第61話 皆仲良く来世はどんな人間になりたいのかを決めるのはどうだ?

  右ひざを座席に付けていた野黒新はチラッと自分の左側に座っては春菜が口にしている言葉に頭を引っ張られているかのように顔を後ろに向けている和流に一瞥してしまい。春菜が自分たちにも会話に入って欲しいとしている姿に軽く口角を上げては、自分に携帯電話を貸してくれていた白山にもクッキーを食べさせて見たいと思ってしまう野黒新はぽつりと声を上げて行き、「俺は別にいいよ?」「こーら、野黒くん?」忽然、自分の後ろから聞こえて来る教師の文句交じりの声に見開かされては慌てて視線を彼女に向けている野黒新、軽く歯を噛んでしまう彼は首を伸ばしては、静かに眠っていた白山の隣りに座っていた教師の顔を目にしてしまい。「席を換えって上げてたんだけど、」野黒新の怖がっているような顔を見てしまうと、軽く口角を上げている教師は声を抑えながら左手の人差し指を唇の前に当てて行き、「皆は疲れているから静かにね?」


  又しても教師に叱れてしまうんじゃないかと思っていた野黒新は彼女が自分に向けて来ていた柔らかい態度に安心を覚えては嬉しそうに声を上げていた、「はいよ~」「君…」野黒新が又しても教師にこっぴどく叱れてしまうんじゃないかと思っていた和流、今度こそ白野の前で自分たちを守ってくれていた野黒新のことを教師から守ってやろうと強く思っては、両手を握っていた和流は教師に叱れずに済んだ野黒新が自分に向けて来て戸惑っている表情を見つめてはぽつりと声を発して行き、「叱れていなかったのか?先生に。」


  「叱れてなかったな、」教師に叱れていないことが和流にも可笑しく感じている事に口角がくすぐられてはつい自嘲気味に笑ってしまう野黒新は左手の人差し指で頬を掻きながら声を発してしまい、「褒められることもなかったけど。」春菜のまるで自分たちのことを無視しているかのように白野に向けて彼女が作っていたクッキーを薦めている言葉をぼんやりと聞きながら琥珀色の瞳の中にある自分の事を見ている和流、「そう…?」チラッと視線を前に向けては教師が野黒新のことを見直していたような感情が込められていたかのような声色を思い出してしまう和流はぽつりと声を発して行き、「先生は嬉しそうだったのにな。」和流が自分に向けて来ていた一言に戸惑いながら小首を傾げてしまう野黒新はどうでもよさそうに声を発していた、「そうかな?」


  「大変だったんでしょ?迷子になるのって、」両手の上に乗っていたクッキーを白野に向けて出している春菜は白野の疲れ気味の表情を見ながら彼女にエネルギーを補充させたいと思っている、「だからクッキーを食べて元気になろう?」「うっ…」春菜が自分にクッキーを薦めて来ているせいで上手く両手で抱えていた箱と蝶々を彼女に渡すことが出来ずにいる白野、俯いては自分の両手で抱えていた箱を見つめてしまう彼女は気まずそうに両手で強く箱を握ってしまい。


  ぼんやりと自分の右側で会話しては、座席越しで聞こえて来る和流と野黒新の抑えている声を聞きながら、白野の両手にある箱に目を細めてしまう春菜は軽く笑っては彼女に向けて小首を傾げて言う、「綺麗な蝶々なんだね。」「あ…」春菜がようやく自分の両手にある箱に封じられていた蝶々について尋ねて来ていることにビクッと眉毛が跳ねては嬉しそう笑っている白野、「う、うん…!」軽く鼻翼に力を入れては強く頷いている彼女は春菜の戸惑っているような顔を見つめながら両手にある箱を彼女に向けて出して行き、「こ、これはお詫びって言うか…」小首を傾げては困っているように眉をひそめている春菜の顔に一瞥していた白野、「ほら、」申し訳ない気持ちに苛まれては軽く唇を噛んでしまう彼女は言う、「あたしのせいであんたが病院送りになっていたんじゃない?」


