第18話あたしにとっては一大事なんだからね!?

  ぼんやりと左手で宿題を握ってはランドセルの中に入れて行く和流の横顔を見つめている白野、「え?!」白野のことを連れて行かないと言っていた和流の言葉に見開かされている春菜はぱちくりながら彼に尋ねてしまい、「いいの?」「あ、あたしも連れててよ!」猛然と膝裏で椅子の縁を退かしている白野は猛然と立ち上がっては右手を胸元に付けてしまい、「仲間はずれはやなの!」


  横目で白野のことを見ている和流はゆっくりと横になっていたランドセルを机の上に立たせながら白野に言う、「でも新の事は気にしないって、言ってたじゃん?」和流が自分の事を薄情な奴だと思っている事に苛立ちを覚えている白野は眉間に皺寄せながら声を上げている、「気になるに決まってるんじゃんか!」


  白野もやはり自分たちと同じように野黒新の事を心配しているんだと言う事を知れてしまうと、軽く口角を上げている春菜はゆっくりと自分のランドセルに童話を入れて行く。「ただ…」眉間に皺寄せている白野は軽く自分の人差し指を突きながら肩を縮めてしまい、「あんたにとってのあたしの方が…少し…」右手の人差し指と親指をくっついては目を細めて、自分の話を聞いてくれている和流にジェスチャーしているような彼女は言う、「ほんの少しだけ!」真剣な深いピンク色の瞳を彼に向けている彼女は強く胸元に付けていた左手を握っては彼に言う、「彼のことより気になっていてさ…?」


  白野が自分がさっきさり気なく言っていた言葉をここまで気にしていることを見てしまうと、つい申し訳ない気持ちになっている和流、「まぁ…」項垂れては右手の人差し指で熱くなっている頬を掻いている彼はチラッと両手を強く握っては自分の言葉を待っているような白野に向けては言葉を紡いだ、「わがままだけど、傍にいてやるよ?」


  「本当に?」和流の言葉に軽く左側の眉毛を上げていた白野、思わず前のめりになっている彼女は赤い糸に苛まれている無垢な瞳を彼に向けながら尋ねてしまい、「仲間はずれしない?」「しないよ、」白野の弱っている姿を見てしまうと、右手を上げては軽く彼女の汗ばんでいたかのようなピンク色の髪の毛を撫でている彼は微笑んで言う、「君が行きたくないって思ってただけだ。」


  「えへへ…」和流の手のひらの柔らかさと温もりに心がくすぐられてはつい嬉しそうな笑みを零していた白野、「嬉しい…」ぽつりと唇を開けていた彼女はチラッと自分の反応に恥ずかしくなっては視線を逸らしている和流のことを見上げては言葉を紡いで行く、「ありがとう…」白野の小動物のようなリアクションの心が握られているように感じている和流、彼女のことを見ないようしている彼はぼんやりと向こう側にある本棚に視線を向けてはチラッと横目で彼女の事を見て言う、「素直になるときは可愛いのにな。」


  「う、ううう…!」和流が紡いだ言葉を聞いてしまうと、まるでさっきまでの自分は素直じゃないと言っているような事に不満を覚えつつ、彼が自分のことを可愛いと褒めてくれていた一言に目を細めては嬉しそうに笑っている白野は軽く首を縦に振っていた、「うん…」赤いランドセルを背負っていた春菜、二人のやり取りを見ていると心が穏やかになれているように思える彼女は二人の事をからかっているかのように声を上げている、「仲良しさんだね?」


  白野のことを見つめては春菜の存在を忘れて仕舞った和流、春菜が上げていた楽しそうな声にビクッと眉毛が跳ねては急いでいるかのように白野の頭から右手を退かしている彼は言う、「ま、まぁ、おばちゃんにこいつのことを任されたので。」和流が春菜の存在に気がついていたせいで自分の頭を撫でてくれないでいる事に不満を覚えては唇をすぼめている白野は悔しそうに歯を噛んでは唸り声を上げている、「うう…」

