11話


ちょっと色々な事がありすぎて混乱しているけど、どうしようか?

ジョーが、魔力回路を解明した人?


「まぁそれは混乱するわよね、

 でもそれで私がなんであんな立派な舞台をすぐにユサにプレゼントできたかが説明つくんじゃない?


 私が、魔力回路の解明によって得たお金が山ほどあるのよ。

 だから、いつかそのお金を自分が守りたいって思った子のために使おうって思ってたの」


その言葉で脳裏に、ジョーが僕の顔や身体を舐めまわすように見て、でろんでろんに溶けたようになっている顔が浮かぶ。

僕の顔を見て、目の前のジョーが眉間に皺を寄せ、渋い顔をした。


「何を考えているのよ、あ、私の顔でも考えてる訳? 随分と失礼ね。

 でも、ユサなら許せるわよ? なんたって、私の可愛い可愛い息子……おっと失礼」

『嫌味かなんかですか』

「別に~?」


ジョーはそう言って、目の前にある大きなジョッキに注がれたコーヒーを啜った。

いつの間に頼んだのだろう。


「ちょっと話を戻すわ。

 で魔力回路。これは誰でもだけど、本格的、かつ実用的に自身の持つ魔力の中にある魔術回路を操れるようになるためには、自分自身の魔力回路の特徴を理解する必要がある。


 今からその特訓をするわね。まずは、目を閉じて」


僕は、ジョーに言われた通りに目を閉じた。

「次に、全身の細胞を活性化させるようなイメージをしてみて。

 もしそれで何も変化がなかったら、次は脳の中に詰まっている膨大な量のデータを引き出すイメージをしてみて。あなたなら出来るはずよユサ」


ジョーの掠れた低い声を聞きながら、僕は最初に細胞を活性化させるようなイメージをした。

変化はなし。


次に、脳の中に詰まっているデータ引き出すイメージをする。

水色に光っている脳の中の、この電気信号の中にある情報を引き出す。

無数の線の束のようになっている、脳の奥の、その奥の中にある電気信号を引き出せ。



そうイメージすると、体の中に流れている血液がぶわぶわっと沸騰したかと錯覚するように動き出した。

驚いて目を開くと、目の前にいたジョーがニヤリと笑った。



「お、感じたみたいだね。

 さすが私が一目惚れした美貌を持つ天才舞踊家、ユサくん?」

『茶化すのはほどほどにしてくださいね? それで、今のはなんですかジョー先生?』

そう返すと顔に微笑みを浮かべるジョー。

「お、いい感じに乗って来たじゃん。さすがだね。

 今のが魔力回路。まぁ細かく言うと魔力回路を構成している魔力信号が体の中で化学反応を起こしたときに起こる感覚だね」


『へぇ~じゃあ、魔力回路は魔力信号が無数の束になっている状態って事?』

今のジョーの言葉を僕なりの解釈でもう一度確認すると、ジョーは満足げに微笑んだ。


「うん。単純に言うとそうだね。流石天才舞踊家! 頭も良いじゃん。

 まぁ、分かりやすい例を挙げるとしたら、縄とか、ロープとかの構造に似てると思うよ。その一本一本をどういう風に組み合わせてどこまで大きくできるか。って事も重要だからね」


『なるほど、じゃあまずはこの魔力信号を上手く操れるようにならないとですね?』

「そうだよ、ユサ。よくわかったね」


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