  白野が口にしていた言葉に見開かされてはついぱちくりしてしまう春菜は自分の両手に乗っていたクッキーの包みを左側に向けて置いて行きながら真っ直ぐな眼差しを自分に向けて来ている深いピンク色の瞳を見てしまい、「まだあれの事を気になっているのか…雫ちゃんは。」春菜が自分に向けて来る淡い笑みに目を細めては、彼女が気にならなくとも、彼女を病院送りにしていたのは自分だと思っている白野はぽつりと唇を開けてしまい、「だって…」


  「あれは私の自己責任よ?」左手を胸元に当てている春菜は微笑みながら自分の言葉に眉毛を上げられている白野の顔を見つめては言葉を紡いで行き、「何度も言ってたでしょ?」白野が自分に向けて出してくれていた蝶々に一瞥してしまうと、彼女はもしかしたら自分の為にわざわざ蝶々を捕まえに行っていたのではないかと思いながら声を上げてしまい、「決断していたのは私なんだからさ?」


  春菜の自分の事を最初から間違っていなかったと言ってくれている言葉を聞く度に胸元の奥が温かくされては、口角が斜め下の方向に向けてしまう白野、春菜が自分は間違っていないと教えてくれればくれるほどに、自分はこんなに優しい女の子を危うく世の中からいなくなっても可笑しくない提案をしていた事に苦しめられている白野、「うう…」白野の悩んでいる姿に目を細めては軽く口角を上げている春菜はゆっくりと両手を彼女の肩に向けて行きながら声を発してしまい、「だから最初から許すもなにも何てないのよ、」


  白野の微かに赤くなっている頬を覗き込んでいる春菜は言う、「あなたは私に負い目を感じることなんて一つもないのよ?」春菜の優しさに体が包まれているような気がしてしまう白野、目を細めている彼女はぼんやりと自分の顔を映し出してくれている緑色の瞳を見ていた、「春菜ちゃん…」こっそりと二人の会話を聞いていた野黒新は二人が和解していた事に微笑みながら、白野は春菜に何を提案していたのかが気になり始めている、軽く腕を組んでしまう彼は眉をひそめながらチラッと自分の右側に座っては、もったいぶっているかのように小説を読み始めている和流の真面目な横顔を見ては、彼の邪魔をしたくないと自重していた。

  

  白野に屈託のない笑みを見せている春菜は軽く視線をまるで自分を見上げて来ているような蝶々に向けて行き、「この蝶々を掴むせいで、」緑色の瞳で羽ばたいている蝶々の事を映し出している春菜はゆっくりと視線を自分と目線を合わせようとしないでいる白野に向けている、「迷子になってたんだね。」「うん…」軽く首を縦に振ってしまう白野は苦笑いしながら春菜に目を向けて行き、「ほら、今朝、あんたは蝶々が綺麗って…」自分がぽつりと口にしていた言葉に見開かされている春菜の顔を見つめていた白野は照れくさそうに彼女から顔を逸らしてはぽつりと声を発して行き、「だからこれをお詫びにしてたらあんたは喜ぶんじゃないかな…なんて、」軽く俯いては自分の両手にある箱を見つめている白野は呟くように声を発して行き、「そう思っててさ…」


  白野が自分に向けて説明して来てくれていた言葉に目を細められてしまう春菜、彼女の繊細な両手に抱えられていた箱が非常に重たく感じてしまう春菜はぽつりと呟いて行き、「そんなことがあったなんて…」チラッと自分の話に同意して来ているように首を縦に振っている白野に一瞥した春菜は申し訳なさそうに合掌しては白野の顔を覗き込んで行きながら声を発していた、「ごめんね…?」切なげに歯を噛んでしまう春菜は左手を胸元に当ててはぽつりと声を上げていた、「私のせいだよね?」


  「い、いえ!」大慌てで春菜の自責している言葉を否定している白野は背筋を伸ばしては鼻翼に力を入れて行き、「あたしが勝手にやろうと思って、やっていたことなんだから、」左手を箱から離れては強く握ってはガッツポーズをとっている白野はひそめている細い眉毛の下にある潤んでいる緑色の眼を見つめては声を発していた、「春菜ちゃんはまったく、これっぽちも悪くなんてないのよ!?」白野が自分に向けて来ている言葉に口角がくすぐられているように感じてしまう春菜、軽く左側に置いていた包みを手に取っている彼女は横目で自分の返事を待っているような白野の事を見つめては声を発していた、「分かってくれる?」