  

  白野のまだ和流に甘えたいと思っている視線に微笑んでいる春菜、「じゃ、私が新のところまで案内しようかな、」両手でランドセルの帯を握っている彼女はもう少しで野黒新に会えるとこっそりと彼の自分たちに驚かされるリアクションを考えながら、彼に会うのを楽しみにしている彼女はゆっくりとスライドドアに向けては歩き出している、「何回も行ったことがあるのでね~?」声がまるで主人の気持ちを代弁しているかのように軽く跳ねていた春菜。

 

  春菜の嬉しそうに笑っている姿につられているかのように急いでスライドドアに向かって歩いて行く彼女の背中姿を見ながら微笑んでいる和流、「うん、頼むよ。」左手でランドセルの帯を握っていた彼は軽く首を縦に振ってしまい、「ほら、」ゆっくりと視線をぼんやりと両手を太股の上に置いては自分の事を見上げている白野に向けている和流は言う、「ぼさっとしてないで、ランドセルを片付けてて?」ゆっくりと左手をランドセルの帯を通していく彼は微笑みながら深いピンク色の瞳が赤い糸に苦しまれている白野に向けて言う、「待っているからさ?」


  「う、うん…」和流が浮かんでいた屈託のない笑みに心が温かくなれているように感じている白野、俯いてしまう彼女は軽く両手で胸元を握っては目を細めてしまい、「なんか…」眉をひそめている彼女は軽く額を上げてはチラッと和流の顔を見上げてしまい、「わがままだったらごめんね…?」


  鼻声で言葉を紡いだ白野に目を半開きさせている和流、軽く鼻で息を吐いて仕舞った彼は軽く首を横に振りながら横目で彼女の事を見てはぽつりと声を上げていた、「また何かを言い出すのかよ…」和流のまるで自分の態度に飽きたかのような姿勢にビクッと左側の眉毛が跳ねて仕舞った白野、「べ、別にそんなことじゃないよ…」不満そうに唇をすぼめている彼女は眉をひそめながら俯いてしまい、「ただ…あたしはわがままだと思ってなかったから…」軽く自分の人差し指を人差し指で引っかかっている白野は申し訳なさそうに額に皺を寄せてはぽつりと声を上げていた、「あんたの気を悪くしてたら…ごめんね…?」


  白野の眉をひそめてはまるで自分の一言で再び涙を零してしまいそうなぐらいに潤んでいる深いピンク色の瞳を見ている和流、「いや…」頬が熱くなっては心臓が強く鼓動を刻んでいるように思える彼、恥ずかしさに苛まれてはつい白野から目を逸らしてしまい、「そんなに気にしていないよ、」軽くピンク色の口角を上げては渇いた唇を開けている彼はぼんやりと自分の姿を映し出してくれている深いピンク色の瞳を見つめて言う、「僕は。」繊細な眉毛を上げている白野、和流が自分に微笑んでくれている表情をもっと近くで見たいと願ってしまう彼女はつい椅子から臀部を離れては両手を握って胸元に当てて言う、「本当?」


  白野のまるで自分の顔に視線を固定されて仕舞ったかのようなリアクションに心の奥が温かい漣が起きているように思える和流、「うん。」「えへへ…」和流が自分の事を受け入れてくれる事を思ってしまうと、心が弾んでいるように思える白野はつい嬉しそうな笑みを零してしまい、軽く両手を握っている彼女は眉間に皺寄せながら和流の事を見つめて言う、「で、でも別にそんなにいっぱい食べてないからね…!?」


  「えっ…」白野の潤んでいる瞳が向こう側にある本棚の上にあるガラスを通っては、彼女のピンク色の髪の毛を照らしている日差しに輝かせているように見えている和流、苦い笑みを浮かべている彼はぱちくりながら右手の人差し指で頬を掻いてしまい、「まだそんなことを気にしてんのかよ…」


