第十八話(翔悟視点) 俺が優斗を絶望に落とす理由

 俺と夜空さんは食器を洗うためにコテージの中に入り洗面台に立ち、夜空さんは食器を洗い始めた。


 俺はその食器を拭く係となった。


「あのさ……夜空さん……」

「は、はい……」とどこか怯えながら言う夜空さん。


 そんなに怯えなくてもいいのに……。

 よく優斗はこいつの心を開くことができたよなぁ……。


「夜空さんって好きな人とかいるの……?」


 俺がそう言うと夜空さんの手は止まった。


「そ、それは……います……」と頬を赤くしながら言う夜空さん。


 やはり、俺だな?

 火起こしの時も誰といる時よりも楽しそうに俺と話してくれてたし。

 そりゃー、好きな人の前で「好きな人誰?」なんて聞かれたらそうなるよな……。

 ありがとよ、優斗。

 チャンスを作ってくれてよ……。


 そう思うと俺の広角は自然とニヤリと上がっていた。


「へぇ……それって誰?」

「えっと……それは……」とモジモジしながら言う夜空さん。


 うわぁ〜たまんねー。

 やっぱり、夜空さんは完璧だわ。

 ヤりてぇ〜。

 秀のやつこいつと出来て幸せ者だな。

 まぁ、俺がこれからはこいつを思う存分に使うけど……。

 

 次の瞬間、俺は夜空さんの顎を右手で掴んだ。


「誰? 教えてよ……」

「そ、それは……」


 ドクンドクンと心臓は速くなるばかり。

 それもそうだ。

 俺からこうやって攻めるのは初めてだからだ。

 いつもは、女の方からくるけど……夜空だけは特別だよ。


「ん? 誰だよ……」


 さぁ言えよ……「翔悟さんです」ってよ……。

 そうすれば、俺はお前を最高の快楽を味合わせることも理想の彼氏として生きることもなんでもできる。

 だから、言えよ……。


「わ、私は……」

「ん? 私は?」

「ゆ、優斗くんのことがす、好きです……」

「は?」


 その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。


 なんで俺じゃないんだ……。

 

「なに言ってんだよ? あいつは玲と付き合ってんだぜ?」


 気づけば、完全に夜空さんに素を出していた。


「……」


 しかし、黙り続ける夜空。


 ちっ、少しはなんか言えよ……。

 これだから、影が薄い女はよ……せっかく可愛いのによ……。


「あいつの何がいいんだよ? 優しいからか? たしかにあいつは優しいさ……でも、それだけだよ。それに比べて俺はあいつより優れている」


 なんだろ……あいつの悪口言ってると気持ちが楽になる……。

 ぁあー、多分あれだ。

 あいつが嫌いなんだ……。


「あいつなんて、所詮ただのいい子ちゃんに過ぎない……そんなやつ、将来いいことあるか? いいや、ないね……。俺の方がいいだろ? 今でさえ、モテモテの俺は将来もっともっとモテるだろ? どうだ? そんな、すごい人の彼女にーー」


 俺がそう言うと次の瞬間、夜空は俺の顔をビンタした。


 パシンという音がコテージ内に響き渡った。


「ゆ、優斗くんの悪口を言わないでください!」


 そう彼女は泣き目で言った。


「たしかに、優斗くんは玲さんと付き合ってます。ですが、やっぱり私は優斗くんが好きです。たしかに、優斗くんは優しいだけです」


 こいつ、なに言ってんだ?


「なら、俺は優しい以外にもいろいろとあるだろ?」

「でも……優斗くんの優しさは自分の為ではなく人の為の優しさです。自分の自己満足の為なんかじゃない……優斗くんに救われたからこそわかることなんです!! だから……優斗くんの悪口だけは私が許しません……」


 へぇ……こいつ、あいつのことが好きなんだ……。


 そう思うと、俺は夜空さんに近づき……キスをした。

 それも、舌を入れて


 仕方ねぇな……こんだけ、熱くキスすればメス顔にでもなるだろ……。


 少し長く俺と夜空はキスをし、唇同士を離し俺は夜空の顔を見た。


 どうだ?


 しかし、夜空は俺に落ちたりなんてしなかった。


 夜空さんは俺を睨みながら。


「最低です……」と言った。


 あ……俺、嫌われたな………。


「昔の私なら今ここできっと、あなたに怯えて『好き』って言ってたと思います……でも、今の私は違う。優斗くんが私を救ってくれたから……だから、私は優斗くんが好きです……」


 なーに言ってんだこいつ……。


「なんだ? 俺はあいつに負けてるっつーのかよ!?」


 しかし、夜空はそんなことを無視して食器を洗い女子部屋に戻って行った。


「は、はは……」と俺はその場に座った。


 気づけば、目からは大粒の涙が流れていた。


 いつぶりだろう……涙が出たのは……。


 そして、俺は床を思いっきり叩いた。


 俺はあいつに負けてんのか?

 あんな、ただのお人よしの脳内お花畑によ……。

 あんな、鈍感な野郎に……。

 俺はまた、あいつに負けなければならないのかよ? 

 俺はまた、あいつに全てを奪われなきゃならねーのかよ……。


 俺はただただ、優斗を恨んだ。

 

 あいつのせいで、あいつのせいでーーー。


 俺は立ち上がりコテージのドアを開けた。


 すると、「おっ? 翔悟……うまく行ったか?」と心配している優斗がいた。


「は?」


 なんでそんな顔でいる?

 俺を馬鹿にしてるのか?


 俺はそう言うと一人外に出た。


  なんであいつなんだよ……あんなあんなやつ……。


 俺を嘲笑うかの様に振り始める雨。


「はは、はははッ」


 そんな中、俺はフラフラと歩いた。


 そして、俺は地面に両膝をつけた。


 お前のせいだ、お前のせいだ……全部お前のせいだ……。壊してやる、壊してやる……お前の大切なもの。全て壊してやる……。

 そうすればわかるだろ?

 人の大切な物を奪われた気持ちをよーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【告知】

しばらく、テスト週間に入りますので休ませていただきます。

きっと、10日後くらいに再開を予定していますのでお楽しみに待っていてください。

私事ですみません。


【日替わり彼女〜学年一の美少女に告白されてエッチした。でも、学年一の美少女は親友の彼女らしい〜】是非こちらも!

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