  「分かる、」迷わずに首を縦に振っては揺るぎない視線を春菜に向けている白野は声を発して行き、「あんたは間違っていない、この件は初っ端からあたしのせいなんだって。」白野のまだ自分の意向を理解してくれないでいる姿勢に目を半開きさせてはつい苦笑いしてしまう春菜、「だから、」軽く左手にある包みを握っては右手で透明な箱に当てて行く春菜、「私もそうなんだよ?」宛ら蝶々を愛でるかのように箱を擦っている春菜は自分が紡ぐ言葉に眉毛を上げられている白野の表情を見つめては心に秘めている言葉を声に乗せていた、「雫ちゃんはまったく悪くないんだし、」淡い笑みを浮かべながら緑色の瞳であんぐり口を開けては絶句している白野の顔を映し出している春菜、「むしろ上手くあの件を解決してくれてた策をくれてたぐらいなんだからさ?」春菜が自分に向けてくれていた一言に心がくすぐられては恥ずかしく思えては、照れくさに項垂れて行く白野は渇いた唇に力を入れて行き、「うう…」


  ぼんやりと腕を組んでは座席の背の向こう側で否応なしに聞こえて来る白野と春菜の話に目を半開きさせては、思わずため息をつきたくなっている野黒新は飽きれているかのように左手で額を擦りながらゆっくりと右ひざを温かく柔らかい座席に付けて行きながら二人のお互いに遠慮している姿勢を見ながらぽつりと声を発して行き、「何なんだ…お前ら…」宛ら自分のため息交じりの言葉に視線を奪われているかのように自分に目を向けて来ている二人の顔を見てしまう野黒新は両手を軽く上げながら飽きれているかのような声を上げている、「謝ったから限定ものが手に入れるってわけじゃあるまししさ…」


  野黒新が二人の謝り合っていた姿を揶揄していた一言に口角がくすぐられては、まったりと自分の両手にある小説を閉じていく和流はゆっくりと座席から臀部を離れて行きながら流し目で白野と春菜のことを見てしまい、「仲良しだな…」和流が自分から春菜に視線を向けては彼女の照れくさに笑っている姿に視線を固定している姿に不満を覚えてはつい軽く唇を噛んでしまう白野、軽く鼻翼に力を入れている彼女は強く左手の人差し指で和流の事を指差しては大きな声を上げていた、「あ、あんたは黙ってて。」


  白野のまるで自分を叱って来ているような一言に見開かされてはぱちくりながら歯ぎしりしている彼女の深いピンク色の瞳の中にある自分の顔を見てしまう和流はぽつりと弱っている声を上げていた、「何で僕だけ…」春菜と野黒新の目の前で和流にもっと自分の事を多く見て欲しいと言えないでいる白野、和流の困っているような姿を目にすると、自分に不満を覚えては軽く歯を噛んでいる白野はぷいと首を横に向けて行き、「ふん!」


  右手を上げては後頭部を擦っている和流の困っている顔とぱちくりながら白野と和流の間の関係をどうやって取り戻すのを必死に考えている野黒新の腕を組んでは右手で顎を擦りながら眉間に皺寄せている姿に目を細めては、微笑んでしまう春菜は軽く右手の人差し指を立てては声を発していた、「こらダメだぞ雫ちゃん、」宛ら自分が彼女に向けていた叱咤する意味合いが込められていたニュアンスに顔を引っ張られているような白野の驚かされては、自分に何かがあったのかと聞きにきているような深いピンク色の瞳を見てしまう春菜は軽く笑っては両手でピンク色の包みを握ってはチラッと俯いているような和流に一瞥しては、ニヤリと口角を上げて行き、「秋人くんは新があなたのことを探しに行く時に滅茶苦茶緊張していて、」自分の話にあんぐり口を開けられている白野にゆっくりと近づいて行きながらもったいぶっているような春菜は右手で自分の右頬を隠しながら声を抑えている、「不安なんだからね?」


  「えっ?」潤んでいる緑色の瞳の中にある自分の驚愕の姿勢に戸惑ってはつい目を自分と同じように春菜が紡ぐ言葉に見開かされている和流に向けている白野。「ほほ…」軽く腕を組んでは頬が紅潮している白野と和流の事を交互に見ながら、頬から右手を下しては自分に向けてサムズアップしている春菜に返事をするかように彼女に向けては屈託のない笑みを見せている野黒新は右手の親指を立てていた。