  「なんだよ!」和流のまるで自分がいっぱい物を食べる事をどうでもよく思っているようなリアクションに苛立ちを覚えては強く両手を握っている白野、「そんなことって!」猛然と右手を胸元に当てている彼女は和流の顔を見つめながら声を上げていた、「あたしにとっては一大事なんだからね!?」


  白野がやけに怒っている原因を見つけ出したと思っている和流、左手で強くランドセルの帯を握っている彼は自分が白野の事を泣かして仕舞った事に申し訳なく思っては思わず項垂れてしまい、「まぁ…僕はただいっぱい食べている君のことが、」ごくりと固唾を飲み込んでいた彼は恥ずかしさを耐えながらぽつりと呟いていた、「可愛くて元気だなって…」苦い笑みを浮かべている彼は白野に自分の事を許して欲しくなっては軽く額を上げて、彼女の顔を覗き込んでは言葉を紡いで行く、「そう思ってたからそう言って来たんだけだよ…」和流が上げていた弱っている声にビクッと眉毛が跳ねて仕舞ったように思える白野、「え?」


  白野の驚かされている姿を見てしまうと、気まずそうに彼女から視線を逸らして仕舞っては右手で後頭部を擦っている和流は言う、「気を悪くしてたら…」眉をひそめている彼は軽く白野に向けては頭を下げてしまい、「ごめんな。」「う、ううん…!」大慌てで首を横に振っている白野は和流の顔を見つめながら強く両手を握ってしまい、「ぜ、全然だよ!あたしの方こそ…」軽く粉雪のような白い歯を噛んでいる白野は照れくさそうに和流から視線を逸らしてしまい、「なんか…分かって上げられなくて…」チラッと潤んでいる深いピンク色の瞳で彼の事を見ている彼女はぽつりと声を上げていた、「ごめん…」


  白野が素直に自分に謝って来ている事に見開かされている和流は大慌てで右手を上げては左右に振らしてしまい、「いや…僕の方こそ…」「ううん…」和流が慌てている姿がやけに可愛く見えている白野、自分だけを見つめて来ている彼の慌てている黄色の瞳に口角がくすぐられているように思える彼女はぽつりと声を上げて行き、「可愛いと思うのなら…」軽く左手で熱くなっている左頬を押さえている彼女は横目で彼の事を見ながら声を上げていた、「言ってもいいんだぞ…?」白野のハニカムかのように艶やかな唇を噛んでいる姿がやけに可愛く感じている和流、ごくりと固唾を飲み込んでいた彼はぼんやりと首を縦に振りながらぽつりと声を上げていた、「う、うん…」


  和流の紅潮している頬をぼんやりと見ている白野、口角が自然と上がっている彼女は嬉しそうな笑みを零していた、「えへへ…」宛ら彼女の笑みに心が温かくされているように感じている和流はつい笑みを零してしまい、「えへへ…」スライドドアのもとで立っていた春菜、ランドセルの帯を両手で握っていた彼女は二人の赤くなっている頬とお互いと視線を合わせようとしないでいる姿勢を見ながら嬉しそうに口角を上げている、「ラブラブだね?」


  忽然、スライドドアの前に立っていた春菜が紡いだ一言に見開かされては彼女の存在に気がついていた和流、あんぐり口を開けていた彼は大慌てで首を横に振っては大きな声を上げている、「ち、違うし!ほら、」春菜にからかわれて仕舞った事に恥ずかしさを覚えている和流は軽く視線で机にある白野のランドセルを指して言う、「ランドセルの中に宿題を入れて、あいつの家に行こう?」和流が春菜の一言を聞いていた時に大慌てで否定していた事に不満そうに唇をすぼめている白野、「うん…」軽く右手を伸ばしては宿題の前にあるランドセルを握って行く白野はぼんやりと春菜に目を向けてはチラッと視線を扉に向けて行き。


