている竜祥はぽつりと声を上げて行き、「それじゃ、行ってをくれ?」


  忽然、背中から聞こえて来る竜祥の声に心が優しく撫でているような気がしている久守は猛然と彼に振り向いては背筋を伸ばしていき、「はい!」自分に向けては敬礼して来ている久守に目を細めてはニヤリと口角を上げて上げている竜祥は声を発していた、「期待してますよ?」強く両手を握っては左足を引いていた久守は揺るぎない視線を竜祥に向けては自信に満ちている声を発していた、「もちろんです!」ニヤリと口角を上げては竜祥に向けて右手の親指を立てている久守は猛然と足先に力を入れてしまい。


  ”シュー”忽然、宛ら風とかしていたかのように瞬く間に自分の目の前から消え去っては遠くにあるシャッターに閉められて店の上まで走っていた久守の華奢な背中姿を見つめている竜祥、目を細めている彼は周りに気を付けながら前進している久守の背中姿を見ては、つい彼女は自分の作戦を楽しんでは遊びだと思っているのではないかと考えてしまう彼、「さて…」飽きれているかのように軽く首を横に振っている竜祥は自分の右手に目を向けて行き、「彼女に野黒ちゃんの事を勧誘目的と言って追いに行って貰ったよ?」目を細めている竜祥は微かな悲しみが帯びている口角を上げては声を発していた、「そして近くには困っている人々がいないのかを見つけると言ってやったんだ、」ぼんやりと青色の空を見上げている彼は野黒新が久守が見つけて来ていた男の子と会話していた事を思い出すと、久守に教えていたのは野黒新にはぴったりな口実だと思っている。


  白皙の手の甲に視線を凝らしては、自分の空気に包まれていたかのような薬指を見つめている竜祥はぽつりと声を発して行き、「心配する必要なんてないんだ…」胸元の奥に過っていく久守が上手く野黒新の住所、或は彼が向かう場所を見つけられない事を考えてはぽつりと声を上げていた、「個人情報なんてあいつが見つからなくだっていいんだ、」小さな声を上げては独り言を言っているような竜祥は軽く息を吸いこんでは、自分の周りに人気がいないことを感じては久守が失敗していた時の事を考え始めている、「須賀に頼めた造作もないことだ、ううん、」声に合わせているような彼は目をつぶっては軽く首を横に振ってしまい、「今すぐに頼んでおこうかな?」左手を上げている彼は人差し指を立てて行きながら言葉を紡いでいる、「もし彼が帰る場所は彼の家ではないと言うのなら、」軽く歯を噛んでは唾液を飲み込んで行く竜祥はぽつりと渇いた唇を開けていき、「家で彼の事を待つか、そこから何かしらの情報を見出したり、」自分に言い聞かせているかのようにと左手の人差し指を左右に振らしている彼、「個人情報に合わせて、彼が一番行く可能性の高い場所を割り出したりとかも出来るんだよ?」軽く右側の口角を上げては、町にある監視カメラを調べても、野黒新のいる場所を割り出す事は可能だと思っては、野黒新を苦しめる作戦の第一歩は確実であることに嬉しく思えては興奮気味になっている彼は声を上げていた、「携帯電話のメールのやり取りだって、今にも手に入れられることなんだからさ。」

  

  須賀と彼が持っていた人脈がいる事を思うと、まったりと日差しに照らされている瞼を開けては狭まれいる視界の中で柱の事を見ないようしている竜祥は左手の手の甲で自分の視線を隠しながら小首を傾げていき、「聞こえるかえ?」軽く口角を上げては自分の左手に淡い笑みを見せている竜祥は言葉を紡いで行く、「小夜…」ぽつりと声に乗せていた彼女の名前を思うと、胸元が亀裂していたかのように軋むような痛みに鼻の奥が悲しみに麻痺されているような気がしてならないでいる彼は左手を見つめては揺るぎない声を上げていた、「俺は決してこの力を無駄にしたりなんかしないよ?」自分の左手を見つめている彼は中指と薬指の間にある隙間から遠くで全てを見下ろしている柱を目にしては、悔しさそうに歯を噛んで左手を握りしめてしまい、「御宅力強めの女を利用しては、」顎を上げている彼は遠くにある二人の背中姿に目を凝らしては、不敵な笑みを浮かべていたた、「ハイパー強化されてたの化け物をつるんだ。」強く鼻で笑ってしまう彼は流し目で柱の事を睨んでいた、眩しい太陽に照らされては微かに水色の光の粒を放っているような柱。ぼんやりと頭を上げては金色の瞳で柱の事を映し出している楽々花は詰まらなさそうに両手を後頭部に付けては自分の歩幅に合わせつつ、自分の右側で周りの事を警戒している斗奴雷に一瞥していた、「そこまで警戒する必要はなくないかな…?」


  左側から聞こえて来る楽々花のハスキーな声に視線を引っ張られては、青色のジーンズを穿いては青色のパーカーを着こなしていた斗奴雷は遠くにある柱の下で生えていたような木々から緊張しているような眼差しを彼女に向けて行きながら声を発している、「そういうわけにはいきませんよ…」目を細めている彼は眉毛に力を入れてはピンク色のベレー帽を付けては赤いオーバーコートを着ていた楽々花の事を見ながら声を発していき、「君は楽々花日芽なんだぞ?」


  斗奴雷が当たり前のように自分に向けて来ている一言に目を半開きさせては、つい苦笑いしてしまう楽々花は言う、「いや…だからさ…」飽きれているような彼女は急いでいるかのように森に視線を向けて行く斗奴雷の真面目な姿を目にするとつい怒れなくなっては淡い笑みを浮かべている彼女、「まぁ、言っている意味は分かるけど…」チラッと視線を自分に向けて来ては照れくさそうに笑っている斗奴雷に微笑んでいる彼女は軽く左手の人差し指で木々を指差していき、「ここは森で、」人差し指を引いては自分の左側にある深い黄色基調をしていた地面を親指で指差している彼女は言う、「こっちは空き地なんだぞ?」

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