  「うっ?!」自分の隣りで聞こえて来る野黒新の意味深な声に歯を噛んでは恥ずかしさに体を焼かれているような思いをしている和流は慌てて両手を前に向けて出して行き、「ちょっ!」和流の自分より先に取り乱している姿を見てしまうと、彼はやはり自分の事が気になっていたんだなと知れてしまう白野、和流の赤くなっている耳殻に目を細めては軽く首を縦に振りながら声を上げている彼女、「へ~?」左手で箱を握っては右手の人差し指を頬に付けて行く白野は流し目で和流の事を見ながら声を上げて行き、「秋人があたしの事をね~?」


  「うん、」白野の元気になれては自分に感じている申し訳ない気持ちが恥ずかしさと嬉しい気持ちに隠されている姿を見ながら軽く頷いている春菜、「そうだったんだよ?」右手で唇を隠してしまう彼女はニヤリと口角を上げてたまま左肘で和流の事をからかっているように彼の横腹を突いている野黒新から和流に目を向けてしまい、「多分今も何だろうけど~?」白野本人の前で自分が滅茶苦茶彼女のことを心配しているのに、彼女のことを探しに行っていなかった事を知らされたら、彼女が思わなくとも、迷っていた自分より野黒新の方がよっぽど男前で、彼と比べられてしまう自分はとんでもないに小さくなっているような気がしている和流、「ううう…」


  和流の悔しそうに上げている唸り声を聞きながらチラッと視線を俯いては、彼の恥ずかしい気持ちにつられているかのようにピンク色の唇を噛んでは、声を上げようとしないでいる白野に一瞥していた野黒新、「ああ、」猛然と右手を胸元に当てては左手を上に向けて伸ばしている野黒新は軽く首を横に振りながら感動しているような声を発していた、「白野、どうしてお前は白野なの~」野黒新の自分たちのことをからかいに来ている態度に目を半開きさせてしまう和流は軽く歯を噛んでは、意趣返しするように軽く握っている左手で彼の横腹を殴って行った、「何それっぽく言っているのよ…」


  和流に軽く殴られている野黒新は屈託のない笑みを浮かべては左腕で彼の項を抱えている姿を緑色の瞳で映し出している春菜、「ほら、」微笑んでいる彼女は大事そうに野黒新に食べて見たかったクッキーを包んでいた包みを抱えては嬉々とした声を発して行き、「仲直りっていうのは変だけどさ、そう言う雰囲気っぽいじゃない?」春菜が紡いだ言葉にやけに納得している野黒新は腕を組んでは何度も首を縦に振って行き、「っぽいな、確かに。」まるで自分にそれがどうしたのかと聞きに来ているような白野と和流の視線に口角がくすぐられているように思えてしまう春菜は両手をかざしては元気に満ちている声を発していた、「パーティーを開いてみようよ。」


  春菜のまるで太陽のように自分たちのことを照らして来ている姿に戸惑いながら小首を傾げてしまう白野、「はい…?」白野のまるで自分の心境を代弁してくれていた言葉を補足するような和流は彼女同様に小首を傾げながら声を発していた、「どうやって…?」赤くなっている笑窪を和流と野黒新に向けて行く春菜は軽く両手でピンク色の包みを握っては言葉を紡いでいた、「クッキーで乾杯だよ~」


  ぼんやりと春菜がパーティーを開き方を聞いていた野黒新は目を半開きさせてはぽつりと呟いていた、「子供が乾杯とかしない方がいいんじゃ…?」「ほらほら、」急いでいるかのように包みにある赤い帯で結んでいたリボンを解して行く春菜は野黒新に向けて包みを差し出して行きながら声を発して行き、「早く私がお母さんから学んだクッキーを食べて食べて?」小首を傾げている彼女はぼんやりと包みの中からクッキーを取り出している野黒新から包みを和流に向けて行き、「感想を聞かせて?」軽く頭を下げては自分にお礼を言ってきているように右手でクッキーを握っている和流に屈託のない笑みを見せては、急いで包みを白野に向けている春菜は言う、「ほら、雫ちゃんも。」