  ベージュ色のドアに目を細めている白野は軽く両手でランドセルの赤い帯を握っては強く鼻翼に力を入れてしまい、ごくりと固唾を飲み込んでいた彼女は段々加速している心臓の鼓動のせいで否応なしに自分は緊張しているんだと知れているように感じつつ、チラッと自分の左側で立っていた和流に目を向けている彼女、宛ら自分と同じように緊張している表情が強張っては呆然と額を上げて、まるで自分たちの事を歓迎して来ているかのような三角の屋根を見上げている。


  汗ばんでいる両手をランドセルの帯から離れている白野は呆然と夕陽に照らされている屋根から視線を和流に向けていた彼女は恐る恐ると彼に尋ねてしまい、「ど、どうする…?」ぱちくりしている和流はゆっくりと顎を引いてはドアの前に立っていた春菜の背中姿に一瞥してしまい、宛ら自分たちに伺って来ているかのように小首を傾げては戸惑っているような表情を浮かんでいる春菜の顔を見ている彼はぽつりと声を上げていた、「どうするって…」引き攣っている左側の口角を上げては白野のことを見ている彼はぽつりと声を上げていた、「ベルを鳴らすほかあるまい…?」


  和流が紡いだ言葉に右側の眉毛を上げている白野、和流の潤んでいる黄色の瞳から自分に向けて来ている揺るぎない視線に見とれている彼女は言う、「なんか…」ぱちくりしている彼女は軽く鼻翼に力を入れては自分の熱くなっている体を冷やすかのように空気を吸い込んでいる彼女はぽつりと声を上げていた、「言い方が格好いいわ…」白野が言葉を言い終えてしまうと照れくさそうに項垂れている姿に、口角が上げられている和流は軽く笑って言う、「だ、だろう?」


  肩を縮めては軽く人差し指を突いている白野はチラッと額を上げてはドアの前に立っていた春菜に一瞥してしまい、ごくりと固唾を飲み込んでいた彼女はやはり男である和流に格好いい一面を見させて貰うべきだと思ってはぽつりと渇いた唇を開けていた、「誰が鳴らすの…?」「うっ…」まるで自分の体を打ち抜いて来ているかのような白野の一言に見開かされては絶句している和流、思わず彼女と春菜から視線を逸らしていた彼、白野に体を向けていた彼は自分の右側にある灰色の壁を見ながらぽつりと声を上げていた、「ぼ、僕は…ちょっと怖いな…」


  軽く右手の人差し指で頬を掻いている和流は怯んで仕舞った自分は情けないと思いつつ取り繕うかのように、自分が言っていた言葉を補足し始めている、「新は学校を休みになるぐらいなんだから…」両手を握っては真面目に自分の話を聞いてくれている白野のことを見つめている彼は苦い笑みを浮かべながら言葉を紡いでいる、「彼の家族が出てしまうだろうしさ…?」


  まるで和流が言っていた言葉に納得しているかのように首を縦に振っている白野、軽く人差し指を突いている彼女は和流が見知らぬ人の家に入るのを怖がるのも普通だと思いつつぽつりと声を上げていた、「あ、あたしも…」ぼんやりと後ろから聞こえて来る二人の会話に苦い笑みを浮かべている春菜、「私が鳴らすわ…」ぽつりと声を上げていた彼女はゆっくりと振り返っては宛ら自分の前にあるドアを怖がっているかのように離れていた二人の事を見つめながら言葉を紡いで行き、「っていうかお二人はちょっと離れすぎたんじゃないかな…?」軽く右手で自分の右側にあるボタンを指差している彼女は横目で二人の事を見ながら言葉を紡いでいる、「私がボタンを押すから少し近くにいたっていんだよ?」

  

  「う、うん…」春菜が口にした言葉をよくよく考えて見るとドアに近づかないと野黒新に会えなくなると思っている白野、右手を胸元に当てては自分の強く胸元を殴っているかのような感触に耐えながら、軽く息を吸い込んではぽつりと唇を開けていた彼女は言う、「春菜ちゃんがそこまで言うのなら…」恐る恐ると右足の足先を前に向けて踏み出している彼女は小首を傾げては自分の話を待っている春菜に視線を向けながら声を上げていた、「傍にいてやらんこともないがな…?」


