孤独が、家族と金を天秤に掛けさせる。

 定年退職するまでひたすら嫌な上司に苛められてきた主人公は、定年後の人生を 自宅で一人で過ごすことにした。妻には先立たれ、子供は独立している。
 そんな主人公のもとに「聖闘士(セイント)」にならないか? という誘いが来た。聖闘士なんて言っているが、要は地域ボランティアの集まりだった。新入りは「青銅聖闘士」で、徐々にレベルアップしていくらしい。
 いつの間にかこのボランティアの仕組みに魅了された主人公は、「黄金聖闘士」になるべく、ボランティア団体の創立者に賄賂を送り続けるのだが……。

 孤独にさいなまれた人間の弱さが描かれます。

 是非、御一読下さい。

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