小悪魔な天然エロの毒舌美少女を甘々美少女に変えてやろうとしたら、実はヤンデレだった件

浜辺夜空

制服越しの柔らかな胸


あー、今日も居るな‥‥‥


「へーいへーい!みなとくーん!なーにしてるのかなー?」


昼休みに、学校の外に置かれたベンチに座って携帯をいじっている俺に、アホっぽく話しかけくるのは、担任の女性教師、坂咲華さかさきはな先生だ。


「お昼食べてました」

「ウケる〜」

「なにが⁉︎」

「それな!」   

「え?あぁ、はい」


俺がこの梅坂うめざか高校に入学して一週間経った頃ぐらいから、昼休みになると毎日話しかけてくるようになった。

いつもよく分からないテンションで話しかけてくるのも迷惑だし、なにより、この先生はズバ抜けて美人で、二人で話していると他の男子生徒から敵意剥き出しの目で見られるから本当に迷惑だ。

長い黒髪に、ぱっちり二重の目。胸が小さいところを除けばスタイルも抜群だが、スカートじゃなくて普通のスーツってのはマイナスポイントだ。


みなと

「はい?」


呼び捨てなのか、くん付けかハッキリしてくれ。呼ばれるたびに違和感感じるわ。


「いつも一人だけど、友達いないのか?いないよね!やっぱり?」

「まだなにも言ってませんけど!」

「それにさ、美玲みれいと食べれば?」


本当に余計なことを言う先生だ‥‥‥

俺は入学してから、外のベンチで携帯をいじりながらパンを食べるのが日課になっているが、毎日ほぼ同じタイミングでここにやってきて、右隣りのベンチを一つ飛ばしたベンチに座って、今も淑やかに、パンを少しずつ千切って食べている黒髪美少女の坂咲美玲さかさきみれい

同じ一年生とはいえ、女と二人でお昼を食べるとか難易度が高すぎる。


「俺は一人でいいんですよ」

「それじゃ、これからは私が一緒に食べてあげる〜!」

「嫌ですよ!」

「私も嫌だわ‼︎」

「はぁー⁉︎」


なんだ‥‥‥?