  和流のぼんやりとクッキーを見つめながら口に入れて行く姿に一瞥しては、春菜がいつも自分たちの間で仲を直しってくれて来たんだなと思ってはつい目を細めてしまう白野は手にある透明な箱を隣りに置いて行きながらピンク色の包みの中から小さな鹿をモチーフにしていたクッキーを手に取ってはぽつりと声を上げていた、「うん…ありがとう…」繊細なピンク色になっていた指先で微かに硬く感じてしまうクッキーを握っては口角を上げている白野はゆっくりと渇いた唇を開けて行きながらクッキーを口に入れている。


  軽く粉雪のような白い歯に当てていたクッキーはまるで照れているかのように歯を包んでは小さな甘い片鱗と化かしては湿っている舌を撫でて行き、目を細めている白野はぼんやりと自分の右手にある一口を齧られていたクッキーを見ながらぼんやりと黒い食卓の隣りに座っては、ソファーに腰を下ろしては真剣な表情を左手で握っていた携帯電話に向けている和流に一瞥してしまい、心臓が柱のせいで震わせている感覚に慣れるほかないと知りながらも、額から滲み出ている汗の粒の感覚に苛まれては、和流が真面目に集めている情報が気になりつつも、軽く視線を自分の後ろに向けて行く彼女。


  軽く冷蔵庫に左手にある食糧を入れていた野黒新はチラッと自分に懸念しているような眼差しを送って来ている白野に一瞥しては、軽く口角を上げている彼は左手をポケットに突っ込んで行きながら白野に向けて歩いて行き、『心配することないよ、』左手にある携帯電話に表示されていた赤いラッパのアイコンをタップしていた野黒新は右手から星の包装に包まれていたロリポップを取り出しながら白野のもとまで歩いて行き、『何とかなる…って言うか、』携帯電話から発している微かに困っているような声を聞きながら右手にあるロリポップを自分の顔に視線を奪われていた白野に向けて行く野黒新。


  「凄いなあんた…」ごくりと唾液を飲み込んでは自分の渇いた喉に潤いを与えていく白野はぱちくりながら野黒新が自分に向けて出していた右手に見開かされてはぽつりと渇いた唇を開けて行き、「これを買って来れたの?」宛ら暗闇に飲み込まれていたかのような琥珀色の瞳で自分の顔を映し出しながら軽く首を縦に振っている野黒新の右手からロリポップを受け取っている白野、右手にあるロリポップに感動を覚えてしまう彼女はぽつりと声を発していた、「滅多に見かけないと言うのに。」宛ら白野が唇から漏れていた言葉に視線を奪われているかのような和流に一瞥した野黒新、目を細めている和流の自分と視線を合わせるのが嫌がっているみたいに急いで視線を逸らしている姿に目を細めては、彼は自分を頼っていることに自責しているのだろうかと思いつつ、軽く左手で携帯画面を弄っていた野黒新、『まぁな、お前が喜ぶかな、なんて思っててさ。』


  嬉しそうに口角を上げては輝いている星が凝縮していたかのようなロリポップを口に入れて行く白野の仕草に目を細めては軽く笑っている野黒新は冗談交じりの言葉を携帯電話に代弁して貰っていた、『皆仲良く来世はどんな人間になりたいのかを決めるのはどうだ?』口内で広がっているまるで心を満たせるほどの甘い味に幸せを覚えては、携帯電話から聞こえて来る平然としている言葉に目を半開きさせている白野、「笑えない冗談…ではなくて…」自嘲気味に笑っては視線を自分の足元に向けて行く彼女はぽつりと声を発して行き、「本当のことになるんだよね…」


  白野の憂いに侵されている横顔に眉毛を上げられては、体が彼女の微かに悲しんでいるような眼に奪われている和流は彼女の為に何とかしてあげたいと切に思いつつ、額にある汗の粒の感覚に苛まれては、野黒新がいても何とか出来ない事が、自分には到底出来ないのだろうと思っては悔しそうに歯を噛んでしまい。宛ら自分に何かしらの打開策を言えるのではないかと期待しているような眼差しを自分に向けて来ている深いピンク色の瞳は残酷のように思えている和流、軽く汗に濡らされていた鼻翼に力を入れては切なげに項垂れてしまう彼はぽつりと渇いた唇を開けてしまい、「ああ…多分な…」


