第56話

「大丈夫だって、前は初めてだし仕方ないよ」


「そうですね、頑張ります」


そうしてナギは近くで震えているスライムに向けて近づいていった。


「えいっ!」


ポヨン


フルフル…


ナギのナイフがスライムに当たらなかった。

スライムは避けて震えている。


「ナギ、1つ質問だ」


「なんでしょう?」


「何故声を出す?」


俺はそれに疑問を思った。

声を出せば当然バレる。


「えぇと…なんか出さなきゃいけないかな…と」


「分かった。あれだろ?勇者とかのイメージで、はぁぁぁ!とか声を出すイメージでやっているんだろ?」


ナギはなんとなく分かったようだ。


「その声が戦争だったりしたら、狙い撃ちにされるぞ」


力が入ると言えば嘘になるが…まぁ不安などは無くなる…と思う。


「ナギ、お前は声を出さなくてもいいんだぞ?」


「はい…」


少し落ち込んでいる。

そこにサナが話しかけてきた。


「良いですか?例えば貴方が持っているナイフ。これを上手く使うと…こうです」


シュッ


パァァン


サナの投げたナイフが、スライムの核に直撃した。


「す、凄い…」


「これをナギは出来るようになるのです。練習すれば…だから頑張りましょう!」


「は、はい!」


「じゃあ最初は倒せなくても良いです。取り敢えず1撃で決めれるよう頑張りましょう!」


「はい!」


俺はふと思った。


「なぁ、バル…」


「なんじゃ?透」


「明らかにサナの時と、俺の時の反応違うんだけど…」


「あぁ…頑張るのじゃ」


「泣けてきたよ…」


「何故、くよくよしてるのじゃ?前を向け!前を!」


「そうだな…」

_________________________________________

読んでくれてありがとうございます。

応援よろしくお願いします。


評価をくれると嬉しいです。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る