  白野の手をつないでから彼女と一緒にドアに向けて歩こうと思っていた和流、彼女が春菜に言っていた言葉をぼんやりと聞いていた彼、口角がまるで彼女が紡いだ言葉に斜め下の方向に向けて引っ張られているように感じている和流、苦笑いしている春菜に一瞥していた彼は、白野に視線を向けて行きながら声を上げている、「別にそこまでは言ってないだろう…彼女は。」


  「ううう…」和流が自分に言っていた言葉に歯を噛んで仕舞いそうになっている白野、「だって…怖いんだもん…」ピンク色の艶やかな唇を尖らせている彼女は不満そうに和流に目を向けながら弱っている声を上げてしまい、「なんか変な奴が出てきたらどうするのよさ…!」白野の戦慄している声に左側の眉毛を上げられているような気がしている和流、「そ、そんなことを言わないでよ!」強く鼻翼に力を入れている彼は猛然と右手を胸元に当てては大きな声を上げている、「僕だって怖いんだからね!?」


  右手の人差し指で呼び鈴を押そうと思っていた春菜、和流が大声で宣言していた一言にくすぐられては思わず笑い声を上げてしまいそうになっている彼女、口角が緩んではぼんやりと目を半開きさせて、二人のやり取りを見ている彼女、二人の怖がっている姿勢が少し面白く感じつつ、自分の事を忘れてはお互いの事しか見えていない二人に少しの意趣返しをしようと考えている彼女、「二人って…」右手の人差し指を立てている彼女は軽く口角を上げながら声を上げている、「似た者同士なんだね?」


  春菜が浮かんで来るまるで自分たちの事を迎えに来ているかのような笑みにごくりと固唾を飲み込んでいた和流、「ほ、ほら、」いつまでも彼女に待たせるのは悪いと思っている和流、軽く右手を白野に向けて出しては彼女の戸惑っているかのような瞳を見つめている彼は恥ずかしさを抑えながら声を上げていた、「手を繋ごう?」右手を白野に向けて外側に向けて振っている彼は言う、「そうしたら少し落ち着けるはずだからさ?」


  自分の左側に向けて出していた和流の右手に一瞥していた白野、恐る恐ると左手を彼の繊細な右手に向けている彼女は軽く首を縦に振ってしまい、「う、うん…」まるで自分の事を逃さないようにしているかのように迷わずに自分が彼の手に触れていた瞬間で、強く自分の左手を握ってくれていた和流の行動に見開かされている白野、ぱちくりしている彼女は黙々と自分の左手を握ってはドアに向かって歩いて行く和流の横顔を見ながら声を上げて行き、「あたしとおててをつなぎたいならそう素直に言えばいいのにさ?」


  白野が上げていたまるで自分に甘えて来ているかのような一言に見開かされている和流、猛然と彼女に視線を向けている彼は恥ずかしそうに声を上げてしまい、「別にんな事を考えてねぇし…!」和流のまるで自分を正視するのを怖がっているかのような態度に目を細めては右手で唇を隠しながら流し目で彼の事を見ている白野は起伏している声を上げている、「怪しいな~口調が荒げてるぜぃ~?」宛ら緊張が和流のハニカム姿に奪われていたかのように思える白野、嬉々とした歩調で彼の隣りまで歩いていた彼女は軽く顔を彼に寄せて行きながら声を上げている、「和流きゅん~?」


