三章:青春の呪い
第12話 水探偵
そこには
これで終わりよ・・・・
水はその金槌を勢い良く振り落とした――
これは今から少し先に依頼を受けた事件を解き明かす際の出来事である。
◇
時を
天音と水はとある行きつけのカフェに来ていた。
「マスター、いつもの頼むよ」
そう言った天音のもとに運ばれてきたのは味噌ラーメンであった。
「おいマスター、今日の俺をよく見ろ! スーツに身を包んだハードボイルド探偵がカフェでラーメンはないだろー? 」
「ハードボイルド? ゆで卵欲しいのか? 」
「違うわバカタレ!! 」
「マスター、私は醬油ラーメンで」
「あいよ! 」
「それと水もそこは醬油じゃなくてカフェっぽいものを注文するんだよ! 」
美咲商店街から少し離れた場所に位置するこのカフェ、フレゥーレは町のみんなからマスターと呼ばれているこのいかにもラーメン屋のような格好をしている少しふくよかな
「マスター、俺は焼肉定食で」
「俺はカレー大盛りで」
「あいよ~」
カウンターに座っていた天音と水は目の前で調理しているマスターを見ながらラーメンをすすっていた。天音は箸を置いて思わずため息をついた。
「なあ、マスター……ここってカフェだっけ?」
「そうだ、他と違って定食屋にあるようなメニューは全部出せるけどな! わーっはは」
「まあ俺も似たようなことやってるから何も言えねーけどよ。ギャップがすげーのよマジで。なあ水?」
「こーゆー変わった店が好きそうな知り合いの先生に今度紹介しとくわ」
「…………」
カランカランッ
「お、来てるな純! 」
急いで店に入ってきたのは警部の千賀白だった。今日天音たちは急遽千賀に呼び出されてこのカフェで待ち合わせをしていたのである。
「おう千賀。組織の件か? 」
「今日はそっちじゃないが、それも今の事件が片付いたら話したい。その事件を探偵に頼みたい。これを見てくれ」
『25日、北高校に通う女子生徒の
その翌日、その女子生徒と同じバスケ部のあるメンバー達に全員呪い殺すという内容の文書が届いた。その後メンバーの1人が何者かに背中を押されて階段から落ち、右手と右足が骨折の重症を負う』
「本当かこれ……」
「自殺で亡くなった女子生徒はどうやら低い身長をいじられ続けてそれがいじめに繋がって、…………。呪いなどは存在しねーとは思うが、これから起こりうる事件を未然に防ぎたいんだ」
「死んだ女子生徒の霊が復讐のために部活メンバーを殺してくってか……? でもこれh」
「私がやるわ! 」
「水!? 」
「水ちゃんがか!? 」
「いじめとかそーゆーのほっとけないの私! 」
水は急いでラーメンを食べ終えて会計を済まし、天音と千賀を連れてそのバスケ部のメンバーに北高校まで行って、話を聞くことになった。
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