美玲の方から殺気のようなものを感じて、さりげなく美玲に視線を向けると、ただでさえ鋭い目つきが更に鋭くなり、こっちを睨んでいた。

恐怖のあまり、思わず顔を逸らして、地を歩く蟻の行列を見つめながら必死に考えた。


どうしてだ‥‥‥どうして俺を睨んでる‼︎

いや?先生を睨んでるのか?そういえば、先生の苗字と美玲の苗字って同じだよな‥‥‥美玲のお姉さんとか⁉︎


「先生先生」

「んー?」


口元を美玲に見られないように、手で隠しながら小さな声で先生に聞こうとした時‥‥‥


「お姉ちゃん」

「なーに?美玲みれいちゃん?」


聞くまでもなかった〜‼︎


「男子生徒に色目を使って、恥ずかしくないの?」

「私は教師として、みなとが一人でいるのを気にかけるだけだよ」

「他の先生とか生徒の目もあるって考えないの?」

「なら、美玲みれいみなとと友達になってあげなよ」

「なんで私がこんな男と」


こんな‥‥‥男‥‥‥さらっと失礼なこと言われたんですけど‼︎


「知ってるよー?みなとのことを気にかけてるから、毎日近くでお昼ご飯を食べてるってこと」

「くだらない。私は教室に戻るから」

「バイバーイ」


美玲は怒って校内に戻っていってしまい、姉妹の歪みのようなものを感じざるえなかった。


「もしかして、美玲と仲悪いですか?」

「嫌われてるのかもな」

「なんかしたんですか?」

「さぁ?根本的に相性が悪いのかも」

「はぁー」

「湊って、屋上に大きめなプレハブがあるの知ってるか?」

「あー、はい。一回だけ屋上行った時に見ました」

「今日の放課後に行ってみろ」

「嫌です」

「なんで⁉︎」

「美玲が居るって直感が言ってるからです!こんな男って言われたんですよ⁉︎」

「だーいじょーぶ!扉は静かにこっそり開けてね!バイバーイ!」

「自分勝手すぎません⁉︎」


本当に行ってしまった。

性格が良ければ禁断の恋をしていてもおかしくなかったのに、あの先生はダメだ。


それから、屋上に行くつもりはなかったが、どうしても気になって放課後に屋上にやってくると、プレハブの扉の前に【立ち入り禁止】の張り紙が貼られていた。

それを見て、更に好奇心が勝ってしまい、しゃがみながらドアに耳を当ててみると‥‥‥


「ん〜♡あっ♡そこ♡そこそこ♡」


な‥‥‥なーにが行われているんですか〜⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎


先生に言われた通り、静かに扉を少しだけ開けて中を覗くと、美玲は黒く大きな椅子に座り、頭だけが見えている状態だった。


「んぁ♡いいっ‥‥‥誰?」


バレた⁉︎なんで⁉︎


「先生ですか?」

「い、いや‥‥‥」


恐る恐る立ち上がると、美玲が座る椅子の目の前には、縦長の鏡が置かれていて、開いた扉がばっちり見えていた。


「立ち入り禁止の文字が読めなかったの?読めなそうな顔してるものね」

「どんな顔だよ」

「鏡があるでしょ?」


思いっきり悪口言われながらも鏡に映る自分の顔を見つめてみる‥‥‥


「目つき悪いな」

「私と同じね」


確かに美玲も目つきが悪い。なのに美人で、尚更近寄りがたい雰囲気を放っていて、友達といるところを見たことがない。


「貴方とは少し話してみたかったし、今回は許すわ」

「まぁでも、まだ入ってないしセーフだろ」

「許すと言っているのだからアウトでもいいじゃない」

「まぁ。てかさ、な、なにしてたんだ?」

「マッサージ機で体をほぐしていたのよ?」

「あー、なるほど」


よかったー!あの美玲が放課後に校内で不純な行為する奴だったら興奮するところだったわ!いや、違う違う。落ち着け俺。


「って、学校にマッサージ機⁉︎」

「卒業した先輩方が残していった物らしいの」

「へー。ここってなにする場所なんだ?」


マッサージ機に鏡、横長のテーブルにパイプ椅子が4つ。なんかの部室なのだろうか。


「ここは私の秘密基地」

「丸見えだけど」

「なにを見て言っているの?警察呼ぶわよ」

「秘密基地ですけど⁉︎」


そんな露骨に胸隠すな‼︎てか、坂咲先生はペチャなのにお前は凄いな‼︎成長期バンザイ‼︎


「おっ!来てたか湊!」

「あ、先生」


坂咲先生は屋上にやって来ると、俺の背中を押して、秘密基地とやらの中に入って扉を閉めた。


「勝手に入らないでくれる?」

「ここの担当なんだからいいでしょ?」

「この男を入れるなと言っているの」


さっき許すって言ってたじゃんかよ‼︎


「あ、あの、俺のこと嫌いだったりする?」

「嫌い」 

「あ、はい。ここが屋上でよかったわ」

「おいおい湊!飛び降りる気じゃないだろうな!今カメラ持って来るから少し待て!」

「ブラックジョークすぎるよ!悪趣味!姉妹揃ってなんなんだよ!」

「なんかうるさい男は無視して説明しよう」

「いじめ?いじめですか?」


美玲が坂咲先生を睨んでいるが、坂咲先生は何も気にせずに話を始めた。


「ここは生徒を地獄に落とす活動をしている場所!」

「はい?」

「美玲がそう決めたんだよ。それで、今日から湊にもこの活動に参加してもらいまーす!」

「聞いてませんよ!そもそも地獄に落とすってなんですか⁉︎」

「人に絶望を与えるのよ?」

「性格悪っ‥‥‥」

「あはははは!」

「なんですか!」


いきなり笑い出した坂咲先生は、俺の頭をポンポンと軽く叩き始めた。


「なんでもない!それじゃ、今日から二人で頑張れ!」


そう言って坂咲先生は楽しそうにプレハブを後にした。


「‥‥‥行っちゃったな」

「貴方も出ていきなさいよ」

「了解」

「待ちなさい。今日から活動のメンバーなのでしょ?サボる気?」

「お前、よくめんどくさい女って言われない?」

「言われないわね。なんでだと思う?」

「分からん」

「めんどくさくないからよ」


やっぱりめんどくせぇ〜‼︎


「それより、私達は今日から仲間でしょ?ていうことは友達よね!」

「え、違うけど」


俺の知ってる美玲は、こんなに明るい表情をして楽しそうに話す女じゃない。

無愛想な表情で、周りの人間を寄せ付けない女だ。


「それならお互いに素の自分を見せましょ!」

「話し聞いてるか?あと、俺はこれで素だ」

「だから友達がいないのね」

「お前もだろ⁉︎」

「私は自分の意思で作らないのよ」

「俺と友達とか言ってただろ」

「質問に質問で返すような形になって申し訳ないけれど、貴方も作らないだけじゃないかしら」

「まぁ、一人で居た方が楽だしな」

「なら、私と友達になるというのは貴方にとっての地獄のはずよね?だから友達になってあげる!」

「嫌だ!怖い!なに考えてんだよ!さよなら!」

「やーだ!」


プレハブを出ようとすると、美玲は俺の左腕にガシッとしがみついて腕を引っ張り始めた。


「離せ!」

「やだ!私達は友達!私と一緒に沢山の人を地獄に落としましょ!」

「断る‼︎」

「なら、私の胸に触れた罪で警察に突き出すわ」


慌てて気づかなかったが、俺の腕は制服越しでも分かる柔らかな胸に、ガッツリ挟まれていた。

ラッキースケベとか、そういうのじゃない。俺は女性に触れることすら初めてで、完全に硬直してしまったが、早く逃げ出したい気持ちと、この時よ永遠に続いてくれという気持ちが脳内を交差する。

そんな俺を見つめて、美玲はニヤリと悪い表情を浮かべた。


「どうする?」

「わ、分かったよ。一緒に活動す‥‥‥」

「す?」

「る」

「それじゃさっそく、明日から活動開始よ!えいえい!おー!」

「おっ、おー‥‥‥」


なにやら俺は、地獄とやらに巻き込まれたらしい。

美玲も想像と違って明るい性格みたいだし、仲良くはなれるかもしれないけど、校内一の美少女と二人で居るのが‥‥‥気まずすぎて汗が止まんねー‼︎

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