  和流の唇を噤んでは自分の事を見ようとしないでいる姿に眉間に皺寄せては不満そうに鼻翼に力を入れている白野、唇をすぼめている彼女は左手に力を入れては和流の体を無理矢理止めてしまい、軽く伸び上げている彼女は目を細めて、彼の赤くなっている耳殻に息を吹いている、「ふ~」まるで自分の事をからかうのを諦めてくれないでいる白野の唇から漏れている甘い桃の香りと耳殻と鼓膜が蕩けているような感覚に歯を噛んでは、気持ち良さに体が宙を浮いてしまいそうに感じている和流、白野が体に入って来ていたかのような感覚に悔しそうに目を瞑って仕舞った彼は白野に顔を向けては大きな声を上げていた、「五月蠅い!」そう言うと彼は否応なしに白野の繊細な左手を引っ張っては前に向かって歩き出している。


  猛然と自分に近づいて来ている二人の姿を見つめている春菜、和流の真っ赤になっている頬を見てしまうと、右手で呼び鈴のボタンを押していなかったのは正解だったと思っている彼女は淡い笑みを浮かべては軽く右手で自分の唇を隠している。「そもそも…」目を細めている白野はチラッと横目で和流が自分の声に視線を引っ張られているかのように自分に目を向けて来ている黄色の瞳を見ている彼女はぽつりと声を上げている、「ぼーっと春菜ちゃんの後ろについて来たんだけど…」困っているかのような彼女は苦い笑みを浮かべながら自分たちの事を見てくれている春菜に視線を向けて行き、「どうやって帰るんだっけ…?」忽然、白野が紡いだ言葉にビクッと左側の眉毛が跳ねて仕舞った和流、彼女が今更こんな事を気にし始めているのかと思っている彼はついため息をついて仕舞いそうになっている。


  「あたし…」不安そうに右手を胸元に当てている白野は困っているような視線を和流に向けながら声を上げている、「道がわからないわよ…?」宛ら白野の不安を拭うかのように彼女の汗ばんでいる左手を握っている右手に力を入れている和流、「それは大丈夫だ、」軽く右手の人差し指で自分のこめかみを叩いている彼はまるで自分の話を信用していないかのように横目で自分のことを見て来ている白野に向けては、ニヤリと口角を上げて、自信に満ちている声を上げている、「僕がちゃんと覚えてたんだから、迷子にさせたりはしないよ?」背中をドアに向けては呼び鈴のボタンを押す気になれないでいる春菜、和流の自信に満ちている姿勢を見てしまうと思わず彼に拍手を送っている彼女は言う、「おおお、流石。」


  春菜の喜んでいる姿に一瞥した白野は目を半開きさせては内心の不安を声に乗せている、「本当か…?」白野の弱っている声を聞いてしまうと彼女は臆病だなと内心で思っている和流、軽く笑っている彼は左手を上げて行き、「迷子になるのも、」目を細めている彼は呆然と自分に頭を撫でられている白野のぱちくりしている姿を見ながら揺るぎない口調で言葉を紡いだ、「一緒になるだけの話さ。」軽く左手を彼女のピンク色の髪の毛から離れている彼は強く左手を握っては彼女に自信を付けるかのように声を上げている、「君を一人にしないよ?」


  和流がずっと自分の傍で自分のことを守ってくれると言っているような一言に心臓が鷲掴みにされているような気がしている白野、喉が心臓に殴られているように思える彼女、軽く鼻翼に力を入れている白野はつい内心の恥ずかしさに苛まれては彼から視線を逸らしてしまい、「な、何て頼もしい…」


  白野の怖がっていた姿と和流のまるで自分たちは危険なダンジョンに向かっているような反応に苦い笑みを浮かべている春菜、「大丈夫だよ?」二人の緊張を解したいと思いながら淡い笑みを浮かべている彼女は、ゆっくりと視線を自分たちの行く道を阻んでいるかのようなドアに向けながら声を上げている、「おじいちゃんに電話を貸して貰えばいいの話なんだし、」勝手に二人が帰る時のことも尋ねていないでただ野黒新に会えると思いに高ぶっていた気持ちで二人をここまで連れて来たのが申し訳なく思っている春菜、軽く右手の人差し指を立てている彼女は申し訳なさそうに左手を胸元に当てては自分に目を向けて来ていた二人に言う、「良ければ私が二人をまた学校まで案内するよ?」