  和流に宣告されていた一言に打ちひしがれているかのように苦しそうに項垂れてはロリポップを噛んでいた白野に目を細めては、和流が言う通りに、出鱈目な神を相手にしては、分が悪いと思いつつ、自分にはどうにかできる問題じゃなくとも、ただでさえ柱の影響のせいで体が衰弱している二人に辛気臭い雰囲気に追い打ちをかけられたくないと切に考えてしまう野黒新、『冗談…のつもりは半分しかないんだけど…』二人に心配して欲しくないと思ってしまう野黒新は自分に縋って来ているような二人の眼差しに向けてはとっくに元気を無くしてた口角を上げては言葉を紡いでいた、『何とか頑張って二人に生き残らせたいけど…』困っているような彼は右手で後頭部を擦りながら携帯電話に残していた言葉をぼんやりと耳にしている、『あの神は碌な情報をくれてないもんな…』


  野黒新が自分たちのことを助ける為に困っているような姿を見つめては未来への絶望に苦しめられ、猫背になっていた白野は軽く背筋を伸ばしては両手を伸ばして行き、「二人じゃなくて、」口内で広がっているロリポップの自分に元気を分けてくれているような感覚に目を細めては、汗ばんでいる両手で野黒新の頬に触れている白野は眉毛が微かに上げていた彼の瞳に飲み込まれていたかのような自分の事を見つめながら声を発している、「あんたもちゃんと生きなさい?」白野のやけに冷たく感じている両手の手のひらにある汗の粒の感覚に歯を噛んでしまう野黒新、柱のせいで彼女と和流にこんな苦しい思いをさせていたことを思ってしまうとつい柱のことを許すことがますます無理だと思えてしまう野黒新、チラッとまるで自分のことを羨むような眼差しを向けて来ている和流の携帯電話を握りながら、携帯電話を見ている振りをしつつ頬が白野の白皙の両手に触れられている自分を見て来ている姿に口角がくすぐられているように思えてしまう野黒新。


  野黒新の寒風に苛まれていた冷たく感じてしまう頬を両手で温めて上げたいと思ってしまう白野は小首を傾げながら彼に言い聞かせて行き、「勝手に犠牲になったら許さないんだからね?」軽く繊細な眉毛をひそめては自分の事を本気で心配してくれている白野の態度に目を細めては、自分が生きる価値が見出せることが出来なくなっていた野黒新は、彼女と和流の為に犠牲になるのもやぶさかでないと思いつつ、軽く口角を上げている彼は携帯電話に言わせていた、『あいよ。』


  野黒新の少し上げている口角に目を細めては微笑みながら首を縦に振ってしまう白野、「うん、」チラッと視線を階段に向けて行く彼女は小首を傾げながら野黒新に尋ねてしまい、「それじゃ休んで来て?」宛ら自分にどうしてそんな質問をするのかと聞きに来ている野黒新の呆然としている表情に微笑んでは両手を彼の頬から離れていく白野は軽く左手の人差し指を立てては言葉を紡いだ、「外で食料調達をして来たんだから、疲れてたんでしょ?」白野が野黒新に向けて行く気遣いに目を細めては、悔しそうに軽く歯を噛んでしまう和流は内心で勝手に白野に心配されている野黒新のことを嫉妬していることに苦しめられては強く目をつぶっては、白野の為に情報集める以外のことを出来るだけ考えないようとしている。


  『俺は全然だよ、』軽く左手を上げては白野の額にある汗の粒を拭いて行く野黒新はチラッと歯を噛んでは微かに震えている両手で強く携帯電話を掴んでいる和流に一瞥しては携帯電話に自分の代わりに声を発して貰っている、『お前らこそ、柱の影響で苦しい思いをしているんだろ?』ゆっくりと自分に目を細めては微笑んでいる白野に言葉を向けている野黒新は携帯電話から発する声に合わせているかのように小首を傾げている、『休んでもいいんだぜ?』


  軽く口の中にあるロリポップを左手で握っては右手を自分が穿いていたジーンズに置いて行く白野はぽつりと声を発してしまい、「あたしはいいよ…」苦笑いしてしまう彼女は自分たちの為に色々してくれている野黒新もまだ眠っていないと言うのに自分が休む資格なんてないと思っては右手の人差し指で頬を掻きながら困っているような視線を自分の事を見下ろして来ている野黒新に向けては言葉を紡いでいた、「そこまで疲れていないんだしさ。」

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