  「い、いいよ…」春菜が言っていた言葉を耳にしてしまうと、つい彼女の胸元に一瞥した白野、目を細めている彼女は春菜の心臓病の事を思ってしまうとつい彼女に疲れて欲しくないと思ってしまい、「まだ新に会っていないのにもう帰る時の話をするのもなんか…」春菜の本気で自分たちを送ろうとしている眼差しから視線を逸らしている白野はぽつりと声を上げていた、「悪いしさ…」


  白野が春菜から視線を逸らしている姿に目を半開きさせている和流はつい左側の口角を斜め下の方向に向けてはぽつりと呟いていた、「君がその話をし始めてたんだろうがよ…」「ううう…」和流がいつも自分が言い返せない言葉を言って来ているように思える白野は思わず悔しそうに歯を噛んでは、右手の人差し指を呼び鈴のボタンに体を向けている春菜に向けては声を上げて行き、「呼び鈴を鳴らしてて春菜ちゃん…?」ごくりと固唾を飲み込んでいた彼女は緊張しているせいで体がやけに熱くなっているように感じつつ視線をドアに固定しては弱っている声を上げている、「どんな人が来るのかを…」和流のまるで自分に力を分けてくれるような右手を強く握っている彼女は足先に力を入れて言う、「見てみたいからさ…」


  「うん、」白野の人見知りの姿が可愛く見えている春菜、宛ら彼女に安心してもらえるようにと軽く首を縦に振っていた彼女は言う、「じゃ、行くよ?」強く右手を握ってはガッツポーズを取っている白野は強く頷いている、「こ、こい!」白野のリアクションを横目で見ていた和流、苦い笑みを浮かべている彼はぽつりと声を上げてしまい、「そんなに緊張する必要はないだろう…」白野の事を慰めると同時に自分の強く鼓動を刻んでいる胸元を左手で押さえている和流はドアを睨んでいるかのように声を上げている、「化け物が出るって訳じゃないあるまいしさ…!」


  後ろから聞こえて来る和流のまるでドアを脅迫しているような声に目を半開きさせている春菜、自分が急いで呼び鈴のボタンを押さないと、二人はドアに向かって喧嘩を売るんじゃないかと懸念している彼女は軽く繊細な人差し指でひんやりとした呼び鈴のボタンに突けていた。


  ”ピンポーン~”忽然、ドアの向こう側から伝わって来ている呼び鈴のまったりとした音に心臓が握られているように感じている白野と和流、宛ら約束したかのように同時に固唾を飲み込んでいた二人は微動だにしないドアを見つめている。「あいよ…ただいま…!」ドアの向こうから聞こえて来る宛ら荒んだ大地のような声色に眉間に皺寄せている白野、「なんか凄い疲れている声を上げてたんだけど…」まだ見ていない相手の事が心配になっている彼女はぽつりと声を上げていた、「大丈夫なのかな向こうの人…?」


  眉間に皺寄せている和流はドア向こうから聞こえて来るまるで仙人のような声色に戸惑ってはつい両手を握っている春菜の後ろ姿を見てしまい、「まさか住所を間違ってたりするのかな…?」和流のまるで自分の事を信じていないかのような一言に目を半開きさせている春菜、「私はそこまでおっちょこちょいってわけじゃないわよ…」ゆっくりと顔を二人に向けている彼女はまるでドアの向こうから段々自分たちに近づいて来ている足音を怖がっているかのように和流の後ろに左側の体を隠している白野に一瞥していた、「流石に何度も来たことのある家なら間違ってたりはしないわよ。」春菜が言っていた言葉は聞きながら彼女は確かにそんなおっちょこちょい女の子ではないと思っている和流、”カター”目を細めている和流は小気味いい音を立てていたドアが自分たちに向かって来ている姿を見つめている。

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